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== 日本 ==
{{see also|連合国軍占領下の日本|日本の経済史#戦後混乱期}}
 
日本で「'''戦後混乱期'''」というと、[[1945年]]([[昭和]]20年)[[9月2日]]の[[日本の降伏|第二次世界大戦(太平洋戦争)の終結]]から、[[1950年]]([[昭和]]25年)[[6月25日]]に勃発した[[朝鮮戦争]]による[[特需景気]]([[朝鮮特需]])で経済復興の糸口を掴む頃までと見なすものが多い
 
1945年8月15日から[[1952年]][[4月28日]]までの、第二次世界大戦で敗れた結果として[[連合国軍最高司令官総司令部|GHQ]]に占領されていた時期([[占領時代]]とも呼ばれた)を指す場合もある。
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この時期には、海外で生き残った旧[[日本軍]]兵士の[[復員]]や700万人にも及ぶ在外日本人の[[引き揚げ]]もあり、庶民は合法的に[[配給 (物資)|配給]]された食糧だけでは生活財に事欠き生活が困難であり、焼け跡には[[闇市]]が立ち並んだ。「ギブ・ミー・チョコレート」が流行語になり、「[[パンパン]]」と呼ばれる街娼が登場したのもこの時代でもある。
 
占領状態から講和、主権回復の過程で[[労働運動]]など民衆運動が盛り上がり、[[松川事件]]・[[三鷹事件]]・[[下山事件]]の[[国鉄三大ミステリー事件]]も発生した。戦後最大の労働争議と言われる[[東宝争議]]が発生し、また[[連合国軍最高司令官総司令部|GHQ]]の中止命令で挫折したものの、[[1947年]]の[[二・一ゼネスト|2・1ゼネスト]]が計画されたのはこの時期だった。[[日本共産党]]が[[武装闘争]]路線をとり、[[日本国との平和条約|サンフランシスコ平和条約]]発効の3日後([[1952年]][[5月1日]])に[[血のメーデー事件]]が発生したのもこの時期であった。
 
全国的に電力不足のため1946年11月に電気需給調整規則が公布されたが根本的な解決にはならず月曜日を休電日とする[[輪番停電]]を実施した。[[美容#美容所|理美容]]業界では対策として月曜を休業日としたため、現在でも多くの理美容室は月曜日に休業している<ref>[http://www.riyo.or.jp/library/etc_kobore_08.html 理容店の定休日、なぜ月曜が多い?] - 全国理容生活衛生同業組合連合会による解説</ref>。
 
