「エンレイソウ」の版間の差分

2024年5月14日 (火) 05:09時点における版

2024年5月31日 (金) 04:02時点における版

22行目:

== 名称 ==

エンレイソウ属につけられた[[学名]]の ''Trillium'' は「3の[[ユリ]]」を意味し、開花個体が3枚の花弁、[[萼片]]、葉を持つことに由来する<ref name=":0">{{Cite web |url=https://www.kahaku.go.jp/research/db/botany/wild_p100/spring/32_enreisou.html |website=www.kahaku.go.jp |access-date=2024-05-14 |title=エンレイソウ |publisher=[[国立科学博物館]]}}</ref>。シノニムにあるapetalonは花に花弁がないことを表す<ref name=":0" />。エンレイソウの名はアイヌ語の呼び名のエマウリがなまって、延齢の字が当てられたとする説があるや<ref name=":0" />、古くから胃腸薬や催吐剤などの薬草とされ、命をながらえた人がいたことから延齢草と呼ばれたという説がある{{Sfn|山田隆彦監修|2023年|p=44}}。

==特徴==

太く短い[[根茎]]から、高さ20-50cmの茎が一本伸び、その先端に3枚の[[葉]]を輪生する。葉は葉柄を持たず、茎から直接生ずる。葉の形状は丸みを帯びたひし形で、直径は10-20cm。ユリ目の葉は一般的には[[平行脈]]であるが、エンレイソウの葉は[[網状脈]]である<ref name=":0" />。花期は4-6月で、高地では7月頃まで咲く<ref name=":0" />。3枚の葉の中心から短い花柄が伸び、小さな[[花]]をつける。花は花弁を持たず3枚の緑色または濃紫色の萼片を持ち、横向きからやや下向きに咲く<ref>{{Cite web |url=http://www1.ous.ac.jp/garden/hada/plantsdic/angiospermae/monocotyledoneae/melanthiaceae/enreisou/enreisou.htm |title=エンレイソウ |access-date=2024-05-14 |publisher=[[岡山理科大学]] 研究・社会連携機構 自然フィールドワークセンター |website=http://www1.ous.ac.jp}}</ref>。[[雄しべ]]は6本、[[雌しべ]]は1本で、[[柱頭 (植物学)|柱頭]]は3裂し子房には稜がある{{Sfn|山田隆彦監修|2023年|p=44}}。外花披片は３枚、通常内花披片はないが、稀にあるものもある<ref>{{Cite web |title=エンレイソウ |url=https://matsue-hana.com/hana/enreisou.html |website=matsue-hana.com |access-date=2024-05-14}}</ref>。

==分布と生育環境==

日本では、北海道、本州、四国、九州に分布し、低地からやや高い山の、[[落葉樹林]]のやや湿った場所に生える{{Sfn|山田隆彦監修|2023年|p=44}}<ref>{{Cite web |url=https://www.shuminoengei.jp/m-pc/a-page_p_detail/target_plant_code-92 |title=エンレイソウとは |access-date=2024-05-14 |website=[[ 趣味の園芸]] |publisher=[[NHK出版]]}}</ref>。東アジアでは、[[樺太|サハリン（樺太）]]、[[南千島]]に分布する<ref>{{Cite web |title=Japanese trillium |url=https://hosho.ees.hokudai.ac.jp/tsuyu/top/plt/lily/trillium/ape.html |website=hosho.ees.hokudai.ac.jp |access-date=2024-05-14}}</ref>。

==利用==

花後に球形で黒く紫色の実をつけ{{Sfn|山田隆彦監修|2023年|p=44}}、熟した果実は食用となる{{要出典|date=2024年5月}}。

エンレイソウは中国には自生しない<ref>{{Cite web |title=エンレイソウ Trillium apetalon シュロソウ科 Melanthiaceae エンレイソウ属 三河の植物観察 |url=https://mikawanoyasou.org/data/enreisou.htm |website=mikawanoyasou.org |access-date=2024-05-14}}</ref>。近縁種のミヤマエンレイソウの根茎は中国では延齢草根と呼ばれ、古くから胃腸薬や催吐剤などの[[薬草]]とされるが、[[サポニン]]などの有毒成分を含む[[有毒植物]]であり、過量に服用すれば、嘔吐、下痢などの中毒症状を起こす<ref name=yakusou/> 。

49行目:

{{Reflist}}

== 参考文献 ==

* {{Cite book|和書 |title=見わけがすぐつく 野草・雑草図鑑 |date=1月20日 |year=2023年 |publisher=[[成美堂出版]] |page=44 |isbn=978-4-415-32814-0 |author=山田隆彦監修}}

{{Normdaten}}

{{DEFAULTSORT:えんれいそう}}