「浦和レッズ差別横断幕事件」の版間の差分
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=== サポーター問題 ===
{{main|浦和レッドダイヤモンズ#サポーター}}
浦和のサポーターは、Jリーグ開幕当初から熱狂的なことで知られており、国外のサポーターが応援スタイルを模倣するなど畏敬されている<ref name="rensai">{{Cite web|和書
[[2010年]]には、[[5月15日]]開催のアウェー第12節・[[ベガルタ仙台]]戦の試合後に、浦和サポーター20名ほどが立ち入り禁止区域に入って[[ペットボトル]]を投げつけて観客を負傷させたうえ、そのうちの2〜3名が仙台の[[ミッドフィールダー]]・[[梁勇基]]に向けて人種差別的な発言を行っており、浦和に対して譴責と制裁金500万円の処分が下された<ref>{{Cite web|和書|
=== 特定選手に向けられたとする見方 ===
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李自身も横断幕は自分に対してのメッセージと分析している。その理由についてサッカージャーナリストの轡田哲朗は、浦和サポーターには「新加入選手を無条件には受け入れず、活躍を示してから声援が大きくなる」という傾向があるとした上で、[[サウサンプトンFC]]在籍時の負傷によりコンディションを崩し加入後も肋骨の骨折により結果を出していなかったこと、浦和に[[サンフレッチェ広島F.C]]出身の選手の加入が続いていたことなどを挙げ、韓国から帰化した選手であることは理由のひとつとした<ref>{{Cite news |author=轡田哲朗 |url=https://number.bunshun.jp/articles/-/827019|title=今も、横断幕の話をする目には涙が。李忠成が「浦和の一員」になるまで。|publisher=[[Sports Graphic Number]]Web|date=2016-12-06|accessdate=2018-03-15}}</ref>。
浦和のサポーターグループのいくつかに[[嫌韓]]の傾向があったことが要因との指摘がある。『[[月刊浦和レッズマガジン]]』2014年3月号でインタビューを受けた『[[URAWA BOYS]]』初代リーダーの男性は、「浦和のウルトラは韓国が嫌いだからね。ウチの歴史にはないことだから、最初はいろんな反応が渦巻くと思う。クラブのスタッフが本人(李)に伝えているそうだけど、本人が相当の覚悟を持って浦和に来るということは僕も感じるんだよね」と発言<ref name="浦和201403">{{Cite
この事件を受け、サッカージャーナリストの[[清義明]]が著書『サッカーと愛国』の中で、浦和レッズの元社長である[[犬飼基昭]]が過去に、「韓国人選手をチームに入れることは韓国代表の強化につながるので、浦和レッズに韓国人選手をチームに入れることはない」と明言していた例をあげ、それがサポーターとの間で(事件発生当時には)了解事項とされていたのではないかと推測している。この浦和の嫌韓の風潮を李自身も知り、覚悟してチームに入ったという李の実父からの証言も紹介している<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.targma.jp/tetsumaga/2016/08/11/post3269/2/|title=【グローバルアイ】「サポーターは基本的にコスモポリタニズムですよ」 清義明(『サッカーと愛国』著者)インタビュー |publisher=tagma|date=2016-08-11|accessdate=2016-09-04}}</ref>。
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『[[週刊朝日]]』2014年3月28日号は、あるサッカー記者のコメントを引用し「浦和は平均3万人以上の観客動員力を誇るが、それがサポーターを甘やかし増長する環境を作った側面もある。李忠成の加入に対する反感はチーム関係者とサポーターが馴れ合いの関係になっていることの表れ」などと評した<ref name=dotasahi/>。
=== 地域の閉鎖性 ===
他の都道府県民から「特徴が掴みにくい」と評される埼玉県にあって<ref name="祖父江">{{Cite book|和書|author=祖父江孝男|authorlink=祖父江孝男|title=県民性 文化人類学的考察|series=中公新書|publisher=[[中央公論社]]|year=1971|isbn=4-12-100265-2|pages=115-116}}</ref>、浦和地域は県庁所在地として行政機能を有するものの、「対外的な顔としての機能を持たない」<ref name="祖父江"/>、「明確なイメージがない」地域と見なされていた<ref name="ナ320">{{Cite
