「戦後80年に寄せて」の版間の差分
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| purpose = 先の大戦を巡る見解の発表
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{{読み仮名|'''戦後80年に寄せて'''|せんご80ねんによせて}}は、[[2025年]][[10月10日]]に第103代[[内閣総理大臣]]の[[石破茂]]が[[戦後]]80年に合わせて発表した[[先の大戦]]([[第二次世界大戦]]、[[太平洋戦争]])に関する内閣総理大臣所感<ref name="mainichi-20251010">{{Cite news |title=石破首相、戦後80年所感を発表 歴史検証「惨禍繰り返さない」 |newspaper=毎日新聞 |date=2025-10-10 |last=影山 |first=哲也 |url=https://mainichi.jp/articles/20251010/k00/00m/010/194000c |access-date=2025-10-10 |publisher=毎日新聞社 |language=ja |archive-url=https://web.archive.org/web/20251010132512/https://mainichi.jp/articles/20251010/k00/00m/010/194000c |archive-date=2025-10-10}}</ref><ref>{{Cite news|和書 |title=石破首相、文民統制の重要性強調 戦後80年「内閣総理大臣所感」 |newspaper=47NEWS |date=2025-10-10 |url=https://www.47news.jp/13275440.html |access-date=2025-10-
[[戦後50年談話]]、[[戦後60年談話]]、[[戦後70年談話]]は[[閣議決定]]を経た首相談話として発表されたが、この所感は閣議決定を経ない石破首相個人の所感として発表された{{R|"mainichi-20251010"}}。
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石破はその上で、現在はこれらの問題に対処する制度的な手当ては行われたとしつつ、「無責任なポピュリズム」や「偏狭なナショナリズム」を許してはならないとし、「我々は常に歴史の前に謙虚であるべきであり、教訓を深く胸に刻まなければなりません」と訴えた{{R|"shokan-20251010"}}{{R|"yomiuri-20251010"}}。
== 記者会見 ==
自民党内では、所感の必要性について懐疑的な見方が多く、特に保守派の議員には、戦後70年談話で「歴史の問題は決着がついた」との意見が根強く、首相退任直前の発表に公然と反対する声が出ていた<ref name="yomiuri-20251010-2">{{Cite news|和書 |title=退任直前の「戦後80年所感」、党内の反対押し切り…推敲20回「首相として出す責任は十二分に自覚」 |newspaper=読売新聞オンライン |date=2025-10-11 |url=https://www.yomiuri.co.jp/politics/20251011-OYT1T50003/ |access-date=2025-10-11 |publisher=読売新聞社 |language=ja |archive-url=https://web.archive.org/web/20251011020106/https://www.yomiuri.co.jp/politics/20251011-OYT1T50003/ |archive-date=2025-10-11}}</ref>。こうした批判に対し、石破は10月10日の記者会見で「いいかげんな考えで書いたものではない。首相として出す責任は十二分に自覚してつくった」と反論した{{R|"yomiuri-20251010-2"}}。所感は約20回の推敲を重ねたと胸を張り、1時間半にわたって歴史への思いを語った{{R|"yomiuri-20251010-2"}}。
会見で石破は「いわゆる保守派とされる方々、具体的には[[青山繁晴]]議員の『こんなものは出すべきではない』というご発言は承知しているが、70年談話で提起された、『なぜ日本の政治システムは機能しなかったのか』ということについて、私なりに考え、論じたものだ。歴史認識等々については、今までの談話を踏襲しており、触れていない。ご批判は『70年談話でもう終わっているのではないか』ということだと承知しているが、それを引き継ぐものだ。ご批判には当たらない」と説明した<ref name="abema-20251010">{{Cite web|title=青山繁晴議員が「こんなものは出すべきではない」と批判する中、石破総理があえて『戦後80年メッセージ』を出した理由とは?【メッセージ全文掲載】|url=https://times.abema.tv/articles/-/10203119?page=1|website=ABEMA TIMES|date=2025-10-10|access-date=2025-10-11|language=ja|publisher=株式会社AbemaTV|archive-url=https://web.archive.org/web/20251011021835/https://times.abema.tv/articles/-/10203119?page=1|archive-date=2025-10-11|url-status=live|url-status-date=2025-10-11}}</ref>。
所感の作成経緯については「きっかけは[[防衛庁長官]]のころに、[[猪瀬直樹]]さんの『[[昭和16年夏の敗戦]]』を読んで、知らなかったことに愕然とした経験がある。その後、猪瀬さん、[[保阪正康]]さん、[[半藤一利]]さんなど、総理の職務の中、そんなに時間があるわけではないが、自分として読める限りの書籍は読んだ。十分だとは思っていないし、知らないことだらけだと反省することばかり。それでも学んできたこと、感じたことをまとめたのが今日になったということだ。これから先も考えを深めていかなければならないと思っている」と述べた{{R|"abema-20251010"}}。
