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'''精神世界'''(せいしんせかい)は、日本で1970年代末頃から使われるようになった言葉である<ref>[[#Shimazono2007|島薗 2007]], p. 166.</ref>。1990年代後半からは[[スピリチュアリティ]]という言葉も広く使われるようになった<ref>[[#Shimazono2010|島薗 2010]], p. 598.</ref>。
 
==「精神世界の本」と新霊性運動==
 
==概説==
「精神世界」は大まかに言って、北米などで[[ニューエイジ]]と呼ばれている社会現象やその周辺領域、あるいは日本におけるその類似現象を指している<ref>[[#Shimazono2007|島薗 2007]], p. 47.</ref>。宗教学者の[[島薗進]]は、ニューエイジ運動という言葉を学術用語として用いるのは不適切だとして、代わりに日本の「精神世界」や欧米の「ニューエイジ」を総括して「新霊性運動」と呼んでいる<ref>[[#Shimazono2007|島薗 2007]], p. 46.</ref>。
 
[[出版社|出版界]]では、宗教や哲学とは異なったカテゴリとして「精神世界」というカテゴリ(ジャンル)が確立された。島薗進は、確認しうる限り「精神世界」という言葉が使われるようになったのは1977年のことではないかとしている。この年に[[阿含宗]]の関連出版社である[[平河出版社]]から季刊誌『ザ・メディテーション』が創刊され<ref>『[[#ISN|それでも心を癒したい人のための精神世界ブックガイド]]』「精神世界年表 国内編」</ref>、同年末の号に特集企画「精神世界・ベスト100」が掲載された<ref>[[#Shimazono2007|島薗 2007]], p. 168.</ref>。書店の売り場では、1978年に新宿の紀伊国屋書店で「インドネパール精神世界の本」というブックフェアが組まれたのが最初で、これに追随して他の書店でも「精神世界の本」のフェアが行われた<ref>[[#Shimazono2007|島薗 2007]], pp. 167-168.</ref>。こうして[[出版社|出版界]]では、宗教や哲学とは異なったカテゴリとして「精神世界」というカテゴリ(ジャンル)が確立した。1980年前後には各書店に「精神世界の本」といったコーナーが設けられるようになった。[[ニューエイジ]]、ニューサイエンス、[[瞑想]]、[[ヨーガ]]、[[内丹術|仙道]]、[[神秘主義]]、[[スピリチュアリズム]]、[[心霊]]、[[チャネリング]]などの本がそこに配置されている。また[[心理学]]などの中から特に[[ユング]]や[[トランスパーソナル心理学]]などの本が選ばれ配置されている場合もある。書店によっては[[UFO]]や[[古史古伝|古代史]]などの本が並んでいることもある。<!--{{要出典範囲|日本ではこの用語は[[たま出版]]の創業者である[[瓜谷侑広]]により広まった。}}-->精神世界のジャンルでは、見えない世界との交流により何らかの体験をすることで、自身の精神の変革をはかろうとする傾向の本も多々見られる。『精神世界総カタログ: 専門書店が選んだ、心と人と世界をめぐる本』というカタログの2000年版では、実に10588冊もの書籍が掲載、カタログ化されている<ref>『精神世界総カタログ:専門書店が選んだ、心と人と世界をめぐる本』2000年</ref>
『精神世界総カタログ: 専門書店が選んだ、心と人と世界をめぐる本』というカタログの2000年版では、実に10588冊もの書籍が掲載、カタログ化されている<ref>『精神世界総カタログ:専門書店が選んだ、心と人と世界をめぐる本』2000年</ref>。
 
「精神世界」は「物質世界」の対義語として位置づけられることもある。[[宗教]]、[[哲学]]、[[神話]]、[[民間信仰]]などでは、多様な精神世界論が語られ、[[霊界]]や神々の世界や魔界が存在する世界論や、絶対的な他者である唯一の創造神と被造物で成り立つとする世界論、あるいは全てはひとつの神でありこの世は仮の姿と観る世界論、一切は[[空]]とする世界論、アニミズム、汎神論、人格神、非人格神など、実に様々な世界観が語られている。単に見えない世界が存在すると語るだけでなく、その内部に秩序性、[[階層]]性、多重構造性などがあるとし多元性があるとする説や、反対に本質的には一元で多元と見えるのは仮、とする説なども存在している。精神・心で構成された世界が、目で見え手で触れることのできる物質世界と重なり合って存在しているという世界観<sup>※<ref>例えば、霊界と物質界は重なり合って存在している、とする説明。重なっている、としていて、一種の「場の理論」であって、単純に一元論とか二元論とかに分類できるものではない世界観。(たとえば物理学者がある場面で、世界には電界と磁界がある、と主張しても、それが即 二元論を主張したというわけではない、というのと同じことである)。</ref></sup>もあり、また本質的にひとつだとする世界観も語られている。
 
