「三悪 (タイムボカンシリーズ)」の版間の差分

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#[[小原乃梨子]]が演じる、小悪魔的な性格でお[[色気]]たっぷりの'''女性リーダー'''
#[[八奈見乗児]]が演じる、女性リーダーに忠誠を誓い、小ずるい知能に長けたわりには意外と肝っ玉が小さい'''頭脳派タイプの男性キャラ'''
#[[たてかべ和也]]が演じる、関西弁をしゃべる大食漢で、頭よりも手が先に出る'''怪力タイプの男性キャラ'''
の以上計3名で構成された、各作品の主人公たちと敵対するトリオの総称である。「悪玉トリオ」「3バカトリオ」とも呼ばれる。同シリーズの人気の根源を支える名キャラクターたちである。
 
基本的なキャラクターデザインは[[天野喜孝]]がシリーズ第1作である『[[タイムボカン]]』でデザインしたものを踏襲している。
 
『タイムボカン』は[[勧善懲悪]]のSFギャグアニメとしてスタートした。スタッフとしては当然ながら主役が人気が出るように制作していたが、放送回が進むにつれて悪役である三人組(マージョ・グロッキー・ワルサー)に人気が集中。実力派の声優として知られる小原・八奈見・たてかべの演ずる彼らはやがて「三悪」または「悪玉トリオ」と称され、シリーズ全作品を通して「[[ドクロ]]マーク」を旗印として用い、コスチュームと名前が変わる程度で、ほぼ同一のキャラクターデザインで登場するほどの人気を得た<ref>『[[ヤットデタマン]]』においてはシリーズに変化をつけようとしたため、女ボス以外の2名のデザインが大幅に異なっている(怪力キャラであるスカドンは性格も)。これ以降の怪力キャラ(『[[逆転イッパツマン]]』のキョカンチン・『[[イタダキマン]]』のトンメンタン)も顔が一回り小さくなり、目が小さくなり、丸みが増して、いかつさが削がれ、初期のころとは印象がかなり変わった。なお、『[[怪盗きらめきマン]]』では怪力キャラであるオンドレーがシリーズ初期のデザインに戻されたが、女ボスであるルージュは美少女キャラクターが蔓延する世の風潮に合わせたためなのか、若干キュートに描かれている。</ref>。本来の主役である善玉に対して、三悪は影の主役(ヤッターマン後期EDでは、歌詞の中に「'''悪役主役よ'''」というものまである)と言われた。小原は『アニメージュ』1993年10月号付録『やっておしまいBOOK』の中で歴代の善玉たちのことを「表紙の人」と評している。
 
彼らは毎回正義の味方に負け続け、高額を投じて造った<ref>シリーズ初期(特に『ヤッターマン』)に見られる傾向として、三悪がメカを製作する際、大抵詐欺まがいの行為で人々から「資金集め」をしてメカを作り上げるというお約束のシーンがある(実写版でも登場する)。他にも「スポンサーから資金援助」してもらうなど、ギャグ作品にも関わらずお金にシビアな点がたびたび描写され、作品に妙なリアリティを与えている。話によっては、一生遊んで暮らせるほどの荒稼ぎをすることすらあった。</ref>メカは爆発し、その後それに追い討ちをかけるようにボスと仰ぐキャラクターなどから「ママより怖いおしおき」「○○の刑」「愛の特訓」「大激怒」など悲惨な目に遭わされるが、決してへこたれず(懲りず)に悪の道を邁進し続けた。彼らの人気の秘密は[[視聴者]]に不屈の精神の素晴らしさを、ある意味で逆説的に訴えかけていたためだったのかもしれない。
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三悪、特に八奈見乗児が演じるキャラは、たびたび物語の展開を中断して視聴者に語りかけてきたり、視聴者からのファンレターを読む等の、いわゆる「[[第四の壁]]」を破る行為をおこなうことが特徴であった。
 
その人気の高さから、タイムボカンシリーズのOVA『[[タイムボカン王道復古]]』では三悪が主人公となっているほか、タイムボカンシリーズに関連したゲーム作品でも、三悪が主人公やメインキャラとして扱われることが多い。
 
