「ガラス転移点」の版間の差分
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#試料の温度をゆっくりと上昇または下降させながら吸熱や発熱を測定する [[示差走査熱量測定|DSC]]
#メカニカルスペクトロスコピー([[動的粘弾性]]測定) 試料に加える周期的力の周波数を変えながらその応答を測定する
▲ガラス転移点で急激に変化する物性は剛性と粘度以外にもあるので、基本的にはこれら変化する物性を測定して温度による変化を捉えることによりガラス転移点を決定できる。特にガラス転移点では吸熱や発熱を伴うことが多いので、手軽に測定できるDSCはその決定に広く使われている。融点は温度軸の1点であり固体と液体という異なる相が共存して平衡状態である温度として正確な1点に定まるが、ガラス転移点は非平衡状態で測定するものであり、点ではなくある温度範囲であり、また温度変化速度でも変わる。つまり、ガラス状態と液体状態とが一定の温度で共存して平衡状態となることはない。実用的には、測定する物性の温度変化グラフに現れるピーク上のある点(例えばピーク頂点)をガラス転移点と定義する。
多くの物質ではガラス転移点より高温に融点が存在し、ガラス転移点と融点との間の温度の液体状態は[[過冷却]]状態ということになる。それゆえこの温度範囲の液体は平衡的には結晶よりも不安定な準安定状態であるが、結晶化速度が遅かったり結晶核などがないと結晶化のエネルギー障壁が高かったりするために、液体状態を保っている。融点のみ持ちガラス転移点を持たない物質もあれば、ガラス転移点のみを持ち融点を持たない物質もある。
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