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! colspan="3" style="color: white; height: 30px; background: navy;"| 性能要目
|-
|style="white-space:nowrap;" rowspan="2"|排水量||colspan="2"|満載:4基準: 4,600800[[トン数|tトン]]
|-
|colspan="2"|満載: 5,700トン
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|全長
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|[[MTU 1163|MTU 12V1163 TB83]]<br />[[ディーゼルエンジン]]<br />(4,420馬力)||2基
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|(1番艦) [[ゼネラル・エレクトリック_LM2500|LM2500]]<br />[[ガスタービンエンジン]]<br />(26,800 shp)||style="white-space:nowrap;" rowspan="2"|2基
|-
|(2番艦) DN80ガスタービンエンジン(26,800 shp)
|-
|[[スクリュープロペラ]]||2軸
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|-
|rowspan="6"|兵装
|[[56口径100mm艦載砲|PJ33AH/PJ-33A 100mm連装砲]]||1基
|-
|[[76式37mm連装機関砲|H/PJ-76A 37mm連装機関砲]]<br /><small>※[[730型CIWS|H/PJ-12]]に後日換装</small>||4基
|-
|[[HQ-7_(ミサイル)|HQ-7]][[艦対空ミサイル#個艦防空ミサイル|短SAM]] 8連装発射機 || 1基
|-
|[[YJ-838 (ミサイル)|YJ-838]] SSM 連装発射筒<br /><small>※[[艦対艦YJ-83 (ミサイル)|SSMYJ-83]] 4連装発射筒 に後日換装</small>|| 4基
|-
|240mm対潜ロケット 75式12連装発射機(FQF-2500) || 2基
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|324mm短魚雷 3連装発射管 || 2基
|-
|[[艦載機]]||[[Z-9_(航空機)|Z-9C]] [[対潜哨戒機#哨戒ヘリコプター|哨戒ヘリコプター]] || 2機
|-
|rowspan="63"|[[C4Iシステム|C4I]]
|colspan="2"|[[中国人民解放軍海軍のC4ISRシステム#衛星通信システム|SNTI-240衛星通信装置]]
|-
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|colspan="2"|[[中国人民解放軍海軍のC4ISRシステム#ZKJ-4|ZKJ-4B/6]][[戦術情報処理装置]]
|-
|[[中国人民解放軍海軍のC4ISRシステム#射撃指揮装置rowspan="3"|344型]] [[射撃管制装置#射撃指揮システム (海洋戦における射撃管制装置)|FCS]](主砲・SSM用)|| 1基
|[[中国人民解放軍海軍のC4ISRシステム#射撃指揮装置|344型]] 主砲・SSM用|| 1基
|-
|[[中国人民解放軍海軍のC4ISRシステム#射撃指揮装置|345型]]FCS( 短SAM用|| 1基
|-
|[[中国人民解放軍海軍のC4ISRシステム#射撃指揮装置|347G型]]FCS( 関砲|| 2基
|-
|rowspan="4" style="font-size:smaller"|[[レーダー]]
| [[:en:Type_518_Radar|518型]] 対空捜索用<br /><small>※{{仮リンク|517型レーダー|en|Type 517 Radar|label=517A型}}に後日換装</small>|| 1基
|-
| [[RANDRBV-10S15|360363型]] 対空・対水上用|| 1基
|-
| 362型 低空警戒用<br /><small>※364型に後日換装</small>|| 1基
| [[:en:Type_362_Radar|362型]]対水上用|| 1基
|-
| RM-1290 航海用|| 1基
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西側技術を大規模に導入し、中国の新しい海洋戦略に基づく初の外洋型大型艦として建造された<ref name="梅野2001">{{Cite journal|和書|author=梅野和夫|year=2001|month=10|title=ソ連式から西側志向へ 中国駆逐艦の変針|journal=世界の艦船|issue=587|pages=98-99|publisher=海人社|naid=}}</ref>。2隻が建造されたが、ほぼ同等の装備でより安価な[[江衛型フリゲート]]の実用化により、後続艦の建造はなされなかった。
 
== 概要設計 ==
本型は、竣工時点では中国が建造した最大の水上戦闘艦であった。船体は乾舷の高い遮浪甲板型とされており、大型の艦橋構造物や太い単煙突、また後部に航空艤装を設けた配置と相まって、フランス海軍の[[ジョルジュ・レイグ級駆逐艦]]との類似性も指摘されている<ref name="梅野2001"/>。
旅滬型(052型)は、中国海軍の駆逐艦としては初めて、欧米諸国の同等艦に比肩しうる、バランスのとれた装備を施している。艦体はまったく新しく設計され、機関としては、中国海軍の戦闘艦として初の[[ガスタービンエンジン]]を採用した。さらに[[フランス]]のテクノロジーに基づいた[[艦対空ミサイル#個艦防空ミサイル|個艦防空ミサイル]]・システムと短魚雷、新型ソナーと哨戒ヘリコプターを備え、中国海軍の洋上兵力の弱点とされた防空力と対潜哨戒能力を大きく向上させた。
 
