|
== 構成 ==
基本的な構造は一般の的な自転車とそれほど変わらないが、ランドナーならではの特徴がある。
=== タイヤ ===
ホイールには、650A(26in×1650A (26in×1 3/8)8) または 650B の規格を用いることが多い。ランドナーは旅行用途であることから荷物積載量が比較的多いことや、日本国内では、舗装道路が少ない時代に発展したという時代背景から、やや径が小さく太目の車輪をが採用する。され、初期には 650×42B が好まれた。タイヤ幅は32-44mm程であり、空気圧は300-600kPa程度とされる。舗装路、砂利などの未舗装路、や山道となど、オールラウンドな走り行が可能なうえ、緊急時には[[軽快車]]のタイヤも使える<ref group="注">軽快車によく用いられる 26in×1 3/8 のサイズのタイヤが使えるのは、26in×1 3/8 - 1 1/2サイズ と共用可能な 650×32Aサイズ のホイールである。り、650B サイズのホイールには装着できない。</ref>。そのため、入手が容易なのであることが最大のメリットである。タイヤが太くなると重量が増える傾向にあるが、比較的軽量なオープンサイドの WO(ワイアヤードオン)タイアもあり、また 650A タイヤには[[マウンテンバイク|MTB]]のようなブロックパターンの[[パスハンター|パスハンティング]]用も存在する。
現行製品では、リジダ(650B リム)、ユッチンソン(650B タイヤ&チューブ)、[[ミシュラン]](650B タイヤ&チューブ)、日本国内では[[アラヤ]](650A リム)、パナレーサー(650A・650B タイヤ&チューブ)などが有名である。
最近{{いつ|date=2015年9月}}になって、実用的なランドナーとして、26インチHE(フックドエッジ)規格のホイールを使う例も現れた。[[マウンテンバイク]]が世界中に普及したことにより、世界一周用のキャンピング車には現在では26インチHE規格のホイールを使うのことが標準となっている。一方で、現在 650B のタイヤは、相当大きな自転車店でも在庫していることが少なく、旅先では非常に入手困難であることから、メーカーが新規にツーリング用自転車を企画製作する場合は、26インチHEやロードバイク用の 700C などの規格を採用することが多くなった。
しかし2000年代後半から、マウンテンバイクにおいて26HEホイールが廃れ、むしろ一部で 650B ホイールが使われるようになったため、状況が変わりつつある。
=== 泥除け ===
主に、軽量なアルミ合金製の泥除けが装備される。メーカー車では、保守上の理由から表面に[[アルマイト]]加工したものが多数主であるが、一部のマニアは未加工の物ものを布バフで磨き上げた「ミガキもの」物(バフ仕上げ)を好んで使用することもある。後輪の泥除けは、[[輪行]]を考慮して、分割式<ref group="注">シートステーブリッジ辺りで後半分が外れるようにできている。</ref>になっていることがも多い。デザインは一般的な半丸型、亀甲型、パオン型などが存在する。
=== キャリア ===
ランドナーやスポルティーフといったフランス系ツーリング車の特徴として、フロントキャリアおよび一部リアキャリアの装備があげられる。これはフロントバッグおよびやサドルバッグなどを装備するためのものである。またフロントキャリアに電装品を装備する場合もある。フレームへの取り付けの多くはエンドに装着さ設けられているたダボにネジ止めすされるが、カンチブレーキの台座に固定するタイプもある。
サイドキャリアまでサポートしていれ補えば、4つのサイドにバッグを装備することが可能となる。サイドキャリアとは、前輪または後輪の両脇にサイドバッグを固定するためのキャリアであり、長方形の金属枠が一見したその特徴であとなる。現代日本では、現在、[[日東 (自転車部品メーカー)|日東ハンドル製作所]]のキャンピーや、[[VIVA]]の製品等などが有名である。
=== 電装品 ===
長距離の旅行に使われるため、夜間走行を考慮して、[[ヘッドランプ]]、[[テールランプ]]や[[リフレクター]]、[[ダイナモ]]([[発電機]])を標準装備する。これと併用してバッテリーランプや近年では[[発光ダイオード|LED]]式のランプを利用することが多い。
外装のダイナモを用いる場合はシートステーに装備されることが多く、ヘッドランプへの電線をフレームやキャリアのチューブの内側に通したり、前フォークが回転するヘッド小物に電気ブラシを内蔵させて電線を隠蔽する意匠を電線内装という。構造の都合から自転車を分解して輪行する用途には向かないと言われていたが、電気ブラシ(カーボン・ブラシと呼称)の改良により、フォーク部分の引き抜き、や再装着に障害が起きないものが開発されて輪行に対応している。旧モデルにはリアフェンダーにまで配線を伸ばしてテールランプを点灯させるものが多かった。
外装式ダイナモは走行抵抗が大きく疲労を増長させるため採用例はが減り、シティサイクルのようにフロントハブダイナモを採用したモデルに取って代わられりつつある。
=== ハンドル ===
=== ペダル ===
