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[[2025年]][[5月23日]]、[[盛岡新幹線車両センター]]青森派出所。[[盛岡新幹線運輸区]]所属の[[車掌]]・高市和也は、修学旅行で訪れた臺葉工大附属高等学校の生徒たちに、新幹線についての説明や質疑応答を行っていた。
 
その後、高市は便乗車掌の藤井慶次とともに、15時17分[[新青森駅|新青森]]発[[東京駅|東京]]行きの「[[はやぶさ (新幹線)|はやぶさ]]60号」(5060B、[[新幹線E5系・H5系電車|新幹線E5系電車]]U75編成<ref group="注釈">現実のE5系は先行量産車も含めU1 - U51の全51編成が製造されており、この編成自体は架空のものである。</ref>)に乗務する。列車は定刻通りに新青森駅を出発したが、ほどなくして「はやぶさ60号」に爆弾を仕掛けたという連絡がJR東日本ご意見承りセンターに寄せられる。犯人は列車の速度が100 km/hを下回ると爆発するといい、爆弾が本物であることを証明するため、青ヱ森鉄道線の貨物2074列車にも5 km/h以下で爆発する同種の爆弾を仕掛けたと告げる。[[青い森鉄道線|青ヱ森鉄道線]]・[[東青森駅|青森東駅]]の職員はその旨を疑うも、実際に貨物2074列車は大爆発を起こす。
 
この事実を知った[[東日本旅客鉄道新幹線統括本部|JR東日本新幹線統括本部]]の吉村慎之介は、直ちに総合指令所の統括指令長・笠置雄一に連絡し、「はやぶさ60号」以外の列車の退避を命じる。指令所の永野は「はやぶさ60号」の運転士・松本千花に連絡し、速度を100 km/h以下に落とさないよう指示。そして笠置は高市に、乗客に対して爆弾の存在を公表せず、次の停車駅である[[八戸駅]]は「運行上の問題」で通過扱いとすることを命じた。その後、指令所には[[警視庁]]の[[捜査一課]]特殊犯捜査係の[[警部補]]・川越吉晴が到着。「はやぶさ60号」が八戸駅を通過した後、すぐに犯人から指令所に電話が入り、日本国民全員に爆弾の解除料金として1,000億円を要求した。
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しばらくして、修学旅行に来ていた柚月が居ないことに気付いた教員の'''市川さくら'''が60号に戻ってしまう。それを見た加賀美と秘書の'''林広大'''は彼女を追いかけ、等々力も成り行きで戻ることになってしまう。60号では後藤がゴルフクラブを持って暴れており、高市と藤井はその事に手を煩わされていた。それを見た加賀美は後藤を一喝し、高市は藤井に残っている乗客らを救出号へ連れていくよう指示した。その時、救出号の非常ブレーキが作動し、60号のスピードが落ちてきてしまった。このままだと二車輌ともに被害を受けてしまう。そのため、松本は急ブレーキをかけ、ブレーキが連動していない救出号を連結部に衝突させての連結切り離しを試みる。衝撃で橋は破壊されて切り離しには成功したが、橋の残骸が藤井の背中に刺さってしまい、藤井は瀕死の重傷を負ってしまう。
 
乗員・乗客349名のうち、340名は救出号へ移動できたが、9名は60号に取り残されてしまった。そして市川は柚月を発見する。佐々木はもう一度作戦を行えばいいと考えたが、車輌の損傷からそれは行うことが出来なくなっていた。60号は宮城県[[白石市]]の[[白石蔵王駅]]を通過し、取り残された乗客らは心中を吐き出していた。柚月は親に電話をすると8号車を後にし、その背中を高市は見つめていた。その時、高市の視界にポスターが入り、高市は新たな作戦を思いついた。60号が[[福島県]][[伊達郡]][[国見町]]を通過している頃、指令所でも佐々木と笠置の意見が対立し、混乱が生じていた。そこに高市が電話をかけ、思いついた作戦を話した。それは、[[東京駅]]で[[東北新幹線]]の線路を[[東海道新幹線]]へと繋ぎ、60号を[[鹿児島中央駅]]まで走らせて時間稼ぎを行い、その間に爆弾を解除するという作戦だった。佐々木もJRの許可を取るべく、この作戦に協力する姿勢を示す
 
柚月は、父親の'''小野寺勉'''に電話をかけていた。勉は元警察官で、109号事案の際に犯人のひとりである'''古賀勝'''が自爆した現場に臨場していた。警察上層部は犯人が自爆した事実を隠すため、勉を勝を射殺した英雄に仕立て上げていた。そのプライドや妻との死別から、柚月に対して[[ドメスティックバイオレンス|精神的・肉体的な虐待]]を繰り返しており、柚月を奴隷のように扱っていた。その事を柚月は恨んでおり、'''嘘の日常を壊す'''というスローガンを掲げ、憎しき父親の象徴である新幹線に爆弾を仕掛けたのだ。そして、自身の家にも爆弾を仕掛けており、勉ごと遠隔操作で爆破したのである。柚月は8号車に戻り、高市らの前で指令所に電話をかけ、自身が犯人であると自供した。目的を達成した柚月は60号に仕掛けた爆弾の解除方法を伝える。それは柚月の体内にある小型の心臓モニターが心拍を検知できなくなると爆弾が解除されるという仕組みだった。すなわち、止めるためには柚月を殺害するしかないという事だった。
 
