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|画像説明 = 通勤タイプ中央・総武緩行線仕様<br />900番台(スカート変更後)<br />(2007年10月24日 / [[西荻窪駅|西荻窪]])
|unit = self
|編成 = 10両 (4M6T・6M4T)<br />5両 (2M3T)<br />11両 (6M5T)
|起動加速度 = 2.5 km/h/s(通勤タイプのMT比
|営業最高速度 = 120 km/h
|設計最高速度 = 120 km/h
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|重量 = 25.0 t(付随車)<br />29.8 t(電動車)<br />36.1 t(グリーン車)
|軌間 = 1067 mm
|電気方式 = 直流
|駆動装置 = [[TD平行カルダン駆動方式]]
|台車 = 軸梁式ボルスタレス台車<br />DT61系(電動車)<br />TR246系(付随車)<br />サロE230形は[[蛇行動#ヨーダンパ|ヨーダンパ]]付
|モーター出力 =
|制御装置 = [[可変電圧可変周波数制御|VVVFインバータ制御]]([[絶縁ゲートバイポーラトランジスタ|IGBT]][[半導体素子|素子]])<br />([[インテリジェントパワーモジュール|IPM]]パッケージ、高周波[[パルス幅変調]]方式)<br />(1C4M)
|ブレーキ方式 = [[回生ブレーキ]]併用[[電気指令式ブレーキ]]<br />[[純電気ブレーキ]](500番台・800番台)
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== 主な性能 ==
=== 機器構成 ===
本系列は従来の[[通勤形電車]]・[[近郊形電車]]の区分を統一した[[一般形電車]]として設計され、その動力性能は歯車比7.07、最高速度
ブレーキ方式は[[電気指令式ブレーキ|電気指令式空気ブレーキ]]と電力[[回生ブレーキ]]を組み合わせた方式で、電動車では停止寸前まで電力回生ブレーキが使用可能なほか、空気ブレーキの遅れ込め制御も併用している。また、山手線用の500番台と東西線直通用の800番台は[[純電気ブレーキ]]にも対応している。
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[[鉄道車両の台車|台車]]は209系と同じく軸梁式のボルスタレス式のDT61/TR246系が採用されている。近郊形の[[蛇行動#ヨーダンパ|ヨーダンパ]]はE217系と同じくグリーン車にのみ取り付けられており、普通車は取り付け準備のみである。先頭車の台車には留置時の手歯止め設置を省略できるように[[パーキングブレーキ|駐車ブレーキ]]を設置している。
[[集電装置]]にはシングルアーム式パンタグラフ(PS33B型)が採用され、折り畳み高さは全車
本系列では、車両に搭載される機器の制御方法がそれ以前に製造されていた車両系列とは大きく異なり、非常ブレーキなどを除くほぼすべての機器の制御を[[TIMS]] (Train Information Management System) と称する情報管理システムを通じて行っている。通信のインターフェイスには[[EIA-485|RS-485]](伝送速度2.
