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{{User sandbox}}
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== 文面 ==
'''男の娘'''(おとこのこ、{{Lang-en-short|Otokonoko}}、{{Lang-zh-short|偽娘}})とは、
<div style="writing-mode:tb-rl;height:300px;border:1px solid #000;padding:10px;">これは不幸の手紙といって沖縄から順に私のところに来た死神です。カナダ人が考えたそうです。貴方のところで止めると必ず不幸が訪れます。テキサスの人は止めたので五年後に死にました。貴方も三十時間以内に文章を変えないで二十九人の人にこの手紙を出してください。私は○○○番です。<br >「不幸の手紙の呪縛力」より引用<br/><br/>これは不幸の手紙です。<br />受取った人は、これと同じ手紙を一週間以内に十人の人に送らなければなりません。<br />■■小学校六年二組の■■さんは、手紙を止めてしまったため、十日後に交通事故で死亡しました。<br />無視すれば、あなたにも必ず災いが降りかかります。<br >「学級会で禁止された『不幸の手紙ごっこ』より引用、伏せ字は原文ママ</div>
 
「<span translate="no">男の娘</span>(おとこのこ)」という言葉は、「少年」を意味する「<span translate="no">男の子</span>」の「<span translate="no">子</span>」の字を、「少女」を意味する「<span translate="no">娘</span>」の字に置き換えたものである。
== 定義 ==
{{Pie chart
| caption = 雑誌・新聞における「男の娘」「女装少年」「女装子」記事の二次元/三次元の割合{{fontsize|smaller|(2006 - 2014年)}}{{Sfn|吉本|2015|p=211}}
| value1 = 80.7
| label1 = 三次元
| value2 = 3.6
| label2 = 二次元/三次元
| value3 = 15.7
| label3 = 二次元
}}
「男の娘」という言葉が登場したのは2000年代に入ってからのことであるとされる。2000年ごろに匿名掲示板「[[2ちゃんねる]]」に書き込まれたのが初出であるという説があり、椿かすみ{{Sfn|椿|2015|p=192}}・来栖美憂{{Sfn|来栖|2015a|p=6}}らが紹介している{{efn2|森瀬繚は、初めて「男の娘」の使用が確認されたのは2002年9月、PINKちゃんねる(2ちゃんねるの成年指定板)においてであったとしている{{Sfn|森瀬|2010|p=75}}。}}。「子」を「娘」と書いて「こ」と読ませる発想はそれ以前から存在し、来栖によればルーツをはっきりさせるのは不可能に近い{{Sfn|来栖|2015a|p=6}}。この言葉は2006年9月9日に開催された同人誌即売会の名称「男の娘COS☆H」の一部として、初めて記録に残る形で使用された{{Sfn|椿|2015|p=192}}。「COS☆H」第1回の開催概要は「女装・ふたなり・女体化・異性への憑依などをした「男の娘」の同人誌即売会」であった{{Sfn|椿|2015|p=194}}。「男の娘」という言葉は明確な定義がされないまま{{Sfn|来栖|2015b|p=32}}、[[インターネットスラング]]、[[インターネット・ミーム]]として広まった{{Sfn|来栖|2015a|p=6}}。
 
メモ
二次元文化に端を発した「男の娘」がメディアで紹介される機会は、2009年以降、増えていった{{Sfn|吉本|2015|p=210}}。ところが、その多くは三次元の「男の娘」、つまり現実に存在する男性の女装であった{{Sfn|吉本|2015|p=210}}。「オカマ」「ニューハーフ」「女装少年(男子)」「女装子」など、似た意味の言葉は従来から多く存在していた{{Sfn|泉|2015|p=176}}。その中で「男の娘」が広く人口に膾炙した背景には、用語問題があった{{Sfn|永山|2015|p=154}}。侮蔑的・差別的なニュアンスを含む「オカマ」のような言葉に対し、人々は敏感になっていた{{Sfn|永山|2015|p=154}}{{efn2|一例。{{Quotation|{{Interp|……|notooltip=1|和文=1}}敢えて本書を『「男の娘」たち』と名づけた。さもなければ、あの忌まわしい「オカマ」という差別用語を使わざるをえなくなる。言わば、苦肉の策である。|川本直}}}}。そこで決定的だったのが、[[永山薫]]によれば、「男の娘」の登場であった{{Sfn|永山|2015|p=154}}。「婉曲的で、未だ手垢も付かず、ふわふわしていてカワイイ感じの「男の娘」が多くの人々のオトシドコロとして選択された」のである{{Sfn|永山|2015|p=154}}。時にはマーケティングの都合から「男の娘」が使用されることもあった{{Sfn|あしやま|2015|p=114}}。
 
== ビフォー ==
したがって、「男の娘」の定義は、論者により様々である。
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== アフター ==
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|+
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! 論者
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! 定義
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! 出典
12.80% 385.072 70 Template:Cite_book_ja
|-
7.41% 223.061 50 Template:Efn2
| style="white-space:nowrap" | 日高利泰
7.24% 217.817 50 Template:Efn
| そもそも「男の娘」とは一体何なのか。漠然とした共通理解として、それが女の子のような外見をした少年(とりわけ美少年)を指して用いられるということはわかる。
5.16% 155.383 25 Template:Cite_web2
| {{Sfn|日高|2015|p=158}}
4.56% 137.354 2 Template:Side_box
|-
4.18% 125.656 1 Template:表記揺れ案内
| style="white-space:nowrap" | 水野麗
4.10% 123.315 1 Template:Ambox-mini
| 女の装いをしてもしなくても少女のように見える少年、「男」かつ「娘」なのが「男の娘」である。
| {{Sfn|水野|2015|p=200}}
|-
| style="white-space:nowrap" | 来栖美憂
| 「男の娘」というワードはもともとネットスラングであり、2010年代に入って一般に普及した。『大人限定 男の娘のヒミツ』によると「きれいな女装少年」を指し示す言葉であり、女装をしてはいるがどこかに「男」の要素を必ず残していることが肝心であるという。([[田中東子]]による解説)
| {{Sfn|田中|2015|pp=124-125}}
|-
| style="white-space:nowrap" | [[柴田英里]]
| 「男の娘」といっても色々ある。元々は漫画やアニメなどの二次元文化において発生した、「女性にしか見えない容姿(及び内面)を持つ少年・青年キャラクターおよび彼らへの萌え要素」であったが、近年では次元を超えて、さらに容姿や内面に関係なく、女装行為を行う男性の総称としても定着してきた。
| {{Sfn|柴田|2015|p=131}}
|-
| style="white-space:nowrap" | 椿かすみ
| 現在、一般的に《男の娘》は「女装する男性」全般を指す言葉となっている。
| {{Sfn|椿|2015|p=192}}
|-
| style="white-space:nowrap" | 溝口彰子
| {{Interp|三次元の|notooltip=1|和文=1}}「男の娘」は、性自認も生殖能力も男性のままで、着衣時の外見的には若くてかわいい女性に見え、なおかつ、女性と男性の両方をセックス・パートナーとする精力的な男性であるという、これまでになかった組み合わせをアピールする呼称であるようなのだ。
| {{Sfn|溝口|2015|p=168}}
|-
| style="white-space:nowrap" | 川本直
| 「男の娘」という言葉は二次元――コミック、ゲーム、アニメ、ネット、同人誌など――から生まれたスラングで、その言葉を使用する際には、細心の注意が必要である。{{Interp|……|notooltip=1|和文=1}}しかし、私はこれらの反論をすべて退け、「男の娘とは、生まれた時の生物学的性別が男性だった“トランスジェンダー”のことである」と規定する。
|
|-
| style="white-space:nowrap" | 樋口康一郎
| 2000年代以降、オタク文化/サブカルチャーの領域で「男の娘」と呼ばれる中性的な少年の表象が多く読者の人気を獲得し、現在ほぼ一般化している。「男の娘」は、一見、美少女に見える容姿を持ちながらも、性別は男性であるような少年であり、必ずしも女装しているとは限らない。
| {{Sfn|樋口|2015|p=85}}
|-
| style="white-space:nowrap" | 吉本たいまつ
| 現在の二次元表現に現れる「男の娘」は、非常に多様である。外見については「見た目は美少女」という点でほぼ共通している。しかし、内面の設定は様々である。「見た目は美少女だが内面は男らしい」という、非常にゆるい共通認識はあるが、女装に対する認識や性自認などはキャラクターごとに違う。内面の設定から「男の娘」を定義することは難しい。
| {{Sfn|吉本|2015|pp=210-211}}
|-
| style="white-space:nowrap" | 宮本直穀
| 「男の娘」は「女装少年」「ロリショタ」などの概念と一部が重なりながらもニュアンスは異なる。ざっくり'''「作品の受け手にとって女の子っぽさが可愛らしい少年」'''という、あくまで外部からの評価語というくらいに、まずは捉えておいてほしい。
| {{Sfn|宮本|2017|p=209}}
<!-- 上と重複orあまり重要でない
|-
| style="white-space:nowrap" | あしやまひろこ
| 男の娘という語は、概ね虚構の存在を示している。
|
|-
| style="white-space:nowrap" | ITmedia NEWS
| 「男の娘」とは、女装した男性や、女の子にしか見えないような男性(主に2次元キャラ)を指す言葉。
| <ref>[https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1111/21/news124.html 「男の娘☆」の商標登録が認められていた]</ref>
-->
|}
 
