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また、前述のとおりアッラーフはアラビア語で特定の神を指し示す言葉であることから、イスラーム発祥当時のアラブにいたユダヤ教徒・キリスト教徒も唯一神であるヤハウェをさして'''アッラーフ'''と呼んでいた<ref>井筒俊彦『イスラーム生誕』中央公論社〈中公文庫〉、1990年、208頁</ref>。[[ムハンマド・イブン=アブドゥッラーフ|ムハンマド]]に啓示が下された後、イスラームにおいても万物を創造し、かつ滅ぼすことのできる造物主こそが唯一とされ、その超越性が強調されるようになった。
ただし、考古学的見地では、ヤハウェとイスラーム教の唯一神アッラーフは別の起源であり、イスラーム教の唯一神アッラーフは、630年以前は、カアバ神殿に祭祀されていた最高神の呼称である。イスラーム教でいう[[ジャーヒリーヤ]](無明時代)に、[[カアバ]]神殿に祭祀されていた360の神々の最高神がアッラーフとされていた。アッラーフの下には、[[アッラート]]、[[マナート]]、[[アル・ウッザー]]の3女神が付き従っていたという。これらの女神はアラブの部族神であり広く信仰されていたが、[[クルアーン]]において否定された。月からの隕石とされていたカアバの[[黒石]]は、アッラートの[[御神体]]とされていた。もちろん、偶像崇拝を禁じるイスラーム教では、信仰及び崇拝の対象になってはいないが、[[ハッジ]](メッカへの巡礼)においてこの石に触れることができれば大変な幸運がもたらされるとされている<ref>ちなみに現在は、カアバ神殿の東南角に丁重にはめ込まれている</ref>。
== 語源 ==
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