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== 作風 ==
[[大阪]]で[[音楽]][[教育]]を受けて[[松下眞一]]に続く形でデビューしたが、[[仏教]]へ強く帰依した<ref>大前も仏教徒である。交響讃歌〈親鸞〉-相愛学園創立120周年記念委嘱作品-を参照のこと。</ref>松下とは異なり、書法を研ぎ澄ますことで得られる緻密な音響美の世界を切り開いてゆく。声楽曲、[[弦楽四重奏曲]]や無伴奏[[合唱]]は極端に少なく、そのほとんどが管打楽器のための室内楽か室内アンサンブル作品であったが、2000年代以降は今までに見られなかった規模の作品も書かれている。「ダブル・トーク」は数十作に及ぶデュオの名人芸の連作<ref>[https://archive.is/4tdka 外部リンク]</ref>であり、ここまで二重奏に拘る作曲家は世界的にも稀。
 
1995年以降の作風はフェスティバル用の書き下ろし作品となった「フェストーネ」、「アルトロ・フェストーネ」、「トリオ・フェストーネ」のようにメタリックな音色への興味がより一層顕著になった形で、よりいっそうの書法の練磨へ向かっている。教育用作品でもある「ジョインV」では[[ミニマリズム]][[セリアリズム]]の結合が計られている。90年代後半からは演奏家の質が向上したことに伴い、より高度の[[遊戯]]性を発揮できる作品へ変わってゆく。「アルトロ・フェストーネ」の冒頭で見られるような「即興的に」と書かれた楽句の、全ての音符が確定されている。10数音ほどの音列(数十音ほどではない)の様々な組み合わせが、絶え間なくつづられてゆく持続が好まれる。
 
元々大前は美しい手書きの自筆譜のままでいくつか作品を出版していたが、後述する出版社を私設してからは総て出力ソフトを使用している。日本国内の紹介は関西に偏っていたが、吹奏楽のための響宴にも取り上げられるようになるなど、活動範囲を広げている。創作ペースは賞歴にも現れているように、極めて速い。