=== 調子がいいバージョン ===
[[ファイル:Venn A subset B.svg|left|thumb|150px|泉の概念図。Aが「男の娘」、Bが女装行為者全体。]]
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泉信行は、従来のオカマ・ニューハーフなどの言葉は、女装という「行為」が主体となって付けられるものであったとし、行為の成否までは問われなかったと指摘する{{Sfn|泉|2015|p=176}}。泉は「似合わなくても呼び方は変わらないので、むしろ似合っていない例こそが悪目立ちしてきた。{{Interp|……|notooltip=1|和文=1}}だが逆に、「男に女装は似合わない」という保守的な思い込みが乗り越えられてしまえば、もうそれを従来の言葉では表せなくなってくる。」と述べ、女装行為者が「男の娘」であるかどうかは見る側が決めるものであると結論している{{Sfn|泉|2015|pp=176-177}}。
100.00% 2424.684 1 -total
 
38.76% 939.823 967 Template:Sfn
{{Quote|「男の娘」は、まず第一に「女子にしか見えない/女子より女装が似合う」といった容姿への賛辞が前提としてある。{{Interp|……|notooltip=1|和文=1}}「充分に女子として'''見られる'''」という「見る側」の視点から呼ばれる言葉なのだ。|泉信行{{Sfn|泉|2015|pp=176-177}}、出典の強調は傍点}}
17.24% 418.131 2 Template:Reflist
 
13.09% 317.416 70 Template:Cite_book_ja
宮本も「外部からの評価語」である点を見抜いている{{Sfn|宮本|2017|p=209}}。水野麗も、「男の娘」という語のうちに「かわいい女の子にしかみえない」という審美的な基準が暗に内包されていることを指摘している{{Sfn|水野|2015|p=200}}。田中東子も『大人限定 男の娘のヒミツ』の定義文のうちに「少年」が「きれいに」(もしくは「かわいらしく」)「女装」をするという3つの要素が分かちがたく含まれている点に注意を向けている{{Sfn|田中|2015|p=125}}。「男の娘」はしばしば「女装少年」と混同される{{Sfn|水野|2015|p=200}}。水野によれば、それは「女装少年」という語も審美的な基準を含むものであり、「男の娘」同様、かわいらしさという条件を最重要視するためである{{Sfn|水野|2015|pp=199-200}}。
7.50% 181.741 50 Template:Efn2
 
7.32% 177.544 50 Template:Efn
一定の共通認識が存在するにもかかわらず、「この言葉の定義をめぐる領域は、銃弾飛び交う戦場にも似てい」ると川本直は述べる。以下は、主人公が女装して女学園に潜入するアダルトゲーム(いわゆる女装潜入もの)の開発者による座談会の発言である{{Sfn|BugBug|2016|p=151}}。
5.64% 136.785 25 Template:Cite_web2
 
4.85% 117.621 2 Template:Side_box
{{Quotation|東ノ助:『[[月に寄りそう乙女の作法]]』の情報を公式HPで解禁した時、主人公の紹介に「男の娘」って書いてあったんです。そうしたら発売後にユーザーさんから「朝日は男の娘じゃない!」ってお叱りをいただきました。{{Interp|……|notooltip=1|和文=1}}<br/>NYAON:実は私も『[[オトメ*ドメイン]]』のコンセプト紹介で湊を「男の娘」って書いてしまって、怒られました。}}
4.33% 104.898 1 Template:表記揺れ案内
 
4.24% 102.902 1 Template:Ambox-mini
井戸隆明は、「男の娘」という語のユーザーは、「男の娘」という概念に対しそれぞれなりの所有意識を持っていると指摘する{{Sfn|井戸|2015|p=190}}。「男の娘はこうだというふうに誰かに決められたくない、定義されたくないという無意識の欲望があるんじゃないか」と述べ、無理に定義せずに曖昧さを残しておくほうが望ましいと語っている{{Sfn|井戸|2015|p=190}}。
 
== 成立 ==
=== ブームへといたる流れ ===
==== マンガ ====
漫画表現においては「男性なのに女性の描画コードを使う」ことで受け手の認識を混乱させる手法が、[[手塚治虫]]の『[[リボンの騎士]]』(1953年)以降しばしば用いられてきた{{Sfn|吉本|2015|p=212}}。多くの専門家の見解が一致するところ、現在の「男の娘」の直接の先祖となる作品は、[[江口寿史]]の『[[ストップ!! ひばりくん!]]』(1982年)であるとされる。大空ひばりは事実を知らなければ美少女にしか見えない少年だった。吉本たいまつは、ここでも明示的な描画コードの転倒が行われていると述べる。ライターの来栖美憂は、[[江戸川乱歩]]の小林少年、[[横山光輝]]の『[[伊賀の影丸]]』の影丸の女装の頃には、既に一部に熱狂的なファンがついていたとしつつ、そこへ「大きな一石を投じ」ることになったのが『ひばりくん』であるとする。「ひばりくんの可愛さは衝撃的であり、彼が近代女装美少年文化の始点という評価に異を唱える者はまずいないだろう」と断じている。吉本は、『ひばりくん』では従来の作品より明確に「男の子でもかわいければ恋愛・性の対象にしてもよい」という視点が示されていると指摘している。
 
『ひばりくん』の後、描画コードの転倒は、少年漫画においてしばらく途絶えるが、『[[風と木の詩]]』『[[ここはグリーン・ウッド]]』など、少女漫画に一旦受け継がれる形で、一つの潮流として継続していった。そこへ登場したのが[[小野敏洋]]の『[[バーコードファイター]]』(1992年)であった。小学生向けの漫画雑誌『コロコロコミック』に連載された同作品のヒロイン役・有栖川桜は、容姿も行動も可愛い女の子であった。ところが読者の人気を十分獲得した後、桜が女装した男子であったことが公表される。永山は、このことが、桜を女の子と信じていた小学生読者の度肝を抜き、彼らにトラウマを与えたとしている。来栖はこの出来事を「オトコの娘史に残すべき大事件」と形容している。『バーコードファイター』では女装した男子が一貫して肯定的に描かれた。永山は、一部の読者に対しては「女装男子でも可愛いからいいのだ」「むしろ男の子の方がいい」という新しい扉を開いたと述べている。
 
