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# 農村労働者階級(9%) <ref name="ency_italy" /> - 農業・林業・漁業などの第一次産業に従事する人々
 
=== 日本 ===
現在、日本では、[[日本国憲法第14条|憲法第14条]]が[[法の下の平等]]を規定しており、[[皇族]](一部除く)を例外として、[[国民]]の間には世襲的な特権階級は存在しないとされている。しかしながら、いくつかの要素が組み合わさることにより社会的に序列づけることはおこなわれている。
==== 現況 ====
日本では、[[日本国憲法第14条|憲法第14条]]が[[法の下の平等]]を規定しており、[[皇族]](一部除く)を例外として、[[国民]]の間には世襲的な特権階級は存在しないとされている。
しかしながら、いくつかの要素が組み合わさることにより社会的に序列づけることはおこなわれている。
 
==== 職階など ====
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また、企業などでは、職務の度合いに応じて責任を示す職階、役職([[課長]]、[[部長]]、[[役員]]など)が、職務上の指揮命令の権限だけでなく、組織内での様々な待遇(食堂の別、運転手や執務用個室の有無など)の格差に及んでいる。こうした職階の制度は職務に対する責任と[[報酬]]の度合いをはかるのに必要なものであるが、日本の組織内の階級制度はしばしば法的根拠を欠く業務外での待遇格差と指揮権限(いわゆる職権濫用)に及んでおり、[[商法]]に違反した重大な人権問題行為であるとも指摘されている(いわゆる[[パワーハラスメント]])。例えば、就業規則に上位役職の業務命令を遵守するように規定される一方で、その業務命令の範囲と遵守違反に対する懲戒が明確でないケースがあり、遵守違反者に対する免職は裁判で会社側が勝った判決例が存在する。また、人事や[[給与|給料]]の査定は上位役職の権限であり、職位によっては関連会社への発注権限もあるため、従業員や関連会社の従業員もしくはその家族は上位役職者の感情を害さないように業務外でも役職に従わざるを得ない場合もありえる。こうした日本企業の特徴は、企業が[[株主]]でなく経営者のための経営と化し外部監査が機能していないことによる現象とも指摘される。実際に、上位役職者とその家族が、役職の権限を私物化して、[[裁判]]や社会問題になったこともある。さらに、組織やその直接的利害関係者の外においてみても、個人の所属組織名や役職名や[[収入]]が、[[銀行]]ローンの上限、[[ゴルフクラブ]]の会員権や[[クレジットカード]]の種類に影響を及ぼしたり、その家族の結婚や就職などにまで影響することは珍しくない。このため、所属組織の権威・実力,役職,[[収入]]の肯定が、実質的な社会階級と化していることもある。もっとも、こうした傾向は[[政治家]]などの「名士」とされる人々においてもみられるし、必ずしも日本の民間企業に限った現象ではない。
 
==== 日本における階級の歴史 ====
===== 明治以前古代から近世まで =====
[[File:Japanese Noble Samurai and Servant by Pannemaker c1845.png|thumb|武家と召使い(1845年頃)]]
[[8世紀]]に完成した[[律令制]]の下では、[[朝廷 (日本)|朝廷]]に仕える公民については、個々人は[[班田収授法|班田制]]に基づいて国家から平等に田が与えられることとされた一方、朝廷に仕えるものや国家に勲功があったものには一代限りの[[位階]]が与えられることとなり、実質上の貴族制度が維持された。
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また、江戸時代には公家、武家の他に[[農民]]、[[町人]]が身分として認められ、かつそのそれぞれが生業や資産、社会的な地位などによって区別化されていた。
 
===== 明治時代以降の身分構造 =====
{{Main|明治維新|大日本帝国憲法|四民平等}}
[[明治|明治時代]](より正確には[[大日本帝国憲法]]成立)以降、それまでの封建的[[身分]]社会における階級は、[[天皇]]の一族である[[皇族]]、公家大名などを中心とした[[華族]]、武士階級を中心とした[[士族]]、農民等を中心とした[[平民]]に分けられた。これらの分類の呼び名を[[族称]]という。四つの族称に分類された各階級の人々は明治新政府の発した[[四民平等]]の方針の下で基本的には天皇の前に平等とされた。
 
これは近代国家として世界に通用する日本を建設する上で不合理な制度の残る国というイメージを払拭する狙いがあり、また天皇を中心とした[[富国強兵]]を押し進める上では階級間の差別等を是正する効果があった一方、封建的要素も色濃く残した。
 
特に[[華族]]については、それまでの支配階級として既得権を奪うことで世情が混乱するおそれが考慮されたり、天皇を中心とした国家建設に向けて皇室の藩屏を担う存在が必要とされたため、それまでの支配階級を特別な身分として遇したものである。華族は、[[貴族院 (日本)|貴族院議員]]への選出や官僚への登用、[[学習院]]への修学などで、様々な特権を享受した。
 
中間的な階級である[[士族]]に関しては、髷の禁止や[[廃刀令]]や[[俸禄]]の廃止といった既得権を奪う施策が段階的に実施され、最終的にはほとんど平民とかわるところがなくなった。
 
平民は自由な身分が与えられたことに加えて、学業優秀な者は大学へ進学して学位を得て[[官僚]]に登用されたり、[[軍人]]になるなどの手段を通じて立身出世する道が開かれた。また、高額納税者であれば貴族院議員への選出も可能であった。