削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
編集の要約なし
1行目:
'''縮地'''(しゅくち)は、彼我の土地を縮めて距離を短くする仙術の一種。中国・晋代に成立した仙人に関する説話集『神仙伝』に登場する後漢の方士・費長房[1]<ref>隋代の同名の仏教学者とは別人</ref>の故事に由来する[2]<ref>a b 「しゅくち0 【縮地】」『web 版 「大辞林 第二版」』 三省堂 - Yahoo!辞書 2010年5月1日 閲覧</ref>
 
==故事==
後漢の頃、費長房は河南省の汝南で市場の役人を務めていた。あるとき、費長房は一人の薬売りの老人から壺の中に入るよう誘いを受けた。この老人の素性も名前もわからなかったが、一日の仕事が終わると、軒先にぶら下げていた壷の中に入ってしまうので、「壺公」と呼ばれていた。実はこの壺公、天界で罪を犯したために俗界に落とされてしまった仙人だったのである。壷の中には幾つもの門で仕切られた宮殿があり、費長房はそこで壺公から仙術を学んだといわれている[3]<ref>桐本東太「壺公(ここう) 」『日本大百科全書』 小学館 - Yahoo!百科事典 2010年5月1日 閲覧</ref>。縮地は費長房が学んだ仙術の一つで、地脈を縮めることによって千里先の土地を目の前に出現させたという[2]
 
縮地とは本来、字義どおり土地を縮めることによって彼我の距離を短くする技法であった。その意味では、SFに登場するワープ航法と原理は同じである。これを応用すると、遠隔地にも短い時間で移動することが可能になることから、瞬間的に移動する方法として多くの二次作品で使われるようになっていく。
 
==派生==
『三国志演義』では、『秘蔵通玄変化六陰洞微遁甲真経』を会得した諸葛亮孔明が司馬懿仲達との戦いにおいて「八門・遁甲の法」の縮地の法を用いたとされる。しかし、実際は同じ作りの車両を交互に見せることによって縮地を演出しただけであった[4]<ref>渡邉義浩 (2006) 「報告:諸葛亮の兵法」『三国志シンポジウム』 - 清岡美津夫 「006年7月29日「三国志シンポジウム」雑感3」『三国志ニュース』 2006年8月17日(木) 15:51 (JST) 作成  2010年5月1日 閲覧</ref>。また、幸田露伴の『露団々』に縮地の術という表現が登場する[<ref>「しゅく‐ち【縮地】」『デジタル大辞泉』 小学館 - Yahoo!辞書 2010年5]月1日 閲覧</ref>
 
また、近年、日本の武術の一部で、瞬時に相手との間合いを詰めたり、相手の死角に入り込む体捌きを指して縮地法あるいは縮地術と称する流派が存在する。なおこの意味に於ける縮地は、漫画『拳児』に実在の人物佐川幸義をモデルにしたキャラクターを通し、わりと解かりやすく描かれている。
 
==参考文献脚注==
<references/>
1.^ 隋代の同名の仏教学者とは別人。
2.^ a b 「しゅくち0 【縮地】」『web 版 「大辞林 第二版」』 三省堂 - Yahoo!辞書 2010年5月1日 閲覧
3.^ 桐本東太「壺公(ここう) 」『日本大百科全書』 小学館 - Yahoo!百科事典 2010年5月1日 閲覧
4.^ 渡邉義浩 (2006) 「報告:諸葛亮の兵法」『三国志シンポジウム』 - 清岡美津夫 「006年7月29日「三国志シンポジウム」雑感3」『三国志ニュース』 2006年8月17日(木) 15:51 (JST) 作成  2010年5月1日 閲覧
5.^ 「しゅく‐ち【縮地】」『デジタル大辞泉』 小学館 - Yahoo!辞書 2010年5月1日 閲覧
 
==関連項目==