==== ショタコン・ギルティギア ====
一方、アニメにおいては70年代初頭から、年少の男の子を愛好する動きがあった。いわゆる[[ショタコン]]である。特に大きな影響力があった作品として、吉本は『[[魔神英雄伝ワタル]]』(1988年)を挙げている。吉本は、『ワタル』によりショタ愛好が男女ともに顕在化していったといい、男の子が性的に「まなざされ」「消費」されるようになる契機になったと論じている。
 
そして、もう一つの動きが「ショタアンソロジー」であった。ショタアンソロジーとは、若者x小学校高学年くらいの少年、または少年x少年の性行為を描いた作品を集めた単行本である。最も多くの巻数が発行されたのが『ROMEO』であった(『ロミオの青い空』のロミオに由来する)。これらは、1999年に[[児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律|児童ポルノ法]]によりショタものも規制の対象になるという情報が流れたため、一度壊滅する。ショタアンソロジーは女性向けの性描写という側面が強く、2000年代初頭のBLへともっぱら繋がっていったが、現在の「男の娘」にはあまり繋がらなかった。しかしながら、吉本は、ショタアンソロジーにより、かわいい男の子が「性的に消費される存在」「性の客体」になっていったと分析する。
 
{{Bquote|ショタアンソロジーが果たした重要な役割は〈'''かわいい男の子を性的に消費する表現を確立した'''〉ことであった。|||吉本たいまつ{{Sfn|吉本|2015|p=214}}、出典の強調は傍点}}
 
ショタアンソロジーではキャラクターが女装している割合も低かった。男の子を女装させるメソッドが確立していなかったのである。女装という表現の定着はアーケード格闘ゲーム『[[GUILTY GEAR XX]]』(2002年)の登場まで待たなければならなかった。
 
{| class="wikitable floatright" style="font-size:smaller;"
|+ 2ちゃんねるにおけるブリジットスレッドの推移(吉本)
|-
! # !! 日付 || スレッドのタイトル
|-
! 1
| 2002年1月26日
| ブリジットが男確定、で自殺した奴の数→
|-
! 2
| 2002年2月11日
| ブリジットが男確定、で転生した奴の数<!-- → -->
|-
! 3
| 2002年3月6日
| 鰤たんと俺たちで創る理想郷
|}
吉本は、現在の「男の娘」の直接の先祖となるキャラクターは、『GUILTY GEAR XX』に登場する[[ブリジット (GUILTY GEAR)|ブリジット]]であるとしている。宮本もブームの軸を遡るとブリジットに行き当たると述べている。ブリジットは修道女風の服装に身を包んでおり、稼働前の情報では少女であると信じられていた。ところがその後、ブリジットが男であることが明かされたのである。この発表もまた大きな衝撃をもって迎えられた。吉本・宮本によれば、当初は否定的な反応が見られたが、次第に「男の子でも萌えるのでは?」という雰囲気へと変わっていったという。来栖の取材したところによれば、メーカーにはブリジットを「男の娘」として売り出す意図も、男であることをしばらく隠すつもりもなかった。しかし「実は男」という設定が反響を呼ぶことになった。
 
{{Bquote|ブリジットが果たした役割は、〈'''かわいい少年と女装を結びつけた'''〉ことにあった。|||吉本たいまつ{{Sfn|吉本|2015|p=215}}、出典の強調は傍点}}
 
[[File:Cosplayer of Bridget from Guilty Gear XX in Tokyo 20140321.jpg|300px|thumb|right|ブリジットのコスプレ。]]
ブリジットにより、かわいい少年を女装させたら一層「いい」ことが発見されたと、吉本は述べている。しかし、ブリジットの修道女風の服は体の線が隠れており、女性の服と男の子の体型がフィットしていなかった。吉本は、男の娘の描き方が確立されるまでには、もう少しの進歩が必要であったと解説している。ともあれ、結果としてブリジットは、「女装少年の先駆けとして定着」(吉本)していく。来栖は「男性向け女装少年」というジャンルがブリジットにより確立したと述べる。画像掲示板の「[[ふたば☆ちゃんねる]]」では、「こんな可愛い子が女の子のはずがない」という女装少年・男の娘を象徴する有名な言葉が生まれた。吉本によれば、このフレーズはブリジットに端を発している。そして2002年のうちに、ブリジット単独での同人誌即売会「鰤計画」(後に「計画」へと名称変更)が開催され、大盛況になった。鰤計画には後の「男の娘」ブームを支えることになる人々が多数参加していた。ブリジットは、後に「男の娘」文化を形成していく人々が交流する場を生み出したのである。
 
==== 百合 ====
多くの専門家が、特にアダルトゲームにおけるブームの背景に少女小説『[[マリア様がみてる]]』(マリみて)の男性人気があったことを指摘している。今俊郎は、アダルトゲーム市場のムーブメントは常に周辺市場と、それらの動きを後追いする形で連動してきたと解説する。『処女はお姉さまに恋してる』のブレイクも決して偶然ではなかったと述べ、『マリみて』のヒットが『おとボク』を生み出したと断じている。彼佐真近も、2005年時点で、女装美少年ものが急速に流行しだしたことは『マリみて』の影響が大きいと分析している。『マリみて』という下地があって女装美少年ものの流行が生まれたとしている。宮本も、『おとボク』の舞台・設定に、『マリみて』に通じるものを見いだしている。『マリみて』のブームと『おとボク』の登場も、時期的に符合していると指摘している。
 
==== アダルトゲーム ====
女装少年の広まりに、決定的な役割を果たしたのがアダルトゲームであった。2004年までは、アダルトゲームにおいて女装少年は賛否両論の存在であった{{efn2|2004年に発売された『はなマルッ!』のヒロイン役・桐島薫が男性であることは発売前は伏せられていたが、購入したユーザーの中にはメーカーに抗議する者もあったという。}}。その状況を大きく変えたのが、2005年に発売された『[[処女はお姉さまに恋してる]]』(おとボク)と『[[はぴねす!]]』だった。『おとボク』の主人公・宮小路瑞穂と、『はぴねす!』のサブキャラクター・渡良瀬準の2人は女装した男子であった。
 
{{Quotation|A:女装といえば、『おとボク』は当時、正直やられたと思った。マリみてを持ってくるアイデアとして、どうして自分では閃かなかったんだろうと。<br/>
 
B:2005年というと、ちょうどブリジットの影響が芽を出す頃ですね。|A、Bともにシナリオライター|『メガストア』}}
 
吉本は、瑞穂と準を「まさに「男の娘」と呼ばれるに相応しいキャラクター」と評している。来栖は、瑞穂と準が2000年代半ばを代表する「男の娘」であるとし、2人が同じ年に登場したのは偶然ではない趣旨を述べている。吉本は、この2人により、それまではっきりしなかった「男の娘とはどのようなものであるか」という基準が明確化されていったと論じている。
 
{{Bquote|瑞穂と準は〈'''男の娘の理想型のひとつを示した'''〉のである。|||吉本たいまつ{{Sfn|吉本|2015|p=216}}、出典の強調は傍点}}
 