政治の世界も、政党の離合集散が激しく、短期間で内閣が交代するなど混乱が続いた。
 
=== 年表 ===
==== 1945年(昭和20年) ====
戦後混乱期([[終戦処理費]]、[[闇市]]、[[トレイン・サーフィン#日本の状況|買い出し列車]]、[[戦災孤児]]、[[傷痍軍人#日本の傷痍軍人|傷痍軍人]]、[[不発弾]]、[[日本のインフレーション#敗戦直後のインフレーション|戦後インフレ]]、[[日本の航空機産業#戦後|航空機産業の禁止]])。地域別の状況は[[連合国軍占領下の日本]]([[植民地主義#間接統治と直接統治|間接統治]])、[[アメリカ合衆国による沖縄統治]]・[[アメリカ施政権下の小笠原諸島]]([[軍政]])、[[引揚者#ソ連軍占領下地域|ソ連軍占領下地域]]を参照。戦後、東西[[冷戦]]へ。
* [[8月15日]]('''[[終戦の日]]''')
** 正午 日本国民へ'''[[玉音放送]]'''(大東亜戦争終結ノ詔書)。連絡の行き渡らない[[局地戦]]を除き、停戦('''[[日本の降伏]]''')。終戦までに、日本だけで約310万人が犠牲になったとされる。[[鈴木貫太郎内閣]]総辞職。
** 夜 [[朝鮮建国準備委員会]]
* [[8月16日]] [[ソビエト連邦軍|ソ連軍]]、[[恵須取郡]]に上陸し南[[樺太]]西岸北部に侵略開始([[樺太の戦い (1945年)|樺太の戦い]]、[[日本本土の戦い]]も参照)。[[大本営]]は一旦停戦命令を出すも、ソ連軍による日本側停戦軍使の射殺が多発し、後に自衛戦闘を許可([[樋口季一郎#対ソ連占守島・樺太防衛戦と戦後]]も参照)。
* 8月17日 [[東久邇宮稔彦王]]首相就任、[[東久邇宮内閣]]成立。
* [[8月18日]] 未明 ソ連軍、[[千島列島]]の[[占守島]]に侵略開始([[占守島の戦い]])。
* [[8月20日]] ソ連軍、[[真岡町|真岡]]に上陸し南樺太西岸南部に侵略開始。[[真岡郵便電信局事件]]が発生([[樺太の戦い (1945年)|樺太の戦い]]、[[日本本土の戦い]]も参照)。
* [[8月21日]] 占守島の日ソ両軍、停戦する。
* [[8月22日]]未明 樺太における日ソ停戦成立。その後、ソ連軍による[[小笠原丸]]撃沈および[[豊原市]]空襲([[三船殉難事件]]、[[樺太の戦い (1945年)|樺太の戦い]]、[[日本本土の戦い]]、[[日本本土の戦い]]も参照)。
* 8月24日 [[浮島丸事件]]
* [[8月25日]] ソ連軍、樺太の[[大泊町|大泊]]に上陸。さらに[[千島列島]]の[[松輪島]]を占領。
* [[8月28日]] ソ連軍、[[択捉島]]および南樺太の占領完了。
* [[8月29日]]
** ソ連軍、千島列島の[[ウルップ島]]を占領。
** 米軍第一陣150名が[[横浜市|横浜]]に上陸。
* 8月30日 連合国軍最高司令官[[ダグラス・マッカーサー|マッカーサー]]、[[厚木海軍飛行場|厚木飛行場]]に到着。[[連合国軍最高司令官総司令部]](GHQ)<ref>[[ニューディーラー]]のほか、GHQ調査課長[[エドガートン・ハーバート・ノーマン#戦後、GHQに所属し来日|エドガートン・ハーバート・ノーマン]]、GHQ顧問[[トーマス・アーサー・ビッソン]]、GHQメンバー [[ベノナ#ソ連のスパイ及び協力者一覧|フィリップ・キーニー]]、GHQ民政局調査員 [[ベアテ・シロタ・ゴードン#憲法草案作成における役割|ベアテ・シロタ・ゴードン]]らも参加し、[[戦略情報局|OSS]]の[[ベノナ#ソ連のスパイ及び協力者一覧|ダンカン・リー]](ソ連スパイ)主導のもと[[連合国軍総司令部|GHQ]]の対日占領政策に影響を与えた。</ref>も参照。
* 9月1日 ソ連軍、[[国後島]]・[[歯舞群島]]を占領。
* [[9月2日]] 米戦艦[[ミズーリ (戦艦)|ミズーリ号]]において[[日本の降伏文書]]調印。
* 9月4日 ラジオ・トウキョウ、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)の指令により、世界向け外国語放送を停止
* [[9月5日]] ソ連軍、[[色丹島]]を占領し、[[北方地域|北方四島]]の占領を完了。
* 9月10日
** ラジオ・トウキョウ、GHQの指令により、全世界向け日本語放送停止
** [[DDT#殺虫剤としての利用|DDT]]散布開始
* 9月 [[昭和天皇・マッカーサー会見]]
* 10月4日 [[治安警察法]]と[[特高警察]]廃止、[[公職追放]]開始。
* 10月9日 [[幣原内閣]]発足。
* 10月11日 [[日本の戦後改革]]、[[リンゴの唄]]
* 10月15日
** 本土の日本軍、武装解除完了。
** [[治安維持法]]廃止と[[政治犯]]の釈放。これはGHQ調査課長[[エドガートン・ハーバート・ノーマン#戦後、GHQに所属し来日|エドガートン・ノーマン]]の指示による。
** [[在日本朝鮮人連盟]]
* 11月1日 [[栄丸遭難事件]]
* 11月2日 [[日本社会党]]結党。前身は[[社会大衆党]]および[[日本無産党]]、後身は[[新社会党]]や[[社会民主党 (日本 1996-)|社会民主党]]および[[立憲民主党 (日本 2020)|立憲民主党]]左派([[サンクチュアリ (立憲民主党のグループ)|近藤G]]、[[社会民主主義フォーラム|吉田G]]、[[国のかたち研究会|菅G]]など)
* 11月9日 [[戦後開拓]]
* 11月23日 [[財閥解体]]
* 12月1日 [[陸軍省]]、[[海軍省]]をそれぞれ[[第一復員省]]と[[第二復員省]]に改組([[復員]]も参照)
* 12月15日 GHQは[[神道指令]]
* 12月19日 [[公安警察]]
 
