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|画像=[[ファイル:Mitsukurina owstoni, Pengo.jpg|250px]]
|画像キャプション=ミツクリザメ (模型)
|status=LC
|status_ref=<ref name=iucn>Duffy, C.A.J., Ebert, D.A. & Stenberg , C. 2004. [http://www.iucnredlist.org/apps/redlist/details/44565/0 ''Mitsukurina owstoni'']. In: IUCN 2011. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2011.1. <www.iucnredlist.org>. Downloaded on 14 July 2011.</ref>
|界= [[動物界]] [[:w:Animalia|Animalia]]
|門= [[脊索動物門]] [[:w:Chordata|Chordata]]
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|属= '''ミツクリザメ属''' [[:w:Mitsukurina|''Mitsukurina'']]
|種= '''ミツクリザメ''' [[:w:Mitsukurina owstoni|''M. owstoni'']]
|学名=''Mitsukurina owstoni'' <br />[[Wikispecies:David Starr Jordanデイビッド・スター・ジョーダン|Jordan]], [[1898年|1898]]</small>
|英名=[[:enw:Goblin shark|Goblin shark]]
|和名=ミツクリザメ
|英名=[[:en:Goblin shark|Goblin shark]]
}} <!-- このテンプレートは、PJ:BIOでの議論に基づき、Bot(User:Point136)により移行されました。 -->
'''ミツクリザメ''' ''Mitsukurina owstoni'' (箕作鮫、英: [[:w:Goblin shark|Goblin shark]])は、[[ネズミザメ目]]'''ミツクリザメ科'''に属する[[サメ]]。ミツクリザメ科は'''ミツクリザメ属''' ''Mitsukurina'' 1属で、本種のみを含む。希少種。日本の[[東京湾]]、[[駿河湾]]、[[相模湾]]などをはじめ、世界各地で散発的に報告されている。表層から水深1,300 m、あるいはそれ以上の[[深海]]に生息する。推定全長6m。ブレード状の長い[[吻]](ふん)が特徴である。写真や図では顎が飛び出した状態のものが多いが、通常遊泳時は奥に引っ込んでいる。
 
'''ミツクリザメ'''(箕作鮫、ゴブリン・シャーク)は、[[ネズミザメ目]]ミツクリザメ科に属する[[深海]]性の[[サメ]]である。
 
ミツクリザメ科は1属1種。板状に変形した長い[[吻]](ふん)が特徴である。写真や図では口が前方へ突出した状態を描いたものが多いが、通常は頭蓋の中に収納され突出していない。捕獲報告の少ない希少な種である([[#分布|分布]]参照)。
 
== 名前の由来 ==
学名 ''Mitsukurina owstoni'' は発見者'''アラン・オーストン'''(A. Owston)と、[[東京大学]]三崎臨海実験所の初代所長であった'''[[箕作佳吉]]'''(みつくりかきち)教授に捧げられたものである。オーストンはイギリスの貿易商であったが、実験所の研究に理解を示し、ドレッジ(とくに深所にいる海洋生物を採集するための網)で捕獲した生物をたびたび寄贈していたようである。ある日、彼は相模湾を航行中に、これまでに見たことのない奇妙な生物を採集した。このミツクリザメの記念すべき第一号は実験所に寄贈された後、[[1898年]]、アメリカの魚類学者、'''[[デイビッド・スター・ジョーダン]]'''([[w:David Starr Jordan|David Starr Jordan]])により全くの新種であることが確認され、''Mitsukurina owstoni'' と名づけられた。和名はもちろん、箕作教授に因んだものである
 
ミツクリザメは船上で逆さに吊り上げられると顎が飛び出し、嘴(くちばし)のような口には多数の鋭い歯が剥き出しになる。自身の体重で顔は膨らみ、ブヨブヨした軟らかい体はみるみる褐色に変色、さらに大量出血により全身が赤く染まる(深海棲息のため、水揚げに伴う周囲の水圧の有無・変化に因るとされる)。このおぞましい姿から、英語では '''Goblin shark''' (悪鬼のようなサメ)と呼ばれている。
 
