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| 座標={{ウィキ座標2段度分秒|35|56|29.8|N|138|54|35.0|E}}
| 河川=[[荒川 (関東)|荒川]][[水系]]荒川
| ダム湖=[[秩父湖]]
| ダム形式=[[重力式アーチダム]]
| 堤高=95.0
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| 事業主体=[[国土交通省]]関東[[地方整備局]]
| 電気事業者=埼玉県企業局
| 発電所名(認可出力)=二瀬発電所<br />(5(5,200[[ワット|kW]])
| 施工業者=[[熊谷組]]
| 着工年=1952年
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==沿革==
荒川は名前が示す通り古くから氾濫を繰り返す河川であった。このため[[荒川放水路]]開削を始め様々な治水対策が行われてきたが、[[1947年]]([[昭和]]22年)の[[カスリーン台風]]によって流域は更なる被害を蒙っ受けた。こうした事から[[建設省]](現・[[国土交通省]][[関東[[地方整備局]])は荒川の治水を図るべく「荒川総合開発事業」に着手。この中でダムによる洪水調節を目論んだ。こうして計画されたのが'''二瀬ダム'''であり、[[1952年]](昭和27年)より建設が開始され[[1961年]](昭和36年)に完成した。
 
ダムの型式は[[重力式コンクリートダム]]と[[アーチ式コンクリートダム]]の利点を兼ね備えた、全国で12基しか無い[[重力式アーチダム]]であり、ダムの高さは95.0mメートルである。荒川沿岸の[[洪水調節]]、荒川沿岸の既得農地に対する慣行[[水利権]]分の農業用水補給を図る[[日本の放流 (ダム)#ダム諸元に関する表記不特定利水|不特定利水]]、および埼玉県企業局による公営[[水力発電|発電]]が目的の[[多目的ダム]]([[多目的ダム#特定多目的ダム|特定多目的ダム]]である。この後荒川水系には[[浦山ダム]](浦山川)が完成し、現在[[滝沢ダム]](中津川)が建設中であるが、この3ダムは近い位置にあり「'''荒川上流ダム群'''」と総称される。
荒川は名前が示す通り古くから氾濫を繰り返す河川であった。この為[[荒川放水路]]開削を始め様々な治水対策が行われてきたが、[[1947年]](昭和22年)の[[カスリーン台風]]によって流域は更なる被害を蒙った。こうした事から[[建設省]](現・[[国土交通省]][[関東地方整備局]])は荒川の治水を図るべく「荒川総合開発事業」に着手。この中でダムによる洪水調節を目論んだ。こうして計画されたのが'''二瀬ダム'''であり、[[1952年]](昭和27年)より建設が開始され[[1961年]](昭和36年)に完成した。
 
ダムの型式は[[重力式コンクリートダム]]と[[アーチ式コンクリートダム]]の利点を兼ね備えた、全国で12基しか無い[[重力式アーチダム]]であり、ダムの高さは95.0mである。荒川沿岸の[[洪水調節]]、荒川沿岸の既得農地に対する慣行[[水利権]]分の農業用水補給を図る[[日本のダム#ダム諸元に関する表記|不特定利水]]、及び埼玉県企業局による公営[[水力発電|発電]]が目的の[[多目的ダム|特定多目的ダム]]である。この後荒川水系には[[浦山ダム]](浦山川)が完成し、現在[[滝沢ダム]](中津川)が建設中であるが、この3ダムは近い位置にあり「'''荒川上流ダム群'''」と総称される。
 
==奥秩父の観光地==
ダムによって出来た人造湖は[['''秩父湖]]'''と呼ばれ、[[秩父多摩甲斐国立公園]]に指定されている観光地。近くには[[三峰山]]・三峯神社があり、多くの観光客で賑わう。秩父湖沿いの[[国道140号]]は[[秩父往還]]とも呼ばれ、かつては[[甲斐国|甲斐]]と秩父を結ぶ主要街道であったが難所の[[雁坂峠]]の為にという難所があり、長い間[[点線国道]]となっていたが、[[滝沢ダム]]建設に伴い中津川沿いに変更となり、さらに[[1998年]](平成10年)には[[雁坂トンネル]]が開通し、これに伴い秩父市から[[甲府市]]間の所要時間を大幅に短縮させることができた。
 
ダムによって出来た人造湖は[[秩父湖]]と呼ばれ、[[秩父多摩甲斐国立公園]]に指定されている観光地。近くには[[三峰山]]・三峯神社があり、多くの観光客で賑わう。秩父湖沿いの[[国道140号]]は[[秩父往還]]とも呼ばれ、かつては[[甲斐国|甲斐]]と秩父を結ぶ主要街道であったが難所の[[雁坂峠]]の為に長い間[[点線国道]]となっていたが、[[滝沢ダム]]建設に伴い中津川沿いに変更となり、更に[[1998年]](平成10年)には[[雁坂トンネル]]が開通し、これに伴い秩父~[[甲府市]]間の所要時間を大幅に短縮させる事ができた。
 
