「進行性核上性麻痺」の版間の差分

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* 抗プリオン染色による異常プリオン蛋白抗原の検出
 
1996年以降コンセンサスが得られた進行性核上性麻痺の病理診断基準は存在しない。2022年に発表されたRainwater慈善財団の病理診断基準<ref>Acta Neuropathol. 2022 Oct;144(4):603-614. {{PMID|35947184}}</ref>がコンセンサスを得られることが期待される。MDS診断基準作成時はNINDSの病理診断基準とDickson DW<ref>J Neurol. 1999 Sep;246 Suppl 2:II6-15. {{PMID|10525997}}</ref>とKovacs GG<ref>Neuropathol Appl Neurobiol. 2015 Feb;41(1):3-23. {{PMID|25495175}}</ref>の論文を参考にしたと記載されている。Dickson DWとKovacs GGは神経原線維変化以外にグリア病変として房状アストロサイトやコイル小体の重要性を述べている。具体的にはDickson DWは進行性核上性麻痺の様々な病型とタウ病理の違いを考察した<ref>Curr Opin Neurol. 2010 Aug;23(4):394-400 {{PMID|20610990}}</ref>。Kovacs GGは様々な病型と神経細胞、アストロサイト、オリゴデンドロサイトのタウ病理の進展を検討した<ref>Acta Neuropathol. 2020 Aug;140(2):99-119. {{PMID|32383020}}</ref>。[[淡蒼球]]、[[黒質]]、[[視床下核]]はいずれの亜系の進行性核上性麻痺であっても病変が認められる。同部位の病変は進行性核上性麻痺の特異度が高い病変と考えられる。PSP-RS、PSP-P、PSP-PAGFで病理検討すると淡蒼球、黒質、視床下核に必ず神経細胞の脱落とアストログリオーシスが認められた<ref>Brain. 2007 Jun;130(Pt 6):1566-76. {{PMID|17525140}}</ref>。この部位の障害が姿勢保持障害や歩行障害や無動に関わっていると考えられている。この症状は最終的にはどの進行性核上性麻痺の亜系でも出現する。またこの部位の障害が目立つPSP-PNLAという亜型も報告されている<ref>Brain. 2008 Feb;131(Pt 2):460-72 {{PMID|18158316}}</ref>。
 
[[脳幹]]の病変は[[眼球運動障害]]に関与し淡蒼球以外の大脳基底核病変はPSP-PやPSP-Cに影響している可能性がある。前頭葉の病変は認知機能障害に関与する可能性がある。