『おとボク』と『はぴねす!』のヒットにより、女装ものはアダルトゲームにおいてブームを迎える。さらに、この2つの作品が2006年にテレビアニメ化されたことで、それまで成年向けコンテンツに触れることのなかった人々にも、「男の娘」的なキャラクター類型が存在することが広く知られるようになったのである(椿)。テレビアニメ『乙女はお姉さまに恋してる』は2006年の全アニメ作品を対象にした「このアニメがすごい! 2007」で13位に入賞した。宮小路瑞穂は第29回[[アニメグランプリ]]で男性キャラクター部門の11位にランクインした。
 
吉本は、特に準の果たした役割を評価している。メーカー公式サイトで「オカマちゃん」と紹介されていた準は、従来の女装少年とは一線を画した絵柄で描かれていた。ブリジットや瑞穂と異なり、目立たない程度に「男性らしさ」を主張していたのである。ここにおいてついに「「男の娘」の描き方が確立」(吉本)するのである。
 
{{Bquote|準は、〈'''男の娘の描き方を完成させた'''〉点で、重要な役割を果たしたのである。|||吉本たいまつ{{Sfn|吉本|2015|p=217}}、出典の強調は傍点}}
 
宮本も、二次元の「男の娘」の確立の基盤となったキャラクターの一人として準を評価している。吉本は、準の登場により、「男性の身体もまた、性的に消費される対象」となったとしている。
 
[[一迅社]]からムック『空想女装少年コレクション』『女装少年コレクション ゲーム編』『女装少年コレクション ゲーム編2009』が発行される。
 
==== 現実世界での女装の動き ====
まず、一般向けの漫画でも女装少年が注目されるようになる。[[志村貴子]]の『[[放浪息子]]』(2002 - 2013年)と[[宮野ともちか]]の『[[ゆびさきミルクティー]]』(2003 - 2010年)である。2作品とも、自分の男性ジェンダーに違和感を持っており、「女の子になりたい」と願う少年が主人公である。吉本は、これらが「かわいくなりたい」「女装したい」と考える三次元の男性に影響を与えたと考え、2007年以降の女装入門書の出版ラッシュを結びつけている。2007年、女装初心者向けの指南本『オンナノコになりたい!』が発売され、話題となる。女装を知らない、女装の情報を求めていた層に向けて編集されたもので、時代によって支持された(来栖)。2008年に『オトコの娘のたあめの変身ガイド』が続く。この動きは、アダルトゲームとともに、後述する「男の娘」専門誌へと繋がっていく。
 
2007年にはまた、女装メイド喫茶「{{読み仮名|雲雀|ひばり}}亭」が秋葉原に開店している。最盛期には6時間待ちの行列ができた。これがロイター通信によって報じられ、世界中に日本の女装文化が知られるようになる。
 
=== 「男の娘」ブーム発生 ===
 
==== ブームの前夜 ====
2006年以降、「男の娘」という存在が次第に認知され、一般化していく。
 
[[塩野干支郎次]]の『[[ブロッケンブラッド]]』(2006年)は、ドイツ人の血を引く美少年・守流津健一が魔法少女に変身させられ、さらにはアイドルとしてデビューさせられるという内容である。吉本は少年のかわいさが「搾取」「消費」される構図の存在を指摘している。
 
==== ブームの頂点 ====
2009年にかけて男の娘は急成長していく。「男の娘」という言葉が一般化し、「女装少年」という言葉を置き換えるようになっていく。
 
2009年のニンテンドーDS向けソフト『[[THE IDOLM@STER Dearly Stars]]』の主人公の一人は、女装した少年であった。
 
2010年、ついに「男の娘」の専門誌が創刊される。『[[わぁい!]]』と『おと★娘』である。「わぁい!」の元ネタも画像掲示板の書き込みである。誰かが「おちんちんランドはじまるよー」と書き込むと、別の誰かが「わぁい」と返す約束であった。『わぁい!』の編集者は『女装少年コレクション』を担当していた土方敏良であった。このことから、吉本は、アダルトゲームにおけるブームが「男の娘」ブームに直接繋がったと分析している。
 
「男の娘」マンガのアンソロジー、単行本が大量に発行される。発行ラッシュは2010年から2013年まで続いた。
 
==== 三次元の「男の娘」 ====
{| class="wikitable floatright"
| NEWTYPEの画像提供依頼を貼る
|}
2009年に「雲雀亭」のスタッフが独立する形で「男の娘カフェ&バー NEWTYPE」が開店する。2009年以降、「男の娘」に関するメディア報道が増えるが、吉本の調査によればそれらの多くが「NEWTYPE」を取材したものである。
 
佐伯順子の調査によれば、「男の娘」(および「女装子」)の新聞メディア初出は、2010年4月1日である。
 
{{Cquote|「ジョソコ」っていったい何? 「女装子」と書けば分かる通り、趣味で女装ファッションを楽しむ男性のこと。女性と見まがう美しい人もいて、今やテレビで特集が組まれたり、「男の娘」という言葉が生まれたりするほど広がり{{Interp|……|notooltip=1|和文=1}}。|4=「注目ワード ジョソコ」、『読売新聞』(2010年4月1日)}}
 
{{Cquote|アニメや少女漫画へのあこがれから、ファッションとして女装を楽しむ「男の娘」が秋葉原を中心に増えているという。一昔前なら秘密の薫りもした世界。インターネットの動画サイトなど、表現の場所が広がっていることが、風穴を開けたようだ。|4=「TOKYO発 女装はファッション 男の娘 増加中」、『東京新聞』(2010年4月1日)}}
 
== ブームの収束 ==
{{Image frame
| caption = 女装/男の娘とショタ系単行本・ムックの刊行点数の推移<br/>青:女装/男の娘、橙:非成年女装/男の娘、緑:ショタ
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| content = {{Graph:Chart
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| height = 200
| xAxisTitle =
| yAxisTitle = 点数
| type = line
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| x = 2003,2004,2005,2006,2007,2008,2009,2010,2011,2012,2013,2014
| y1 = 1,2,4,3,7,7,6,8,10,13,19,25
| y2 = 0,0,0,0,0,0,1,11,21,38,30,13
| y3 = 14,20,17,11,1,1,1,0,0,0,0,0
<!-- | y1Title = 女装/男の娘
| y2Title = 非成年女装/男の娘
| y3Title = ショタ -->
}}
}}
{{Image frame
| caption = 年毎の女装少年アダルトゲーム発売本数{{efn2|吉本の本文は2009年を42本としているが、吉本の調査方法に則って検討し、吉本のグラフの数値を採用した。}}
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| content = {{Graph:Chart
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| yAxisTitle = 作品数
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| showSymbols =
| x = 1993,1994,1995,1996,1997,1998,1999,2000,2001,2002,2003,2004,2005,2006,2007,2008,2009,2010,2011,2012,2013,2014
| y1 = 1,1,3,4,2,2,3,9,13,16,17,23,24,14,22,26,31,42,42,38,35,22
}}
}}
2015年現在、「男の娘」ブームは全体として収束状態にあり、井戸隆明は「低空飛行で安定」していると表現している。
 
2012年、前述の『ブロッケンブラッド』の連載が終了した。そして、専門誌の『おと★娘』が2013年5月に、『わぁい!』が2014年2月に、相次いで休刊を迎える。椿かすみは、少ないパイを奪い合った結果、売り上げが低迷したことを大きな要因として指摘している。井戸は2誌から「これ!という作品が生まれなかった」ためとしている。2誌で連載されていた漫画作品のうち、[[佃煮のりお]]の『[[ひめゴト]]』だけが他誌への移籍を果たしたが、それも2015年7月27日の第6巻が最終巻となった。椿はこれを「男の娘」ブームの「ひとつの節目」と述べている。
 
成年マークのつかない女装/男の娘の単行本刊行点数は2012年にピークを迎えたが、2014年に大きく減少した。吉本によれば、これは専門2誌が休刊し、アンソロジーも終了したため、作品の供給自体がなくなったためであるという。
 
