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'''カローラ'''('''COROLLA''') は、[[トヨタ自動車]]が生産する小型の[[乗用車]]である。
その名前は同社の高級車、[[トヨタ・クラウン|クラウン]]の「王冠」、[[トヨタ・コロナ|コロナ]]の「冠・光冠」に対して、「花冠」を意味する。
現行モデルとしては、日本では[[セダン]]の「カローラ」、[[ステーションワゴン]]の「[[トヨタ・カローラ・フィールダー|カローラ・フィールダー]]('''COROLLA FIELDER''')」、[[ミニバン]]の「[[トヨタ・カローラ・スパシオ|カローラ・スパシオ]]('''COROLLA SPACIO''')」、5ドア
==型式表記の凡例==
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現行カローラ、1500cc:NZE122
現行クラウン、3000cc:GRS182
この項では、同一車種で異なるエンジンを搭載する場合の煩瑣な例を避けるため、各世代の表記についてはエンジンの型式記号を除いた「Exx系」と統一して呼称することとし、世代内の車種については、車種の特徴をあらわす意味も含め、通称としてエンジン記号も適宜付すこととする。
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====開発====
1960年代半ば、日本では本格的な[[モータリゼーション]]時代を迎え、各自動車メーカーは車種の充実をはじめた。カローラは、エントリーモデルであり、国民車構想の流れを汲む[[トヨタ・パブリカ|パブリカ]]と、量販車種であり、排気量のアップや車体の大型化により車格が上昇した[[トヨタ・コロナ|コロナ]]の中間に位置する量販車種として、[[1962年]]ごろに初めて企画された。トヨタは、パブリカが実用的に過ぎたため人気を得られなかったと分析し、実用以上の「魅力」を付加することを目標とし、開発理念として「[[トヨタ自動車#開発思想(80点主義)|80点主義]]」を掲げた。エンジンは、パブリカの空冷2気筒700cc(のちに800cc)に対して、先行して開発されていた水冷4気筒[[OHV]]式の1000ccエンジンを搭載することとした。
車両重量その他の計算から、時速100kmで巡航するために必要な最高出力を60psとし、その出力を余裕を持って発揮するという名目から、また、後述する[[日産・サニー|サニー]]に対抗するため、発売前の最終段階にはエンジン排気量が1100cc(実際は1077cc)に決定された。そのほか、[[フロアシフト]]による4段トランスミッション、マクファーソン・ストラット式の前輪[[独立懸架式|独立懸架]]などの新機構が取り入れられた。また、トヨタはカローラ生産のために新工場(高岡工場)を建設し、年間2万台の生産と販売を目標とした。
====ライバルの先行登場====
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====発売前キャンペーン====
サニー発売に遅れること5ヶ月、[[1966年]][[9月]]「カローラ」という車名と、セミファストバックスタイルのボディの一部のみを見せるティザー・キャンペーンが行われた。このときから用いられた'''「プラス100ccの余裕」'''というキャッチコピーは、新開発のK型水冷4気筒エンジンの排気量(1100cc)を表現したものであり、同時に「'''日本のハイ・コンパクトカー'''」を称して、パブリカや、あるいは同クラスの他社製品より上質であることを訴えた。初代カローラ(E10系)は翌10月、[[東京モーターショー]]で発表される。同年[[10月28日]](金曜日)には「お茶の間発表会」と銘打ち、当時トヨタが提供していた[[日本テレビ]]のゴールデンタイム(21時からの1時間)に特別番組「カローラビッグバラエティショウ」を放送、[[梓みちよ]]・[[北島三郎]]・[[坂本九]]など、当時の流行歌手が出演した。
このような発売前の大々的なキャンペーンを経て、カローラは翌11月に発売された。各グレードの販売価格は、'''スタンダード'''432,000円、'''スペシャル'''472,000円、'''デラックス'''495,000円であった。「100ccの余裕」は、余裕を謳う反面、税制上は不利であったが、販売台数はサニーを上回った。
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発売当初は2ドアセダンのみのラインナップであったが、翌[[1967年]][[5月]]、4ドアセダンとバン(KE16)、トヨグライド式2速AT仕様車が追加された。4ドアは2ドアセダンの25,000円高、トヨグライド仕様はマニュアル仕様の38,000円高であった。ほぼ同時期、サニーにも同様の車種追加がなされている。