==荒川上流ダム群再開発~新大洞ダム~==
荒川の治水・利水は「荒川総合開発事業」および[[1974年]](昭和49年)の「水資源開発促進法」に基づく荒川水系の利根川水系水資源開発基本計画への編入、「利根川・荒川水資源開発基本計画」によって、水資源開発は独立行政法人[[水資源機構]]が主体となって水資源整備を行っている。一方治水を担当する国土交通省は荒川の治水計画改訂において、[[2004年]](平成16年)より荒川上流ダム群(二瀬ダム・滝沢ダム・[[浦山ダム]])の治水容量を再検討する「荒川上流ダム群再開発事業」に着手、現在実施計画調査に入っている。以下に挙げる3つある内容を比較検討し、最終的な再開発事業に着手しようとしては3つあり、いる。
 
:*#従来の3ダムの有効貯水容量の再検討
荒川の治水・利水は「荒川総合開発事業」及び[[1974年]](昭和49年)の「水資源開発促進法」に基づく荒川水系の利根川水系水資源開発基本計画への編入、「利根川・荒川水資源開発基本計画」によって、水資源開発は独立行政法人[[水資源機構]]が主体となって水資源整備を行っている。一方治水を担当する国土交通省は荒川の治水計画改訂において、[[2004年]](平成16年)より荒川上流ダム群(二瀬ダム・滝沢ダム・[[浦山ダム]])の治水容量を再検討する「荒川上流ダム群再開発事業」に着手、現在実施計画調査に入っている。内容としては3つあり、
:*大洞#二瀬ダム再開発計画(ダム直下に新しいダムの堤高建設嵩上げする)
:*従来の3ダムの有効貯水容量の再検討
:*二瀬#大洞ダム再開発計画(ダムの堤高直下に新しいダム嵩上げ建設する)
 
:*大洞ダム再開発計画(ダム直下に新しいダムを建設する)
の何れかを比較検討し、最終的な再開発事業に着手しようとしている。この内大洞ダム再開発計画であるがについては、秩父湖に注ぐ大洞川に[[1960年]](昭和35年)、埼玉県企業局により完成した発電専用ダム・大洞ダム(重力式コンクリートダム・堤高24.7m)の直下流に国土交通省によって新しいダムを建設するというものである。このダムは「'''新大洞ダム'''」と暫定的に呼ばれているが、堤高155.0mメートルの巨大な重力式コンクリートダムを建設し、総貯水容量333,000,000t300万立方メートルのほぼ全てを洪水調節容量に充てるという[[治水専用ダム]]を建設する計画するものである。最終的にどの案になるのかは現在検討中であるため、新大洞ダムの具体的な内容については骨格が固まっていない。
 
== 参考文献 ==
*[[国土交通省]]関東[[地方整備局]] 二瀬ダム管理所 「二瀬ダム」案内パンフレット
*『日本の多目的ダム』1963年版:建設省河川局監修・全国河川総合開発促進期成同盟会編。山海堂 [[1963年]]
*『ダム便覧 2006』:[[日本ダム協会]]。[[2006年]]
==関連項目==
{{Commonscat|Dams in Saitama prefecture|埼玉県のダム}}
*[[ダム]]
*[[日本のダム]]
*[[重力式アーチダム]]
*[[多目的ダム]]
*[[国土交通省直轄ダム]]・[[関東地方整備局]]
*荒川上流ダム群-[[滝沢ダム]]・[[浦山ダム]]
*[[ダム再開発事業]]
*[[水力発電]]
*[[秩父多摩甲斐国立公園]]
 
*[[秩父市]]
== 参考文献 ==
*[[秩父湖]]
*[[国土交通省]]関東[[地方整備局]] 二瀬ダム管理所 「二瀬ダム」案内パンフレット
*『日本の多目的ダム』1963年版:建設省河川局監修・全国河川総合開発促進期成同盟会編。山海堂 [[1963年]]
*『ダム便覧 2006』:[[日本ダム協会]]。[[2006年]]
 
==外部リンク==
{{Commonscat|Dams in Japan}}
*[http://wwwsoc.nii.ac.jp/jdf/Dambinran/binran/All/All_0637.html ダム便覧(財団法人日本ダム協会) 二瀬ダム]
*[http://wwwsoc.nii.ac.jp/jdf/Dambinran/binran/All/All_0636.html ダム便覧(財団法人日本ダム協会) 大洞ダム(元)] - [http://wwwsoc.nii.ac.jp/jdf/Dambinran/binran/All/All_3245.html (再)]
*[http://damsuki.com/dams/nph-txt.cgi/0637/htm/ 二瀬ダム@ダム好きドットコム]
*[http://www.mlit.go.jp/ 国土交通省] - [http://www.ktr.mlit.go.jp/ 関東地方整備局] - [http://www.ktr.mlit.go.jp/futase/ 二瀬ダム管理所]
 
{{DEFAULTSORT:ふたせたむ}}