削除された内容 追加された内容
出典通りの表現に戻す。{{要出典範囲}}付与。
77行目:
== 種類と方法 ==
=== 低温焼戻し ===
比較的低温域で焼戻しすることで、焼入れ後の硬さをあまり減少させず、残留応力の低減と性状の安定化を行うことができる{{Sfn|日本熱処理技術協会|2013|p=131}}。このような焼戻し処理を'''低温焼戻し'''と呼ぶ{{Sfn|日本熱処理技術協会|2013|p=81}}。焼戻し温度は目安として150 - 250℃の範囲である{{Sfn|日本熱処理技術協会|2013|p=133}}。低温焼戻しによって生じる鋼組織は、上記で説明した低炭素マルテンサイトで{{Sfn|朝倉・橋本|2002|p=187}}、[[ビッカース硬さ]]は約800HVとなっている{{Sfn|日本熱処理技術協会|2013|p=133}}。{{要出典範囲|高温焼き戻し可能なSKD11のような材料も低温焼き戻しが行われているのは、焼戻し割れの対策であり、大体100mm厚以上やコーナーR部の曲率が小さい形状貧では真空焼入れにおいて加圧冷却を強めにした場合に良く起こる現象である焼戻し割れを防ぐ作用がある。|date=2016年1月}}
 
硬さや耐摩耗性を必要とする材料に低温焼戻しが適用される{{Sfn|朝倉・橋本|2002|p=188}}。鋼種としては、炭素含有量が0.77%超える過共析鋼が主となっている{{Sfn|日本熱処理技術協会|2013|p=81}}。[[工具鋼]]の例としては、二次硬化特性を持たない[[炭素工具鋼]]や冷間加工用の[[合金工具鋼]]などに適用される{{Sfn|日本熱処理技術協会|2013|p=210}}{{Sfn|日本熱処理技術協会|2013|p=215}}。実際の製品としては、ナイフや包丁といった切削工具、ゲージや[[ノギス]]といった計測器具、自動車車体のプレス金型、[[軸受]]などで適用される{{Sfn|坂本卓|2007|p=81}}{{Sfn|大和久重雄|2008|p=186}}<ref name="軸受材料">{{Cite web |url=https://www.jp.nsk.com/app01/jp/ctrg/index.cgi?gr=dn&pno=NSK_CAT_728h_204-225 |title=軸受材料|format=pdf|pages=212-213|accessdate=2015-02-17 |publisher= 日本精工}}</ref>。また、低温焼戻しは[[高周波焼入れ]]後や[[浸炭焼入れ]]後の標準的な焼戻しでもある{{Sfn|大和久重雄|2008|p=53}}。