[[1968年]][[4月]]にはマイナーチェンジが行われる。計器盤がソフトパッド化され、メーターには無反射ガラスが使用され、2スピードワイパーが標準装備となり、オプションでフロント[[ディスクブレーキ]]が用意される(15,000円高)など、「33項目の安全対策」をアピールした。同時にクーペモデルのスプリンター(別項参照)が登場、セダンにも73psのツインキャブエンジンを搭載する'''SL'''が車種追加され、SL以外のグレードには[[コラムシフト]]車も追加された。なお、この年から米国・欧州への輸出が開始された。
[[1969年]][[9月]]の改良では、全車に排気量を100ccアップした'''3K'''エンジンを搭載する。シングルキャブモデルは68psを発揮、新たに圧縮比を高めて出力を73psに増した'''3K-D'''型エンジンを積む'''ハイ・デラックス'''が車種追加される。SLにはツインキャブの77psエンジン('''3K-B'''型)が搭載された。
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(stub)
*T型1400ccエンジンモデル登場。
*クーペ発売。[[1972年]]、2T-G型[[DOHC]]エンジンを搭載する[[トヨタ・カローラ・レビン|レビン]](TE27)が登場。
*[[コマーシャル|CM]]キャラクターは[[マイク真木]]・[[前田美波里]]夫妻であった。
===E30系(1974年-1979年)===
====ひとまわり大きくなり、国際競争力も向上====
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====オイルショックとキャンペーン自粛====
当時は第一次オイルショックや排気ガス問題がクローズアップされ、自動車メーカーに対しても新型車開発及び発売自粛を求められていた時期で、発売前には国会で問題として取り上げられる事態となった。そのため、新聞広告を減らし、キャッチフレーズに新型と明記せず、従来型の20系を「にーまる」として併売するなど、いわゆる派手な新型車キャンペーンは自粛された。<BR>
====排気ガス規制とマイナーチェンジ====
昭和48年,50年,51年,53年と排気ガス規制の間に販売された3代目は、エンジンの改良の度に変更が繰り返され、その過程で形式が30系から50系、55系と増えていった。変更の履歴概要は次の通り。<BR>
::[[1973年]]([[昭和48年]])S48 カローラ30登場。
::::: 1200:KE-30(セダン)、35(ハードトップ)/1400: ::
::::: 1600シリーズ 12T
::::: 1200シリーズ 3K-
::::: 2T-GR型エンジン廃止に伴い、レビンシリーズ生産中止。
::::: 同時にデザイン小変更。ボンネット熱抜グリルが樹脂製からボンネットプレス一体型に。ドアロックが丸から四角に。
::::: スピードメーターが180キロ表示から160キロ表示に。排気温警告灯追加。リア2点式シートベルト追加。
::
::::: レビンシリーズ、従来の2T-G型エンジンに[[電子燃料噴射装置]](EFI)を追加した2T-GEU型エンジンで昭和51年排ガス規制適合。B-TE51
::::: セダン・ハードトップの外装はフロント・リアデザイン変更。フロントエプロンはスポイラ-形状になる。
::::: クーペシリーズ追加。レビンはハードトップからクーペに変更。(同時にスプリンターにはハードトップ追加)
::::: 内装はインパネがセダン・ハードトップ・クーペとも、マイナーチェンジ前のものとは全く別デザインとなる。
::::: 上級車種には対米輸出仕様と同じ5マイルバンパー(大型バンパー)が装備された。
::
::::: 1200シリーズは排気量を上げ、1300に。 4K-U(TTC-C) E-KE55/1400:T-U(TTC-C) E-TE55
::::: 1600:2T-U/2T-GEU E-TE56
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::::: 内装に変更はなし。
::::: シリーズのグレード構成を縮小した。
===E70系(1979年-1983年)===
*モデル後期にはCMに[[伊武雅刀]]を起用し、特別仕様車「1300エクストラ」では東京地区車両本体価格79.8万円のCMも話題になった。
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===E80系(1983年-1987年)===
*カローラレビンを除き、[[二輪駆動|FF]]化される。
*[[二輪駆動|FR]]で残されたレビン(AE86系)は、兄弟車[[スプリンター・トレノ]]と共に通称「ハチロク」と呼ばれ、
*[[トヨタ・カローラ
*CMキャラクターは[[郷ひろみ]]。
===E90系(1987年-1991年)===
*エンジンは1500cc以上はすべてDOHC16バルブとされ、
*モデル後期には
*また、このモデルからフルタイム4輪駆動モデルが設定されているが、搭載されるエンジンやトランスミッションごとにシステムが異なり、ガソリンエンジンのMT車にはメカニカル・デフロックつきフルタイム4WD、ガソリンエンジンのAT車には電子制御油圧式ハイマチック4WD、後期に追加されたディーゼルエンジン車(MTのみ設定)にはビスカスカップリング・センターディファレンシャル式のフルタイム4WDが搭載された。