加えて、「歴史の授業は[[明治維新]]、[[日露戦争]]のあたりで終わってしまう。戦後80年を経て、かなり客観的に歴史に向き合う時代になっていると思う。あの戦争に行った人たちが、齢100に達しようとしている。そういう方々がご健在であるうちに、今こそ学ばなければならないと感じているし、国民の皆様とともに学ぶことが政治家の責務だ」と訴えた{{R|"abema-20251010"}}。
== 反応 ==
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; [[田村智子]]([[日本共産党委員長]])
: 「侵略戦争と植民地支配に対する反省が全く述べられていない」「天皇の絶対的な権力による専制政治を不問にしていると、何の教訓も引き出すことはできない」と批判した{{R|"tokyo-np-20251010-2"}}。
; [[福島瑞穂]]([[社会民主党 (日本 1996-)|社民党]][[党首]])
: [[東京新聞]]の取材に「歴代の歴史認識を引き継ぐとしながらも、(戦後50年の)村山談話にあった『侵略』や『植民地支配』の文言がどこにもないことは非常に物足りなく、残念だ」と述べた<ref name="tokyo-np-20251010-3">{{Cite news|和書 |title=「迫力不足の最後っ屁」 石破首相「戦後80年所感」に社民・福島瑞穂党首が不満 「自民党内への配慮としか…」 |newspaper=東京新聞デジタル |date=2025-10-10 |url=https://www.tokyo-np.co.jp/article/441833 |access-date=2025-10-11 |publisher=中日新聞社 |language=ja |archive-url=https://web.archive.org/web/20251011014600/https://www.tokyo-np.co.jp/article/441833 |archive-date=2025-10-11}}</ref>。福島は石破が退陣表明した直後の9月10日の記者会見で「最後の最後に戦後80年談話を出したらどうですか。歴史に残ります。最後っ屁というと言葉が悪いですが、総理大臣として是非やってください」と述べていたが、「最後っ屁として迫力不足だった」と手厳しい感想を述べた{{R|"tokyo-np-20251010-3"}}。
; [[藤田文武]]([[日本維新の会 (2016-)|日本維新の会]]共同代表)
: 発表の時期と形式を疑問視して、「閣議決定を経ず、非公式か公式かよくわからないような形で出すのはどうなのか」と述べた{{R|"tokyo-np-20251010-2"}}。
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; [[八木秀次 (法学者)|八木秀次]]([[麗澤大学]]国際学部教授)
: [[産経新聞]]の取材に「石破茂首相の所感は、当時の政府や議会、メディアといった国内事情のみに触れて開戦に至った経緯を説明しようとしているが、新味がない。先の大戦で米英両国と事を構えることになった最大の要因である[[日中戦争]]にほとんど触れていないのも実相を映していない。保守層への配慮から歴史認識に関わる問題への言及を避けようとしたのかもしれないが、非常に中途半端な内容だ。また、首相自身が最も訴えたかったであろうアジアへの言及が所感から抜け落ちたことで、中韓両国から過去の首相談話より「後退している」と突っ込まれかねない。今回の所感の法的位置付けが曖昧であることに加え、退陣表明している首相が、首相の肩書で発表することにも違和感を抱く」と述べた<ref>{{Cite news|和書 |title=「新味なく中途半端」 法的位置づけも曖昧 八木秀次麗沢大教授、首相の戦後80年所感 |newspaper=産経ニュース |date=2025-10-10 |url=https://www.sankei.com/article/20251010-3NPJSVP65RNRJII6BXY6Z6D5JY/ |access-date=2025-10-11 |publisher=産経新聞社 |language=ja |archive-url=https://web.archive.org/web/20251011012152/https://www.sankei.com/article/20251010-3NPJSVP65RNRJII6BXY6Z6D5JY/ |archive-date=2025-10-11}}</ref>。
=== 報道機関 ===
; [[阿比留瑠比]]([[産経新聞社]][[論説委員]]兼[[政治部]][[編集委員]])
: 所感は明治憲法、政治システム、ジャーナリズムの在り方といったあくまで国内の問題に絞られ、日本が置かれた国際情勢への言及は乏しいと述べ、所感にある「二度とあのような惨禍を繰り返すことのない」日本をつくろうにも、独善に陥らないかと指摘した<ref name="sankei-20251010">{{Cite news|和書 |title=石破首相の戦後80年所感 「自己顕示と存在証明のための政治の私物化」 阿比留瑠比 |newspaper=産経ニュース |date=2025-10-10 |last=阿比留 |first=瑠比 |url=https://www.sankei.com/article/20251010-HR57LINPCRP7JH3433HRYNNHLA/ |access-date=2025-10-11 |publisher=産経新聞社 |language=ja |archive-url=https://web.archive.org/web/20251011010554/https://www.sankei.com/article/20251010-HR57LINPCRP7JH3433HRYNNHLA/ |archive-date=2025-10-11}}</ref>。
: 石破が10月7日に[[小泉純一郎]]元首相や[[山崎拓]][[自民党副総裁]]と行った会食後、山崎が記者団に「首相の足跡として残されたらいい」と述べたことに触れ、もし石破がそのような気持ちだとしたら、所感は首相の思い出作り、自己顕示と存在証明のための政治の私物化だと述べた{{R|"sankei-20251010"}}。
=== 団体 ===
; 佐久間邦彦(広島県原爆被害者団体協議会理事長)
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