==== 1946年(昭和21年) ====
* 1月1日 昭和天皇、[[人間宣言]]
* 1月 [[尋ね人の時間]]
* 2月
** [[昭和天皇の戦後巡幸]]開始
** ソ連、国際法([[大西洋憲章#内容と評価|大西洋憲章]])に違反し、一方的に樺太・千島の併合を主張。[[日ソ基本条約]]および[[国連憲章]]も参照。[[北方領土問題]]
** [[国鉄労働組合|国鉄労働組合総連合会]]結成。
* 2月12日 文部省、GHQ指令を受け修身・国史・地理教科書の回収について通達。([[墨塗り教科書]]も参照)
* 2月16日 [[新円切替]]と[[預金封鎖#日本|預金封鎖]]
* 4月10日 [[第22回衆議院議員総選挙]]。日本初の女性議員39名当選([[女性参政権#日本|婦人参政権]]も参照)。
* 5月3日から1948年(昭和23年)11月12日 [[極東国際軍事裁判]]
* 5月19日 [[飯米獲得人民大会]]
* 5月22日 [[第1次吉田内閣]]発足。
* 6月15日 第一復員省と第二復員省を統合して[[復員庁]]を設置した。[[日本商船管理局]]、[[在外同胞援護会救療部]]、[[在外父兄救出学生同盟]]も参照。
* 7月 [[ガリオア資金]]
* 7月1日 逓信院を廃止して[[逓信省]]を再設置。
* 10月3日 [[在日本大韓民国民団|在日本朝鮮居留民団]]成立。
* 10月13日 [[労働関係調整法]]
* 10月 [[農地改革#日本の農地改革|農地改革]]
* 11月3日 [[日本国憲法]]公布。
* 11月 [[ララ物資]]
* 12月20日 [[首相官邸デモ事件]]
 
==== 1947年(昭和22年) ====
* [[ベビーブーム#日本|ベビーブーム]]、[[団塊の世代]]も参照。
* [[東京ブギウギ]]
* 2月1日 [[二・一ゼネスト]]
* 3月以降 [[PTA#日本型PTAの登場|PTA]]を順次設置。
* 4月1日 [[学校教育法]]施行。[[学制改革]]および[[教育委員会#日本|教育委員会]]や[[日本教育史#戦後|日本教育史]]も参照。
* 4月 [[鉄道公安職員]]。[[トレイン・サーフィン#日本の状況|買い出し列車]]も参照。
* 5月3日 日本国憲法施行。[[家制度]]、[[華族]]制度と[[貴族院 (日本)|貴族院]]廃止。
* 5月20日 日本、[[参議院]]設立
* 5月24日 [[片山内閣]](日本社会党政権)成立
* 6月8日 [[日本教職員組合]](日教組)設立
* 7月1日 日本、[[公正取引委員会]]
* 10月14日 日本、[[旧皇族]]の[[臣籍降下|皇籍離脱]]。この中には、[[女系]]で[[明治天皇#系図|明治天皇]]や[[昭和天皇#皇子女|昭和天皇]]の流れを汲み現在の[[皇室]]と近親な家も含まれる([[菊栄親睦会]]も参照)。
* 12月22日 日本、[[民法 (日本)|民法]]改正。ただし、[[明治]]31年([[1898年|1898]])に制定された[[夫婦同姓]]は残されたままである。
* 12月31日 [[内務省 (日本)|内務省]]解体
 