アダルトゲーム業界では『おとボク』がヒットした直後の2005年の時点で、既にブームの早期終焉を危惧する声が上がっていた<!--{{R|jsc_2005}}-->。ゲームライターの彼佐真近などは「女装」と「美少年」以外の「何か」が必要になってくるだろうと警句を発していた。
 
{{Quotation|あとは企画力の勝負になると思うんですよね。例えば主人公の立場をどこに置くか、とか。ぶっちゃけ、大概どれも学園ものじゃないですか。既存の学園ものに、主人公の立場だけを単純に変えて、その女学園に放り込む、みたいな。そういうパターンを今後はもう少し変えていかないと、あっという間に飽和しちゃいますよ。|ミスターX|覆面座談会<!--{{R|jsc_2005}}-->}}
 
結局、2015年になり、アダルトゲームでは明らかにブームが終了に向かっていると吉本たいまつは結論した。椿は、「《男の娘》が有名になり、大量のシミュラークルが市場に投下され続けた」結果、オタクたちが単純に「飽きた」という可能性を指摘する。井戸隆明は、ブームの頃に面白いコンテンツがあまり出てこなかったと述べている。来栖は粗製濫造により全体の質が悪化したと分析する。作品数が増え、「男の娘」の意味するところが属性の一部にまで拡大した結果、「「女のキャラがただ男と言ってるだけ」というものに代表される、表層的に記号化され、物語も魅力も薄っぺらい平坦なキャラクター」が多くなり、創る側・観る側の双方に飽きを促したのだという。
 
吉本たいまつは、二次元表現における爆発的なブームは全体としては過ぎたとの見解を示す。吉本はしかし、成年コミックとコミックマーケットにおける増加傾向から、「男の娘」を性的に愛好する動きは、2015年の時点において継続していると分析している。来栖は、女装もののムーブメントがおよそ10年おきに発生してきたことを指摘する。「男の娘」的な文化はこれまでも何度か発生し、その都度消えていったものであると論じ、再来の可能性は十分にあるとしている。
 
== 成立の背景 ==
=== 文化・歴史的背景 ===
[[File:YamatoTakeru.jpg|thumb|ヤマトタケル([[菊池容斎]])。]]
[[File:C03-05-0018(平成27年お札まき1).jpg|thumb|八坂神社の「お札撒き」。]]
かつて、ユダヤ・キリスト教文化圏では、異性装・同性愛は禁忌とされていた。旧約聖書には男性同性愛を行った者は「必ず殺されなければならない」と記されている。イギリスで同性愛に対する罰が死刑から懲役刑に減じられたのは1861年のことであった。旧約聖書にはまた「女は男の着物を着てはならない。また男は女の着物を着てはならない」とも記されている。
 
1629年、江戸幕府が歌舞伎に女性が出ることを禁じたところ、男が女を演じる女形が生まれ、人気を博した。日本の伝統である神道・仏教には旧約聖書のような規範が存在しない。横浜市戸塚区の八坂神社には「お札撒き」という神事が2015年現在も残っており、女装した男性が撒くお札を人々が争うように拾う。このお札は、神主が授ける普通のお札より効力があると信じられているという。同様の男性が女装する祭礼は、東京都江戸川区の[[真蔵院 (江戸川区)|真蔵院]]で行われる「雷の大般若」、甲斐市竜王の三社神社で行われる「おみゆきさん」など各地に残っている。三橋順子は、これらの背景に、「女装してやった方が、効力がある」という信仰があるからではないかと推測している。
 
日本における「女装した少年」の起源は、『[[古事記]]』の[[ヤマトタケル]]に遡ることができることは多くの専門家が指摘している。ヤマトタケルは「御衣御裳」を身に着け「童女」に扮して宴席に忍び込み、[[熊襲]]を討つ。三橋はヤマトタケルなどを引き合いに出して、「女装すると、女々しく弱々しくなるのではなく、逆にパワフルになるようなのだ」と述べている。女装することで通常とは異なる力――「双性力」を授けられるというのである。これを三橋は「双性原理」と名付ける。双性とは「男でもあり、女でもある」ことであるといい、それは「神性」「聖」を帯びることにつながるため、一神教世界では根付きえなかったものであると続ける。三橋は、「男の娘」は「双性原理」が息づく日本だからこそ生まれた存在であると論じている。
 
一方佐伯は、「男の娘」現象はアニメ・少女漫画といったポップカルチャーと強く結びついており、まったく新しい女装現象であると分析する。この女装は性別越境の手段ではなく、コスプレの一種であったことが社会的寛容に繋がったと述べている。
 
=== メカニズム ===
男性のプレイヤーが女性キャラクターに感情移入するにあたっては、外見と性感の決定的な乖離が障害となる。『おとボク』の人気を分析した椿かすみは、そこに「視覚で受容される男性の解離」があると論じている。宮小路瑞穂、一般に「男の娘」とは、決定的な乖離を飛び越えるための手掛かりとして、男性器を具えた存在として描かれているのだという。
 
{{Quotation|80年代末期から囁かれてきたことなんですが、エロ漫画の作者、読者というのは実は女の子になりたいんじゃないかということがあるんですね。
 
男性向けエロ漫画には、だいたい四半世紀、長めに見積もって半世紀の歴史があるんですけれども、そこで繰り返し描かれてきたのは、結局女の子が気持ちよくなっている画像ばかりなんですね。そうすると、やっぱり一所懸命頑張っている男になるよりは、気持ち良くなっている女の子になったほうが得だよねという意識がどこかで働いているのではないかと思います。
 
そこに、やはり男が女の感覚をシミュレートするのは難しいので、ペニスも残しておきたいということで、ふたなりブームやシーメールのブームが来るわけです。ただ飛躍が大き過ぎる。そこでショタ=少年の身体ということになるわけですね。
|永山薫}}
 
{{Quotation|ぼくにはおまんこが味わっている快楽は味わえないが、ちんぽの快感は熟知している。だから女性からちんぽが生えていれば、それだけ感情移入しやすい。|二村ヒトシ}}
 
椿は、男性器の描写が男性プレイヤーの二面的な欲求を視覚的に満たす役割を担っていると分析し、「男の娘」とは男性器を晒すことを必然とする存在であると論じている。来栖は「男の娘」の一番のポイントは、見た目が女性でありながら、男性器があるという点に集約されると断じる。男性器が感覚を繋げてくれるのである。
 
=== 社会的背景 ===
[[File:Women-Only Car Sticker.JPG|thumb|left|220px|女性専用車両の表示。]]
2000年代においてオタク文化は一貫してフェミニズム的な批判に晒されてきた。しかし、「男の娘」はもはや少女を欲望の対象にしていない点で、これまでのオタク文化の欲望とは一見異なるように見える。
 
現代の百合ブームは男性読者も支持している点が大きく異なる。久米依子は、オタク男性たちには「少女のコミュニティに紛れ込み戯れたいという願望が潜んで」いると述べている{{Sfn|樋口|2015|p=87}}。樋口は「〈百合〉文化を受容したオタク男性たちは、〈少女〉を賛美する文化において、〈少女〉の清らかさに同一化した果てに、男性性を醜いものとして嫌悪して「所有」の欲望を廃棄し、〈少女〉に「なりたい」という憧憬の欲望を持つに至った」と説明している{{Sfn|樋口|2015|p=88}}。男がそういう願望を抱くのは変だという「男らしさ」の規範が、これまでそうした欲望を抑圧してきたにすぎないというのである{{Sfn|樋口|2015|p=87}}。「女の子になりたい」という願望が、客体化する方向において広範な支持を獲得したものが、二次元の「男の娘」であるとしている{{Sfn|樋口|2015|p=91}}。
 