[[圧縮機|電動空気圧縮機]] (CP) は209系やE217系などで実績のある[[クノールブレムゼ]]製の低騒音形スクリュー式を搭載する。
=== 車体設備 ===
本系列は、車体形状や装備の違いにより通勤タイプと近郊タイプの2つに大別できる(詳細は後述)<ref>JR東日本の車両図鑑(外部リンク参照)などでは「通勤形」「近郊形」と表記されているが、ここでは「タイプ」で統一する。</ref>。基本設計は共通であり、量産効果による車両製造コストの低減を図っている。
車体は軽量[[ステンレス鋼|ステンレス]]製で、前面部には[[繊維強化プラスチック|FRP]](ガラス繊維強化プラスチック)が用いられている。側窓には緑色に着色されたUV([[紫外線]])カットガラスを採用しており、中央部の広窓も1枚固定窓から非対称2分割開閉式となったことが、209系500番台との識別点である。車体構造はE217系や209系500番台に準じたものであり、近郊タイプだけでなく、通勤タイプにも
車体形状は、製造した車両メーカーにより細部に差異が生じている。これは各車両メーカーが得意とする加工方法で車両の製造を行えるように若干の仕様の相違を許容しているためで、前述の量産効果に加えて車両製造コストの低減に寄与している。具体的には、近郊タイプおよび800番台では車体妻面部の処理・縦雨樋の形状・ドア横の柱の処理・内装の素材などが異なっている。また、長期間にわたって製造が行われたため、同一のタイプ・番台においても製造時期により細かな仕様の変更(各車両連結部分へのドアの設置、送風部のアルミ材への変更、他)が行われている。
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* 車体の帯の色:上…{{color|#399|■}}''エメラルドグリーン''(青緑<!--青緑1号より明るい-->) 、下…{{color|greenyellow|■}}''ウグイス色''(黄緑)
** 同じエメラルドグリーン([[青緑1号]])の帯色を用いている[[常磐緩行線]]・[[東京地下鉄千代田線]]直通用車両([[国鉄203系電車|203系]]・[[国鉄207系電車|207系900番台]]・209系1000番台・E233系2000番台)との誤乗防止のため、常磐快速線・成田線の編成にはエメラルドグリーンの帯下にウグイス色の帯を追加している。同様の理由から[[JR東日本E501系電車|E501系]]も帯上部が{{color|silver|□}}白色 、帯下部が{{color|#009786|■}}エメラルドグリーン(青緑1号)の配色となっている(同系列は2007年3月17日をもって上野口の運用から離脱した)。常磐快速線用の第1編成(第101・121編成)の帯色は落成当時エメラルドグリーン単色であったが、営業運転開始の直前になってから帯色下部にウグイス色が追加され、同時に乗務員室のドアにもエメラルドグリーンのステッカー貼付が施された。なお、本系列の帯のエメラルドグリーンは青緑1号よりも明るい。
* 所属車両数
** 通勤タイプの車両としては最長の15両編成での運用も行われている。成田線では最長10両編成で、基本編成による運用の他、付属編成5両のみの運用や付属編成を2本連結した10両編成もある。
** 常磐快速線・成田線では、置き換え前の103系の車両数285両に対し、本系列の投入車両数は予備車を削減して280両の予定であったところ、[[首都圏新都市鉄道]][[首都圏新都市鉄道つくばエクスプレス|つくばエクスプレス]]開業後の乗客変動を考慮して265両の投入とし、代替に103系3編成20両を残存させた。乗客減の結果、[[2006年]][[3月18日]]の[[JRダイヤ改正|ダイヤ改正]]で運用本数が削減され、残った103系は本系列への置き換えを行わずに[[廃車 (鉄道)|廃車]]となり、全列車がE231系による運転となった。このダイヤ改正後は15両編成で運転する列車が増加している。
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|制御方式 = [[可変電圧可変周波数制御|VVVFインバータ]](IGBT素子)
|定員 = 143人(先頭車)<br />162人(中間車)<br />4600番台・600番台中間車は160人
|備考 = 車体長
}}
{{Vertical_images_list
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|定員 = 141人(先頭車)<br />156人(中間車)
|編成 = 10両編成 (6M4T)
|起動加速度 = 3.
