「ホーク (ミサイル)」の版間の差分

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運用国一覧: 「The Military Balance 2024」に基づき、スペイン陸軍の保有状況を加筆
Nemo271 (会話 | 投稿記録)
日本での運用の項目の独立化
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イランにおいては、[[イラン・イラク戦争]]で消費し尽くした[[AIM-54 フェニックス]]の代替として、ホークを[[空対空ミサイル]]に改造し、[[F-14 (戦闘機)|F-14]]戦闘機に搭載している。
 
=== 日本でウクライナの運用 ===
[[2022年ロシアのウクライナ侵攻]]では、ウクライナがホークミサイルを使用した。[[2025年]]、ウクライナ政府の公式サイトは、ホークミサイルで[[ロシア]]の[[巡航ミサイル]]([[Kh-101 (ミサイル)|Kh-101]])を破壊する映像を公開した<ref>{{Cite web |url=https://trafficnews.jp/post/553602 |title=ロシア軍の巡航ミサイルが「木っ端みじん」に 迎撃した地対空ミサイルが“直撃する瞬間”を捉えた映像が公開 |publisher=乗り物ニュース |date=2025-06-05 |accessdate=2025-06-05}}</ref>。
==== 導入に至る経緯 ====
 
=== ウクライナ日本での運用 ===
==== 導入に至る経緯 ====
[[画像:Hawk Launcher.JPG|thumb|250px|陸上自衛隊の改良ホークと発射機]]
[[日本]]では、[[第2次防衛力整備計画]]において、[[防空]]能力改善のため地対空ミサイルの導入が図られることになっていた{{Sfn|陸戦学会編集理事会|2000}}。1956年(昭和31年)8月の防衛庁長官指示に基づいて、防空装備委員会が防空全般の長期的兵備構想の一環としてSAMを研究するとともに、[[陸上自衛隊]]に実験部隊を編成して、3自衛隊および技術研究本部の共同研究および実験に当たらせることとなった{{Sfn|航空幕僚監部|2006|pp=226-230}}。
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1959年(昭和34年)5月、防空装備委員会は「長期防空兵器体系に関する基本構想」をまとめ、報告した{{Sfn|航空幕僚監部|2006|pp=226-230}}。この報告では「自衛隊の装備するSAMは原則として[[航空自衛隊]]に所属するのが望ましい」と述べつつ、[[F-X (航空自衛隊)|F-X]]に加えて当時俎上に載せられていた3種類のSAM(ホークのほか[[MIM-3 (ミサイル)|ナイキ]]と[[CIM-10 ボマーク|ボマーク]])を同時あるいは相次いで導入することは後方支援組織等多くの困難があることを指摘し、完全な機動性をもつホークについては陸上自衛隊の所属とする可能性を残した{{Sfn|航空幕僚監部|2006|pp=226-230}}。[[統合幕僚監部|統合幕僚会議]]ではこれを踏まえて更に研究したのち、同年7月に「SAMの導入、研究開発、部隊建設および指揮運用」についての方針を発表し、高高度・長距離SAMは航空自衛隊、低高度SAMは陸上自衛隊という原則が示された{{Sfn|陸戦学会編集理事会|2000}}{{Sfn|航空幕僚監部|2006|pp=226-230}}。この後、特にナイキの所属について陸・空で激しい議論がかわされたが、1962年(昭和37年)12月28日長発防1第317号をもって、ホーク部隊については陸上自衛隊の所属として決着した{{Sfn|陸戦学会編集理事会|2000}}{{Efn2|なおナイキについては、第1次ナイキ部隊を陸上自衛隊において編成したのちに1964年4月に航空自衛隊に所属を移し、第2次ナイキ部隊は航空自衛隊で編成しその所属とすることが決定された{{Sfn|陸戦学会編集理事会|2000}}。}}。
 