{{Quote box
| quote = 背広は嫌い! 思いっきり嫌いっ!
| source = —小マダム風の40代男性{{Sfn|毎日新聞|2013}}
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| width = 16em
}}
{{Pie chart
| caption = 成人自殺者の男女比率(2015年)
| align = left
| value1 = 69.3
| label1 = 男性
| color1 = #1f78b4
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| label2 = 女性
| color2 = #fb9a99
}}
[[毎日新聞]]は2013年、三次元の「男の娘」の背後に「「生きづらい男社会」の現実や、男でいることの閉塞感が、現実の社会の映し鏡のように」存在している可能性を報じている{{Sfn|毎日新聞|2013}}。同志社大学教授(比較文化)・[[佐伯順子]]は、「男性は『稼がなければ』とプレッシャーがかかるのに、一部の女性は、結婚して経済的に男性に依存する生き方も許される。不況で労働環境が厳しくなり、そんな女性の役割に『逃げ込みたい』と考える男性がいる」と述べる{{Sfn|毎日新聞|2013}}。[[二村ヒトシ]]も、男性たちが「“男”であろうとすることが、めんどうくさい」「“男”という役割を降りたい」あるいは「“男”であることは醜い」と思っていると推測している{{Sfn|二村|2015|p=208}}。佐伯は、2015年の論稿において、三次元の女装は、いまだ男性が主流的に担わされている生計や社会的責任からの解放を希求するものであるとしている{{Sfn|佐伯|2015|p=83}}。男性に対する抑圧・男性の自殺の増加など、日本社会の深刻な「男性問題」がブームの背景にあるとしている{{Sfn|佐伯|2015|p=83}}。
 
{{Quotation|自らが女性に扮してかれらから性的な目線で見られる時、私は男性としての評価の外にいることができた。男性の評価とはつまり、社会的地位、収入の多寡によって決まるものだ。(中略)なんの仕事をしているの? 年収いくら? 男性として生きるということは、常に働き続け、世間からの評価を勝ち取り続けることだ。|井上魅夜|『化粧男子 男と女、人生を2倍楽しむ方法』(2012年){{Sfn|田中|2015|p=129}}}}
 
水野麗は「男の娘」が支持を得ていることの背景に[[ミソジニー]]や[[ホモソーシャル|ホモソーシャリティ]]があると推測している{{Sfn|水野|2015|pp=200-201}}。共感もできず理解もできない異性よりは、同性と共に過ごす方が居心地がいい。しかし、異性愛の傾向を持っている場合は、男性グループの中にいるだけでは満足できない{{Sfn|水野|2015|p=200}}。「男の娘」は、このジレンマを解決してくれるというわけである{{Sfn|水野|2015|p=200}}。二村も、上述の不満が、女装という行為か、客体としての「女を、ではなくて“美しい男の娘”を」愛したいと思うことに繋がると論じている{{Sfn|二村|2015|p=209}}。
 
もうひとつ、吉本が指摘している背景がある。1991年から92年にかけて起こった「[[有害コミック騒動]]」の結果、男女の性行為を描いたコミックには「成年マーク」が付けられることになった。吉本は、この成年マークがショタアンソロジーの成立に密接に関わっていたと分析している{{efn2|成年マークの導入により、成年コミックはかえって売り上げが伸びた。成年マークが付いている本はエロ本であることを保証されたためである。成年コミック市場は急拡大し、多様な表現が可能になったため、ショタアンソロジーが生まれたと吉本は分析している。さらに、ショタアンソロジーの性描写は男性同士であったために、成年マークを免れた。ショタアンソロジーは女性も購入しやすく、若者でも手に取ることができたのである。}}。
 
== 評価・影響 ==
泉信行は、「男の娘」という言葉が用いられているとき、実は「女子に見えるという状況とは何か」こそが問われているのだと指摘している。泉は「男の娘」は「女子(美少女)とはこういうものだ」という強い規範・理想の上に成り立っていると主張する。樋口康一郎は、「男の娘」は美少女キャラクターを中心とするサブカル分野に大きなインパクトを与えたとしつつ、実際にはこの表象は、オタク男性たちの性的嗜好の根本的な変化が現れたものではなく、彼らの文化の前提となってきた異性愛の、あくまで延長線上に出現したものに過ぎないと論じる。「男の娘」はジェンダーとしての女性性に対する保守的な価値観がなお残存していることを、逆説的に物語っていると指摘している。
 
吉本は、特に二次元の「男の娘」により「男でもかわいければよい」「むしろ男だからよい」という考えが広まったとし、同性愛を無条件に忌避していた状況に変化が現れていると述べる。一方、「男の娘」はあくまで性的に消費される対象であることにも注意を促しており、「そこには消費する男性>消費される「男の娘」という、不均衡な関係が内包されている」と論じている。そして三次元の「男の娘」においても、この不均衡の存在は無視しがたいであろうとしている。
 
三次元の「男の娘」について、田中は「フェミニスト的な立ち位置からすると{{Interp|一見|notooltip=1|和文=1}}アンビバレントな解決策であるように思え」るとしている{{Sfn|田中|2015|p=129}}。佐伯は「男女平等のゆがんだ方向の一つ」であると指摘している。女装してリラックスしたいという男性当事者の欲求が、日本社会の「男性問題」の裏返しであるならば、「男の娘」の出現をジェンダーフリーな社会の到来として楽観視することはできないと警告を発している。
 
樋口は、上述した問題にもかかわらず、単に少女を賛美していた時代から、百合文化を経て「男の娘」へとたどり着いたことは、異性愛制度が(我々に)強制する規範を克服していく過程として捉えることができると肯定的に評している。「男の娘」は、傷つきやすく弱い内面を持つ現代の男性たちが、自己愛と向き合うなかで、他者との関係性・他者への想像力を広げる契機となっており、「男の娘」作品群にもそうした要素が見いだせると述べている。
 
=== 新語・流行語大賞 ===
2010年、[[新語・流行語大賞]]に「男の娘」がノミネートされた。なお、2014年には「女装子」もノミネートされている。
 
=== 商標問題 ===
2011年9月、「男の娘☆コンベンション」という同人誌即売会のイベントが、イベントの名称である「男の娘☆」を商標登録していたことが判明し(井戸)、「業界ゴロ」のようなニュアンスで伝わったため、騒動になった(来栖)。これは前述の「男の娘COS☆H」の関係者によるものであった(永山)。やがて即売会の自衛のためのものだったことが判明すると、騒動は鎮静化した。
 
== 代表的な作品・キャラクター ==
{{Notice|「[[Wikipedia:独自研究は載せない]]」の方針に従い、信頼できる情報源で直接的かつ明示的に「'''男の娘'''」として言及されている事例だけを記載してください。|date=}}
「用語自体はここ10年ほどの間に広まった比較的新しいものだが、指示対象となる存在自体は、マンガ史的にはもっと遡ることができる。ただし、「男の娘」という概念を拡張し、過去の作品をも遡及的に含み込んでいくことは適切ではない。」(日高利泰)
 
「また「男の娘」は歴史的に構成されてきた呼び方だが、そう呼ばれる前から、かわいい少年や女装する少年はいた。こうしたキャラクターを現在の「男の娘」の定義に当てはめるのは難しい。」(吉本たいまつ)
 
