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村井が収容された病室の窓から見える景色は、合成ではなくミニチュアで表現された{{refnest|group="出典"|{{R|超兵器画報122|BEST54122|特撮世界98|東宝特撮映画大全集73|超常識309|轟く178}}}}。井上は、円谷がすべてミニチュアで撮影しようと検討していたことを後に知ったという{{R|超兵器画報122}}。[[ネオンサイン]]には本物の[[ネオン管]]を用いているが、危険であることから撮影所では制作できず{{efn|ネオン管の制作には特殊資格を必要とする。詳細は[[特種電気工事資格者]]を参照。}}、業者に外注している{{R|全史252|超常識309}}。ミニチュアによる風景は、人間社会が虚飾にまみれた作り物であるということを{{R|轟く178}}、ネオンサインは、人間社会の毒々しさをそれぞれ表現しているとされる{{R|全史252|BEST54122}}。また、久保によれば、村井の顔に何もないパターンも撮影していたといい、本多や製作の[[田中友幸]]らはどのようにすべきか悩んでいたという{{R|VIP107}}。脚本第1稿にも村井の顔の描写はなく、本多のアイディアであったとされる{{R|東宝SF5166}}{{efn|本多の公式サイトにも、結末については2パターン用意されていたとの旨や、完成品の結末は映像の説得力を考慮したものとの旨が記述されている<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.ishirohonda.com/works/196308-matango/196308-matango.shtml|title=マタンゴ Matango|website=IshiroHonda.com|accessdate=2022-11-08}}</ref>。}}。
 
なお、大阪の[[TOHOシネマズなんば 別館|東宝敷島劇場・敷島シネマ]]に掲げられた本作品の看板の前には、劇中よりも巨大に制作された怪物の人形が展示された<ref>{{Cite book|和書|author=岡田秀則、貴田奈津子|title=昭和の映画絵看板 看板絵師たちのアートワーク|publisher=トゥーヴァージンズ|year=2021|page=257|isbn=978-4-90-840662-1}}</ref>。また、上映開始が子供たちの夏休み期間中だったことからも、[[銀座]]などの劇場入口では[[バヤリース]]のタイアップによる怪物の懸賞ぬり絵が配布された{{R|cyzo_10843}}<ref>{{Cite web|和書|url=https://ekizo.mandarake.co.jp/auction/item/itemInfoJa.html?index=638361|title=東宝 マタンゴ懸賞ぬりえ|publisher=まんだらけ|accessdate=2024-09-21}}</ref>。
 
=== 撮影 ===
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後年に[[みうらじゅん]]が水野に尋ねたところによれば、彼女がキノコを手に取って妖艶な仕草で美味しさを伝えるシーンは、よく意味がわからないまま監督に何度も駄目出しされたという<ref>{{Cite news|url=https://www.zakzak.co.jp/article/20180328-7NDBIAGSIZI4HDJ4ZKJUQCHCJY/2/|title=今も甘美なトラウマ映画「マタンゴ」 食べれば食べるほど妖艶になっていく女… (2/2ページ)|newspaper=zakzak|publisher=産経デジタル|date=2018-03-28|accessdate=2021-03-14}}</ref>。
 