ランドナー等などのツーリング車では、ペダルに足を固定するために、[[ペダル (自転車)|トークリップ]]と[[ストラップ]]を装着することが多い。ツーリングが観光、やキャンプなどをするという一面を持ち、一般的なスニーカーやスポーツ用シューズ、ツーリング専用シューズなどで乗車する場合が多いためである。り、また、ランドナーの雰囲気を出すためという一面もある。趣味性の高い自転車のためかもあり、ストラップに革をが用いられる例も多いが、本格的にツーリングをする場合はことを念頭にビンディングペダルを使用するケースも見られる。
=== フレーム ===
[[フレーム素材 (自転車)|フレームの素材]]としては[[クロムモリブデン鋼]]、古い物ものでは[[マンガンモリブデン鋼]]が伝統的に用いられている。これらはアルミ素材に比べて強度には勝るものの、3倍程度比重が大きく、フレームはアルミ系のものよりやや重くなる。しかし、金属疲労に強く振動吸収性が良好で、乗員も疲れにくい。かつては英国イギリスのレイノルズ社のマンガンモリブデン鋼「531」<ref group="注">混合率にちなむ。[[マンガン]]と[[モリブデン]]、[[ニッケル]]がそれぞれ5:3:1であったことから。</ref>などが好まれた。世界旅行などで未開発地域にまで出かけるユーザーものは、現地で故障しても溶接修理が可能であることをメリット長所に上げる場合こともある。
[[フレーム (自転車)|フレーム]]設計は荷物を積載して登坂することが考慮され、低速走行向きとなる。このためヘッド角やシート角が寝ており、ゆったりした設計になることが多い。またトップチューブは地面と平行(ホリゾンタル)となるモデルが多い。ランドナーは通常のロードモデルと比較するとチェーンステーのチューブが長く、ホイールベースが大きい。これは直進安定性を高めるためと、ロードバイクより太いタイヤを使用するため、フェンダーを装備するためなどの理由がある。
[[キャンピング車]]では、強度を確保する目的でクロスドシートステイが採用される場合がある。これはシートステイがをシートチューブと交差しさせ、さらにトップチューブにも溶接されするタイプものである。
==== ラグ工法 ====
ラグはフレームを構成するチューブを接続する継ぎ手である。本来、ラグは溶接される結合面積をふ増やして強度を向上させる目的で用いられるものであるが、ラグを様々さまざまな形にカットして装飾的に用いられることも多い(本来のラグ。そのカットの意味は、溶接接触面を増やすためである)。カット形状によって「イタリアンカット」、「フレンチカット」、「コンチネンタルカット」などの意匠がある。ランドナーでは特にコンチネンタルカットに見られるような複雑な意匠が好まれる他ほか、ラグを用いないラグレス工法においては、ロウを盛り上げて滑らかな曲線の意匠に仕上げられるのも好まれる。
=== ブレーキ ===
主に[[カンチレバーブレーキ]] (cantilever brake) あるが用いはられるほか、[[センタープルブレーキ]] (center pull brake) がも用いられる。
カンチレバーブレーキは、[[カンチレバー]](片持ち梁)構造のブレーキである。ブレーキワイヤーを外すのことが容易であることから[[輪行]]やメンテナンスに向きが容易であり、かつ、機構が単純なために故障が少ない。また、タイヤとのクリアランスが大きいために泥や雪が詰まることもが少なく、泥除けとの併用も容易である。
ブレーキレバーは、フロントバッグとの干渉防止や輪行時の取り外しやすさを考慮して、ケーブルを上に出す形が一般的である。ハンドルにケーブルを内蔵したりバーテープに巻き込む方式は主流ではなかったが、輪行時にハンドルを取り外すケースが少なくなったことなどから、現在はシフト一体型も増えている。
=== コンポーネント ===
フランス系ツーリング車であるため、往時はフランス製の部品がも多く使われた。
フランスの自転車専門誌である Le Cycle 誌の編集長であったダニエル・ルブール (Daniel Rebour) によりってイラスト化された部品がその典型的である{{要出典|date=2008年4月}}。例えば [[T.A.]] や[[ストロングライト]] (STRONGLIGHT) のチェーンホイール、[[ユーレ]] (Huret) や[[サンプレックス]] (Simplex) の変速機、[[イデアル (自転車)|イデアル]] (Ideale) のサドルなどである。
しかし、[[1980年代]]頃からランドナーの生産が減少し、それらの部品メーカーは、倒産や廃業、方針転換を余儀無なくされた。そのため現代では[[ロードバイク]]やMTB用に設計されたコンポーネントをが用いられることが多い。
変速は、ダウンチューブに装着された[[変速機 (自転車)#ダウンチューブシフター|ダブルレバー]]で行うことが多い。これは[[輪行]]の際の利便性を考慮しにもつながっているためである。しかし最近では、[[ロードバイク]]や[[マウンテンバイク|MTB]]に多いハンドルバー取付型のレバーとしていを採用するランドナーも少しずつ増えている。
== 輪行 ==
|