===E100系(1991年-1995年)===
*この代は歴代で一番大きなボディサイズとなった。ということでキャッチフレーズは「大きな 愛のような カローラ」。発売当初のCMソングは、[[さだまさし]]の『奇跡-大きな愛のように-』。
*エンジンは、先代から搭載されている5A-FE型1500cc
*[[トヨタテクノクラフト|TRD]]から3S-GE型2000ccエンジン搭載の特別仕様車「TRD2000」が販売され
*E110系登場後もワゴン、バンはE100系のまま生産が続けられ、ワゴンは[[2000年]]まで
*[[1993年]]のマイナーチェンジ時のCMキャラクターは、[[イッセー尾形]]と[[東ちづる]]。
===E110系(1995年-2000年)===
*[[1995年]][[5月15日
*登場時のCMキャラクターは[[ピーター・フォーク]]演じる「[[刑事コロンボ]]」。
豪華になりすぎたと批判を受けた先代とは異なり、徹底したコスト削減と軽量化を実施した。
ボディデザインも当時のトヨタデザインの特徴であるシャープなものに変更した。
その基本構造は先代のE100を継承しているが、その品質感は大きく落ち込んだ。
その原因は硬質プラスチックで覆われた内装、黒い素地色がむき出しの二分割バンパーにあるとされ、販売状況は壊滅的なものだった。
[[1997年]]4月に比較的大規模なマイナーチェンジを行い、通常のカラードバンパー、ソフトパッドに覆われたインストゥルメントパネルを得た。▼
▲1997年4月に比較的大規模なマイナーチェンジを行い、通常のカラードバンパー、ソフトパッドに覆われたインストゥルメントパネルを得た。
本来4年のモデルライフを想定していたと思われるが、5年サイクルに移行する事になり[[2000年]]8月まで販売が続けられた。▼
▲この時、廃止されていたスポーツグレードのGTが6速マニュアルを装備して復活され
▲本来4年のモデルライフを想定していたと思われるが、5年サイクルに移行する事になり2000年8月まで販売が続けられた。
===E120系(2000年-)===
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通称NCV('''N'''ew '''C'''entury '''V'''alue)シリーズと呼ばれる。フロントグリルのエンブレムも、それまでのカローラ(花冠)マークではなく、NCVを図案化したものに変わった。
コストダウンのためか、リヤサスが先代の[[独立懸架|独立懸架式]](ストラット)から[[固定車軸|固定車軸式]](トーションビーム)に変更された。スポーツモデル(セダンGT、カローラレビン)廃止と相まって、スポーツファンには少し寂しいモデルではある。
[[2004年]]4月のマイナーチェンジまでは、セダンとフィールダーに3C-E型 *CMキャラクター
**セダン・・・[[ビートたけし]]
**カローラランクス・・・[[中野真矢]](登場時)、[[柴咲コウ]](2004年のマイナーチェンジ以降)
**カローラフィールダー・・・[[小野伸二]]、[[平井堅]](2004年のマイナーチェンジ以降)
**カローラスパシオ・・・[[森高千里]](登場時)、[[田辺誠一]]、[[松雪泰子]]、[[豊川悦司]]
====ボディバリエーションの再編====
E120系導入の際に、ボディバリエーションが大きく再編された。
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* 同じく5ドアハッチバック・ボディを持ち、SUV的な外観に仕立て直してアメリカの[[NUMMI]]で生産している「[[トヨタ・ヴォルツ|ヴォルツ]]」というモデルを輸入して、ネッツ店向けに投入していたが、[[2004年]]5月のビスタ店併合に伴い輸入販売を終了した。
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==ダイハツでの生産==
[[1974年]]からE30系、[[1978年]]からはE50系が、さらに[[1981年]]からはE70系が[[ダイハツ工業|ダイハツ]]で一部委託生産された。また、期を一にして、
==取扱販売店==
当初は
==関連項目==
*[[トヨタ自動車]]
*[[トヨタ・スプリンター]]
*[[トヨタ・カローラ・レビン]]
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*[[トヨタ・アレックス]]
*[[トヨタ・カローラ・ランクス]]
*[[トヨタカローラ店]]
==外部リンク==
*[http://
*[http://toyota.jp/Showroom/All_toyota_lineup/CorollaSedan/index.html カローラセダン] *[http://
*[http://
*[http://
*[http://
*[http://chubu.yomiuri.co.jp/toyota/toyota_5.html 『トヨタ伝』第五部-技術者の攻防-] [[読売新聞]]中部版に連載された内、カローラ関連の部。
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