==== 運用史 ====
陸上自衛隊では、1963年(昭和38年)4月・5月の2回に分けてホーク運用の基幹要員をアメリカに集団留学させており、また同年7月14日には部隊の配置も決定され、最初の部隊は[[北海道]]に新編されることとなった{{Sfn|奈良原|2022}}。1964年(昭和39年)11月20日、最初に編成されるホーク大隊用の装備が北海道への配置を完了、翌1965年(昭和40年)1月20日に初のホーク運用部隊として第102高射大隊が新編されるとともに、第302高射搬送通信隊と第102高射直接支援隊も編成を完結した{{Sfn|奈良原|2022}}。以後、同大隊が基幹になる形で、高射砲を運用していた特科大隊のホーク運用部隊への改編や廃止が進められていき{{Sfn|奈良原|2022}}、最終的に8個高射特科群が編成された{{Sfn|水野|1987|pp=126-128}}。なお国内では実射訓練を行える射場がないため、毎年[[ニューメキシコ州]]のマクレガー射場にて年次射撃を行っている{{Sfn|水野|1987|pp=126-128}}。
 
部隊編成と並行して、上記のようなホークの改良策の導入も進められており、[[1977年]](昭和52年)度からは改良ホーク(初期型; HIP)、また[[1982年]](昭和57年)度からは改良ホークの改善I型(PIPフェーズI)への換装が開始され{{Sfn|朝雲新聞社|2011|p=32}}、1985年(昭和60年)度までに改良ホークへの移行を完了した{{Sfn|水野|1987|pp=126-128}}。更に[[1987年]](昭和62年)からは改善II型(PIPフェーズII)、[[1991年]](平成3年)度からは改善III型(PIPフェーズIII)へと順次に更新されていき、2003年(平成15年)度で改善III型への換装を完了した{{Sfn|朝雲新聞社|2011|p=32}}。
 
陸上自衛隊では、ホークから改良ホークへの移行完了した後には新型SAMの導入に踏み切ることを検討していた。しかし、航空自衛隊が[[MIM-14|ナイキJ]]の後継として[[パトリオットミサイル]]の導入を決定したため{{Efn2|パトリオット導入の際には、当初は陸幕・空幕に統幕・内局も加わった「SAM-X統合研究会議」が組織され、1979年9月には陸・空自合同の調査団による海外調査も行われていたが、結局、陸自は改良ホークを選択してパトリオットに関する業務から手を引いたという経緯があった{{Sfn|航空幕僚監部|2006|pp=489–493}}。}}、同型SAMの導入を避ける方針が採られ、ホークの運用継続していたという経緯があっされた{{Sfn|水野|1987|pp=126-128}}。その後、改良ホークの後継として[[03式中距離地対空誘導弾]]が国産開発され、2003年(平成15年)度より取得が開始された{{Sfn|朝雲新聞社|2011|p=32}}。
 
2024年(令和6年)度予算において陸自ホークの廃止の方針が盛り込まれた<ref>[https://www.mod.go.jp/j/budget/yosan_gaiyo/2024/yosan_20240328.pdf 防衛力抜本的強化の進捗と予算-令和6年度予算の概要-]2024年3月29日、防衛省。</ref>。
 
==== 配備部隊・機関 ====
2025年(令和7年)3月現在、配備されている部隊は下記のとおり。
 
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* [[高射教導隊]]([[下志津駐屯地]])
** 第310高射中隊(下志津駐屯地):地対空誘導弾改良ホーク改善III型
 
=== ウクライナの運用 ===
[[2022年ロシアのウクライナ侵攻]]では、ウクライナがホークミサイルを使用した。[[2025年]]、ウクライナ政府の公式サイトは、ホークミサイルで[[ロシア]]の[[巡航ミサイル]]([[Kh-101 (ミサイル)|Kh-101]])を破壊する映像を公開した<ref>{{Cite web |url=https://trafficnews.jp/post/553602 |title=ロシア軍の巡航ミサイルが「木っ端みじん」に 迎撃した地対空ミサイルが“直撃する瞬間”を捉えた映像が公開 |publisher=乗り物ニュース |date=2025-06-05 |accessdate=2025-06-05}}</ref>。
 
== 登場作品 ==