「ニコロ・パガニーニ」の版間の差分

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==概説==
 
パガニーニは[[バイオリン]]の鬼神と呼ばれ、当時はそのバイオリン演奏のあまりの上手さに、「パガニーニの演奏技術は、[[悪魔]]に魂を売り渡した代償として手に入れたものだ」と噂されたという。そのため彼の出演する演奏会では聴衆は本気で十字架を切ったり、本当に足が地に着いているか足元ばかり見ていた観客もいたという。それどころか死後に教会から埋葬を一時拒否すらされたほどである。
 
作曲家としても活躍しバイオリン曲を残したが、極めて速いパッセージの[[ダブルストップ]]・左手の[[ピチカート]][[フラジョレット|ハーモニクス]]奏法など、どれも高度な技術を必要とする難曲として知られている。パガニーニ自身は技術が他人に知られるのを好まなかったため、生前はほとんど自作を出版せず自分で楽譜の管理をしていた。その徹底ぶりは凄まじいもので、自らの演奏会の伴奏を担当するオーケストラにすらパート符を配るのは演奏会の数日前で、演奏会までの数日間練習させて本番で伴奏を弾かせめ現在後、配ったパート符はすべて回収したというほどである。しかも、オーケストラの練習ではパガニーニ自身はソロを弾かなかったため、楽団員ですら本番に初めてパガニーニ本人の弾くソロ・パートを聞くことができたという。このようにパガニーニ自身が楽譜を一切外に公開しなかったことに加えて、パガニーニの死後遺族が遺品である楽譜のほとんどを処分してしまったため、楽譜が散逸してしまいほとんどの作品は廃絶してしまった。現在では、無伴奏のための24の奇想曲や6曲のヴァイオリン[[協奏曲]]などが残されている。
 
パガニーニは、1800年から1805年にかけて表立った活動をやめ、ギターの作品を数多く作曲している。これは、フィレンツェの女性ギター奏者を愛人としていたためといわれている。
 
興行師としての才能もあり、木靴に弦を張って楽器として演奏し一儲けした後、金に困った女性を助けたなどの逸話もある。一方で偽チケット事件も多発した。[[フランツ・シューベルト|シューベルト]]はパガニーニがウィーンに来た時、家財道具を売り払ってまで高いチケットを買って(友人の分まで奢って)パガニーニの演奏を聞き(ちなみに、この時にシューベルトが聞いたのが「鐘のロンド」を持つヴァイオリン協奏曲第2番である)「天使の声を聞いた」と感激したそうだが、金銭に関して後先考えず無頓着なシューベルトらしい逸話である。この台詞は正確には「アダージョでは天使の声が聞こえたよ」と言ったものであり、派手な超絶技巧よりもアダージョの音色の美しさに感動するシューベルトの鋭い感性も覗える。<BR>
また[[フランツ・リスト|リスト]]は少年初恋に破れ沈んでいた20歳のにパガニーニの演奏を聞いて「僕はピアノのパガニーニになってやる」と奮起し超絶技巧を磨いたという逸話もある(リストはヴァイオリン協奏曲第4番を聞いたといわれている)。
 
==主要作品==