「メイド」の版間の差分
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=== 「メイド萌え」の成立 ===
そのような背景の中から、メイドを好奇心の主題に据えた作品として、[[1996年
さらにこの流れは、[[1990年代]]後半に登場した成人向けゲーム『MAID iN HEAVEN』(メーカー:ストーンヘッズ/PIL)の挿入歌である[[コミックソング]]、「メイドさんパラパラ」「メイドさんロックンロール」(歌:[[南ピル子]])等の歌詞によって、強調・確定したと言ってよい。▼
'''メイド萌え'''を確定づけたのが[[1997年]][[5月23日]]に[[Leaf]]から発売された『[[To Heart]]』と、[[1997年]][[10月31日]]に[[カクテル・ソフト]]([[F&C]])から発売された『[[Piaキャロットへようこそ!!#Piaキャロットへようこそ!!2|Pia♥キャロットへようこそ!!2]]』([[F&C]])の2つのアダルトゲームである。前者はいわゆる「[[メイド服]]」を着たキャラこそ存在しないものの、「メイドロボ」と呼ばれる[[アンドロイド]]が登場し、その試作機という設定のキャラ「マルチ」のドジで失敗だらけながらも純粋に主人(人間)に尽くす様がゲーマー達の心を捉え、彼らにメイドという存在を改めて知らしめるきっかけになった。後者はファミリーレストランを舞台にしたゲームで、ウェイトレスの制服の中に「メイドタイプ」と呼ばれる制服が存在する。(後の「[[コスプレ喫茶]]」「メイド喫茶」の元祖がこのゲームをモチーフにした出店である)。この2作の大ヒットにより、アダルトゲームではしばしば金持ちキャラの金持ちである事を示す記号としてメイドが登場する。
このように、オタク的・サブカル的分野におけるメイドブームとは、その発端においては極端にデフォルメされた、確信犯的にギャグ要素・ネタ的要素の強いものであった。▼
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しかしこの流れが一般化してゆく過程において、成人向けゲームにその端を発したものである事が存外に強く作用し、メイド萌えという[[ジャンル]]には、その当初より安易な[[セックスアピール]]が暗黙の了解的に付随するものとして、誤った知識や属性をセットとして、メジャー化させてしまう結果をもたらしてしまった点は否定できない。▼
▲このように、オタク的・サブカル的分野におけるメイドブームとは、その発端においては「主人に仕える」という部分の拡大解釈と、「衣装の可愛らしさ」を強調するかの、極端にデフォルメされた、確信犯的にギャグ要素・ネタ的要素の強いものであった。
▲しかしこの流れが一般化してゆく過程において、成人向けゲームにその端を発したものである事が存外に強く作用し、メイド萌えという[[ジャンル]]には、その当初より安易な[[セックスアピール]]が暗黙の了解的に付随するものとして、誤った知識や属性をセットとして、メジャー化させてしまう結果をもたらしてしまった点は否定できない(特に凌辱ものではメイドが「中世ヨーロッパの性的奴隷」または「金持ちの私的風俗嬢」であるかの様に間違った形で描かれる。前出の『殻の中の小鳥』や『MAID iN HEAVEN』もそういった、やや歪んだ視点で描かれている)。
さらに、[[1990年代]]後半から急速に進んだ、東京・[[秋葉原]]、名古屋・[[大須]]、大阪・[[日本橋 (大阪府)|日本橋]]における[[アニメ]]関連商品や[[同人誌]]などを専門に扱う店舗(即ち、“[[おたく|オタク]]”を主たる客層とする店舗)の急速な増加といった動きを、誤った形でリード・後押ししてしまった可能性も、否定し切れない。
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