そんな中、東京駅の東海道新幹線14番線ホームと東北新幹線23番線ホームでは高市が考えた案である臨時の路線延長工事が[[東日本旅客鉄道新幹線統括本部#設備関係区所|大宮新幹線保線技術センター]]副所長である'''新庄一'''を中心に行われていた。そして60号では等々力と林が揉め、また混乱が生じていた。市川は柚月に寄り添おうとするも、これまでの自身の行為を指摘され、市川は今まで柚月に対してしてきたことを後悔する。茂木らは柚月のInstagramのアカウントを発見し、頻繁に柚月と連絡を取り合っていた男のアカウントを発見する。それは大英興業に務める[[発破技士]]の男・'''古賀勝利'''で、109号事案の犯人である古賀勝の息子だった。川越は[[埼玉県警]]を向かわせ、勝利の身柄を確保した。犯人の動きは明らかになったが、60号は爆弾を乗せたまま東京に近づいており、[[福島県]][[二本松市]]を通過した。藤井の容態は悪くなるばかりで、このままだと危険だった。そして、東京駅の臨時路線延長工事は[[国土交通省]]や[[JR東海]]からの反対で中止になってしまったのだった。
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指令所は絶望の空気に包まれ、新庄らの元にも中止の知らせが届いていた。そのことを笠置は高市に知らせ、笠置は高市に60号の行く末を託した。為す術がなくなった高市は柚月の首を絞め、[[窒息死]]させようと試みるも彼は柚月を殺害できず、抱きしめてしまった。柚月は高市の優しさに触れ、涙を流した。川越は[[埼玉県]]の警察署にいる勝利にオンラインで取り調べをしていた。勝利は柚月の環境に同情し、爆弾を渡したと話した。川越は勝利のもうひとつの動機を指摘した。それは自身の父である勝の自決を汚した、というものだった。川越は勝利から爆弾の位置も聞き出し、笠置と吉村に報告した。笠置らは60号を止めようとゼロ地点を話し合っていたが、新たな作戦を[[埼玉県]][[鷲宮町]]の[[鷲宮信号場]]周辺で行うことにする。笠置は諏訪、高市、指令所をオンラインで繋ぎ、作戦の概要を話した。諏訪らも協力することになった。
 
60号は[[栃木県]][[那須塩原市]]を過ぎ、乗客らは最後の作戦に備え、ありったけの緩衝材となるものを探していた。高市は運転室へ行き、松本に時速120kmに固定させて松本と共に8号車へ戻った。埼玉県の鷲宮信号場高架下では消防隊や救急隊が集まり、60号の接近に備えていた。一方、救出された乗客らはバスに乗り、宮城県仙台市[[仙台東部道路]]から60号の行方を見守っていた。60号は[[茨城県]][[古河市]]を過ぎ、鷲宮に近づいていた。関係者は最後の準備を済ませ、その時を待っていた。そして、60号の7号車が鷲宮保守基地の52号転てつ機に差し掛かった際にポイントを変える。60号が火花を散らす中、更にその先の51号転てつ機を操作し、7・8両目を[[脱線]]させ、1~6両目を切り離した。7・8両目はそのまま本線へ転がり、1~6両目は側線へと入った。鷲宮分岐で1~6両目はスピードを失ったために1・4・6両目の爆弾が爆発し、炎上しながら防音壁を超えて地上に落ちた下する。7・8両目はまだ止まることが出来ず、強い衝撃に耐えていた。そのまま横向きとなっていた7両目に8両目が突っ込み、7両目は大破。それでも止まれなかった8両目は用意されていた緩衝用丸型クッションドラムに突っ込み、ようやく静止した。

救助隊はすぐさま8両目へ向かい、全員の生存を確認し救助した。指令所はその報告に喜び、安堵の気持ちに包まれた。笠置は[[大宮駅|大宮]]・[[小山駅|小山]]間、[[仙台駅|仙台]]・[[古川駅|古川]]間を運休とし、その他の路線での運転再開を命じた。藤井はすぐに病院に搬送され、柚月は川越に確保された。川越は古賀の本当の目的を話したが、柚月に重い言葉を投げかけられ、言葉を失った。川越は等々力のクラウドファンディングの目標金額達成画面を見せ、柚月に少しの希望を見せ、救急車に同乗して病院へ行った。乗客らも安堵し、松本から救援物資を分けてもらった。高市と松本はほかの職員と合流し、賞賛の言葉をかけられるのだった。
 
=== キャスト(リブート版) ===