「ホーンビィ」の版間の差分
削除された内容 追加された内容
m編集の要約なし |
m link, style, tmp |
||
1行目:
{{Otheruses|鉄道模型メーカー|その他|ホーンビー}}
[[ファイル:Hornby O SNCF BB 8000.jpg|thumb|
[[ファイル:Blackburn and East Lancs MRS - 44th annual exhibition - DSC03834.JPG|thumb|
'''ホーンビィ''' ({{Lang-en-short|Hornby}}、{{Italics correction|''Hornby Hobbies Ltd.
メカノ社の[[ミニカー (玩具)|ミニカー]]は「'''[[:en:Dinky Toys|
== 概要 ==
[[1901年]]、フランク・ホーンビィ ({{Italics correction|''Frank Hornby''}}) によってイギリスの[[リバプール]]で創業された玩具メーカーのメカノ社を前身とする。メカノ社は当初、穴の開いた[[金属]]製の平板部品を[[ボルト (部品)|ボルト]]と[[ナット]]で組み立てて形をつくる玩具「
1990年代以降、OOゲージ鉄道模型においては最大手メーカーであり、車両から線路、制御機器、ストラクチャー、シーナリー用品まで一手に製造している。2000年以降、経営不振の同業他社を積極的に傘下に収め、イギリスはもとより[[ヨーロッパ]]を代表する模型メーカーの1つになっている。[[日本語]]ではホーンビィ、ホーンビー、ホンビーなどと呼称される。
[[2009年]]現在、社長 ({{Italics correction|''Chairman''}}) はニール・ジョンソン ({{Italics correction|''Neil Johnson''}})
== 歴史 ==
=== ホーンビィ・トレインズ : 1920 - 1938 ===
1920年、メカノ社は縮尺1/43の[[ぜんまいばね|ぜんまい式]]の
[[フランス]]にも工場が設けられ、フランス向けのOゲージ鉄道模型が製造された。フランス以外の[[オーストラリア]]、[[ニュージーランド]]、[[アルゼンチン]]、[[北欧]]への輸出分はリバプール工場で製造された。輸出品は外国風に塗られたものの、イギリス風にしか見えないものであった。
22行目:
=== ホーンビィ・デュブロ : 1938 - 1963 ===
[[1938年]]、直流三線式のOOゲージ鉄道模型を「'''ホーンビィ・デュブロ'''」({{Italics
戦後、製造は再開されたが[[1948年]]までは全てを再開できなかった。その後、[[バセット・ローク|バゼットローク]]や[[:en:Edward Exley Limited|エクスレイ]]、[[ライオネル]]や[[アメリカンフライヤー]]のように繁栄したものの、[[1950年代]]後半には[[トライアング・レールウェイズ]] (Tri-ang Railways) などのライバルが現れたため苦境に立たされた。また、プラスチック製品の製造が遅れたのも影響した。[[1959年]]にそれまでの直流三線式に加えて、直流二線式の製品を、プラスチック製客車「{{Italics correction|''the Super Detail series
[[1963年]]に経営危機が発生してイギリスでは新製品が発売されなくなった。
=== トライアング・ホーンビィ : 1964 - 1971 ===
[[1964年]]、「
[[1970年]]、ラインズ・ブラザーズ社の組織改編により、旧メカノ社部門が、メカノ・トライアング社 ({{Italics correction|''Meccano Tri-ang Ltd
=== ホーンビィ・レールウェイズ (DCM)
[[1971年]]にラインズ・ブラザーズ社が倒産し、メカノ・トライアング社の鉄道模型部門が複合企業体であるDunbee Combex Marx (DCM社) に買収され、[[1972年]]からブランド名は「'''ホーンビィ・レールウェイズ'''」
[[1970年代]]の一時期、[[ドイツ]]の[[トリックス]]の[[Nゲージ]]製品であるミニトリックス ({{Italics correction|''Minitrix