{| class="sortable wikitable"
|+ 二次元の「男の娘」
! 発表年
! 作品
! キャラクター
! 論者
! class="unsortable" | 備考
|-
| 1978年
| [[パタリロ]]
| [[マライヒ]]
| 来栖美憂{{Sfn|来栖|2015c|p=55}}
|
|-
| rowspan="3" | 1982年
| rowspan="3" | [[ストップ!! ひばりくん!]]
| rowspan="3" | 大空ひばり
| 井戸隆明
| rowspan="3" |
|-
| 来栖美憂{{Sfn|来栖|2015c|p=51}}
|-
| あしやまひろこ{{Sfn|あしやま|2015|p=116}}
|-
| rowspan="2" | 1992年
| rowspan="2" | [[バーコードファイター]]
| rowspan="2" | 有栖川桜
| 井戸隆明
| rowspan="2" |
|-
| 来栖美憂{{Sfn|来栖|2015c|pp=50-51}}
|-
| 1986年
| [[ここはグリーン・ウッド]]
| 如月瞬
| 来栖美憂{{Sfn|来栖|2015c|p=52}}
|
|-
| 1987年
| [[らんま1/2]]
| [[早乙女乱馬]]
| 来栖美憂{{Sfn|来栖|2015c|p=53}}
| 来栖は異論の存在は認めている。
|-
| 2002年
| [[GUILTY GEAR XX]]
| [[ブリジット (GUILTY GEAR)|ブリジット]]
| 来栖美憂{{Sfn|来栖|2015c|p=54}}
|
|-
| rowspan="2" | 2002年
| rowspan="2" | [[放浪息子]]
| rowspan="2" | 二鳥修一
| 日高利泰
| rowspan="2" |
|-
| あしやまひろこ{{Sfn|あしやま|2015|p=116}}
|-
| rowspan="2" | 2003年
| rowspan="2" | [[ゆびさきミルクティー]]
| rowspan="2" | 池田由紀
| 来栖美憂{{Sfn|来栖|2015c|p=57}}
| rowspan="2" |
|-
| あしやまひろこ{{Sfn|あしやま|2015|p=116}}
|-
| rowspan="3" | 2005年
| rowspan="3" | [[処女はお姉さまに恋してる]]
| rowspan="3" | 宮小路瑞穂
| 吉本たいまつ{{Sfn|吉本|2015|p=216}}
| rowspan="3" | 森瀬は「女装少年」であるとしている。
|-
| 椿かすみ
|-
| 来栖美憂{{Sfn|来栖|2015a|p=17}}
|-
| rowspan="4" | 2005年
| rowspan="4" | [[はぴねす!]]
| rowspan="4" | 渡良瀬準
| 吉本たいまつ{{Sfn|吉本|2015|p=216}}
| rowspan="4" |
|-
| 椿かすみ
|-
| 来栖美憂{{Sfn|来栖|2015a|p=17}}
|-
| 森瀬繚
|-
| 2006年
| [[ブロッケンブラッド]]
| 守流津健一
| 吉本たいまつ{{Sfn|吉本|2015|pp=217-218}}
|
|-
| 2007年
| [[バカとテストと召喚獣]]
| 木下秀吉
| 樋口康一郎
|
|-
| 2007年
| [[おと×まほ]]
| 白姫彼方
| 樋口康一郎
|
|-
| 2009年
| [[僕は友達が少ない]]
| 楠幸村
| 樋口康一郎
|
|-
| 2009年
| [[これはゾンビですか?]]
| 相川歩
| 樋口康一郎
|
|-
| 2009年
| [[プラナス・ガール]]
| 藍川絆
| あしやまひろこ{{Sfn|あしやま|2015|pp=116-117}}
|
|-
| rowspan="2" | 2009年
| rowspan="2" | [[THE IDOLM@STER Dearly Stars]]
| rowspan="2" | 秋月涼
| 来栖美憂{{Sfn|来栖|2015c|p=50}}
| rowspan="2" |
|-
| 吉本たいまつ{{Sfn|吉本|2015|p=218}}
|-
| 2010年
| [[げんしけん|げんしけん 二代目]]
| 波戸賢二郎
| 来栖美憂{{Sfn|来栖|2015b|p=32}}
|
|-
| 2011年
| [[やはり俺の青春ラブコメはまちがっている]]
| 戸塚彩加
| 樋口康一郎
|
|-
| 2012年
| [[俺、ツインテールになります。]]
| 観束総二
| 樋口康一郎
|
|-
| 2012年
| [[ひめゴト]]
| 有川ひめ
| 椿かすみ
|
|-
| 2014年
| [[プリパラ]]
| レオナ
| 来栖美憂{{Sfn|来栖|2015b|p=32}}
|
|}
 
{| class="sortable wikitable"
|+ 三次元の「男の娘」
! 活動年
! 名前
! 論者
! class="unsortable" | 備考
|-
| rowspan="4" |
| rowspan="4" | [[大島薫]]
| 井戸隆明
| rowspan="4" |
|-
| 二村ヒトシ
|-
| 溝口彰子
|-
| 田中東子{{Sfn|田中|2015|p=126}}
|-
|
| 加茂碧唯
| 田中東子{{Sfn|田中|2015|p=126}}
|
|}
 
=== 人気投票 ===
専門誌『わぁい!』では読者アンケートを集計して「男の娘」キャラクターの人気ランキングを作成していた。2010年7月に発表された第1回のランキングを以下に示す。
{| class="wikitable"
|+ 『わぁい!』の人気ランキング
! 順位
! style="width:34%;" | 作品
! style="width:12%;" | キャラクター
! 順位
! style="width:34%;" | 作品
! style="width:12%;" | キャラクター
|-
! rowspan="2" | 1
| rowspan="2" | バカとテストと召喚獣
| rowspan="2" | 木下秀吉
! 6
| [[國崎出雲の事情]]
| 國崎出雲
|-
! 7
| [[花と乙女に祝福を]]
| 月丘晶子
|-
! 2
| 処女はお姉さまに恋してる
| 宮小路瑞穂
! 8
| おと×まほ
| 白姫彼方
|-
! 3
| はぴねす!
| 渡良瀬準
! 9
| [[H2O -FOOTPRINTS IN THE SAND-|H{{sub|2}}O -FOOTPRINTS IN THE SAND-]]
| 八雲はまじ
|-
! 4
| プラナス・ガール
| 藍川絆
! 10
| [[るいは智を呼ぶ]]
| 和久津智
|-
! 5
| [[まりあ†ほりっく]]
| 衹堂鞠也
! 11
| [[処女はお姉さまに恋してる 2人のエルダー]]
| 妃宮千早
|}
 
=== キャラクターのパターン ===
 
=== 視点の問題 ===
 
== 日本以外の国における「男の娘」 ==
 
== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
=== 注釈 ===
{{Notelist2|2}}
=== 出典 ===
{{Reflist|2|refs=
<!--
<ref name="otonyan_v10">[[#otonyan_v10|「来栖美憂のオトコの娘名作批評 第3回“バーコードファイター”」、『おと★娘』VOL.10、283頁。]]</ref>
<ref name="mitsuhashi">[[#mitsuhashi|三橋順子、『ユリイカ』2015年9月号。]]</ref>
<ref name="taimatsu">[[#taimatsu|吉本たいまつ、『ユリイカ』2015年9月号、210-224頁。]]</ref>
-->
}}
 
