「大山鳴動」の版間の差分
削除された内容 追加された内容
m 岩村→岩谷 |
|||
3行目:
== 概要 ==
この話はギリシア語の寓話集には見えないが、1世紀の[[パエドルス]]による[[ラテン語]]韻文の寓話集の第4巻第24話に見える。原題は「'''産気づいた山'''」({{la|''Mons Parturiens''}})である。内容はわずか4行で、山が産気づいてうめき声を上げ、大きな期待がかかったが、生まれたのはネズミだったという話。大口を叩きながら何も実行に移さない人を批判する{{sfn|岩
紀元前1世紀の[[ホラティウス]]『[[詩論]]』139行にも「山が産気づくが、滑稽なネズミが生まれるだろう」({{la|Parturient montes, nascetur ridiculus mus.}})という一文があり、構想ばかりが大きくて実際の詩に反映されないことを批判している{{sfn|小堀|2001|p=290}}{{sfn|岩
[[プルタルコス]]『[[対比列伝]]』のアゲシラオス36.5では、[[テオス (ファラオ)|タコス]]によるペルシア遠征を助けるために[[スパルタ王]][[アゲシラオス2世|アゲシラオス]]がエジプトを訪問した。エジプト人の期待は高かったが、彼が到着してみると、小男だったために人々は大笑いし、古い格言を引いて「山がネズミを産んだ」と言ったとする<ref>{{cite book|url=https://www.perseus.tufts.edu/hopper/text?doc=Perseus%3Atext%3A2008.01.0081%3Achapter%3D36%3Asection%3D5|author=Plutarch|title=Agesilaus (Plutarch's Lives)}}([[ペルセウス電子図書館]])</ref>。[[アテナイオス]]『[[食卓の賢人たち]]』616dにも同様の話が見えるが、ここではアゲシラオスが「いずれ私をライオンと思うでしょう」と答えている<ref>{{cite book|url=https://www.perseus.tufts.edu/hopper/text?doc=Perseus%3Atext%3A2008.01.0405%3Acasaubonpage%3D616d|author=Athenaeus|title=The Deipnosophists|edited=Charles Burton Gulick}}([[ペルセウス電子図書館]])</ref>。
27行目:
== 参考文献 ==
* {{cite book|和書|author=パエドルス|author2=バブリオス|translator=岩谷智・西村賀子|title=イソップ風寓話集|series=叢書アレクサンドリア図書館|publisher=[[国文社]]|year=1998|isbn=4772004041|ref={{sfnref|岩
* {{cite book|和書|author=小堀桂一郎|authorlink=小堀桂一郎|title=イソップ寓話 その伝承と変容|year=2001|origyear=1978|publisher=[[講談社学術文庫]]|isbn=4061594958|ref={{sfnref|小堀|2001}}}}
* {{cite book|和書|author=吉川斉|title=「イソップ寓話」の形成と展開―古代ギリシアから近代日本へ―|year=2020|publisher=[[知泉書館]]|isbn=9784862853103|ref={{sfnref|吉川|2020}}}}
|