 
==世界観==
[[唯物論|唯物主義]]の立場を採る人は、心理学や哲学や文化全般に無関心で不勉強な傾向があり、このジャンルに属することに関してはあまり知識がないことが多く、[[知識]]がないまま「精神世界」を(レッテル用語の意味での)「[[オカルト]]」と単純に短絡させていることも多い。だがこれはやはり理解不足や勉強不足であり、両者は一部重なることはあるが、基本的には別の概念である。
{{要出典範囲|「精神世界」は「物質世界」の対義語として位置づけられることもある。[[宗教]]、[[哲学]]、[[神話]]、[[民間信仰]]などでは、多様な精神世界論が語られ、[[霊界]]や神々の世界や魔界が存在する世界論や、絶対的な他者である唯一の創造神と被造物で成り立つとする世界論、あるいは全てはひとつの神でありこの世は仮の姿と観る世界論、一切は[[空]]とする世界論、アニミズム、汎神論、人格神、非人格神など、実に様々な世界観が語られている。単に見えない世界が存在すると語るだけでなく、その内部に秩序性、[[階層]]性、多重構造性などがあるとし多元性があるとする説や、反対に本質的には一元で多元と見えるのは仮、とする説なども存在している。精神・心で構成された世界が、目で見え手で触れることのできる物質世界と重なり合って存在しているという世界観<sup>※<ref>例えば、霊界と物質界は重なり合って存在している、とする説明。重なっている、としていて、一種の「場の理論」であって、単純に一元論とか二元論とかに分類できるものではない世界観。(たとえば物理学者がある場面で、世界には電界と磁界がある、と主張しても、それが即 二元論を主張したというわけではない、というのと同じことである)。</ref></sup>もあり、また本質的にひとつだとする世界観も語られている。|date=2015年4月}}
 
<!--[[唯物論|唯物主義]]の立場を採る人は、心理学や哲学や文化全般に無関心で不勉強な傾向があり、このジャンルに属することに関してはあまり知識がないことが多く、[[知識]]がないまま「精神世界」を(レッテル用語の意味での)「[[オカルト]]」と単純に短絡させていることも多い。だがこれはやはり理解不足や勉強不足であり、両者は一部重なることはあるが、基本的には別の概念である。-->
== 出典・脚注 ==
{{Reflist}}
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*{{Cite book|和書|author=[[島薗進]] |year=2007 |origyear=1996 |title=精神世界のゆくえ - 宗教・近代・霊性 |publisher=秋山書店 |isbn=9784870236103 |ref=Shimazono2007}}
*{{Cite book|和書|author=島薗進 |others=星野秀紀・池上良正・氣多雅子・島薗進・鶴岡賀雄 編 |year=2010 |title=宗教学辞典 |publisher=丸善 |chapter=心霊性運動=文化 |isbn=9784621082553 |ref=Shimazono2010}}
*{{Cite book|和書|author=[[いとうせいこう]]・[[すが秀実|絓秀実]]・[[中沢新一]] 監修 |year=1995 |title=それでも心を癒したい人のための精神世界ブックガイド |publisher=太田出版 |isbn=9784872335449784872332544 |ref=ISN}}
 
== 関連項目 ==
* [[無意識]]
* [[ニューエイジ]]
* [[スピリチュアリティ]]
* [[トランスパーソナル心理学]]
* [[オカルト]]、[[オカルト雑誌]]
* [[疑似科学]]、[[トンデモ本]]
* [[神秘主義]]
* [[キリスト教神秘主義]]
* [[たま出版]]
 
== 関連書 ==
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;精神世界本のカタログ
*『精神世界総カタログ:専門書店が選んだ、心と人と世界をめぐる本』(精神世界に関連する本数千冊~一万数千冊、百以上のジャンルに分けて紹介している。1995年、1996年、1997年、1999年、2000年版あり。2000年版で10588冊掲載)
 
== 関連項目 ==
* [[無意識]]
* [[ニューエイジ]]
* [[スピリチュアリティ]]
* [[トランスパーソナル心理学]]
* [[オカルト]]、[[オカルト雑誌]]
* [[疑似科学]]、[[トンデモ本]]
* [[神秘主義]]
* [[キリスト教神秘主義]]
* [[たま出版]]
 
== 外部リンク ==