「人体比率」の版間の差分

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[[Image:Da Vinci Vitruve Luc Viatour.jpg|thumb|[[レオナルド・ダ・ヴィンチ]]の『[[ウィトルウィウス的人体図]]』（ヴェネツィア・アカデミア美術館蔵）]]

'''人体比率'''（じんたいひりつ）とは、[[人体]]あるいはもっと一般的には動物の身体の、各部分の相互関係や身体全体との長さの関係のことである。西洋における[[芸術]]分野において、全身像を描くために研究対象とされてきた。例えば、身長が頭部の長さのN倍であることを「N'''頭身'''」と呼ぶのはその一例で<ref>{{Cite web|和書|url=http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/156107/m0u/|title=goo辞書 : 「頭身」の意味 第2項|publisher=[[goo]]|accessdate=2012-03-25}}<!-- 原典の記載方法不明のため未記載ですが、原典は「[[大辞泉|デジタル大辞泉]]」です --></ref>、ギリシアやルネッサンス期においては成人は平均的に7頭身から8頭身であるとされている<ref name="yasashii-12-13">{{Harvnb|J.シェパード|1980|Ref=OCLC673794096|pp=12-13}}</ref>。下記のように様々な部位について標準的な比率が割り出されてきた。

もっとも、[[デフォルメ]]技術を用いて表現する際には、標準的な比率から大きく外れることもある。実際、[[マニエリスム]]の画家は10頭身以上に身長を引き伸ばした人体を書いたとされている<ref name="yasashii-12-13" />。また、近年においては[[ちびキャラ|スーパーデフォルメ]]の技術を用いる表現手法もあり、スーパーデフォルメのでは逆に頭身に合わせた人体比率があるとする意見もあ小さくなる<ref name="moe-mini-chara-86">{{Harvnb|神吉|くろば|架空の姉|2011|Ref=OCLC731903576|p=86}}</ref>。

== 頭部 ==

* 顔の縦の長さを考えたとき、中央の高さに[[目|両目]]がある。

* 顔を横に3分割したとき、頭頂から[[眉毛]]の上まで、眉毛から[[ヒトの鼻|鼻]]の下まで、鼻の下から[[顎|あご]]の先までがほぼ同じ長さである。

* 顔の横幅は、目の横幅の4倍から5倍である。

* 両目の間隔は、目の横幅に等しい。

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# 頭部の下から[[胸]]の中央の高さ（ヒトの[[乳首]]があるはずのところ）まで

# 胸の中央の高さから[[へそ]]まで

# へそ臍から[[恥骨]]の上端（骨盤の下から約4分の1）まで

# 恥骨の上端から[[太腿]]の中央の高さまで

# 太腿の中央の高さから[[脹脛]]の上端（膝下）まで

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頭頂からの測定以外の人体比率を以下に記す。

* [[恥骨]]ないし恥骨の上端が平均的な成人人体の身長の中央にあたる<ref name="yasashii-12-13" />。

* 平均的な成人人体では、向こう脛（[[脛骨]]、膝からくるぶし踝まで）の長さは[[股関節]]の長さに等しい<ref name="yasashii-12-13" />。

* 人体が直立したときの腕の長さは、指の先が太腿の中央まで伸びる程度になる<ref name="yasashii-12-13" />。

* 腕を広げたとき、中指の両端の距離は身長にほぼ等しい。

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== 黄金比と人体比率 ==

[[古代ギリシア]]の彫刻家[[ポリュクレイトス]]は 人体の理想的比率を理論化した『[[カノン (美術)|カノン]]』を著し、[[古代オリンピック]]の優勝者ドリフォロスをモデルとして理想の人体立像を造った。頭部の大きさが身長の7分の1であるカノンの人体比率はギリシア彫刻の美の規範となり、カノンの法則と呼ばれた{{sfn|三井|2000|pp=61-67}}。その後、彫刻家[[リュシッポス]]は頭部比8分の1の人体比率を作り、以来、8等頭身は近世に至るまで西欧美術の理想的な人体比率の基準となった{{sfn|三井|2000|pp=61-67}}と主に日本人学者によって主張される。

古代ギリシアでは[[黄金比]]（黄金分割）に基づいたプロポーションの造形を、数理的に均整のとれた美の原理として建築や彫刻などに用いた{{sfn|三井|2000|pp=61-67}}。黄金比とは数学的にはAとBの割合がA:B=B:(A+B)の関係をいい、A:B=1:1.618…（整数比では55:89）という分割となる。8等頭身の人体比率は、へその位置が全身を黄金比の近似値3:5:8で分割する中心の位置となる。頭頂からへそまでを1とすると、へそから足底までが1.6となり、黄金比と近似する。また、へそから足底までを1とすると、上に挙げた手からへそまでが1となり、足底から頭頂までが1.6となる。

== キャラクターのN頭身 ==

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* [[ウィトルウィウス的人体図]]

* [[骨相学]]

* [[伊東絹子]] - 「八頭身美人」という形容が広く使われ始める契機となった人物

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