「あさしお型潜水艦」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
 
(3人の利用者による、間の3版が非表示)
71行目:
このことから、まず単年度計画となった[[1961年|昭和36年]]度計画で、1,600トン型の「[[おおしお (潜水艦)|おおしお]]」が建造された。同艦は、海自がアメリカから貸与されて運用していた初代「[[くろしお (潜水艦・初代)|くろしお]]」の代艦であったことから、同規模である1,600トン型への大型化については大きな議論は生じなかった。
 
続く[[第2次防衛力整備計画]]での潜水艦については、対潜水艦戦に従事する1,100トン級のSSMと、侵攻部隊の威力圏内においても哨戒、偵察行動ができ、しかも潜水艦及び水上艦船に対する攻撃能力にも優れた1,600トン級SSLの2種類の潜水艦建造の構想があり{{Sfn|海上幕僚監部|1980|loc=§§10 多用途護衛艦の登場/2次防艦の建造}}{{Efn2|1,100トン級SSMは建造計画から消えたが、おやしお改型として{{Sfn|中名生|2006}}、静粛性を重視し水測性能の向上を図った単軸艦という構想であった{{Sfn|海上幕僚監部|1980|loc=§§10 多用途護衛艦の登場/2次防艦の建造}}。}}、海上自衛隊は後者を推進していた。[[海原治]]防衛局長から疑義が呈されたのに対し、兵装・水上速力・水中速力および航続性能の各側面について綿密な検討を重ねた結果、1,600トン型での建造が認可された。これによって建造されたのが本型である{{Sfn|中名生|2006}}。
 
なお、本型以降、作戦任務が第一とされ、[[対潜戦]]訓練での[[標的艦]]任務の比重は軽くなった{{Sfn|海人社|2012}}。
77行目:
== 設計 ==
=== 船体 ===
本型の設計は、「おおしお」(36SS)のものがほぼ踏襲されている。ただし水上速力を重視し、耐圧殻内を2層の甲板としたため、艦の長さが大となり、長さと幅の比(L/B)は約11となった。また、従来より長くなった潜望鏡を格納するためセールの高さは高くなり、その装備位置を艦の転心付近に置き、旋回圏の縮小が図られた{{Sfn|海上幕僚監部|1980|loc=§§10 多用途護衛艦の登場/2次防艦の建造}}。
 
船型は水中高速型の航洋型潜水艦、船体構造も、複殻式を基本として、スリム化のため最後部を単殻式とした部分単殻式である。燃料兼バラストタンク(満載燃料タンク)を設置して航続距離の延伸を図ったのも36SSと同様である。耐圧殻の材料も同様で、[[降伏 (物理)|降伏]]耐力{{Convert|46[[重量キログラム#重量キログラム毎平方メートル|kgf/mm<sup>2</sup>]] / 451[[メガmm2|M]]MPa|abbr=on|lk=on}}の[[パスカル (単位)SM52W|Pa]]のNS46調質[[高張力鋼]]である{{Sfn|幸島|2006}}{{Sfn|幸島|2012}}。ただし排水量は同艦より約50トン増加した{{Sfn|海上幕僚監部|1980|loc=&sect;§10 多用途護衛艦の登場/2次防艦の建造}}。
 
なお、[[1965年|昭和40年]]度計画艦(40SS)については、アメリカ海軍の[[バーベル級潜水艦|バーベル級]]と同様の涙滴型船型・完全複殻式・1軸推進方式を採用した新艦型への移行も検討されたものの、運用実績と安全性を考慮して第2次防衛力整備計画以降に持ち越されたことから、40・41SSは本型の設計で建造されることとなった。[[1967年|昭和42年]]度計画の[[うずしお型潜水艦|うずしお型]]以降では、予定通りに涙滴型とされている{{Sfn|中名生|2006}}。
98行目:
{| class="wikitable" style="text-align:center"
|-
! 艦番号 !
! 艦名 !
! 建造 !
! 起工 !
! 進水 !
! 竣工 !
! 除籍
|-
| SS-562
| SS-562 || [[あさしお (潜水艦・初代)|あさしお]] || [[川崎重工業]]<br />神戸工場 || 1964年<br />(昭和39年)<br />10月5日 || 1965年<br />(昭和40年)<br />11月27日 || 1966年<br />(昭和41年)<br />10月13日 || 1983年<br />(昭和58年)<br />3月30日
| [[あさしお (潜水艦・初代)|あさしお]]
| [[川崎重工業]]<br />神戸工場
| 1964年<br />(昭和39年)<br />10月5日
| 1965年<br />(昭和40年)<br />11月27日
| 1966年<br />(昭和41年)<br />10月13日
| 1983年<br />(昭和58年)<br />3月30日
|-
| SS-563
| SS-563 || [[はるしお (潜水艦・初代)|はるしお]] || [[三菱重工業神戸造船所|三菱重工業<br />神戸造船所]] || 1965年<br />(昭和40年)<br />10月12日 || 1967年<br />(昭和42年)<br />2月25日 || 1967年<br />(昭和42年)<br />12月1日 || 1984年<br />(昭和59年)<br />3月30日
| [[はるしお (潜水艦・初代)|はるしお]]
| [[三菱重工業神戸造船所|三菱重工業<br />神戸造船所]]
| 1965年<br />(昭和40年)<br />10月12日
| 1967年<br />(昭和42年)<br />2月25日
| 1967年<br />(昭和42年)<br />12月1日
| 1984年<br />(昭和59年)<br />3月30日
|-
| SS-564
| SS-564 || [[みちしお (潜水艦・初代)|みちしお]] || 川崎重工業<br />神戸工場 || 1966年<br />(昭和41年)<br />7月26日 || 1967年<br />(昭和42年)<br />12月5日|| 1968年<br />(昭和43年)<br />8月29日 || 1985年<br />(昭和60年)<br />3月27日
| [[みちしお (潜水艦・初代)|みちしお]]
| 川崎重工業<br />神戸工場
| 1966年<br />(昭和41年)<br />7月26日
| 1967年<br />(昭和42年)<br />12月5日
| 1968年<br />(昭和43年)<br />8月29日
| 1985年<br />(昭和60年)<br />3月27日
|-
| SS-565
| SS-565 || [[あらしお (潜水艦・初代)|あらしお]] || 三菱重工業<br />神戸造船所 || 1967年<br />(昭和42年)<br />10月24日 ||1968年<br />(昭和43年)<br />10月24日 || 1969年<br />(昭和44年)<br />7月25日 || 1986年<br />(昭和61年)<br />3月27日
| [[あらしお (潜水艦・初代)|あらしお]]
| 三菱重工業<br />神戸造船所
| 1967年<br />(昭和42年)<br />10月24日
| 1968年<br />(昭和43年)<br />10月24日
| 1969年<br />(昭和44年)<br />7月25日
| 1986年<br />(昭和61年)<br />3月27日
|}
 
134 ⟶ 164行目:
 
{{デフォルトソート:あさしおかたせんすいかん}}
[[Category:海上自衛隊の潜水艦|+あさしお]]
[[Category:通常動力型潜水艦]]
[[Category:あさしお型潜水艦|*]]
[[Category:海上自衛隊の潜水艦|+あさしお]]
[[Category:日本の通常動力型潜水艦]]