「ゼンネ・ダンサー」の版間の差分

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撮影のために[[イスタンブール]]を訪れた[[報道写真家]]のドイツ人中年男性ダニエル・ベルトは、ナイトクラブで{{仮リンク|ゼンネ|tr|Zenne}}(男性[[ベリーダンサー]])として働くジャンに興味を持ち、彼の写真を撮ることになる。その過程でダニエルは、ジャンの友人で東部の保守的な家庭出身の大学生アフメトと知り合い、年上好きのアフメトからのアプローチで2人は恋人同士になる。アフメトはダニエルを自分好みの容姿に変えようと、口髭をたくわえさせ、太らせようとする。
 
ダニエルによる写真撮影を優先したために、ジャンは勤め先の占いカフェをクビになる。[[兵役]]から逃れて警察に追われる身であるジャンはなかなか仕事を見つけることができず、経済的に困窮することになる。ジャンは兵役に就くことを考えるが、ジャンの父親は[[南東アナトリア地方|アナトリア南東部]]で戦死、兄のチハンは兵役から生還したものの精神を病んでしまったことから、母親のセヴギはジャンを軍隊に行かせまいとする。ジャンは[[同性愛者]]として兵役の免除が可能なのだが、同性愛者であることを証明するために必要な手続きを「辱め」と考えて免除を拒んでいたのである。
 
ダニエルは、アフメトが大男と度々会い、その大男に金を渡しているのを目撃する。その大男がアフメトの好みのタイプだったこともあり、不安を抱いたダニエルが率直にアフメトに尋ねると、その大男は恋人ではなく、かねてよりアフメトの[[性的指向]]を疑っていた母親のケズバンがアフメトの行動を監視するために雇ったジンダンで、母親に真実を報告しないように金を払っていたことを明かす。ダニエルは「両親に正直に話すべきだ。息子を愛しているのだから受け入れてくれるはずだ」とアフメトに言うが、アフメトはダニエルの無理解を指摘する。アフメトはダニエルのアドバイスに従って警察に被害を訴える。
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自分たちの身が安全でないことを知ったダニエルはアフメトにドイツでの同居を提案する。しかし、アフメトは兵役を終えていないためパスポートを取得できない。そこで解決策として、軍事委員会から「同性愛報告書」をもらい、正式に兵役を免除してもらうことを考える。そのためには、自らの行動や服装、セックス中に撮った写真によって同性愛者であることを軍事委員会に対して証明しなければならない。アフメトは自ら進んで「ゼンネ」のフリをすることを決める。ジャンの協力のもと「ゼンネ」となり、ダニエルと撮った写真を提出したアフメトは無事に兵役が免除され、パスポートを手に入れる。ジャンもまたアフメトとともに「ゼンネ」として[[徴兵検査#トルコ|徴兵検査]]を受けるが、写真を提出することを拒んだため、筆舌に尽くしがたい辱めを受けた末に兵役を免除される。心身ともにダメージを受けつつもジャンは「ゼンネ」としてプライドを持って生きていく。
 
ダニエルと2人で国外に出る準備を進める中、アフメトは父親のユルマズに電話で別れを告げるとともに、自分が同性愛者であることを涙ながらに告白する。この告白を受けて、ケズバンは夫ユルマズに拳銃を渡し、父親としての責任を果たすよう迫る。破産するなど、妻への負い目から彼女の言いなりとなっているユルマズは、夜道を1人で歩いていたアフメトに正面から数の銃弾を浴びせて射殺する。帰りの遅いアフメトを心配して探しに出たダニエルは血まみれで倒れているアフメトを見つける。帰宅したユルマズは拳銃自殺を図るが果たせずに泣き崩れる。そしてユルマズ際に血で汚れたマットを洗ったケズバンもまた泣き崩れる。アフメトの死は周囲の人々に大きな影響を与え、ジャンの兄チハンはようやく治療を受けることを決める。
 
それから数年が経ち、ジャンは子どもたちに[[ベリーダンス]]を教えている。その中にはジャンの叔母(母セヴギの妹)が生んだ息子「アフメト」もいた。