|保安装置=[[自動列車停止装置|ATS-P]]<br />[[自動列車制御装置|WS-ATC]]<br />[[自動列車制御装置|CS-ATC(デジタル)]]
}}
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**当初は80両が置き換えの対象だったが、JR車の地下鉄乗り入れ運用が削減され、10両が代わりに前述の中央・総武緩行線用の0番台(ミツ57編成)として新製された。
東西線との[[地下鉄対応車両|直通仕様]]となっているため、車体幅は本系列では唯一の2,
運転台は従来の通勤形を基本としているが、マスコンハンドルには[[デッドマン装置]]を搭載する。ただし、この装置は東西線内でのみ使用される。さらに運転台左下にJR - 東京地下鉄切り換えスイッチの設置、右下に東京地下鉄用[[誘導無線]]送受話器の設置が行われている。
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客室内構成は0番台に準拠したもので、内板は白色系、座席表地は青色となっている。ただし、[[車椅子スペース]]は他番台とは異なり、東京メトロ車に合わせた2・9号車の設置としている。このほか、800番台ではJR東日本の電車として初めて車両間の貫通扉が傾斜式に変更され、2003年以降に製造される他番台や他系列にも普及していった。さらに車外スピーカーや[[発車メロディ|乗降促進ブザー]]も製造当初から設置している。
冷房装置は山手線500番台(トウ504編成以降)同様に能力向上形冷房装置AU726A形
制御装置は改良型のSC60C形VVVFインバータ装置とし、ほぼ
側面のLED式行先表示器は行先と路線名を交互に表示するが、東西線、中央・総武緩行線走行中も路線名の表示は「地下鉄東西線直通」のままである。また、車内表示器の「地下鉄東西線直通」は東西線に入る前のJR線内および[[中野駅 (東京都)|中野]]・[[西船橋駅|西船橋]]両駅停車中のみ表示される。車内表示器には行先・種別も表示される(例:「次は 浦安」→「Next Urayasu」→「次は ウラヤス」→「通快 三鷹 行」→「Commuter Rapid for Mitaka」) が、同線内の[[駅ナンバリング]]に対応していないほか、同線内の自動放送が東京メトロ05系・07系とは違った内容になっている点などが特徴になっている。
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===== 編成組成 =====
{| class="wikitable" summary="方面別編成表" style="text-align: center; font-size:80%;"
|-
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|社色 = #008000
|画像 = E231 takasaki Line .JPG|250px
|画像説明 = 東北本線
|unit = self
|編成 = 4M6T(基本編成)
|定員 = 138 - 143人(先頭車)<br />157 - 162人(中間車)<br />90人(グリーン車)
|起動加速度 = 2.
|保安装置 = [[自動列車停止装置#ATS-S改良形(ATS-Sx形)|ATS-S<small>N</small>]]<br />[[自動列車停止装置#ATS-P形(デジタル伝送パターン形)|ATS-P]]
}}
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<span style="font-size:80%;">
[[Image:JR-East E231 Series at Utsunomiya.jpg|thumb|240px|right|近郊タイプ<br />小山所属車・スカート強化編成<br />(2010年7月31日)]]
[[Image:JRE_E231_S-01_GotembaLine.jpg|thumb|240px|right|近郊タイプ<br />国府津所属車・スカート強化編成(付属編成)<br />御殿場線には付属の5両編成が乗り入れる
[[Image:E231-1000 K39.jpg|thumb|240px|right|近郊タイプ<br />国府津所属車・スカート強化編成<br />(2008年11月30日)]]
[[Image:JRE E231-1000 upper part.PNG|thumb|240px|right|近郊タイプ<br />スカート強化編成の上部<br />(2008年7月20日)]]
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==== 概説 ====
2000年はじめに小山電車区(現・[[小山車両センター]])の[[国鉄115系電車|115系]]置き換え用として新製配置され、同年6月から[[宇都宮線]]の[[普通列車|普通]]・[[快速列車]]として営業運転を開始した。[[2001年]]9月からは[[高崎線]]([[上越線]]・[[両毛線]]の高崎
さらに、2004年1月からは[[国府津車両センター]]の[[国鉄113系電車|113系]]置き換え用として新製配置が始まった。東海道線での運用に先駆けて、同年7月より宇都宮線・高崎線で暫定的に運用を開始し、10月より湘南新宿ラインおよび東海道線・[[伊東線]]・[[御殿場線]]の普通・快速列車で本格的に運用を開始した。[[2006年]][[3月18日]]のダイヤ改正で同センターの113系の全定期運用を置き換えた。なお、これ以降の新造車では運転台や車内設備の仕様が一部変更されている(詳細は後述)。
501 ⟶ 500行目:
* 車体の帯の色:(新)[[湘南色]]…上 {{color|orange|■}}''黄かん色2号''、下{{color|#0c0|■}}''ライトグリーン''
* 所属車両数(2009年12月現在
** '''[[小山車両センター]]'''
** '''[[国府津車両センター]]'''
通勤タイプと比較した際の近郊タイプの特徴として、以下の点が挙げられる。
* VVVFインバータ装置には日立製作所製の2レベルIGBT素子を採用しており、低速から中速域に加速する際に「電動機およびインバータ装置から発する[[磁励音]]が一旦下がる」という独特の特徴を持つ。逆に減速時は磁励音が上がる([[メディア:E231.ogg]])。また、[[粘着式鉄道|粘着係数]]が低く、[[起動加速度]]は0番台より少し低い2.
