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{{Otheruses}}
『'''鯨神'''』(くじらがみ)は、[[宇能鴻一郎]]の[[小説]]。第46回(1961年下半期)[[芥川龍之介賞]]受賞作。[[明治]]時代初期の[[長崎県|長崎]]・[[平戸島]]を舞台に、[[クジラ]]に家族を殺された若き漁師による人生をかけた復讐が描かれる。本項目では同作を原作とする映画、漫画についても記述する。
 
小説は1961年に発表され、翌1962年に単行本化。同年におよび映画が公開された。1971年に[[さいとう・たかを]]により漫画化された。
 
== あらすじ ==
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[[ハーマン・メルヴィル]]『[[白鯨]]』の明白な影響下を指摘されている{{Efn|共通点、相違点については[[渡辺利雄]]『アメリカ文学に触発された日本の小説』([[研究社]][[2014年]])pp. 55–77に詳しい。}}が、[[平戸島]]特有の[[捕鯨文化]]や[[隠れキリシタン]]といった独自の素材が加味されている。
 
舞台となる漁村「和田浦」は架空の地名だが、[[長崎県]][[平戸市]][[生月島]]がモデルとされる<ref>{{Cite web|和書|title=宇能鴻一郎 「鯨神」|url=https://www.nagasaki-tabinet.com/tv/50017/|website=ながさき旅ネット|accessdate=2020-06-05|firstpublisher=(一社)長崎県観光連盟|last= / 長崎県企画振興部文化観光物産局観光振興課}}{{リンク切れ|date=2023-01}}</ref>。
 
=== 書誌 ===
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巨大クジラの出現シーンは[[特撮映画|特撮]]によって表現されている<ref>『大特撮・日本特撮映画史』([[1985年]][[朝日ソノラマ]]社)p. 350</ref><ref>『大映特撮コレクション・大魔神』([[1984年]][[徳間書店]])p. 67</ref>。原作にある作家が絵を見て回想する、という場面構造は省かれている。また、クジラとの対決場面における主人公らを取り巻く状況が原作と大きく異なる。
 
制作陣や出演者には、[[永田雅一]]、伊福部昭、[[本郷功次郎]]、[[橋本力 (野球)|橋本力]]、[[藤村志保]]など、後の大映の他の特撮作品群に携わることになった人物が少なくない。
 
封切り時の同時上映は『[[悲恋の若武者#映画|悲恋の若武者]]』(主演:[[橋幸夫]]。橋の同名曲の映画化。)。
 
なお、本作は巨大生物を描いた特撮作品としては『[[大怪獣ガメラ]]』よりも先行しており、本作の特撮技術は「[[ガメラ|ガメラシリーズ]]」をはじめとする後発の大映の特撮作品に活かされた部分も大きい<ref group="注釈">[[湯浅憲明]]や[[高橋二三]]や[[八木正夫]]も執筆に協力している1995年に出版された書籍でも、ガメラと鯨神が共演する構想が掲載されている。また、『[[ガメラ3 邪神覚醒]]』最終稿の一つでは、海中で[[ガメラ]]と[[セミクジラ]]の親子が遭遇する場面が挿入される予定だった。</ref><ref>唐沢俊一、2006年4月14日、『ガメラ創世記 -映画監督・湯浅憲明-』、284頁、[[エンターブレイン]]</ref><ref>電撃ホビーマガジン編集部、2014年、平成ガメラ パーフェクション(DENGEKI HOBBY BOOKS)、264頁、ISBN 4048918818、KADOKAWA/アスキー・メディアワークス</ref><ref>OMEGA遊撃隊、1995年、強いぞ!ガメラ、82-87頁、徳間書店</ref>。
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平成以降のガメラシリーズでは[[妖怪シリーズ#余談|過去の妖怪作品へのオマージュ]](主に背景に設置する小道具として)が明確に導入されていますし、妖怪作品においてガメラなど他の作品への言及も見られます。『ガメラ3』における鯨神へのオマージュ(セミクジラ)は「Wikizilla」の様な海外の厳格なウェブサイトでも明確に言及されています<ref>[https://wikizilla.org/wiki/Gamera_3:_Revenge_of_Iris Gamera 3]</ref>。「Wikizilla」は過去にも 参照可能な情報ソースとして支持する声が散見されるほどに厳格で信頼性が高いとされています<ref>https://en.wikipedia.org/w/index.php?title=Godzilla_vs._SpaceGodzilla&oldid=767296307</ref> 。ウィキペディアにおいて参照可能なソースとしてのコンセンサスは得られなかったのは事実ですが、信頼性が支持されるソースとして挙げられたのも事実でしょう。-->
 