==三悪に関する事項==
===爆発は三悪の死を意味しない===
全作品のお約束として、少なくとも三悪については、爆発がその死を意味することはない。彼らが操縦するメカは基本的に毎回爆発するし、その他のシーンでも『[[ヤッターマン]]』のドクロベエが指令を伝え終えた後や恒例のお仕置きなどで爆発があるが、彼らは爆死しなければ怪我もせず、服がボロボロになる程度で済んでいる。また『[[逆転イッパツマン]]』第53・54話では、三悪を見限った黒幕のコン・コルドーが、エリート悪役・隠球四郎が製作したフルオート自爆メカ「レイケツナイト」に閉じ込めて抹殺されそうになる(これはシリーズ史上、非常に珍しいケース)も、自爆寸前に下のハッチから間一髪脱出して、メカの自爆に巻き込まれても無事であったりする。その他、メカを溶かす液体にかかっても、三悪(特に女ボス)の服が溶けるだけで、彼らは火傷やけどを負ったりしない。このような彼らの驚異的な悪運の強さは、『ヤッターマン』のエンディングテーマの一節(前期ED『天才ドロンボー』)において歌われるたり、前述の『イッパツマン』でも、三悪が生きていることを知った球四郎が「あいつらまだ生きていたのか!」と驚くのに対し、コルドーは平然と「クリーン悪トリオは'''[[ゴキブリ]]'''みたいな奴よのお」と発言するほどに特徴的なものであった。
 
ただし、爆死を恐れるような[[台詞]]が初期には見られたほか、『[[タイムボカン]]』や『[[タイムパトロール隊オタスケマン|オタスケマン]]』では主人公たちをあの手この手で爆殺しようとしていたため、タイムボカンシリーズの世界の住人全てにこの法則があてはまるわけではない。
 
===三悪の仲===
この時期のメカアニメの悪役の幹部といえば、常にやり方や手柄争いで反目し合っているというのが多いが、三悪の場合、『[[タイムボカン]]』の場合は「負けた際の責任のなすり合い」程度で、1回も内部トラブルがかったものの、『[[ヤッターマン]]』第95話ではボヤッキーとトンズラーがユメノパトラに色目を付け使っことに怒ったドロンジョが一味を脱走したり、『[[ゼンダマン]]』第31話ではドンジューローを解雇しようとしたり、『オタスケマン』第23話では連戦連敗にたまりかねたアターシャが、メカ製作をゲキガスキーに代えたことで、セコビッチがショックのあまり一味を脱走するなどと、1作に付き最低1回は内部トラブルが起きているが、大抵ラスト近くで仲直りして元の鞘に治まるといったことが多く、三悪の仲はさほど悪くはようである。
 
ただ、毎回理不尽なほど自分たちをアゴで使い、負けるたびに自分の言い分も聞いてもらえずに八つ当たりしまくる、女ボスに対する子分たち(特に八奈見キャラ)の不満は大きいようであり、『タイムボカン』第35話ではマージョやワルサーに八つ当たりされたグロッキーが「番組降りたくなっちゃったな」とつぶやいたり、同第43話ではワルサーとグロッキーが自分たちの心境をEDテーマ『それゆけガイコッツ』の替え歌で歌ったり、『ゼンダマン』ではムージョが単独で刑罰(おしおき)されると、トボッケーとドンジューローがニャラボルタと共に様子をにやけながら見ていたり、『イッパツマン』第54話(前述)では、「レイケツナイト」の爆発後に瓦礫の山から脱出したコスイネンが、ムンムンが爆死したと思い込んで「自分が支社長になれる!!」とぬか喜びするなど、かなり女ボスに対する反感は多いようである。
 
===三悪の勝利===
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なお、『[[怪盗きらめきマン]]』における花の刑事トリオは「[[怪盗]]を追う[[刑事]]トリオ」という役どころに扮しており、「悪役」というよりは「敵役」に近いが、「やられ役」という立場には変わりない。
 
このほか、OVA『[[タイムボカン王道復古]]』ではドロンボー一味がガッチャマンやポリマーを打ち負かしており、ある意味、タツノコアニメ'''最強の悪役キャラクター'''の座を獲得しているとも言える。(もっとも、ヤッターマンには敗北し、その後はいつもの通り'''お仕置き'''を食らっている。)
 
===三悪の相互関係===
『[[ヤッターマン]]』の放送開始当時、ドロンボー一味と前作『[[タイムボカン]]』のマージョ一味は、同一の存在とされていた。『タイムボカン』の最終回(TV放送版のみ)で「次はドロンボーと改名してドクロストーンを探す」という旨の台詞があったほか、『ヤッターマン』の劇中でも「タイムボカンの頃を思い出す」という旨の台詞が存在した。
 