== 参考資料 ==
* {{Cite book |和書 |editor=土方敏良 |title=空想女装少年コレクション |publisher=一迅社 |date=2005-07-01 |isbn=978-4758010382 |url= |ref=jsc_2005}}
** {{Wikicite |ref={{Sfnref|今|2005}} |reference=今俊郎「女装美少年ゲーム 今後はこうなる!」、74頁。}}
** {{Wikicite |ref={{Sfnref|彼佐|2005}} |reference=彼佐真近「男性から見た女装美少年、女性から見た女装美少年」、75頁。}}
** {{Wikicite |ref= |reference=「緊急! 覆面座談会」、80-85頁。}}
* {{Cite journal |和書 |journal=[[メガストア]] |volume=<!-- 18 --> |issue=<!-- 6 -->2010年6月号 |publisher=[[コアマガジン]] |date=2010-04-17}}
** {{Wikicite |ref={{Sfnref|森瀬|2010}} |reference=[[森瀬繚]]「エロゲー人の基礎知識 Vol.13 “男の娘パラダイス!?”」、73-78頁。}}
* {{Cite journal |和書 |journal=[[わぁい!]] |volume= |issue=Vol.2 |publisher=[[一迅社]] |date=2010-07-24 |ref=waai_v2}}
* {{Cite book |和書 |title=おと★娘 |volume=VOL.7 |series=ミリオンムック |publisher=[[ミリオン出版]] |date=2012-04-26 |isbn=978-4813065944}}
** {{Wikicite |ref= |reference=来栖美憂「おと★特製 オトコの娘年表」、103-105頁。}}
* {{Cite book |和書 |title=おと★娘 |volume=VOL.10 |series=ミリオンムック |publisher=ミリオン出版 |date=2013-02-18 |isbn=978-4813067252 |url= |ref=otonyan_v10}}
* {{Cite book |和書 |author=川本直 |title=「男の娘」たち |publisher=‎[[河出書房新社]] |date=2014-09-25 |isbn=978-4309246741 |url= |ref=}}
* {{Cite book |和書 |title=大人限定 男の娘のヒミツ |series=マイウェイムック |publisher=マイウェイ出版 |date=2015-07-09 |isbn=978-4865113792}}
** {{Wikicite |ref={{Sfnref|来栖|2015a}} |reference=来栖美憂「「男の娘」と「ボクら」の歴史」、6-31頁。}}
** {{Wikicite |ref={{Sfnref|来栖|2015b}} |reference=来栖美憂「男の娘的なものの分類」、32-38頁。}}
** {{Wikicite |ref={{Sfnref|来栖|2015c}} |reference=来栖美憂「名作に見る様々な男の娘たち」、49-57頁。}}
* {{Cite journal |和書 |journal=[[ユリイカ (雑誌)|ユリイカ]] |volume= |issue=2015年9月号 特集=男の娘 —“かわいい”ボクたちの現在— |publisher=[[青土社]] |date=2015-08-27 |isbn=978-4791702947}}
<!-- ** {{Wikicite |ref={{Sfnref|ふみ・秀|2015}} |reference=[[ふみふみこ]]×秀良子「女装男子は一日にしてならず、いわんや男の娘をや」、56-68頁。}} -->
** {{Wikicite |ref={{Sfnref|三橋|2015}} |reference=[[三橋順子]]「トランスジェンダー文化の原理 双性のシャーマンの末裔たちへ」69-76頁。}}
** {{Wikicite |ref={{Sfnref|佐伯|2015}} |reference=[[佐伯順子]]「“男性差別”社会の癒やし 女装男子の歴史と現在」、77-84頁。}}
** {{Wikicite |ref={{Sfnref|樋口|2015}} |reference=樋口康一郎「「女の子になりたい男」の近代 異性愛制度のなかの〈男の娘〉表象」、85-92頁。}}
** {{Wikicite |ref={{Sfnref|大島|2015}} |reference=[[大島薫]]{{fontsize|smaller|(聞き手:編集部)}}「超克される性/別 〈男の娘〉という存在論」、93-104頁。}}
<!-- ** {{Wikicite |ref={{Sfnref|阿久津|2015}} |reference=阿久津槇太郎「〈かわいい〉をめぐるエポケーとその諸条件」、105-109頁。}} -->
<!-- ** {{Wikicite |ref={{Sfnref|さつき|2015}} |reference=さつき「男の一生よりも刺激的な女の一夜」、110-113頁。}} -->
** {{Wikicite |ref={{Sfnref|あしやま|2015}} |reference=あしやまひろこ「女装と男の娘の容姿と身体」、114-121頁。}}
** {{Wikicite |ref={{Sfnref|田中|2015}} |reference=[[田中東子]]「自由と抑圧のはざまでかわいさを身にまとう」、122-130頁。}}
** {{Wikicite |ref={{Sfnref|柴田|2015}} |reference=[[柴田英里]]「ヘルマフロディトスの身体 オブジェとしての男の娘は如何にして誕生し、何を求めるのか」、131-138頁。}}
<!-- ** {{Wikicite |ref={{Sfnref|幾夜|2015}} |reference=[[幾夜大黒堂]]「境目と境界の漸近線 『境界のないセカイ』の向こう側」、139-146頁。}} -->
** {{Wikicite |ref={{Sfnref|永山|2015}} |reference=[[永山薫]]「大きな声ではいえないオトコノコ漫画の秘密」、147-157頁。}}
** {{Wikicite |ref={{Sfnref|日高|2015}} |reference=日高利泰「彷徨う者たちの倫理 来るべき志村貴子論のために」、158-166頁。}}
** {{Wikicite |ref={{Sfnref|溝口|2015}} |reference=溝口彰子「BLに「男の娘」がいないわけ 「BL進化論」の立場から考える」、167-175頁。}}
** {{Wikicite |ref={{Sfnref|泉|2015}} |reference=泉信行「男の娘のメカニズム その見られ方、読まれ方」、176-181頁。}}
** {{Wikicite |ref={{Sfnref|井戸|2015}} |reference=井戸隆明{{fontsize|smaller|(聞き手:編集部)}}「“オトコノコ”はどこにいる」、182-190頁。}}
** {{Wikicite |ref={{Sfnref|椿|2015}} |reference=椿かすみ「魅せ(られ)た男たち 《男の娘》10年の軌跡」、191-198頁。}}
** {{Wikicite |ref={{Sfnref|水野|2015}} |reference=水野麗「「男の娘」への愛と傷と鏡」、199-204頁。}}
** {{Wikicite |ref={{Sfnref|二村|2015}} |reference=[[二村ヒトシ]]「彼女から生えているのは「ぼくのと同じちんぽ」だ」、205-209頁。}}
** {{Wikicite |ref={{Sfnref|吉本|2015}} |reference=吉本たいまつ「ショタ・女装少年・男の娘 二次元表現における「男の娘」の変遷」、210-224頁。}}
* {{Cite book |和書 |author=宮本直穀 |title=エロゲー文化研究概論 増補改訂版 |publisher=総合科学出版 |date=2017-04-25 |isbn=978-4881818596 |url= |ref={{Sfnref|宮本|2017}}}}
* {{Cite journal |和書 |journal=[[BugBug]] |volume=<!-- 25 --> |issue=<!-- 12 -->2016年12月号 |publisher=[[サン出版]] |date=2016-11-02 |ref=bugbug_201612 }}
** {{Wikicite |ref={{Sfnref|BugBug|2016}} |reference=「女装主人公ヒミツの座談会」、149-155頁。}}
* {{Cite news |和書 |author=鈴木敦子 |title=ストーリー:女子化する男たち |newspaper=[[毎日新聞]] |pages=1・4頁 |date=2013-02-17 |edition=東京朝刊 |ref={{Sfnref|毎日新聞|2013}}}}
 
== 関連項目 ==
* [[異性装]]
** [[女装]]
* [[少年愛]] - [[少年性愛]] - [[ショタコン]] - [[ロリショタ]]
* [[おかま]] - [[ニューハーフ]]
* [[トランスジェンダー]] - [[トランスセクシャル]] - [[性同一性障害]]
* [[陰間]] - [[女形]] - [[衆道]]
* [[男性差別]]
 
== 外部リンク ==
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