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== ヘビーメタル ==
ヘビーメタルとは、アニメ『重戦機エルガイム』本作に登場する[[ロボット]][[兵器]]の一部呼称である。全長は約18メートル。このヘビーメタルという呼名称は本編メカニックデザイナーの[[永野護]]が音楽ファンであることから、その音楽ジャンルである「[[ヘヴィメタル]]」と、[[アメリカ陸軍]]で[[重戦車]]の俗称として使用される「ヘビーメタル」もしくは「ヘビーアーマー」を掛けて命名されたといわれている。ただ、監督の富野由悠季は最初この名称を「恥ずかしい」と気に入っておらず、「フロッサーシルエット」という別の呼称が考えられていた<ref>なお、永野自身も「ヘビーメタルなんて名前は大嫌いだ」と[[アニメック]]誌で発言しているが冗談かどうかは不明。</ref>。
作中に登場するヘビーメタルに当たるメカニックはほとんど永野がデザインしたのだが、若干、永野以外の人物がデザインしたメカニックも存在する。例えばマシンナリィのゼッタ(民間用)は[[かがみあきら]]がデザインを担当した<ref>その経緯はかがみの単行本「レディ・キッド&ベビィ・ボウイ」でのインタビューに詳しい。</ref>。また、OVA「フルメタル・ソルジャー」に登場したオリジナル・ヘビーメタルのパゴータとサロンズも大森英敏のがデザインになるものであるした。
機体固有の名称においても「アトール」「アシュラテンプル」といった実在の音楽バンドの名称を冠するなど、永野の音楽好きが反映<ref>登場人物の名前に於いては、実在の人物の名前を捩ったものも多数存在する。例えば「マーハル・セヌーマ」は制作スタッフの「瀬沼正晴」から、「ハンス・アラハート」は[[パレスチナ解放機構]]第3代議長の「[[ヤーセル・アラファート]]」から取ったと永野自身が語っている</ref>されたものとなっている。
本ロボットのデザインコンセプトは特徴的で、永野独特の世界観に依存するところが大きい。従来のロボットはリアルロボットというカテゴリのロボットでさえ、デザイン優先のあまり模型立体化すると人間のような自由度の高い関節の動きは不可能であったが、永野はデザイン性を損なうことなく例えば正座をさせることも可能な無いデザインを提案した。また、骨格と表皮(装甲)が一体化したモノコック構造だった従来とは違い、装甲と駆動機構を独立させた[[ムーバブルフレーム|ムーバルフレーム]]や、360度[[全天周囲モニター・リニアシート|全天リニアシート]]という新機軸の操縦システムの導入など、新しいアイデアを採用していた。これらのアイデアは後番組の『[[機動戦士Ζガンダム]]』にも採用されるなど、その後のアニメのロボットデザインに多大な影響を与えた。
その他、本作ではロボットの格付けという概念がある。「A級ヘビーメタル」「B級ヘビーメタル」「マシンナリィ」と分けられており、同じロボット兵器であっても前者になるほど戦闘力とデザイン性において優れているとされる。中でも「A級ヘビーメタル」は作品中で希少性の高い機体として設定されている(A級ヘビーメタルの操縦者は「ヘッドライナー」と呼ばれる)。文明の後退が起こっているペンタゴナ・ワールドでは、ヘビーメタルの製造が難しくなっている。過去の戦争時に使用された機体が、「本物」のヘビーメタルであり、それと遜色ない部品を使い、性能がオリジナルに準ずるものが「A級ヘビーメタル」である。それを補完する為に製造されているのが入手しやすい代用部品を多用した「B級ヘビーメタル」であり、もっと単純な機械の「マシンナリィ」である。物語の後半では、A級ヘビーメタルの基となった「オリジナルヘビーメタル」が登場する。
動力源は光エネルギー。装甲面が太陽エネルギーを変換し、さらに消費したエネルギーをジェネレータで再利用するという設定。隠密行動により太陽光線を十分に受けられず行動不能となる描写もあった。浮遊する機構は劇中では総称としてフロッサーと呼ばれるが、フロッサーを装備したHMは飛行が可能となっている。またフロッサーによる滑走で走行よりも高速な移動が可能である。
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