「在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律」の版間の差分

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2003年の別表第1改正について追加
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略称は「在外公館設置法」や「名称位置給与法」など。
 
日本語による各国の名称について網羅的に明示した法律であり、国家の日本語標準表記の根拠となっている法律である<ref>事例 {{Cite web |url=http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_002048.html |title=報道発表 国名呼称の変更(グルジア)平成27年4月22日|publisher=[[外務省]] |accessdate=2016-02-08}}</ref>。
 
==構成==
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*別表第二 在勤基本手当の基準額(第十条関係)
*別表第三 研修員手当(第十九条関係)
 
== 別表第一(国名) ==
本法の別表第一(以下「別表1」)「在外公館の名称及び位置」は日本語による各国の名称([[外名]])について網羅的に明示した法律であり、事実上この別表1が[[日本国政府]]による国名の[[日本語]]標準表記の根拠とされている<ref name="case">事例 {{Cite web |url=http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_002048.html |title=報道発表 国名呼称の変更(グルジア)平成27年4月22日|publisher=[[外務省]] |accessdate=2016-02-08}}</ref>。
 
[[外務省]]の実務において国名の基準とされているのは大臣官房総務課が内規として定める『国名表』であるが<ref>[http://www.ninomiyashoten.co.jp/chiri_q_and_a/q012.html 国名や首都名の表記について]([[二宮書店]]) ''2016-09-22閲覧''</ref>、この『国名表』は一般公開されておらず[[2007年]]([[平成]]19年)まで外務省監修協力([[1973年]] - [[1998年]]度版は編集)の(財)世界の動き社『[[世界の国一覧表]]』に掲載された国名が原則として『国名表』によるものとされていた。ただし『国名表』では別表1で用いる「法文上の表記」以外に「選択表記」と言う形で[[公文書]]に別名を使用することを認めているため『世界の国一覧表』では「法文上の表記」が一般に余り使用されていないような場合は、この「選択表記」の方が採用される場合もあった。
 
[[2003年]](平成15年)の別表1改正では、以下のように改正時点では余り使用されなくなっていた「法文上の表記」をそれまでは「選択表記」として認めていた一般的な表記に近付ける抜本的な改正が行われた(国名に含まれる「[[王国]]」「[[共和国]]」などの政体に関する部分は、同名の国との識別等の事情がある場合を除き省略)<ref>[http://www.meti.go.jp/policy/anpo/topics/country/country.pdf 輸出貿易管理令等における国名表記の変更について]([[経済産業省]]) ''2016-09-22閲覧''</ref>。この際に行われた見直しの大部分は"Ti"を「ティ」から慣用として確立されている「チ」に変更する、"V+[[子音]]"を「ヴァ〜ヴォ」から「バ〜ボ」に変更する、過剰な[[中点]]や[[長音]]の除去、[[促音]]の整理など表記ゆれの範疇に収まるものだが、中には"Cyprus"を英語読みした「サイプラス」から[[ギリシア語|ギリシャ語]]に基づく「[[キプロス]]」に変更したり、[[フランス語]]の"{{lang|fr|Côte d'Ivoire}}"を意訳した「象牙海岸」を[[転写 (言語学)|音韻転写]]の「[[コートジボワール]]」に変更するなどの特殊な事例も見られる。
 
[[2015年]](平成27年)には、それまで[[ロシア語]]由来(異説あり)の外名で「グルジア」と呼ばれていた[[ジョージア (国)|ジョージア]]政府から使用取りやめを要請されたことを受けて別表1の改正が行われた<ref name="case" />。
 
