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'''ザクI''' ('''ZAKU I''') は、[[アニメ]]作品の「[[ガンダムシリーズ]]」のうち、宇宙世紀を世界観としたシリーズに登場する架空の兵器(「I」はローマ数字の1)。ジオン公国軍の量産型[[モビルスーツ]](MS、型式番号:MS-05B)。
 
単に「ザク」と言った場合には本機を改良した[[ザクII]]を指すことが多いため、'''旧ザク'''とも呼ばれる。本体色は主に藍色と濃緑色。
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[[ジオン公国|ジオン公国軍]]は地球連邦軍との開戦に向けて本格的な軍事用MSの開発を決定した。量産型MSの正式採用に際して競作が行われた。[[宇宙世紀の企業#ジオニック社|ジオニック社]]は先に開発した[[ザクシリーズのバリエーション#プロトタイプ・ザク|試作機 (MS-04) ]]を大幅に改良、量産化を見据えて装備類を簡略化したYMS-05 ザクを提出した。一方、[[宇宙世紀の企業#ツィマッド社|ツィマッド社]]はそれよりも高性能なEMS-04 [[ヅダ]]を開発したが、トライアル中に空中分解事故が発生、その結果安定した性能を発揮したザクが採用された。『[[機動戦士ガンダム MS IGLOO|MS IGLOO]]』第3話の劇中では、この決定にはジオニック社の政治的な働きもあったとの主張が台詞として語られている。
 
ザクは[[宇宙世紀]]0074年2月に試作機が完成、翌年7月に量産化が決定し、8月には1号機がロールアウトしている。開発にはジオニック社からジオン公国軍に佐官待遇で出向した[[モビルスーツバリエーションの登場人物#エリオット・レム|エリオット・レム]]が携わっている。これは、模型企画『[[モビルスーツバリエーション|MSV]]』、漫画『[[Developers 機動戦士ガンダム Before One Year War]]』で描かれている。
 
宇宙世紀0075年11月には初期生産型 (MS-05A) 27機によって教導大隊が編成。[[宇宙世紀の施設と地名#グラナダ|グラナダ]]に配備され、開戦に向けての搭乗員育成や戦技研究、各種試験が行われ、モビルスーツという兵器体系を確立した。このデータを基にコクピット、装甲の材質・形状などの一部改良を施され、MS-05Bとして本格的な量産化が行われ、総生産数は793機に及んだ。なお、これらの数字や設定などは『MSV』などで語られた後付設定で、例えば『[[ガンダムセンチュリー]]』では初期生産型27機のロールアウトは宇宙世紀0076年5月となっており、いずれにせよ非公式なものである。
 
しかし機体各部の動力パイプを全て装甲内へと内蔵したことやジェネレーター出力の低さから十分な運動性能を発揮することができず、軍、特に[[ザビ家#キシリア・ザビ|キシリア・ザビ]]はこの機体の性能と生産性をより向上させたタイプの開発を要求する。その結果、出力向上と冷却装置の強化、それに伴い性能全般が向上したMS-06 [[ザクII]]が完成、この機体と区別するためMS-05はザクIと呼ばれるようになった。開戦時には一部をザクIIと入れ替えた部隊があったものの、生産されたほぼ全ての機体が実戦参加をしている。しかしザクIIが主力として大量生産・配備されると、機動性の異なるザクIとの混成部隊を編成するのは難しくなった。そのため、ザクIはルウム戦役以降は艦隊決戦後のコロニー内の制圧や、後に補給作業などの二線級任務に回されることとなった。ただし、大戦後期になってもザクIを継続して愛用したベテランパイロットもまた多く、最終決戦の舞台となった[[ア・バオア・クー]]でも新鋭機と共に配備され、実戦参加している。
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: 対艦攻撃用装備。弾頭は先込式で、開戦当初は[[核弾頭]]も用いられた。右肩部にはバズーカラックが増設されている。これは射出の際、反動で肩関節へ負荷が掛かることがあったためである。発射ガスを後方に逃すバズーカでは反動はほとんど無いはずであるが、MSVやHGUCインストの記述では負荷云々の記述がある。ただし、この装備は今のところ劇中未登場の非公式な装備でもある。
; [[ヒートホーク]]
: 白兵戦用装備。開戦当初は対MSより、敵の艦や戦闘機に肉薄した際に使用された。これはザクIIでも継続して採用されている。一方では、開発されたのはMS-06Aロールアウト以降とする説もある。
このほか、プラモデルなどではザクIIのシールドを流用したスパイクシールドや[[パンツァーファウスト|シュツルムファウスト]]なども付属しているが、アニメの劇中には登場していない。
 