しかし、後にこの設定はかったことにされ、現在では「各作品の三悪はそれぞれ別人である」ということが公式の設定になっているようである。その例として『王道復古』では『[[イタダキマン]]』までの三悪同士の対決が行なわれたほか、『[[ヤッターマン (2008年のテレビアニメ)|ヤッターマン]]』(リメイク版)の第26話においてドロンボー一味が他の三悪と共演した<ref>ただし『[[タイムボカン2000 怪盗きらめきマン|怪盗きらめきマン]]』の3人組の「花の刑事トリオ」だけは呼ばれなかった。</ref>際には、彼らのことを'''よく似てる人'''と評した。
 
なお、一部の三悪の間には以下のようなつながりが存在する。
*ドロンボー一味のボヤッキーに[[蕎麦|ソバ]]打ちを教えたのはクリーン悪トリオのコスイネンである<ref>[[OVA]]『[[タイムボカン王道復古]]』</ref>。
*ドロンボー一味(『ヤッターマン』)の3人と花の刑事トリオ(『[[タイムボカン2000 怪盗きらめきマン|怪盗きらめきマン]]』)の3人にはそれぞれ血縁関係がある<ref>タツノコプロ公式Webサイトより。</ref>。
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===幻となった三悪===
タイムボカンシリーズには様々さまざまな事情で制作には至らず企画のみに終わり、の目を見なかった“幻のシリーズ作品”がある。その作品に登場する予定だった三悪は次の通り。
*『タイムボカンエクスプレス』
**パンドール、ヘロヘロ、トンネル
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;[[ふしぎの海のナディア]] - [[ふしぎの海のナディア#グランディス一味|グランディス一味]]
:2004年10月27日放送の『[[BSアニメ夜話]]』において、[[岡田斗司夫]]が三悪の影響を認めている。リーダーの女性(グランディス)に手下の男性2人(サンソンとハンソン)という構成が同一。グランディスも要所で「やっておしまい」の決めゼリフを使う。序盤では三悪と同じように主役たち(ナディアとジャン)を付け狙う悪役であったが、途中からは心強い味方となり人生の先輩格として各種の相談にも応じるようになる。また、頭脳派キャラと肉体派キャラのデザインがタイムボカンシリーズとは異なっている(肉体派のサンソンは痩せており、頭脳派のハンソンは太っている)。
:ちなみにグランディス役の[[滝沢久美子]]は、タイムボカンシリーズにおいて善玉側ヒロイン(ゼンダマン2号=さくら)を演じたことがあり、他にも様々さまざまな役でタイムボカンシリーズに出演している。
;[[六門天外モンコレナイト]] - コレクション伯爵一味
:このチームのみ、メンバーの男女構成が逆(本来「女ボスと男部下2人」のところ、「オカマボスと美少女2人」)となっている。小山高生の門下である[[あかほりさとる]]が手掛けた作品で、これ以外にも[[ナレーション]]など作品全般にタイムボカンシリーズへの[[オマージュ]]ともいえる要素が少なからず含まれており、ラジオ番組などでは、あかほり自ら「タイムボカンシリーズ7.5作目」と自称していた。
;[[ポケットモンスター (アニメ)|アニメポケットモンスターシリーズ]] - [[ロケット団 (アニメポケットモンスター)|ロケット団]]
:[[ムサシ (アニメポケットモンスター)|ムサシ]]、[[コジロウ (アニメポケットモンスター)|コジロウ]]、[[ニャース (ロケット団のポケモン)|ニャース]]の三人組は三悪のオマージュが多く、「メカを作って出撃するが、最終的には破壊される」「台詞『[[ポチッとな]]』<ref>ただしこのセリフは[[ポケットモンスター (ゲーム)|ゲーム版ポケットモンスター]]にも登場しており、アニメオリジナルの設定ではない。</ref>をしばしば使用する」などの共通点が多い。なお、このチームは男女構成としては基本通りだが、実際の関係は主従しの対等なパートナーである。
:[[吉川兆二]]は『ポケモン・ストーリー』(日経BP社、2000年発行 ISBN 4-8222-4199-8)において「ロケット団を、まあ言ってしまえばタイムボカンみたいにしたかった」と語っている。そのため、吉川を筆頭とするスタッフは、ロケット団の三人組を三悪同様に「欠かしてはいけない存在」として位置付けている。