1970年代後半、エアフィックスなどの新規参入メーカーが細密成型の完成品を多く発売したため、それまで細密とはかけ離れた製品しかなかったホーンビィ製品は苦境に立たされた。愛好者からはホーンビィでももっと細密な製品を、という注文が相次いだ。そのような中で、当時においては画期的であったデジタル式の多重列車制御装置である「Zero 1」が発売された。これは[[1990年代]]に普及した[[デジタルコマンドコントロール]]と同様のものである。鉄道模型史上重要な道標であるにもかかわらず、Zero 1はコントローラーとデコーダーが高価で従来の車両と互換性が無く、デコーダー搭載車両は従来のアナログ式コントローラーでは制御出来ないため普及しなかった
[[1980年]]にDCM社が倒産した。
=== ホーンビィ・ホビース : 1980 - ===
[[1981年]]、[[マネジメント・バイアウト]]によりDCM社から独立し、社名は「'''ホーンビィ・ホビース'''」
[[1990年代]]前半はダポールや[[バックマン (鉄道模型)|バックマン]] ({{Italics correction|''Bachmann
[[2000年代]]に入ると[[ハリー・ポッターシリーズ|ハリーポッター]]の映画に登場する[[:en:Hogwarts#Hogwarts Express|ホグワーツ・エクスプレス]]を模型化し、売り上げは急増した。[[2003年]]にはOOゲージ[[ライブスチーム]]の[[LNER A4形蒸気機関車4468号機 マラード|マラード号]]を発売し、その後も数機種のOOゲージライブスチームが発売された。同社がライブスチームを販売するのは[[1970年代]]に発売した3.5インチゲージのロケット号以来である<ref>[https://web.archive.org/web/20091016024254/http://uk.geocities.com/rolywilliams/hornby_rocket.html]</ref>。
また、2012年には自動車アニメ
近年、イギリスではバックマンによる細密な新製品が多く登場しており、それに対抗するためにホーンビィでも新製品を発売している。[[:en:SR Merchant Navy class|サザン鉄道マーチャント・ネイビー級]]、[[:en:British Rail Class 31|31形ディーゼル機関車]]、[[イギリス国鉄08形ディーゼル機関車|08形ディーゼル機関車]]などがある。
==== ホーンビィ・インターナショナル ====
[[2004年]]、経営難に陥っていた[[イタリア]]の
==== ハンブロール、コーギーの買収 ====
[[2006年]]、経営難に陥っていた模型メーカーの[[ハンブロール]] ({{Italics correction|''Humbrol
[[2008年]]、鉄道模型メーカーの
== 製品 ==
[[ファイル:Hornby 9F 2-10-0 Evening star.jpg|thumb|
[[ファイル:Hornby APT 04.jpg|thumb|
[[ファイル:Blackburn and East Lancs MRS - 44th annual exhibition - DSC03841.JPG|thumb|
OOゲージ鉄道模型を中心に各種の模型製品が展開されている。近年、同業他社を買収したことからホーンビィ・ホビース傘下で製造されている製品は多岐にわたるものの、商品展開上はかつてのブランド名を引き継いでいるものが多い。
71 ⟶ 70行目:
=== ホーンビィ・レールウェイズ ===
ホーンビィ・レールウェイズ ({{Italics correction|''Hornby Railways
==== 車両 ====
78 ⟶ 77行目:
* イギリスの鉄道模型市場では蒸気機関車の製品が他の国の鉄道模型市場と比べ非常に多く、実際の導入車両が少ないことも有り、電気機関車や電車は極端に少ない。イギリスに多い[[第三軌条方式|第三軌条集電式]]のものはイギリス国鉄ロンドン南部管区 (後の[[:en:Network SouthEast|ネットワーク・サウスイースト]]セクター) の[[:en:British Rail Class 501|501形電車]]や[[:en:British Rail Class 466|466形電車]]など数少ない。架線集電式のものは1964年に[[:en:British Rail Class 81|81形電気機関車]]が製品化されたのみで、ラインズ・ブラザーズ社に買収される事を前提としていたため独自の架線集電システムは展開されなかった。