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:TVアニメ『[[機動戦士ガンダムΖΖ]]』では、タイガーバウムを支配する[[機動戦士ガンダムΖΖの登場人物#スタンパ・ハロイ|スタンパ・ハロイ]]の民間払い下げMSコレクションの一つとして登場。内部はリニアシート化による改修を施してあり、操縦系統は最新機に近くなっている。ハイザック用のザク・マシンガン改で武装し、塗装はザクIIと同系統のものになっていた。また、スタンパの館の門にはこれとは別に、<!--APT : まさに阿吽の像よろしく-->装飾された2体の悪趣味なザクIがそびえ立っていた。
; 機動戦士ガンダム第08MS小隊
:OVA『[[機動戦士ガンダム第08MS小隊]]』では、第6話での[[機動戦士ガンダム 第08MS小隊の登場人物#シロー・アマダ|シロー・アマダ]]の回想場面にて、[[サイド#サイド2(ハッテ)|サイド2]]に乗り込み毒ガス弾を発射した機体として登場している。また、第8話にてゲリラの村に迷い込むトップ小隊長機もザクIであり、こちらの機体には隊長機を示す角も付けられている。第5話にはザクIベースの[[作業用ザクII#ザクタンク|ザクタンク]]が登場する。
; 機動戦士ガンダム MS IGLOO
:OVA『[[機動戦士ガンダム MS IGLOO|機動戦士ガンダム MS IGLOO 1年戦争秘録]]』第2話では、地上の物資集積所の警備用として登場。『黙示録0079』第3巻では、最初にア・バオア・クーに取り付いた2機のジムを105mmマシンガンで攻撃、撃破する場面がある。
:漫画『機動戦士ガンダム MS IGLOO 603』第4話「蝙蝠はソロモンにはばたく(中編)」では、義勇兵としてジオン軍に加わったエンマ・ライヒらの搭乗機として登場。多くのトラブルを抱えた旧式機であるザクIを与えられ冷遇されている姿が描かれている。第7話「南海に竜は潜む(後編)」ではギュンター・ローズマン曹長が搭乗。偽装船に搭載され、連邦軍の貨物船を拿捕するが、[[ボール (ガンダムシリーズ)#フィッシュアイ|フィッシュアイ]]による攻撃で海中に落ちている。また、第8話「軌道上に幻影は疾る(前編)」ではヅダとの主力機評価試験においてYMS-05が登場している。
; 機動戦士ガンダム MS IGLOO2 重力戦線
: OVA『機動戦士ガンダム MS IGLOO2 重力戦線』第3話「オデッサ、鉄の嵐!」に登場。後方の敵に気を取られたドロバ・グズワヨ曹長の[[ガンタンク#陸戦強襲型ガンタンク|陸戦強襲型ガンタンク]]3号機を大破させるも自爆システムを作動させたドロバの機体につかまり道連れにされる。
; 機動戦士ガンダム THE ORIGIN
:漫画『[[機動戦士ガンダム THE ORIGIN]]』では、高性能だがコスト高により採用が見送られた[[ザクシリーズのバリエーション#プロトタイプ・ザク|MS-04]]の代わりとして量産されている。月面での[[機動戦士ガンダムの登場人物 ジオン公国軍 (た行-わ行)#トレノフ・Y・ミノフスキー|ミノフスキー]]博士の亡命を巡る連邦MS部隊との初衝突「雨の海海戦」(連邦側では「スミス海の虐殺」と呼称)において、1機のMS-04を含む5機で、[[ガンキャノン]]初期型2個中隊(12機)を一方的に全滅させる。これは、[[ランバ・ラル]]、[[シャア・アズナブル]]、[[黒い三連星]]といった後のエースパイロットたちによって隊が編成されていたこともあるが、他の兵器を火力支援することを目的に設計されたガンキャノンに対し、同じMSを接近戦で駆逐することを目的としたザクの設計思想の勝利でもあった。なお映像作品ではその逆で、ザクの方がMS以外の敵と戦うことを想定して設計されている。ほかにランバ・ラル隊残党のタチ中尉が搭乗した機体は、アニメではMS-06だったものがMS-05に変更されている。
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|重量=67.9t
|全備重量=
|出力=899kW (+700KW)
|センサー=
|装甲=超硬スチール合金
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* ランド・ザック
*: 漫画『[[機動戦士ガンダムMSV戦記 ジョニー・ライデン]]』に登場。
*: 戦後民間で改修された農地開拓用のザクI。地面を耕すためのドリルとスコップを装備している。なお、ドリルはEMS-05 [[アッグシリーズ#アッグ|EMS-05 アッグ]]のもの。
 
=== パーソナルカスタム機 ===
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*: 『[[モビルスーツバリエーション|MSV]]』に登場。のちの[[黒い三連星]]が開戦以前より愛機としていた機体。短い期間にダークグレー、ダークシーブルーなどの数回のカラーリング変更が確認できる。その後の彼らはMS-06C、MS-06Sと機体を乗り換えるが、開戦後の0079年3月の教導機動大隊の特別演習ではレストアされブラック、パープル、グレーに再塗装された機体で演習に参加。その最中に連邦軍の偵察部隊と遭遇し、これを撃破している。
* MS-05 ザクI(ゲラート・シュマイザー専用機)
*: 『[[ジオニックフロント 機動戦士ガンダム0079]]』に登場。量産型通常のザクIと違い両肩にショルダーアーマーを装着している。白のカラーリング。闇夜のフェンリル隊独自のセンサーを導入したMS戦術と共に、視神経に戦傷の後遺症を抱えたシュマイザー用に音響センサーを増設したカスタム機。スモーク等によって敵を欺き[[ガンダム (架空の兵器)#ガンダム6号機(マドロック)|ガンダム6号機]]を撃破した。なお、『[[機動戦士ガンダム0079カードビルダー]]』など後発のゲーム作品では、形式番号が「MS-05S」に変更されている。小説版は肩にバズーカ砲を固定装備として搭載している。
*MS-05 ザクI(トップ機)
*:『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』に登場するトップ小隊隊長トップが使用した現地改修機。両肩にショルダーアーマーを装備しており、また機体の各所に密林戦闘に適した改良が施されている。トップ小隊の機体にはジムのシールドを鹵獲して使用している機体もある。基本的な武器や仕様はほかの隊長機と変わらないが、Sマインランチャーを装備しているなどより対歩兵に意識を持った兵装が目立つ。シロー・アマダの発射したロケットランチャーでトップが死亡し機体も停止した。