* 先頭車両の[[操縦席|運転台]]スペースは、[[踏切]]における[[踏切障害事故|衝突事故]]対策として前後が大型化・高運転台構造になっている。
* 前面上部には[[ディスチャージヘッドランプ|HID]]方式の[[前照灯]]を採用し、遠方からの視認性を向上させている。
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Image:JRE E231@panta1.jpg|シングルアーム式パンタグラフ
</gallery>
{{-}}
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** 2000年 - 2003年に基本編成(10両、U編成)41本410両と付属編成(5両、U編成)28本140両の合計550両が配置された。
*** 当初は全車が普通車であったが、宇都宮線・高崎線へのグリーン車導入に伴い、2004年 - 2005年にかけてすべての基本編成に2階建てグリーン車2両が組み込まれた。前述の通り、編成から外れた従来の普通車は国府津車両センターへ転属の上、同センターに新たに配置された編成に組み込まれた。
** その後、
*** これらの編成の配置により、同年[[7月8日]]のダイヤ改正で本系列が[[高崎車両センター]]所属の[[国鉄211系電車|211系]]運用の一部を置き換えた。この改正より、上野駅発着の宇都宮線・高崎線のすべての中距離列車にグリーン車が連結されることとなり、また日中の15両運用が大幅に増加した。さらに、これに合わせて宇都宮線内の[[自治医大駅]]・[[石橋駅 (栃木県)|石橋駅]]・[[雀宮駅]]の[[プラットホーム|ホーム]]が15両対応に延伸され、[[宇都宮駅]]まで15両編成で運用できるようになった。
** 2007年3月下旬には、訓練車分の予備車増加に対応するため、[[東急車輛製造]]にて付属編成1本(U-118編成)が新たに製造された。なお、この編成が通勤形も含めた本系列最後の新造編成である。<!--編成単位でなければ600・4600番台の例があることに注意-->
* 2007年1月現在、以下の線区・列車で運用されている。<!-- 今は? -->
** 宇都宮線
** 高崎線・[[上越線]]・[[両毛線]]([[上野駅|上野]] - [[高崎駅|高崎]] - [[新前橋駅|新前橋]] - [[前橋駅|前橋]])の普通・快速列車([[籠原駅|籠原]]以北の付属編成の運用はない)
** 湘南新宿ラインの[[横須賀線]] - 宇都宮線系統
** 横須賀線の一部の普通列車([[大船駅|大船]]発[[逗子駅|逗子]]行3835M・逗子発大船行3834M)
* 2006年3月18日より、同年1 - 2月に落成した一部編成が当時車両不足となっていた[[国府津車両センター]]に貸し出されていた。また、2008年2月にも付属編成1本が、E217系の転出で車両が不足していた国府津車両センターに貸し出された。当該編成には、[[東海旅客鉄道]](JR東海)区間(東海道線[[熱海駅|熱海]] - [[沼津駅|沼津]]間・[[御殿場線]][[国府津駅|国府津]] - [[山北駅|山北]]間)への入線を考慮して、当センター所属編成の本来の運用区間では必要ない[[自動列車停止装置#ATS-S改良形(ATS-Sx形)|速度照査対応のATS-S<small>N</small>形]]が搭載され、実際にJR東海区間にも入線した。
* 2008年春までに全編成のスカートがV字に尖がった大型のものに交換され、優先席付近のつり革もE233系タイプのものに交換された。なお、2006年度に増備したU-584とU-105以降の編成は製造当初からV字に尖がった大型形状のスカートを装備している。
* 2008年にはU520・U14編成にホーム検知装置が取り付けられた。この装置は京浜東北線・根岸線で使われていた209系のものを再利用したものである。その後、両編成ともに2009年2月頃に撤去された。
===== 国府津車両センター =====
* 2004年 - 2006年に基本編成(10両、K編成)42本420両と付属編成(5両、S編成)34本170両の計590両が配置された。この中には東海旅客鉄道(JR東海)所属の113系のうち東京 - 熱海間に乗り入れていた編成([[静岡車両区]]所属の旧T編成)の置き換え分も含まれている。所属両数は2010年5月現在、配置完了時の590両から
