「翻訳借用」の版間の差分
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[[日本語]]のほか[[漢字文化圏]]の言語においては、ヨーロッパ諸語の抽象的概念や新しい事物を翻訳借用した[[漢語|漢字語]]が多く見られる。その中には、[[漢籍]]古典に見える語をそのままあてて新しい訳語としたもの(「自由」「文学」)、漢籍を典拠としつつも、字を組み合わせて新しい語形を作ったもの(「経済」「格致」)、典拠を持たない字の組み合わせを新しく作ったもの(「電脳」「哲学」)など、カルクによらない独自の造語が多い。借用元の語に3つ以上の形態素がある場合漢字2字からなる漢字語へのカルクを行うのが難しいこと、借用当時の知識人が漢籍によって知識を吸収していたため、高尚な知識の表現が[[漢訳]]によるのを当然視していたことの複合的な結果である。日本語でも[[言文一致]]体の完成によって実用面での漢文の地位が低下し、さらに敗戦後に英語の知識が広く浸透すると、音訳借用(いわゆる「カタカナ語」)が増加した。
翻訳借用により現代中国語に導入された語としては、次のようなものがある(ここでは便宜的に日本の新字体で表記):熱線←hot line、熱狗←hot dog、黄頁←yellow pages、二手←secondhand、黒匣子←black box、手冊←handbook、水印←watermark、微軟←Microsoft、藍牙←Bluetooth、西屋←Westinghouse。翻訳借用により日本語に導入された語としては、次のようなものがある:脚注←footnote、[[帝王切開]]←Kaiserschnitt(ドイツ語)、平方根←square root、鍵盤←keyboard、啞鈴(亜鈴)←dumbbell。
また日本語には漢文[[訓読]]特有の言い回しに漢字語から[[和語]]([[大和言葉]])への翻訳借用が多い。例えば「をもって」(以)、「において」(於)、「…するところの」(所)、「これ」(是、之、惟)などがあり、現代でも使われるものもある。これは訓読自体が漢文の翻訳の一形態に他ならないからである。
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