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[[File:US Navy 111010-N-KD852-492 The amphibious dock landing ship USS Pearl Harbor (LSD 52), front, the amphibious assault ship Makin Island USS Makin Is.jpg|thumb|250px350px|アメリカ海軍の各種揚陸艦(LSD(手前)・LHD(中央)・LPD(奥))]]
'''揚陸艦'''(ようりくかん、{{Lang-en|Landing ship}})は、人員や物資の輸送を目的とした艦船のうち、[[岸壁]]などの[[港湾施設]]に頼らずに[[wikt:揚陸|揚陸]]する能力をもった[[軍艦]]のこと。
 
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日本の陸軍特殊船では、上甲板の搭載分に加えて、中甲板にも船の全長にわたる[[大発動艇]]の格納庫が設けられた{{Sfn|大内|2012|pp=97-105}}。甲板にはレールが敷設されて、大発は兵員や装備・物資を搭載したままでこの上を移動、船尾に引き出して、吃水線部に設けられた大きなカバーを開いて進水(泛水)させることができた{{Sfn|大内|2012|pp=97-105}}。アメリカ海軍も小型のAP(後の{{仮リンク|ドイエン級攻撃輸送艦|en|Doyen-class attack transport|label=ドイエン級}})の艦尾に[[斜路]](スリップウェイ)を設けて舟艇を迅速に揚降することを計画したものの、竣工後に艦の予備浮力の不足が判明し、この斜路は使用されず封鎖された{{Sfn|Friedman|2002|pp=107-111}}。また[[機雷敷設艦]]をAPとして改装する際にも斜路が設けられたが、こちらは舟艇というより[[水陸両用車]]のためのものと位置付けられた{{Sfn|Friedman|2002|pp=178-182}}{{Efn2|このため、艦種はAPではなく[[:en:Template:US Vehicle Landing Ships|車両揚陸艦(LSV)]]に変更された{{Sfn|Friedman|2002|pp=178-182}}。}}。
 
一方、[[イギリス]]が発明したLSDは、[[乾ドック#浮ドック|浮ドック]]に航洋性の自航装置を取り付けるという発想であった{{Sfn|大内|2012|pp=169-172}}。艦内に舟艇を搭載するという点では陸軍特殊船と同様だが、単なる格納庫ではなく[[ウェルドック]]としており、舟艇に人員・装備を搭載した状態で漲水することにより、極めて効率的で迅速な出撃が可能となる{{Sfn|海人社|1994}}{{Sfn|大内|2012|pp=169-172}}。ただし舟艇の発進のためドック内の水深は最低2メートル程度は必要で、船体を沈める必要から、擱座着岸機能で使うものよりも更に大容量のバラストタンクやポンプが必要となり{{Sfn|海人社|1994}}、バラスト水は旧式のLPDでも6,000トン、大型のLHA・LHDでは12,000トンに達する{{Sfn|大塚|2023}}。一方、運用する舟艇をLCACに限る場合はドックの底面を海面と同じ高さにするだけでよく、漲水の必要がないためにバラストタンクやポンプの能力が低くてよいほか、ドック内の自由水が艦の安定性に悪影響を及ぼすこともないという利点がある{{Sfn|海人社|1994}}。
 
=== 航空運用機能 ===