* 2009年1月現在、以下の線区・列車で運用されている。
** 東海道本線(東京 - 沼津間)
** 伊東線
** 御殿場線([[国府津駅|国府津]] - [[山北駅|山北]]間)の普通・快速列車
** 高崎線([[籠原駅|籠原]]以北の付属編成の運用はない)の一部の普通・快速列車
** 湘南新宿ラインの東海道本線 - 高崎線系統(小田原 - 前橋、ただし籠原以北での付属編成の運用はない)
* 高崎線では小山車基本編成+国府津車付属編成による運用が存在する。<!-- 今も? -->
* 運用範囲は広い範囲に及び、2008年3月15日当時のダイヤでは1日に1000 km以上を走破する運用もある。<!-- 今は? -->
* 配置開始直後に、一部の付属編成が[[東海旅客鉄道静岡支社|JR東海静岡支社]]に乗務員訓練のために貸し出され、試運転で[[浜松駅]]まで入線したことがある。基本編成は「[[ひまわり号 (列車)|ひまわり号]]」で浜松駅まで入線したことがあり、[[2009年]]には付属編成が同じく「ひまわり号」で[[静岡駅]]まで入線している。
* また、一部の編成が配置開始直後から2006年2月にかけて小山車両センターに貸し出され、小山車として宇都宮線や湘南新宿ラインの横須賀線 - 宇都宮線系統の運用や高崎線の小山車運用にも使用された。
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東海道線で女性のグリーンアテンダントへの[[暴力|暴行]][[事件]]が多発したため、乗降口(デッキ)と乗務員室・業務用室前へ[[監視カメラ|防犯カメラ]]が設置された<ref>ほぼ同時期に211系やE217系のグリーン車にも設置された。</ref>。
<gallery widths="180" perrow="3" style="margin:1em 0em 2em 3em; font-size:80%;">
Image:E231 saro231kei.JPG|サロ231-1047
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Image:231kei entrance.JPG|グリーン車のデッキと出入口
</gallery>
{{-}}
==== 製造時期・所属線区による仕様の差異 ====
小山車両センターの初期配備編成と比較した際の国府津車両センター配備編成の特徴をあげる。
* 運転台の速度計・圧力計・その他表示灯などのメーター表示が液晶モニター([[グラスコックピット]])化された。同モニターは2器備え、一方が使用できなくなっても他方のモニターで運用できるよう冗長性を持たせている。
* 車内ドア上のLED表示器が従来の1段式から2段式に変更された。ただしK-02 - 42編成の6・7号車は小山車を転用したため1段式である。
** 2段式LED表示器の下段には列車運行情報やお知らせなどを表示する。順番は運行情報→運行路線→携帯電話→テロ対策であるが、駅間によっては携帯電話→テロ対策が表示されないこともある。また、運行情報がない場合は運行路線から表示する。また、新たな列車運行情報が入電した時はアラート音(205系1000・3000番台のドア開閉時のチャイム)が鳴る(始発駅発車時に入電されている場合は発車時に鳴る。また、2007年頃から他社線の情報も表示されるようになっているが、その場合でもアラート音が鳴る)。この表示器はJR東海区間である熱海 - 沼津間および御殿場線でも作動するが、この区間では「この電車は東海道線です」と輸送障害時の運行情報(JR東日本関東地区および新幹線)のみとなり、携帯電話とテロ対策は非表示となる。<!--なお、導入当初はJR東海区間でも携帯電話・テロ対策が表示されていたが、2005年にはこのような表示は廃止-->
**1段式LEDの編成(小山初期編成、国府津車6・7号車)でも、2010年3月頃から運行情報を表示するようになった。
** 駅に停車中の表示は1段式の場合は駅名(漢字)が点滅するだけであるのに対し、2段式(K-02 - 42編成の6・7号車〈1段式〉も含む)では駅名が漢字と英字で交互に表示されるようになった。
