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==== 2023年7月から発生した全世界的な閲覧制限と混乱 ====
2023年7月1日21時頃(日本時間)より全世界のユーザで「API呼び出しの回数制限を超えました」というメッセージが現出し、新規のツイートを取得できない事例が続出している。この件に関し、マスクは同月2日(日本時間)未明の自身のTwitter投稿で「極端なレベルのデータ[[ウェブスクレイピング|スクレイピング]]とシステム操作に対応するため」として、認証済みの利用者は閲覧を1日当たり6,000件、認証していない利用者300〜600件に制限したと明らかにした。その後、制限は認証利用者は10,000件、非認証利用者は500〜1,000件に緩和されているものの、継続して規制が続いており、唐突かつ不明瞭な制限に全世界のユーザからの批判を浴びている<ref>{{Cite news |title=ツイッターが閲覧制限、「データ強奪」への一時的対策とマスク氏 |url=https://www.bbc.com/japanese/66078928 |work=BBCニュース |access-date=2023-07-24 |language=ja}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=Twitter、1日の閲覧数を制限 自動データ収集に対応 |url=https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN0144I0R00C23A7000000/ |website=日本経済新聞 |date=2023-07-02 |access-date=2023-07-24 |language=ja}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=マスク氏 ツイッター“閲覧回数に制限” データ収集などに対応 |url=https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230702/k10014115871000.html |website=NHKニュース |publisher=NHK |date=2023-07-02 |
マスクが主張する「スクレイピング増加」の背景として、マスクがAPIへのアクセスを有料化し、取得データ数を制限する方針を打ち出していることから、その結果APIを使わずに利用規約に違反してスクレイピングの増加を招いている可能性を指摘されている<ref>[https://mainichi.jp/articles/20230702/k00/00m/020/170000c ツイッター閲覧制限 マスク氏「スクレーピング」批判に専門家は] - 毎日新聞 2023年7月2日</ref>。また、一部の技術者は異常なトラフィックの原因として、TwitterのWebアプリのバグにより、無限ループ状態でTwitterにリクエストが送信されていることを発見し、TwitterがTwitter自身に対し、1秒当たり約10件のリクエストを送っていることから「最も壮大な自己[[DoS攻撃#DDoS攻撃|DDoS]]を発生させた」事が原因と指摘する意見も見られる<ref>{{Cite web|和書|title=Twitter障害はスクレイピングではなく“自己DDoS”が原因? |url=https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2307/02/news036.html |website=ITmedia NEWS |access-date=2023-07-24 |language=ja}}</ref>。これに加え、マスクの就任以降に行われているエンジニアを含めた大規模な人員削減の影響で、障害に対処できていない点も指摘されている<ref>{{Cite web|和書|title=なぜTwitterで閲覧制限? 背景を考える(山口健太) - 個人 |url=https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/97202d6f23259618ce7777f8d873338b78f906c6 |website=Yahoo!ニュース |access-date=2023-07-24 |language=ja}}</ref>。さらに経営的な問題として、以前よりサービスの一部をGoogle Cloudプラットフォームに依存していたが、Googleへの支払いを停止して契約条件について交渉していたものの合意に至らず、このままでは6月30日をもってGoogleのサーバを利用できなくなる見込みとの報道も出ていた(その後、X社はGoogleへの支払いを再開したとの報道あり)<ref>[https://cafe-dc.com/cloud/twitter-pays-google-cloud-bill-fixes-relationship-report/ TwitterがGoogle Cloud請求書の支払に応じ、関係修復へ] - Data Center Café 2023年6月23日</ref>。