DCM時代以降に、[[イギリス国鉄370形電車|370形電車「APT-P」]]や、[[イギリス国鉄86形電気機関車|86形電気機関車]]、[[イギリス国鉄92形電気機関車|92形電気機関車]]、[[イギリス鉄道390形電車|390形電車]]などが発売された。架線集電システムはトライアング製品を流用したものが展開されていたが、2000年代に入ると供給されなくなった。中国で生産される近年は日本の日立が設計した新型車両 [[イギリス鉄道395形電車|Class395]] や[[イギリス鉄道800形|Class800]]の編成物の模型も早々に登場している。また[[Class87]] 、Class43 HST 等の新しい電機、ディーゼル機関車も次々と登場し、ディーゼル機関車は屋根のファンが走行中リアルに回る製品も有った。英国はDCCの導入も早く、廉価なTTSサウンドと呼ばれるDCC対応のサウンド付き機関車が他の欧米メーカーに比べて非常に廉価な価格帯で販売されている。蒸気機関車に付いては近年、従来はキットなどを組みたてないとならなかったようなマイナーな機種・形式が次々と模型化されている。
; きかんしゃトーマスシリーズ
:
; レールロード ({{Italics correction|''Railroad
: イギリスで生産されていた頃からの製品群をレールロードシリーズとしてまとめ、年少者や入門者向けとして従来よりも廉価で発売している。また、中国での生産に移行した後に新規に製造された製品も存在する。
==== 線路 ====
道床なし線路が展開されている。ホーンビィの線路専用の道床スポンジがあり、それを線路の下に敷いた状態でレイアウト・ジオラマを製作すると走行音が低減される仕組みとなっているが、接着方法によっては効果が薄れる場合がある。
組み立て式線路は直線・曲線ともに種類は少なく、フレキシブル線路も発売されているものの、同じイギリスの[[Peco|ピィコ]]に大きく水をあけられている。[[転車台|ターンテーブル]]はテーブル上または床上に線路を敷設したフロアレイアウトでも使用可能な薄型のものである。
==== ストラクチャー・アクセサリー ====
100 ⟶ 99行目:
===== ホーンビィ Zero 1 =====
'''ホーンビィ Zero 1'''
{{Italics correction|''Zero 1''}}と名づけられた列車多重制御装置は1979年末に発売され、この装置は1990年代に登場した[[NMRA]]の[[オープン標準]]の[[デジタルコマンドコントロール]] (DCC) システムの先輩である。鉄道模型の分野に大きな革新をもたらしたZero 1ではあったが、制御装置と動力車や個々の付属品にそれぞれ搭載が必要な受信機の双方が高価であった為、商業的な成功には至らなかった。しかし汚れを取り除いたレールとよく整備された動力車ではシステムは宣伝されたように多かれ少なかれ動作した。
Zero 1システムは軌道上に常に20Vの使用する地域の電力線周波数 (イギリスや東日本では50Hz、アメリカや西日本では60Hz) の[[矩形波]]に毎秒3回の周期で更新される32ビット長の制御符号が載せられて供給された
このシステムは当時の半導体技術を導入することによって単純にする意図があったが、弱点として (上記の説明からわかるように矩形波の幅は最大10msで (50Hzの電力の地域では) 交互に20msから40msの間隔を空ける必要があった。) モーターに供給される電力が不連続でこれがモーターが滑らかに回転せず小刻みに変動してうなりをあげる原因となった。低速時に動力車の微細な速度調整を行う事は14段階の荒い速度調節や運転者が制御を入力してからの応答性の緩慢な特性が原因で同様に困難を伴った。
Zero 1の車載受信機を搭載した動力車はホーンビィの説明書によれば従来のシステムでは使用できなかった為、Zero 1のシステムを導入した人は従来のシステムを使用する友人やクラブのレイアウト上では走行できなかった。それはZero 1の車載受信機の使用を切り替える小型のスイッチを動力車に組み込めば容易に解決できる問題ではあったが、ホーンビィの公式な情報では触れられておらず、潜在的な顧客に実際には存在しなかった欠点を認識させる事になった。
分岐器や他の付属品の制御はとても単純な方法で出来た。 (分岐器や腕木式信号機のような) 電磁石で駆動される付属品や (信号機等の) 灯火類が組み込まれた付属品はそれぞれ4出力の線路からの電源で作動する付属品用受信機で出来た。それぞれの出力は電磁石や灯火類等、用途に応じて一時的な通電または連続通電か設定可能だった。付属品は制御盤に番号を入力する事で切り替えられ、最大99個の付属品を制御することが可能だった。