==== 1948年(昭和23年) ====
* 1月1日 [[国家地方警察]]設置
* 3月6日 [[警察法#旧警察法の制定|旧警察法施行]]、[[自治体警察 (旧警察法)|自治体警察]]も設置された。
* 3月10日 [[芦田内閣]]発足。
* 3月31日 第一次アメリカ教育使節団が[[アメリカ教育使節団報告書#第一次教育使節団報告書|第一次教育使節団報告書]]を提出。[[漢字廃止論#戦後初期|漢字廃止論]]も参照。
* 4月15日 [[東宝争議]]
* 5月1日 [[海上保安庁]]設立
* 7月1日 [[国家公務員法]]施行。[[国家公務員#資格|欠格条項(38条)]]あり。
* 8月30日 [[ヘレン・ケラー]]来日
* 10月15日 [[第2次吉田内閣]]発足。
 
==== 1949年(昭和24年) ====
* [[脱脂粉乳]]をはじめ、[[国際連合児童基金]](ユニセフ)による対日支援。
* [[エロア資金]]
* 日本、[[青い山脈 (曲)]]公開。
* 1月 [[日本学術会議]]
* 2月 [[ドッジ・ライン]]
* 2月16日 [[第3次吉田内閣]]発足。
* 6月1日
** [[公社|公共企業体]]・[[日本国有鉄道]]の発足。運輸省から国有鉄道を移管。
** 逓信省を分割し、[[電気通信省]]および[[郵政省]]発足
* 6月10日 [[労働組合法]]
* 6月30日 日本、[[平事件]]
* 7月5日から翌7月6日 [[下山事件]]
* 7月15日 [[三鷹事件]]
* 8月17日 [[松川事件]]
* 8月27日 [[シャウプ勧告]]
* 9月1日 [[労働基準法]]
 
==== 1950年(昭和25年) ====
[[テレビ#1950年代|テレビ放送]]への動きが本格化。[[祖国防衛隊 (在日朝鮮人団体) ]] 成立。
* 1月 [[岸壁の母]]
* 3月10日 [[NHK放送技術研究所]]にて東京テレビジョン実験局を開設<ref name=nhkbcri-1950>[https://www.nhk.or.jp/bunken/hoso100th/chronology/chronology.html?decade=1950 「放送史年表 -詳細版- 1950年」(NHK放送文化研究所)](2025年5月22日閲覧)</ref>
* 5月1日 [[公職選挙法]]施行
* 5月30日 [[人民広場事件]]
* 6月6日 人民広場事件を受け、[[レッドパージ]]開始。[[逆コース]]も参照。
* 6月25日 [[朝鮮戦争]]勃発、[[朝鮮特需]]([[ガチャマン景気]]も参照)。以降、[[戦後復興期#日本の戦後復興期|戦後復興期]]に移行。
 
==脚注==
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* [[吉田茂]]
* [[戦後復興期]]
* [[日本の復金インフレーション#敗]](インフレーション|戦後インフレ]]
* [[ドッジ・ライン]]([[ドッジ不況]]、[[安定恐慌]])
* [[朝鮮特需]]([[特需景気]])
* [[ベビーブーム]]
 
{{日本の経済史}}