=== 出演者 ===
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主要なスタッフのみ記す。監督を除く順序および職掌はクレジットタイトルに基づく。
* 監督:[[田中徳三]]
** 特殊技術監督:[[小松原力]]{{R|小松原|group="注釈"}}
 
* 製作:[[永田雅一]]
* 企画:米田治、竹谷豊一郎
* 原作:[[宇能鴻一郎]]<small>([[文藝春秋|文藝春秋新社]]版)</small>
* 脚本:[[新藤兼人]]
 
* 撮影:[[小林節雄]]
* 照明:渡辺長治
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; 特殊技術
*:* 特殊技術監督:[[小松原力]]{{R|小松原|group="注釈"}}
:* 撮影:[[的場徹]]{{R|的場|group="注釈"}}、石田博
:* 美術:渡辺竹三郎
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==== 特殊撮影 ====
特殊撮影はクレジット上は[[小松原力]]となっているが、実質的には[[的場徹]]が取り仕切った<ref>『大特撮・日本特撮映画史』([[1985年]][[朝日ソノラマ]]社)p. 238</ref>。当初は[[築地米三郎]]が予定されていたが{{Efn|築地は『鯨神』をやる予定で鯨のミニチュアの素材を考えるなど、段取りを全部やっていたとのこと<ref>『ガメラから大魔神まで 大映特撮映画のすべて』([[SCREEN (雑誌)|スクリーン]]特編版 1994年11月5日発行)p. 58</ref>。}}、突然『[[秦・始皇帝]]』の担当に変更された<ref name="SCREEN" />。
 
当時、大映は[[大映京都撮影所|京都撮影所]]に特撮プールを持っていたため、漁のシーンは主に京都で撮影した。
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== 関連項目 ==
* [[ゲゲゲの鬼太郎 大海獣]]:[[1964年]]発行の『ないしょの話』などの初期の原作漫画では大海獣は「鯨神」と呼ばれ、[[水木しげる]]が大映の『鯨神』を参考にした場面が存在している<ref group="注釈">『墓場の鬼太郎』の「大海獣 - 第3回」の第1頁における大海獣化した[[鬼太郎]]が浮上している場面と、鯨神の背中にとりつくシャキと紀州の構図。大海獣と鯨神のシルエットと構図が類似しており、他の場面と異なり大海獣の顎と吻先の形状がこの場面の鯨神のそれらと合致している。</ref>。
{{also|鯨神 (曖昧さ回避)}}
* [[ガメラ3 邪神覚醒]]:最終稿の一つでは、海中で[[ガメラ]]と[[セミクジラ]]の親子が遭遇する場面が挿入される予定だった<ref>電撃ホビーマガジン編集部、2014年、平成ガメラ パーフェクション (DENGEKI HOBBY BOOKS)、264頁、ISBN 4048918818、KADOKAWA/アスキー・メディアワークス</ref>。
 
== 脚注 ==
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{{田中徳三の映画作品}}
{{DEFAULTSORT:くしらかみ}}
[[Category:宇能鴻一郎]]
[[Category:日本の小説]]
[[Category:1961年の小説]]