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意識を取り戻したノリコは傍らで機能を停止したナナミと、自らの額に浮かぶ登録番号に気づく。間もなく訪れた警察官に焦るノリコだったが、彼らを追い払って代わりにやって来た男に連れられた機械人形が彼女に襲いかかる。破壊令状を発布された機械人形の所有者の間で「プロジェクトK」という戦闘競技が行われており、彼らは額に登録番号を浮かべたノリコをナナミと勘違いして襲ったのだが、彼女の説得により機械人形は戦意を喪失した。それでも諦めない男のナナミに対する「粗大ゴミ」という言葉を聞きとがめたノリコは、彼に怒りを爆発させるのだった。
== 登場人物キャラクター ==
※以下は、単行本第13巻に収録された第416話までに明らかな情報である。
;高見ノリコ(たかみ のりこ):この漫画の主人公でナナミの所有者である中学3年の女子生徒。物語開始以前にプロレスラーの実父は他界、継父親は未成年に[[売春]]をさせた罪で物語開始以前に逮捕されており、慕っていた母親も第1話序盤で[[過労死]]し、母方の伯母たちも身元引き受けを渋ったため、以後は自宅にナナミと2人で暮らしている。「犯罪者の娘」に対する周囲からの偏見や彼女自身の周囲に打ち解けない態度で孤立し、物語開始以前から[[不登校]]の状態だった。母親を侮辱したクラスメートやナナミを破壊しに訪れた清掃局員ダンに実父譲りの[[ドロップキック]]を見舞ったり至近距離から放たれたフォウの[[ロケットパンチ]]をかわすうなど身体能力は高い一方、世情には疎く[[コンピュータネットワーク|ネット]]接続機能付きの[[携帯機器|携帯端末]]を持ちながら「機械人形規正法」や「プロジェクトK」について他人から教わるまで知らなかった。第2話終盤で清掃局員ダンからナナミを庇って重傷を負い彼女の手術を受けて一命をとりとめたが、その際に移植されたナナミの[[人工臓器]]の影響で第3話終盤以降は額に彼女の登録番号標識が浮かんでいる。
;ナナミ:母親を亡くしたノリコの引き取りを嫌がった親戚が彼女の世話をさせるべくあてがった機械人形。正式名称でもある登録番号標識は「練馬599 ほ 42-49」だが、親戚からノリコに与えられる際に「親が7月に亡くなった」ことにちなんでこう名付けられた。同型機と見分けがつくようノリコから与えられたリボンを後頭部に着けて大切にしている。明るく穏やかな性格で、「[[ジャガイモ]]をつぶした」だけの料理しか作れなかったりノリコの問いに頓珍漢な答えを返したりするが、両腕に多様な医療器具を内蔵して単独で手術をも行える「医療用S型」と呼ばれる高性能機。第3話で瀕死のノリコを治療するため自らの人工臓器を彼女に移植して彼女を救った代わりに機能を停止するが、その直前にノリコに怪我をさせた清掃局員ダンへ機械人形としてあり得ない怒りを見せて攻撃した。
;柳田ヨシタカ:第4話でフォウを伴ってノリコ宅を襲撃した青年。その時点ではフォウを“モノ”扱いして「プロジェクトK」に参加し関東第2位だったが、ノリコとのやり取りから「フォウにも人格があるかもしれない」と考え始め、それを証明すべくナナミの修復に協力する。元々は仲間思いの熱血漢だが、喧嘩はからっきし弱い。
;ミクミク:登録番号「練馬599 み 39-39」の機械人形。第1話の冒頭、所有者たる男子生徒・吉田(よしだ)の目前で清掃局員に頭部を破壊され、同話終盤でこれがナナミと知り合って2週間後に登校したノリコの目前で起きた出来事だったことが明かされる。単行本第1巻描きおろし「機械人形ミクミクちゃん」<ref>{{Cite comic|Cartoonist = 木星在住|Story = 機械人形ミクミクちゃん|Title = 機械人形ナナミちゃん| Volume = 1|Date = 2014年11月7日|Publisher = マイクロマガジン社|Page = pp.159-176}}</ref>では、吉田と彼女との出会いが描かれる。
