「フライング・タイガース」の版間の差分

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== カーチスH81-A ==
[[画像:Curtiss P-40C Model H 81-A3.jpg|240px|thumb|フライングタイガースに所属するカーチスH81-A]]
AVGメンバーが当初使用したのは、米軍の[[カーチス・ライト|カーチス]]社製[[P-40 (航空機)|P-40]]B型相当である輸出仕様の機体であった。以前からイギリス軍に供与され「トマホークMk.IIB」の名称で北アフリカなどで実戦で使われていたものだが、低速で機動力が乏しく上昇力が悪く、さらに高空での性能が良くないなどの問題点を指摘されており、アメリカ軍がAVG向けに大量発注した際には、合衆国委員会が不正調査を行ったほどである<ref>もともと英空軍が発注したのはトマホークMk.IIA (メーカーによる呼称H81-A2、米軍制式名P-40B) で、フライングタイガース向けに送られた機体は製造ナンバー上ではP-40Cに相当したが、実際は防漏燃料タンクの仕様がB型のままでゴムが外装式だった。</ref>。しかしこの型は旧式と認識されてはいたが、経験豊富なパイロットにとっては扱いやすく、さらに頑丈で急降下性能に優れた機体でもあった。防弾板と自動防漏燃料タンクは被弾によるダメージを軽減し、多くのパイロットを生還させた。AVGが手にしたH81-Aは、もともとイギリスに売却予定だった機体で、上面2色のイギリス空軍式の熱帯向け迷彩が施されていた。これは英軍からの受領拒否で未組立の保管状態になで、当時は輸出規制対象だた光像式照準器もな状態だっ機体ものを、中国が購入したためである<!--アメリカ軍が発注し(開戦前、AVGの装備の代金や隊員への給与は中国が購入した政府から支払われており、レンドリースして装備が供与されるのは事実か。説明が必要-->後の話である)<ref>中山雅洋『中国的天空(下)』21頁</ref>。これらの機体には部隊到着後に、機首の下の部分に北アフリカのイギリス空軍第112中隊に倣った「シャークティース(サメの歯)」をイメージしたペイントが施されており、後部胴体には[[ウォルト・ディズニー]]・スタジオの[[ロイ・ウィリアムズ]]によりデザインされた虎に翼が生えた記章が描かれた。さらにコクピット横、あるいは前方には各中隊章が記入された。
 
シェンノートはH81-Aでは運動性に優れた日本軍の戦闘機を相手に格闘戦では勝てないことを知っていた。そこで敵機より上空から降下し、近距離から射撃を加えた後に一気に離脱、その加速を利用して上昇し、また同じことを繰り返す[[一撃離脱戦法]]をAVG隊員に徹底させた。この戦術は常に数的に劣勢であったAVGにとって大変有効な攻撃方法だった。H81-Aの武装は主翼に7.62 mm機銃4挺と機首に12.7 mm機銃2挺が装備され、防御の薄い日本軍機に対しては有効であった。訓練を重ねたAVGは徐々に技量を向上させ、バトル・オブ・ブリテンでエースとなったイギリス軍パイロットの操縦する[[F2A (航空機)|バッファロー]](英第67戦闘機隊)と模擬空戦を行い、勝利する者も現れた<ref>中山雅洋『中国的天空(下)』26頁</ref>。