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制限発生から3日後の同月4日にようやく、マスクに代わってX社のCEOに2023年6月に就任した[[リンダ・ヤッカリーノ]]がこの制限について釈明し「Twitterのような使命がある場合、プラットフォームを強化し続けるために大きな行動が必要だ」と制限を正当化したが、見解表明が規制導入から3日も後だった理由については回答していない。また、X社によるビジネス向けリリースでは「私たちのユーザーベースの信頼性を確保すべく、プラットフォームからspamやbotを除去する必要がある。そのためには大変厳しい措置を講じる場合がある」としたうえで、事前に予告なく規制に至った事態に関しては「あらかじめ告知することで、悪質業者が行動を変え、Twitterによる検知を逃れるため」と釈明し、「この一時的な閲覧制限はプラットフォームを使用している人々のごく一部に影響を及ぼしており、作業が完了次第、最新情報を提供する予定だ。広告への影響も最小限にとどめた」と表明しているが、具体的な規制解除や解除後も再び閲覧規制を実施するかどうかなどは言及していない<ref>[https://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/2307/05/news182.html Twitterの閲覧制限、事前告知がなかった理由は? X社がビジネス向けのWebページで釈明] - ITmedia Mobile 2023年7月5日</ref>。このようなX社、マスク、ヤッカリーノらの一連の姿勢についても、全世界から厳しい批判が集まっている<ref>[https://jp.reuters.com/article/twitter-users-idJPKBN2YL01A 米ツイッターCEOが閲覧数制限を弁明、導入後も広告は安定] - ロイター 2023年7月5日</ref>。
Twitterは政府、官公庁や企業がプロモーションツールや連携機能で利用しているケースが多くみられる。特に日本においては防災情報の発信にTwitterを活用している自治体も多く「Twitterは現場の状況がリアルタイムで入ってくる。閲覧制限が続くと、災害の発生自体の情報が得にくくなる」と自治体の災害状況の把握確認に影響を懸念する意見も見られる<ref>
混乱を受けて、代替のSNSへの移転を模索するユーザが増加しており、SNSの[[マストドン (ミニブログ)|Mastodon]]の投稿はTwitterの制限による混乱が起きた週末に3倍に増加<ref>[https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2307/04/news073.html Mastodonのユーザー急増、投稿が約3倍に Twitter混乱で] - ITmedia NEWS 2023年7月4日</ref>し、[[Misskey]]を使用したSNSサーバーの一つであるMisskey.ioでは2月時点で3万人だった登録者数が7月2日に20万人を突破し、新規登録者の増加から一時登録制限を行う<ref>[https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2307/04/news108.html Twitterからの移住者か、「Misskey.io」登録者20万人超え 1日で4万人増も一筋縄ではいかず] - ITmedia NEWS 2023年7月4日</ref>などの変動が見られた。Twitter創業者で元CEOの[[ジャック・ドーシー]]が支援する分散型SNSの[[Bluesky]]もベータテスト中であるが、Twitterの制限以降、記録的なトラフィックが集中しており、新規ユーザー登録を一時的に停止する事態となっている<ref>[https://gigazine.net/news/20230703-bluesky-sign-up-pausing/ Twitter乗り換え先として注目されるSNS「Bluesky」がサーバー負荷爆増により新規ユーザー登録を一時停止、Twitter閲覧数制限に伴う新規加入者続出が原因か] - GIGAZINE 2023年7月3日</ref>。また、Facebookや[[Instagram]]などを運営する[[Meta (企業)|Meta]]は、当初は7月中旬にリリースを予定していた競合のSNSとなる「[[Threads]](スレッズ)」を前倒しする形で7月6日にリリースした{{Efn|ただし、[[欧州連合]]の地域では、Metaが[[EU一般データ保護規則]](GDPR)に抵触しているとして罰金を科された判決の影響もあり、同地域内でのリリースは見送られている。}}。Twitterの混乱を受けての代替ユーザ獲得を目論んでの動きとみられている<ref>[https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN041AJ0U3A700C2000000/ メタ、Twitter対抗サービス「Threads」6日開始へ 日本語も] - 日本経済新聞 2023年7月4日</ref><ref>[https://gigazine.net/news/20230704-meta-twitter-competitor-threads-launches-date/ 「Twitterに似た競合アプリ」としてMetaが開発する「Threads」はApp Storeによると7月6日にリリース予定] - GIGAZINE 2023年7月4日</ref>。
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