== 地理的分布・生息環境 ==
[[ファイル:Mitsukurina owstoni distmap.png|thumb|ミツクリザメの生息が確認された主な発見海域none|250px]]
世界各地から報告があるが、出現は稀。これまでに捕獲された個体多く報告ほとんどが日本近海で見つっていらのものであ<ref name=iucn/>。とくに[[駿河湾]]や[[相模湾]]など水深が1000m1,000 m以上になる深海湾での捕獲が多いよくみられる一方、また[[千葉県]]沖の[[東京湾#.E6.9D.B1.E4.BA.AC.E6.B9.BE.E6.B5.B7.E5.BA.95.E8.B0.B7|東京湾海底谷]](とうきょうかいていこく)の入り口で多くの幼が見つかり漁の網にかかることがある。[[2003年]]にはそれまで報告が無かった[[台湾]]の北西沖で、100尾を超える非常に多数のミツクリザメが漁獲されている<ref name=iucn/>。他には、[[太平洋]]西部の[[オーストラリア]]や[[大西洋]]の[[ギアナ]]、[[ビスケー湾]]、[[マデイラ諸島]]、[[インド洋]]の[[南アフリカ]]などの周辺海域で生息が確認されている。生息水深1200m帯は30~1,300 かあるいはそれm上の海底に生息し、通常人間が海中で生きている姿を目にすることはない<ref name=iucn/>
 
== 形態 ==
[[ファイル:Mitsukurina owstoni.jpg|thumb|250px|ミツクリザメ]]
[[ファイル:Goblin shark, Pengo.jpg|thumb|口部分の模型|250px]]
最大全長は最大で 5m 程度に達するが、平均的な個体は推定540~617 3mcm<ref に満たないname=iucn/>。生存時の体色はやや灰色がかった薄ピンク色で、死後は褐色、さらに時間が経過すると灰色になる。やや透明な皮膚の下には血管が走っており、それが生きているときの独特なピンク色を生み出している。
大きく突出した扁平な'''吻'''(頭部先端の尖った部分)が特徴である。吻には電気受容器の'''[[軟骨魚綱#ロレンチニ瓶|ロレンチニ瓶]]'''を多数備えており、海底の餌を探すのに役立っている。吻は[[軟骨]]性で柔軟なため、[[カジキ]]類の吻のように攻撃や防御を行うには適していない。
 
背には比較的小さな背びれを2基、また胸びれ、腹びれ、臀びれを備える。尾びれは上葉(上半分)が長く、下葉(下半分)は上葉に比べてかなり短い。このタイプの尾鰭を持つサメは底生性であることが多く、あまり速くは泳げないと考えられる。体には古代のサメの特徴を残しており、[[生きている化石]]などとも呼ばれる。大きく突出した扁平な'''吻'''(頭部先端の尖った部分)が特徴である。吻には電気受容器の'''[[軟骨魚綱#ロレンチニ瓶|ロレンチニ瓶]]'''を多数備えており、海底の餌を探すのに役立っている。吻は[[軟骨]]性で柔軟なため、[[カジキ]]類の吻のように攻撃や防御を行うには適していない。
 
ミツクリザメは[[顎]]が前方に突出した姿で描かれることが多いが、突出自体は[[サメ]]類が共通して持っている性質であり、さほど驚くに値しない。本種の場合は顎が容易に、しかもかなり顕著に突出して目立つため、そのように描かれるのであろう。上顎は湾曲し、[[鳥]]の嘴のような形をしている。口の前半部の歯は長く尖り、表面は滑らかで内側に向けて曲がっている。それに対して後半部の歯はやや短く、ものを噛み砕くのに適している。
 
== 生態 ==
全長は最大で 5m 程度に達するが、平均的な個体は 3m に満たない。生存時の体色はやや灰色がかった薄ピンク色で、死後は褐色、さらに時間が経過すると灰色になる。やや透明な皮膚の下には血管が走っており、それが生きているときの独特なピンク色を生み出している。
深海種であり、これまでに捕獲された個体も少ないため、生態の解明は難航している。生殖に関しては事実上何も分かっていない。ミツクリザメはその長い吻を使って海底の餌生物を探し出し、大きく顎を突出させて獲物を捕らえるものと考えられており、長く鋭く伸びた棘のような歯は、肉を食いちぎるというより、くわえた獲物を逃がさないために働いていると推測される。[[カニ]]など硬い甲羅をもつものは奥歯で噛み砕いて食べる。餌は主に深海性の[[甲殻類]]や[[頭足類]]、[[硬骨魚類]]や他の[[サメ]]類である。
 
