「万年筆」の版間の差分
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旧来、万年筆を使用してそれらの性質を必要とする公文書などを書き記す場合、化学反応によって紙に定着するタイプのブルーブラックインクが使われてきた。このインクはイオンの状態で鉄を含んでおり、これが酸化されて黒色の沈殿を生じる事によって紙に定着する。これの反応が進む様子はインクの色によって知ることができ、筆記直後には比較的青い色をしているものが、日にちが経って反応が進むと次第に黒ずんでくる。このタイプのインクは、強い酸性を示し、金属を侵す事でも知られる。万年筆のペン先として金が多用される理由の一つは、酸性のインクに犯されない耐薬品性の強さである。現在、万年筆用に一般に市販されているこのタイプのブルーブラックインクは、モンブラン、ペリカン、ラミーのボトルインクのみである。他社のブルーブラックは単にブルーとブラックの中間の色彩を持つ染料インクであり、メーカーによる違いは有るものの耐水性や耐光性には乏しい場合が多い。なお、保管状態で反応が進行してしまうため、上記三社のものを含めこのタイプのブルーブラックインクのインクカートリッジは存在しない。
[[顔料]]系のインクは鮮やかな色彩を醸し出し、耐水性、耐光性はあるが、インクが乾くと目詰まりを起こし万年筆が使えなくなるので敬遠されてきた。[[製図]]や[[漫画]]の製作その他によく使われる[[インディアインク]](インディアンインク)も詰まりやすいことから使えない。[[カーボン]]系の黒も同じ理由で敬遠されてきたが、現在では[[セーラー万年筆]]の極黒(きわぐろ)を代表に微粒子の万年筆用のカーボン・インクが販売されている。
=== インクの供給形態 ===
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