この地域では1960年代後半頃から急速な都市化により宿場町以来の街並みは失われ、それと並行するかのように住民はサッカーに拠り所を求めるようになっていた<ref name="山岡">{{Cite book|和書|author=山岡淳一郎|authorlink=山岡淳一郎|title=マリオネット プロサッカー・アウトロー物語|publisher=[[文藝春秋]]|year=2002|isbn=4-16-358270-3|pages=163-170}}</ref>。その源となった浦和地域の高校サッカー部は「浦和を制するものは全国を制する」なるスローガンを掲げ、街の代表としての一体感や連帯意識を強く持ち合わせていた<ref>{{Cite book|和書|title=浦和・埼玉 サッカーの記憶 110年目の証言と提言|publisher=株式会社フットボールタウン|year=2019|pages=96-97}}</ref>。それが高じて一部の公立高校が団結して私立の新興勢力を排除する動きが見られた<ref>{{Cite web|和書|url=https://saitama-soccer.jp/column/21457/|title=「打倒浦和勢からスタートして、全国制覇を果たすまで」大山照人(武南高校サッカー部監督)インタビュー前編|publisher=埼玉サッカー通信|date=2018-05-30|accessdate=2019-01-26}}</ref>。
[[浦和レッドダイヤモンズ]]
=== 日韓ワールドカップなどの影響 ===
日本国内のインターネット上での韓国や[[中華人民共和国|中国]]に対する敵対感情は、[[2002年]]に日韓で共同開催された[[2002 FIFAワールドカップ]]がきっかけになったと言われている<ref name="週刊朝日20131011">{{Cite web|和書|url=https://dot.asahi.com/articles/-/104278|title=嫌韓は2002年日韓W杯がきっかけだった!? |publisher=[[週刊朝日]]2013年10月11日号 ([[朝日新聞出版]]) |date=2013-10-05|accessdate=2014-12-01}}</ref>。ジャーナリストの[[木村元彦]]は「単独開催を狙っていた日本が、後から韓国との共同開催に持ち込まれた『してやられた感』がベースになっている。それに加えて、[[サッカー大韓民国代表|韓国代表]]のゲームで明らかに韓国有利な判定が続いた。さらにマスメディアが判定に疑問を投げかけるような報道をしなかったこともあって反感が高まった」と推察している<ref name="週刊朝日20131011"/>。
浦和に関しては、海外のサッカークラブと戦う[[AFCチャンピオンズリーグエリート|アジアチャンピオンズリーグ]]に出場したことがきっかけとなったのではないかと言われているが<ref name=dotasahi>{{Cite web|和書|date=2014-03-19 |url=https://dot.asahi.com/articles/-/105191 |title=浦和レッズ横断幕問題 差別的なのはサポーターだけじゃない? |publisher=[[週刊朝日]] 2014年3月28日号([[朝日新聞出版]]) |accessdate=2014-11-12}}</ref>、当該横断幕を掲出したサポーターグループの一員は『[[朝日新聞]]』の取材に対し「向こう(中韓)の応援は『[[反日]]』をガンガンやってくる。行けばわかりますよ」「アウェーの試合に駆けつけるうち、相手から[[ブーイング]]を浴びる機会があり、次第に中韓が嫌いになった」と回答した<ref>{{Cite
=== サッカーの特性 ===
Jリーグで人種差別が問題となった例はこれまでもあり、[[神戸大学]]准教授の小笠原博毅([[社会学]])はサッカー界ばかりで差別問題が目立つことについて、「攻守が切り替わる[[野球]]やプレーが途切れる[[ラグビー]]に比べ、サッカーはプレーが続き攻守が頻繁に入れ替わる。その分、観客は選手と一体化し、熱狂を生みやすい。興奮すると、選手の見た目の特徴を攻撃し、憂さ晴らしする心理が働く」と分析。一方、スポーツ評論家の[[玉木正之]]は「野球や相撲などでも外国人への中傷はある。サッカーばかりで目立つのは、サッカー界が世界的に人種差別撤廃に本気で取り組んでいるから。ただ、差別撤廃を目指すJリーグの意識が、サポーターに浸透しきれていない」と分析している<ref>{{Cite news|和書|title=人種差別 なぜサッカーばかり目立つのか
== 影響 ==
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