[[バヤリース]]とのタイアップにより、同社製品のバヤリースオレンジを飲むシーンがある{{R|大鑑414}}。
 
=== 登場人物のモデル ===
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* 映画ライターの高橋諭治は、マタンゴを「欲望に目がくらむ人間という生き物のどうしようもない弱さ、愚かさにつけ込む悪魔のようなキノコ」と酷評したうえで、本作品を「決して単純なモンスター・ホラーではない」「ストーリーを、とてつもないインパクトと説得力をこめて成立させた唯一無二のホラー映画」などと高く評価している{{R|sp_matango}}。
* 著作家・英文学者の[[遠藤徹]]は、「ウィルス的な“感染”の原理による[[ブリコラージュ]]的な進化の方向が示されている」と評したうえで「夜の街で欲望を開放する我々観客も実はマタンゴ化しているのであり、日常生活にマタンゴの感染状態は取り入れられている」などと本作品を分析している<ref>{{Cite book|和書|author=遠藤徹|title=ポスト・ヒューマン・ボディーズ|publisher=青弓社|year=1998|pages=230-231|isbn=4-78-723150-2}}</ref>。
* 小説家・コラムニスト・映画評論家の[[友成純一]]は、「これはドラッグ映画、幻覚映画以外の何者でもない」と本作品を評したうえで「本作と『[[モスラ]]』は幻覚のようにケバケバしく美しい」などと両作品のセットの異様さを称えている<ref>{{Cite book|和書|author=友成純一|title=人間廃業宣言 世紀末映画メッタ斬り Kindle版|publisher=アドレナライズ|year=2022|page=102|asin=B0BHC2HLWJ}}</ref>。
* 作曲家・サックス奏者の[[本多俊之]]は、物語については「見せない怖さはイマジネーションが豊かになるので、最後までマタンゴが出なくても良かったかもしれない」との旨で評する一方、マタンゴについては「俺はキノコ大好きになって、マッシュルームの缶詰ばっかり食っていたなあ、このあと(笑)」と評している{{R|carbla_20091212}}。
* 音楽プロデューサーの釘嶋峰幸は、物語については「7人中で一番人が良さそうな作田が最初に逃げる様子の心理劇が凄い」との旨で評する一方、マタンゴについては「俺エノキはまだ大丈夫だったんだけど、あとはもう、ダメ(笑)」と評している{{R|carbla_20091212}}。
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* 漫画研究書籍や特撮研究書籍の著者としても知られる[[日本経済大学]]講師の坂口将史は、平成仮面ライダーシリーズ第15作『[[仮面ライダー鎧武/ガイム]]』に登場する怪人「インベス」の正体やそれも含めての物語を、マタンゴを想起させるとの旨で評している<ref>{{Cite web|和書|author=坂口将史|date=2021-01-21|url=https://mediag.bunka.go.jp/article/article-17320/|title=仮面ライダーとテクノロジー 第2回 ベルトの進化と原点回帰|website=メディア芸術カレントコンテンツ|publisher=文化庁|accessdate=2023-11-12}}</ref>。
* 映画史・時代劇研究家の[[春日太一]]は、「SFホラー映画の傑作である」と絶賛したうえで唐突な終幕を「容赦ない突き放し方のおかげで、初見時の衝撃が今も心の奥底で妖しく輝き続けている」との旨で評している<ref>{{Cite news|url=https://bunshun.jp/articles/-/71003|title=驚愕の画を映し唐突に終幕へ……。おかげでその衝撃が残り続けている――春日太一の木曜邦画劇場|newspaper=文春オンライン|publisher=文藝春秋|date=2024-05-29|accessdate=2024-07-19}}</ref>。
* 著作家・評論家の[[本橋信宏]]は、小学1年生時に人生観を変えた作品に一択で本作品を挙げている{{R|cyzo_10843}}。1962年公開の『[[キングコング対ゴジラ]]』に大満足したうえで父に見せられたが、同作品のように爽快な怪獣映画ではなく子供たちを相手とした夏休みに最も似合わない内容だったことからも、劇場入口にて貰った懸賞ぬり絵はそれによるトラウマを自宅にて再発動させるだけだったという{{R|cyzo_10843}}。
* 美術家・ポップアーティストの[[村上隆]]は、2006年にマタンゴから着想を得た作品「フラワー マタンゴ」を制作しており、これは[[フランス]]の[[ベルサイユ宮殿]]でも展示されている<ref>{{Cite web|和書|url=https://media.artis.inc/guide/what-is-art/681/|title=村上隆の代表作品21選とその意味を紹介|website=Artis|publisher=Artis|date=2022-10-01|accessdate=2023-10-17}}</ref>。
 
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<ref name="carbla_20091212">{{Cite web|和書|url=http://www.carteblanche-movie.com/archive/2009-12-12.htm|title=アーカイブス 第5回 12月12日(土)13:30~18:30|website=カルト・ブランシュ|publisher=タイムフライズ|date=2009-12-12|accessdate=2023-11-12}}</ref>
<ref name="medium_20201221">{{Cite news|language=en|author=J.L. Carrozza|date=2020-12-21|url=https://juleslcarrozza.medium.com/a-phantasmagorical-no-exit-matango-1963-bbe7b2e8dbeb|title=A Phantasmagorical NO EXIT: MATANGO (1963)|newspaper=Medium|publisher=A Medium Corporation|accessdate=2024-07-07}}</ref>
<ref name="cyzo_10843">{{Cite news|url=https://www.premiumcyzo.com/modules/member/2023/09/post_10843/|title=【本橋信宏】邦画史上最悪のラストシーンといわれる映画がトラウマ|newspaper=サイゾーpremium|publisher=サイゾー|date=2023-09-20|accessdate=2024-09-21}}</ref>
<ref name="FCGRAFF">{{Harvnb|ゴジラグラフィティ|1983|p=37|loc=「PART.2 マタンゴ」}}</ref>
<ref name="本多全仕事46">{{Harvnb|本多全仕事|2000|pp=46 - 47|loc=「本多猪四郎特撮映画の世界」}}</ref>