電磁石や灯火類よりもモーターを使用したターンテーブルのような付属品は動力車用の受信機を使用し、動力車と同様の方法で制御可能だった。
Zero 1 は 3 '段階' 導入だった。:
主幹制御装置は1986年に廃番になり、最後まで残った車載受信機は1991年のカタログの'限られた供給のR955車載受信機は入手可能'という掲載を最後に終了した。
122 ⟶ 121行目:
'修理に必要な部品の枯渇'を理由にホーンビィではまもなくZero 1の修理を終了する。
システムはとても信頼性が高く、基本の1980年代のキーボードの設計は主幹制御装置の劣悪な保管が主な問題である。それは容易に修理できる。車載受信機は2形式が入手可能だった。1981年以前の形は1個の
多くの模型愛好家の間で現在でもこのシステムは使用されており、ebayや中古市場で取引されている。
129 ⟶ 128行目:
毎年カタログが発売されている。その年以降に生産される予定のものが中心で、形は同じで塗装や表記を変えた製品が毎年のように発売されているため、前年に発売されたものは掲載されていない事が多い。
交通趣味書籍で知られるロンドンの[[:en:Ian Allan Publishing|イアン・アラン]] ({{Italics correction|''Ian Allan
=== その他の製品 ===
; プラモデル
: 1/32スケール
; ハンブロール
: プラモデル用の
; エアフィックス
: [[プラモデル]]製品。
; スケーレックストリック
; コーギー・クラシック
: 当初はメットーイ・プレイクラフト社 ({{Italics correction|''Mettoy Playcraft Ltd.
; バゼットローク
; ホーンビィ・インターナショナル ({{Italics correction|''Hornby International
: 旧リマグループの
: HOゲージの線路はOOゲージのホーンビィ製品を転用する。Nゲージの線路はリマグループで展開されていた製品を引き続いて生産する。▼
▲HOゲージの線路はOOゲージのホーンビィ製品を転用する。Nゲージの線路はリマグループで展開されていた製品を引き続いて生産する。
=== かつての鉄道模型製品 ===
; ホーンビィ・デュブロ
: かつてリバプールで製造されていた頃のブランドで、主に[[ロンドン・ミッドランド・アンド・スコティッシュ鉄道|LMS鉄道]]や[[イギリス国鉄]]の車両が製品化されていた。機関車やストラクチャーは亜鉛合金製
; トライアング・ホーンビィ▼
: かつてマーゲートのロベックス社の工場で製造されていた頃のブランドで、先述のとおりトライアング製品を主に製造していた。動力車のおもりや集電・駆動部以外は車輪にいたるまでプラスチック製のものが主流であった。線路は道床なし・組み立て式線路が展開されていた。{{main|トライアング・レールウェイズ}}▼
▲;トライアング・ホーンビィ
▲かつてマーゲートのロベックス社の工場で製造されていた頃のブランドで、先述のとおりトライアング製品を主に製造していた。動力車のおもりや集電・駆動部以外は車輪にいたるまでプラスチック製のものが主流であった。線路は道床なし・組み立て式線路が展開されていた。{{main|トライアング・レールウェイズ}}
; ホーンビィ・アショオ
: かつてフランスで展開されていたブランドで、主に[[フランス国鉄]]の機関車、客車、貨車、気動車が製品化され、線路やストラクチャー、制御機器もイギリスとは異なるものが展開されていた。一部の車両にスイス製のものが存在した。
== 脚注 ==
== 外部リンク ==
{{Commonscat|Hornby Hobbies}}
* [http://www.hornby.com/ HORNBY] - 公式ウェブサイト
* [http://www.hornbymagazine.com/ HORNBY magazine]
*
* [http://www.lickeyincline.co.uk/ History and pictures of Hornby,Triang,Wrenn,Bassett Lowke]
{{rail-stub}}
▲* [http://www.medicalart.co.jp/mokei/ メディカルアート] Distributor
{{Normdaten}}
{{デフォルトソート:ほおんひい}}
|