** 普通車の2段式LED表示器では上段に到着前にドア開閉方向を表示する。また、2005年以降に製造された編成(国府津車の新津車両製作所製の編成および2006年以降に製造された小山車)からはドア開閉方向表示と交互に「まもなく○○」という表示が行われるようになった。「まもなく○○」表示はその後2004年に製造された国府津車(K-01 - K-22/S-01 - S-21)でも行われるようになった。なお、K-01編成の6・7号車に関しては2段式LEDにもかかわらず「まもなく○○」表示は行われていなかったが、2009年3月頃から「まもなく○○」表示を行うようになった。また、1段式LEDの編成でも到着前に「まもなく○○」と「行先は○○」(小山車)・「○○行」(国府津車6・7号車)を交互に表示するようになった。
** 運行路線は、普通列車の場合、原則として「この電車は東海道線です」や「この電車は宇都宮線です」など線名のみで、さらに伊東線直通であっても「東海道伊東線」とは表示されず「東海道線」のみであるが、1本のみ存在する沼津・山北行は「この電車は東海道線沼津(山北)行と山北(沼津)行(表示する車両の実際の行先が先)です」「この車両は沼津/山北行き(実際の行先)です」となる。また途中駅で切り離しの場合は終点の後にこの車両の行先が出る(例:「この電車は東海道線伊東行きです」「この車両は国府津止まりです」など)。快速の場合は路線名+種別(+愛称)となる(例:「この電車は、高崎線、快速アーバンです。」)。また、湘南新宿ラインの場合は「この電車は湘南新宿ライン、○○線直通(、普通以外の種別はその種別)です」と表示され、直通先の路線に入ると「この電車は○○線です」と表示される。<!--また、前橋発の高崎線や伊東発の東海道線では「この電車は○○線直通です」と表示される。-->
** 走行中の行先表示の方法が「○○行」(+英語表示)となった(例:小田原行→For Odawara)(K-02 - 42編成の6・7号車の1段式LEDも同様)。小山所属車は当初行き先表示は行われていなかったが、2002年春頃から「行先は○○」と表示されるようになった。一時期「○○行」と表示していた車両も存在していたが、現在では「行先は○○」の表示に統一されている(後期製造分は国府津所属車と同じく「○○行」→「For ○○」(英語表記)と表示される)。
* 自動放送装置の設置。小山所属の基本編成にもグリーン車組み込みに合わせて設置され、2004年10月16日改正に合わせて使用を開始した。なお、付属編成は小山車・国府津車共に当初はグリーン車を連結した基本編成との併結運用以外では自動放送は使用されていなかったが、2005年10月頃に付属編成のみでも自動放送が使用されるようになった。
* 車内ドア上へのドアランプの設置(開閉時に赤いランプが点滅)(小山車〈2006年以降増備車は除く〉と転入してきた国府津車の6・7号車〈K-01編成は除く〉は未設置)
* 車外スピーカー設置スペースの確保
* 初期配備編成に比べ、車体帯の色が若干濃い色合いとなった。2006年以降増備の小山配置車も同様である。
* UV(紫外線)+IR([[赤外線]])カットガラスを使用(小山車〈2006年以降増備車は除く〉と転入してきた国府津車の6・7号車〈K-01編成は除く〉はUVカットガラスのみ)
* 基本編成の[[鉄道車両の座席#セミクロスシート|セミクロスシート]]車の増加(1・2・9・10号車。小山車は1・2号車のみ)
* 基本編成[[普通車 (鉄道車両)|普通車]]の[[列車便所|トイレ]]位置は1・10号車(小山車は1・6号車)普通車のトイレは車椅子対応のものになった。
* 電動車の位置は2・3・8・9号車(小山車は2・3・7・8号車)
* 普通車の冷房装置能力を48.8kW (42000kcal/h AU725A, AU725B)から58.1kW (50000kcal/h AU726A, AU726B) へ強化
* 小山車両センターに先行投入された初期車には座席の[[クッション]]に[[リサイクル]]性の向上のためポリエステル素材が採用されたが、座席が硬く、座り心地が悪いと不評だったため、国府津向け車両ではSバネを使用した軟らかめの座席(同時期に登場した[[東急5000系電車 (2代)|東急5000系]]と共通)を採用した。その後、小山所属の初期投入分の車両にも改良型と同等の座席に交換を行ったものが存在している。