主機関としては、人民解放軍海軍の水上戦闘艦としては初めて[[ガスタービンエンジン]]を採用しており、1番艦ではアメリカ製の[[ゼネラル・エレクトリック LM2500]]ガスタービンエンジンをドイツ製の[[V型12気筒]]機関である[[MTU 1163|MTU 12V1163 TB83]][[ディーゼルエンジン]]と組み合わせた[[CODOG]]機関とされた。ただし1989年の[[六四天安門事件]]を受けてアメリカからの軍事技術供与が停止されたため、2番艦では、ほぼ同出力の[[ウクライナ]]製DN80ガスタービンエンジンが搭載されたとされている<ref name="梅野2001"/><ref name="Wertheim2013">{{Cite book|author=[[:en:Eric Wertheim|Eric Wertheim]]|title= [[:en:Combat Fleets of the World|The Naval Institute Guide to Combat Fleets of the World, 16th Edition]]|year= 2013|publisher=[[:en:United States Naval Institute|Naval Institute Press]]|isbn=978-1591149545|pages=117-118}}</ref>。
一世代前の中国海軍の主力駆逐艦であった[[旅大型駆逐艦]](051型)の装備は、手動の主砲と手動追尾の機関砲、[[対艦ミサイル]]のみであり、[[戦闘情報センター]]も持たず、電子装備もはなはだ旧式なレベルに留まっていた。このことから、1990年代初頭、旅大型をもとに、個艦防空ミサイルや新型レーダーなどの新型装備を搭載した[[旅大型駆逐艦#技術実証/改良型(Type 051 Mod 2B / 3; 旅大III型)|改良型(旅大-III型; 051G型)]]2隻が建造されたものの、旅大型の設計は1950年代初頭の技術に基づいており、兵器テクノロジーの進歩に追随しきれないことは明らかであった。このことから、旅大-II型および旅大-III型(051G型)で実用化された各種の装備を、新設計の艦体に搭載した新型艦として開発されたのが本型である。本型が計画された1980年代は、中国と[[西側諸国]]の関係が改善しつつある時期であったため、[[フランス]]製のレーダーと射撃指揮システム、[[アメリカ合衆国|アメリカ]]製の[[ゼネラル・エレクトリック LM2500]]ガスタービンエンジンなどの西側製装備を搭載することができた。ただし2番艦の青島は、[[六四天安門事件|天安門事件]]後の竣工となったため、アメリカ製のエンジンを取得できず、[[ウクライナ]]製の機種に変更している。
 
== 装備 ==
旅滬型は、2隻が[[:zh:江南造船|上海江南造船廠]]で起工され、[[北海艦隊]]へ編入された。本型は、新型のレーダー、[[艦対空ミサイル#個艦防空ミサイル|個艦防空ミサイル]]、[[対艦ミサイル]]、[[対潜哨戒機#哨戒ヘリコプター|哨戒ヘリコプター]]を備え、これらはいずれも、[[フランス]]の[[TAVITAC]]をもとにした[[戦術情報処理装置]]を中核として連結されて、艦全体が統合された戦闘システムを構築しているとされており、従来の旅大型駆逐艦をはるかに上回る戦闘能力を備えている。しかし、同時期に[[西ヨーロッパ|西欧]]で就役しつつあった[[イギリス海軍]]の[[23型フリゲート]]、[[ドイツ海軍 (ドイツ連邦軍)|ドイツ海軍]]の[[ブランデンブルク級フリゲート]]などと比べると見劣りすることは否めず、また、ほぼ同等の装備を備えつつ半分のコストで建造できる[[江衛型フリゲート]]の実用化により、当初さらに4隻が計画されていたものの、後続艦の建造はなされなかった。本型に続く汎用駆逐艦として[[深セン (駆逐艦)|旅海型]]が実用化されたものの、これは技術実証艦としての性格が強く、1隻が建造されたのみであった。
[[1980年代]]後半より、中国海軍では[[旅大型駆逐艦|051・051D型駆逐艦(旅大型)]]をテストベッドとして、西側のテクノロジーによる防空システムや哨戒ヘリコプターの運用を模索しており、これらの各種装備を、新設計の艦体に搭載した新型艦として開発されたのが本型といえる。
 
防空システムは、1991年に051DT型「開封」で導入されたフランス製品をもとに、051G型で搭載された[[山寨]]版が踏襲されており、対空・対水上捜索用の[[DRBV-15|363型レーダー]]と[[TAVITAC|ZKJ-4]][[戦術情報処理装置]]、[[HQ-7_(ミサイル)|HHQ-7]][[艦対空ミサイル#個艦防空ミサイル|個艦防空ミサイル]]・システムが連接されている。対空・対水上捜索用の363型レーダーは前檣上に、またHHQ-7の火器管制レーダーである345型レーダーは艦橋上に、HHQ-7の8連装発射機は船楼前端に設置された。なお363型を補完して、長距離捜索用の[[:en:Type_518_Radar|518型レーダー]]が後部上部構造物上に、また低空警戒用の362型レーダーが後檣上に設置されていた<ref name="Wertheim2013"/>が、後者は2010年の改装で364型レーダーに更新され、前者もより一般的な{{仮リンク|517型レーダー|en|Type 517 Radar|label=517A型レーダー}}に換装された<ref name="SoW2015"/>。
 
一方、航空艤装については、1987年から051型「済南」で試験されていたものがおおむね導入されている。後部上部構造物は[[対潜哨戒機#哨戒ヘリコプター|哨戒ヘリコプター]]2機分の[[ハンガー (航空)|ハンガー]]とされた。その後方の艦尾甲板は[[飛行甲板#ヘリコプター甲板|ヘリコプター甲板]]とされており、ここにはフランス製のSAMAHE着艦拘束装置と機体移送装置2条が設けられている<ref name="Wertheim2013"/>。
 
== 同型艦 ==
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! 艦番号 || 艦名 ||造船所 || 起工 || 進水 || 就役 || 配備先
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|112||哈爾浜(Harbin)||rowspan=2|[[:zh:江南造船|上海江南造船廠]]|| 198919905月24日 || 1991年8628日 || 199419935282日 || rowspan=2|[[北海艦隊]]
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|113||青島(Qingdao)|| 1991年 || 1993年10月18日 || 1996年5月28日
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|113||青島(Qingdao)|| 1991年 || 1993年10月18日 || 1996年5328日
|114||colspan="6"|建造中止
|}
=== 活動状況 ===