;フォウ:第4話で所有者たる男性ヨシタカと共にノリコの自宅を襲撃登場した、登録番号標識「板橋597 ち 27-31」の機器製造用機械人形。浅黒い肌と、内装もしくは外装の機械が各部に露出しているのが特徴。「プロジェクトK」関東第2位で、ノリコ宅を訪れるまでに「強さを求めて」8体の機械人形を破壊していた。額に登録番号標識の浮き出たノリコを機械人形と誤認して襲い掛かるが彼女の説得で戦うことに疑問を感じ始め、男性ヨシタカと共に殴り倒されノリコに協力する。左前腕部を飛ばすワイヤーアームと右腕に[[バーナー]]を内蔵する。
;門別ダン(もんべつ だん):練馬区の制服を着た清掃作業員。浅黒い肌が特徴。機械人形の処分を好んで行っていたが、ナナミを処分しようとノリコ宅を訪れた際に誤って彼女に重傷を負わせ、ナナミに反撃されたことが[[心的外傷|トラウマ]]となった。同僚によれば何らかの[[前科]]を持つ。
== 世界観 ==
;機械人形:物語の舞台となる「20XX年の日本」において普及しているロボット「二足歩行型人形」の通称。起動時に額に浮き出る「(地区名と3桁の番号) (平仮名1文字) (2桁ずつ[[ハイフン]]で区切られた4桁の番号)」から成る「登録番号標識」と、首の後ろの電源コネクタタグ以外は概ね人間の女性そっくりの姿を持つ。作中には登録番号と髪型・衣装等を除きナナミと同じ容貌の個体も登場するが、「医療用」や「家庭用」「土木用」など機能の異なる型がある。9歳程度の[[人工知能]]しか持たないものの、人間に従順なプログラムと精巧で愛らしい容貌で一部男性層から支持された。[[関税]]撤廃に伴う工業製品の大量生産・低価格競争に敗れた日本が世界に先駆けて開発した高性能AIを備えた彼女らの普及に一時は[[外貨]]獲得を期待されるも、[[引きこもり]]や[[失業]]・[[晩婚化|未婚率の上昇]]や[[少子化]]といった「人形[[依存症]]」なる[[社会問題]]を招いたとされ、発売から5年未満で政府により製造・所持が禁止されて物語開始時点では所有者へ「機械人形破壊令状」通称「赤紙」が送付され、それに背いて違法に所有される個体の強制破壊処分が始まっている。
;清掃局員:行政からの委託を受けて業務を行う民間の[[清掃業|清掃作業員]]。しかし作中では通常の[[清掃]]を行う描写はなく、専ら「機械人形規制法」による[[令状]]に基づいて、違法所持される機械人形の破壊措置を[[行政上の強制執行|強制執行]]する。製造元から提供された、所有者よりも優位に機械人形を従わせるチューナーを所持する。破壊執行においては[[圧縮空気]]の入った[[ボンベ]]に繋がるホースの先端からボルトを撃ち出す[[空気銃]]が使われるが、単行本第1巻の解説によるとこれは実際に[[ウシ]]の[[屠殺]]に使われ([[:en:Captive bolt pistol]]も参照)、映画『[[ノーカントリー]]』で殺し屋が使った武器と同様のものという<ref>{{Cite comic|Cartoonist = 木星在住|Story = 清掃員の装備紹介 〜その1〜|Title = 機械人形ナナミちゃん| Volume = 1|Date = 2014年11月7日|Publisher = マイクロマガジン社|Page = p.44}}</ref>。この漫画では主に[[練馬区]]の表示のある服をつけ着た作業員が登場し、とりわけ色黒[[茶髪]]の作業員は第1話でミクミクを破壊、第2話でナナミ破壊のためノリコ宅に押し入り誤って彼女に重傷を負わせ、続く第3話でナナミの攻撃を受けて負傷したする。
;プロジェクトK:赤紙を受けた機械人形同士を戦わせる非合法の[[ロボット競技|ロボコン(ロボットの格闘競技)]]。「どうせ壊されるなら愛機を競わせよう」と考えた所有者の間で密かに行われている。
== 脚注 ==
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== 外部リンク ==
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