* [[2005年]]の新津車両製作所製の車両からは、[[排障器|前部スカート]]の形状がV字に尖がったものに変更されている。その後、それ以前に製造された編成も交換された。
* 国府津車両センターのK-19・S-18編成以降の車両は室内送風機(ラインデリア)の下の整風板がアルミ製となっている(初期車は[[繊維強化プラスチック]]〈FRP〉製)。
* [[鉄道車両の台車|台車]]は[[蛇行動#ヨーダンパ|ヨーダンパ]]取り付け準備工事済み。
* 小山車両センター配置車(2006年以降増備車は除く)に関しては連結部の[[貫通扉]]はモハE230形の上野・沼津方とモハE231形の前橋・黒磯方、すなわち1号車と2号車の間(2号車側)、3号車のグリーン車側、6号車と7号車の間(7号車側)、8号車と9号車の間(8号車側)、11号車と12号車の間(12号車側)、13号車と14号車の間(13号車側)にのみ設置された。初期の小山車はE217系タイプであったが、U69編成はほぼ同時期に登場した800番台などと同様の傾斜式戸閉装置(上吊り傾斜レールによる[[ドアクローザ]])に変更された。国府津車両センター配置車で早期に落成したK-01・K-02編成、S-01・S-02編成の4本に関しては従来の小山車両センター所属車と設置箇所は同一であったが、K-03・S-03編成以降および2006年以降に増備された小山車両センター配置車ではすべての連結部に傾斜式戸閉装置の貫通扉が設置された。そのため、3号車の2号車側、8号車の7号車側(国府津車は9号車の8号車側)、10号車(国府津車は未設置)、13号車の12号車側、15号車に増加している。ただし、K-01編成以外の国府津車両センター配置車基本編成において小山車両センターから転用された6号車と7号車には貫通扉は設置されていない。U-118編成はミツ82編成の後に製作したが、形状については他の編成と変わらない。
* 既存の小山車両センター基本編成へのグリーン車組み込みと国府津車両センターへの新造配備は同時期に行われた。この際、小山車両センター基本編成の4・5号車に新造された二階建てグリーン車2両が組み込まれ、捻出された小山車サハE231形1000番台は国府津車両センター向けに新造された基本編成(グリーン車を含む8両編成として落成)の6・7号車に組み込まれた。ただし、国府津車両センターに最初に配置されたK-01編成に限り、捻出した小山車は組み込まれず1編成10両の全車が新造された。
{{-}}
==== 番台区分 ====
E231系近郊タイプの番台区分は以下の規則に従って行われ、具体
* 寒地仕様(近郊形はすべての車両が該当)… +1000
* 先頭車(衝撃吸収構造) … +5000
748 ⟶ 759行目:
==== 編成組成 ====
* 基本編成と付属編成を併結する際は、基本編成が上野・熱海方、付属編成が黒磯・前橋・東京方となる。
* 10両編成(基本編成)は上野・熱海方が1号車で、黒磯・前橋・東京方が10号車。5両編成(付属編成)は上野・熱海方が11号車で、黒磯・前橋・東京方が15号車。
* 凡例
** [車]WC…車椅子対応大型洋式トイレ、和WC…和式トイレ、洋WC…洋式トイレ、[洗]…洗面所
** [乗]…乗務員室、[業]…業務用室
;小山車両センター所属車両<!-- 後期型は重量などが異なるのでは? -->
{| class="wikitable" summary="方面別編成表" style="text-align: center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 5em;"
|-
762 ⟶ 773行目:
|colspan="12"|
|-style="border-top:solid 5px #6c0;"
!rowspan="6<!--7-->"|10両編成<br />(基本編成)
!号車
|style="width:5em;"| 10
809 ⟶ 820行目:
|style="background-color:#cf9"| 90人
|style="background-color:#cf9"| 90人
| 162人 || 162人 || 138人<!--
|-
