「JR東日本HB-E210系気動車」の版間の差分

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おそらく、過給器が水冷式ではなく中間冷却器の冷却方式が空冷式から水冷式になったと思います。
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採用されているハイブリッドシステムはキハE200系やHB-E300系と同じく、エンジンの動力は発電機を回転させる電力用として使用し、発電機からの電力と搭載された蓄電池の電力と組合わせてモーターを駆動するシリーズハイブリッド方式と呼ばれるシステムで、電車の技術を最大限に使用している。システムを構成する機器類は、エンジンとそれに直結した発電機を持つエンジン発電機・主回路用蓄電池・[[主変換装置]]・輪軸駆動用のモーターで構成されており、力行時には主回路用蓄電池からの電力または主回路用蓄電池とエンジン発電機からの両方の電力を使用して、主変換装置に内蔵されたVVVFインバータ装置により、[[可変電圧可変周波数制御|VVVFインバータ制御]]でモーター([[誘導電動機]])を駆動させる。制動時には[[回生ブレーキ]]によりモーターから発生した電力をVVVFインバータ装置を介して主回路用蓄電池に充電する<ref>主変換装置内はコンバータ部とVVVFインバータ部に分かれており、その間に主回路用蓄電池が接続されている。力行時はDM113形交流発電機からの三相交流の電力をコンバータで直流の電力に変換した後に主回路用蓄電池からの直流の電力を加えてVVVFインバータで三相交流に変換して誘導電動機を駆動させ、制動時は誘導電動機からの三相交流をVVVFインバータで直流の電力に変換した後に主回路用蓄電池に充電される仕組みとなっている。また、補助電源装置の静止形インバータ(SIV)へ送る電力は、停止時や低加速での力行時では主回路用蓄電池から、中高速時での力行時には主回路用蓄電池からの電力の他に発電機からの電力の一部が送られる、制動時は回生ブレーキにより発生した電力が主回路用蓄電池に充電するために送られる際にその一部が送られる。</ref>。またエンジン発電機の起動または停止は主回路用蓄電池の充電状態により自動的に行われている。またキハE200系やHB-E300系と同様の「エネルギー管理制御システム」を搭載しており、各装置からの情報を集約して最適な動作の指令を各装置に指示することで、エンジン発電機と最適な蓄電池の充放電の制御を行なっている。車両の床下には主変換装置・エンジン発電機・エンジンラジエーター・電動空気圧縮機・制御用蓄電池箱・ブレーキ制御装置などの機器を搭載しており、HB-E300系と同じくエンジン冷却性能向上のためエンジンラジエーターの大形化や後述する静止形インバータの容量増加による主変換装置の大形化が図られている。そのため、車両の屋上に[[集中式冷房装置]]を挟んで前位に主回路用蓄電池を2個、後位に元空気だめの一部が搭載されている。(HB-E212形では前後逆)
 
動力源として、エンジンと交流発電機を1基ずつ搭載する。エンジンは直噴式直列6気筒横形ディーゼルエンジン DMF15HZB-G を各車両に1基搭載する<ref name="R&M2305_32">[[#R&M2305|『Rolling stock & Machinery』第23巻第5号、p.32]]</ref>。定格出力331kW(450PS)定格回転数2100rpmであり、DMF15HZ(キハE120形・キハE130系)をベースに過給機[[インタークーラー|中間冷却器]]を水冷式に変更し、スターターを省略した構造である<ref name="R&M2305_32" />。燃料噴射系は高圧電子制御システム(コモンレール式)を採用して、排気中の窒素酸化物(NOx)を約60%低減させている。交流発電機は出力270kWの DM113 を各車両に1基搭載し、エンジンと直結駆動することで車両運行に必要な電力をまかなっている<ref name="R&M2305_32" />。
 
主回路用蓄電池には出力密度が高く、軽量高出力のMB3形[[リチウムイオン二次電池|リチウムイオン電池]]が使用されており、1両あたりの容量は15.2KWhで電圧は直流680Vである。また蓄電池に不具合が発生した場合を考慮して、2群構成として冗長性を持たせている。主制御装置にはC124形[[主変換装置]]を搭載しており、補機類とサービス電源用の電源装置である静止形インバータ(SIV)と一体構成となっている。なお補助電源装置の容量は70kVAで三相交流400Vを出力する。また各車には、補助電源で作動するMH3125-C600N形電動空気圧縮機(CP)を搭載している。