;[[サイバーボッツ]] - デビロット姫一行
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:キャラクターデザイナー・[[西村キヌ]]は、三悪であるがリーダーが女性の年増ではあれなので現在のデザインになったことと、実際のモデルは『[[不思議の国のアリス]]』のアリスと『[[ドラゴンクエストIV 導かれし者たち]]』のアリーナ姫様ご一行<ref>アスペクト「サイバーボッツ 公式ガイドブック~連合軍極秘ファイル~」(ISBN 4-89366-721-1)のインタビューより</ref>だと公言している<ref>セガサターン版サイバーボッツ限定版「サイバーボッツDXシークレットファイル」サイバーボッツキャラクターこぼれ話復刻版より</ref>。
:[[セガサターン]]版の同ゲームにおいては、地獄大師の声を八奈見が担当し、台詞にはない「ポチッとな」が収録されている。更にこの機種限定のエンディングに登場する成人したデビロットの姿はドロンジョを彷彿とさせる。
:『[[タツノコ VS. CAPCOM CROSS GENERATION OF HEROES|タツノコ VS. CAPCOM]]』においてヤッターマンのドロンボー一味と共演を果たしており、ドロンジョは彼女たちを「バッタもん共」、ボヤッキーは自身と同じく八奈見が声を担当している地獄大師を「自分の声までパックンチョしている」と評している。一方のデビロット姫もドロンボー一味のことを「本家」と呼んでいる。
:そして互いに'''真・三悪'''の座をかけて対決。戦いの中でデビロット姫とドロンジョは互いを認めて友情を育むが、最後は恒例のお仕置きを食らい、''6人で自転車をこぎながら''去っていく。
:また、デビロットが参加している『[[プロジェクト クロスゾーン]]』の公式サイトでの彼女のキャッチコピーは「この世の正義は許さない」と明らかにヤッターマンの決め台詞を意識したものになっている。
;[[ガンバード]]シリーズ - 盗賊団「トランプ」(第1作)、空賊団「クイーンパイレーツ」(第2作)
:各ステージのボスとして登場。第1作ではルージュ、エース、クロード、第2作ではシャーク、ギミック、ブレードのトリオ。声優はタイムボカンシリーズの三悪と同じであり、さらに第2作ではキャラクターデザインもより近いものとなった。半壊するとロボットに変形する巨大メカを投入するだけでなく、ステージの中盤では3人がそれぞれ1人乗りのメカに乗って攻撃を仕掛けてくる。
;[[GOD HAND]] - 「悪の三人組」
:鞭使いで女リーダーのコンチータ、長身痩躯のブーメラン使いのメラン、鉄球で殴ってくる樽のような体型のテッキュウから成るトリオ。コンチータに至っては「やっておしまい」という台詞もある。この三人との専用戦闘曲は『Yet... oh see mind』、この曲名も「やっておしまい」の語呂合わせである。
;[[宇宙鉄人キョーダイン]]([[成井紀郎]]版のみ)- ダダ星地球侵略ロボット軍
:元のドラマ版及び他のコミカライズ版は終始シリアス展開であり、この「[[テレビマガジン]]」における成井版も序盤はそれに準ずるが、途中から完全なギャグ路線に方向転換。それ以降はガブリンクィーン、レーダーバットン、デスギャットの三名がチームとして動く<ref>実際には、レーダーバットンは他の二名との共演はい。</ref>回が多く、キョーダインに勝負を挑んではコテンパンにやられるのがお約束の展開となった。
:なお、ドラマ版でガブリンクィーンの吹替を担当した[[太田淑子]]は『[[ヤッターマン]]』で主人公・ガンちゃん(1号)を演じたほか、レーダーバットンとデスギャットを担当した[[大宮悌二]]共々、後のタイムボカンシリーズにもゲスト出演している。
 
== エピソード==
*三悪人のセリフはほぼアドリブだったことは有名な話だが、出演者の一人[[滝口順平]]は、台本の自分のセリフの部分だけは常に空白だったという。本人曰くによると、「自分が考えたセリフが書き換えられたらしゃくにさわるから」とのこと。
 
== 注釈 ==