!車両重量
| 27.9t || 29.4t || 29.3t || 23.0t || 23.0t
|style="background-color:#cf9"| 36.1t
|style="background-color:#cf9"| 35.4t
| 28.8t || 29.9t || 27.8t-->
|-style="border-top:solid 5px #999;"
!rowspan="6<!--7-->"|5両編成<br />(付属編成)
!号車
|15||14||13||12||11
|colspan="5" rowspan="6<!--7-->" style="background-color:#ddd; text-align:right;"|※:2006年に増備された基本編成6号車のトイレは、<br />和式ではなく車椅子非対応の洋式である。
|-
!形式
833 ⟶ 850行目:
|-
!車両定員
| 143人 || 162人 || 162人 || 162人 || 138人<!--
|-
!車両重量
| 26.8 t || 23.5 t || 28.8 t || 29.3 t || 27.6 t-->
|}
922 ⟶ 942行目:
!車両定員
| 143人 || 162人 || 162人 || 162人 || 138人
|}
935 ⟶ 952行目:
|colspan="12"|
|-style="border-top:solid 5px #6c0;"
!rowspan="4<!--7-->"|10両編成<br />(基本編成)
!号車
|style="width:5em;"| 10
964 ⟶ 981行目:
|-
!その他設備
| || || || || 和WC || || || || || [車]WC<!--
|-
!搭載機器
| || VVVF || SIV,CP || ||
|
|
| VVVF || CP,SIV ||
|-
!車両定員
| 138人 || 162人 || 162人 || 162人 || 162人
|
|
| 162人 || 162人 || 138人
|-
!車両重量
| 27.9t || 29.4t || 29.3t || 23.0t || 23.0t
|
|
| 28.8t || 29.9t || 27.8t-->
|}
::*付属編成の編成形態は現在と同様である。
982 ⟶ 1,017行目:
自動放送は日本語と英語の2か国語で行われ、日本語は[[三浦七緒子]]が、英語は[[クリステル・チアリ]]がそれぞれ担当している。分割案内や伊東線・東海道線沼津-熱海間・御殿場線の案内放送も可能である。
案内は駅によって異なり、始発駅や主要駅などの出発後には種別や行先などが放送される。駅間が長い区間では、発車直後に「次は○○です。」の放送が、到着前に「まもなく○○ - ○○ - お出口は(右or左)側です」と放送される。駅間が短い区間では、「まもなく - 」が省略され、「次は○○ - ○○ - お出口は(右or左)側です。」と放送される。乗り換え案内などは設定により省略することができ、朝夕ラッシュ時(7:
== 脚注 ==
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== 参考文献 ==
*[[交友社]]「[[鉄道ファン (雑誌) |鉄道ファン]]」
**2002年4月号新車ガイド「JR東日本E231系500番台」(東日本旅客鉄道(株)運輸車両部企画課車両開発プロジェクト
**2003年5月号新車ガイド「JR東日本E231系800番台」(東日本旅客鉄道 (株) 運輸車両部企画課車両開発プロジェクト
**2010年5月号新車ガイド「JR東日本山手線用E231系中間車」(東日本旅客鉄道 (株) 鉄道事業本部運輸車両部車両技術センター
*[[ネコ・パブリッシング]]「[[レイルマガジン]]」
**2010年8月号「JR東日本山手線E231系4扉編成」(取材協力:JR東日本東京支社)
*日本鉄道車両機械技術協会「R&m」
**2010年9月号研究と開発「山手線E231系500番台 ホームドア導入に伴う車両改造概要」(JR東日本
== 外部リンク ==
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