雄の成熟サイズは全長264 cm、雌は全長335 cm<ref name=compagno>Leonard J. V. Compagno (2002) "Sharks of the world: ''An annotated and illustrated catalogue of shark species known to date''" Volume 2, Food and Agriculture Organization of the United States. pp.69-71.</ref>。妊娠雌は知られていないが、[[ネズミザメ目]]に広くみられる卵食型と予想される<ref name=iucn/>。
背には比較的小さな背びれを2基、また胸びれ、腹びれ、臀びれを備える。尾びれは上葉(上半分)が長く、下葉(下半分)は上葉に比べてかなり短い。このタイプの尾鰭を持つサメは底生性であることが多く、あまり速くは泳げないと考えられる。体には古代のサメの特徴を残しており、[[生きている化石]]などとも呼ばれる。
 
特徴的な外見から、映画「[[ガメラ対深海怪獣ジグラ]]」に登場する敵怪獣[[ガメラ対深海怪獣ジグラ#深海怪獣 ジグラ|ジグラ]]のモチーフとして採用されている。
 
== 分布 ==
[[ファイル:Mitsukurina owstoni distmap.png|thumb|ミツクリザメの生息が確認された主な発見海域|250px]]
これまでに捕獲された個体の多くは日本近海で見つかっている。とくに[[駿河湾]]や[[相模湾]]など水深が1000m 以上にもなる深海湾での捕獲が多い。一方、[[千葉県]]沖の[[東京湾#.E6.9D.B1.E4.BA.AC.E6.B9.BE.E6.B5.B7.E5.BA.95.E8.B0.B7|東京湾海底谷]](とうきょうかいていこく)の入り口で多くの幼体が見つかり漁の網にかかることがある。他には、[[太平洋]]西部の[[オーストラリア]]や[[大西洋]]の[[ギアナ]]、[[ビスケー湾]]、[[マデイラ諸島]]、[[インド洋]]の[[南アフリカ]]などの周辺海域で生息が確認されている。水深1200m かあるいはそれ以上の深海底に生息し、通常人間が海中で生きている姿を目にすることはない。
 
== 生態 ==
深海種であり、これまでに捕獲された個体も少ないため、生態の解明は難航している。生殖に関しては事実上何も分かっていない。ミツクリザメはその長い吻を使って海底の餌生物を探し出し、大きく顎を突出させて獲物を捕らえるものと考えられており、長く鋭く伸びた棘のような歯は、肉を食いちぎるというより、くわえた獲物を逃がさないために働いていると推測される。[[カニ]]など硬い甲羅をもつものは奥歯で噛み砕いて食べる。餌は主に深海性の[[甲殻類]]や[[頭足類]]、[[硬骨魚類]]や他の[[サメ]]類である。
 
== 人との関わり ==
[[2008年]](平成20年)[[8月31日]]に放送された『[[NHKスペシャル]]』と[[2010年]]5月15日に放送された[[TBSテレビ|TBS]]のバラエティ番組『[[飛び出せ!科学くん]]』の中で、ミツクリザメが[[潜水士|ダイバー]]の腕に噛み付くシーンが放送されたが、これはサメの顎の動きを確かめるために敢えて噛ませたものであり、基本的には人に対して危害を加える事はない。
 
現在ま水族館に数十個体が採集されているが、得られた貴重な個の生展示[[剥製]][[標本]]ごく稀されたり、研究に使われためものの食用にされ長期飼育は困難であことはまずない一時生きたミツクリザメが[[東海大学]]海洋科学博物館([[静岡県]])[[葛西臨海水族園]]にて飼育されていた([[東京都]])で数回の生体展示実績、これは極めて稀な例である。
 
剥製標本は世界各地の[[水族館]]や[[博物館]]が所有している。一部では販売も行っている。日本では、[[しながわ水族館]]([[東京都]])、[[京急油壺マリンパーク]]([[神奈川県]])、[[葉山しおさい博物館]]([[神奈川県]])、[[世界クワガタムシ博物館]]([[埼玉県]])、[[駿河湾深海生物博物館]]([[静岡県]])などで見ることができる。
 
== 参考文献 ==
{{reflist}}
* A&A・フェッラーリ 『サメガイドブック-世界のサメ・エイ図鑑』 御船淳・山本毅訳、谷内透監修、ティビーエス・ブリタニカ、2001年、256頁。
 
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* [[魚類]]
* [[魚の一覧]]
特徴的な外見から、映画*「[[ガメラ対深海怪獣ジグラ]]」に登場する敵怪獣 - ([[ガメラ対深海怪獣ジグラ#深海怪獣 ジグラ|ジグラ]]のモチーフとして採用されなっている
 
== 外部リンク ==