{| class="wikitable" style="font-size:small;" border="1"
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!width=24%|2003年改正後!!width=20%|改正前!!width=56%|備考
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|{{ARG}}||アルゼン<u>ティ</u>ン||
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|{{ATG}}||アンティグ<u>ァ</u>・バーブーダ||"Ti"を慣用の「チ」に統一する見直し方針に従うと「アン<u>チ</u>グア・バーブーダ」となるはずだが、何故か「ティ」は維持されている。
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|{{URY}}||ウルグ<u>ァ</u>イ|||
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|{{Flagicon|GBR}} [[イギリス|英国]]||<u>連合王</u>国||正式名称は「グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国」。日本の口語で広く使用される「イギリス」は外務省では採用していないが、[[日本放送協会|NHK]]は採用している。
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|{{SLV}}||エル<u>・</u>サル<u>ヴァ</u>ドル||
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|{{Flagicon|CPV}} [[カーボベルデ|カーボヴェルデ]]||カーボ<u>・</u>ヴェルデ||選択表記の「カーボベルデ」もよく使われる
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|{{QAT}}||カタル||
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|{{KHM}}||カンボ<u>ディ</u>ア||
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|{{GNB}}||ギニア<u>・</u>ビサ<u>オ</u>||
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|{{CYP}}||<u>サイ</u>プ<u>ラ</u>ス||「サイプラス」は"Cyprus"の英語読み
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|{{GTM}}||グ<u>ァ</u>テマラ||
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|{{KWT}}||クウェ<u>イ</u>ト||
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|{{CIV}}||<u>象牙海岸共和国</u>||コートジボワール政府はフランス語の国名を意訳しないよう各国に要請しており、外務省の『国名表』では[[1986年]]([[昭和]]61年)から選択表記として公文書で「コートジボワール」の使用を可としていたが、2001年(平成13年)の別表1改正で法文上も「象牙海岸」の使用を取りやめた。外国政府から個別に受けた要請に基づく外名変更としては初の事例である。
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|{{CRI}}||コスタ<u>・</u>リカ||
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|{{COG}}||コンゴ<u>ー</u>共和国||コンゴ共和国([[ブラザヴィル]])
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|{{COD}}||コンゴ<u>ー</u>民主共和国||旧[[ザイール]]、コンゴ共和国([[キンシャサ|レオポルドヴィル]])
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|{{KSA}}||サウ<u>ディ・</u>アラビア||
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|{{SMR}}||サン<u>・</u>マリノ||
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|{{SLE}}||シエラ<u>・</u>レオネ||
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|{{DJI}}||ジブ<u>ティ</u>||
|-
|{{SLE}}||シエラ<u>・</u>レオネ||
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|{{LKA}}||スリ<u>・</u>ランカ|||
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|{{SVN}}||スロ<u>ヴェ</u>ニア||
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|{{SYC}}||セ<u>イ</u>シェル||
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|{{SCG}}||[[ユーゴスラビア連邦共和国|<u>ユーゴースラヴィア連邦共和国</u>]]||[[2006年]]に解体し[[モンテネグロ]]と[[セルビア]]、[[コソボ]]に分離
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|{{Flagicon|KNA}} [[セントクリストファー・ネイビス|セントクリストファー・ネーヴィス]]||セント<u>・</u>クリストファー・ネ<u>イ</u>ヴィ<u>ー</u>ス||選択表記に「セントクリストファー・ネイビス」、英語風の「セントキッツ・ネイビス」(St. Kitts & Nevis)など。
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|{{VCT}}||セント<u>・ヴィ</u>ンセント・グレナディーン||
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|{{LCA}}||セント<u>・</u>ルシア||
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|{{CZE}}||チェ<u>ッ</u>コ||
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|{{TCD}}||チャ<u>ッ</u>ド||
|-
|{{TUN}}||<u>テ</u>ュニジア||
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|{{TUV}}||<u>トゥヴァ</u>ル||
|-
|{{TGO}}||トーゴ<u>ー</u>||
|-
|{{TTO}}||トリニダ<u>ッ</u>ド・トバゴ||
|-
|{{NIC}}||ニカラグ<u>ァ</u>||
|-
|{{NZL}}||ニュー<u>・</u>ジーランド||
|-
|{{NOR}}||ノ<u>ー</u>ルウェー||
|-
|{{BHR}}||バ<u>ハ</u>レーン||
|-
|{{HTI}}||ハイ<u>ティ</u>|||
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|{{VAT}}||<u>ヴァ</u>チカン||[[1981年]](昭和56年)に[[ローマ教皇庁]]から日本政府が使用している「法王庁」の訳語を「教皇庁」に改めるよう要請された際は拒否している。
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|{{PNG}}||パプア<u>・</u>ニューギニア||
|-
|{{PRY}}||パラグ<u>ァ</u>イ||
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|{{Flagicon|TLS}} [[東ティモール|東チモール]]||東<u>ティ</u>モール||変更前の「東ティモール」の方が一般的に使用されており『国名表』の選択表記としては残されている。
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|{{VNM}}||<u>ヴィエ</u>トナム||
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|{{VEN}}||<u>ヴェ</u>ネズエラ||
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|{{BIH}}||ボスニア・ヘルツェゴ<u>ヴィ</u>ナ||
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|{{BOL}}||ボリ<u>ヴィ</u>ア||
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|{{HND}}||ホン<u>デ</u>ュラス||
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|{{Flagicon|MKD}} [[マケドニア共和国|マケドニア旧ユーゴスラビア共和国]]||マケドニア旧ユーゴ<u>ー</u>スラ<u>ヴィ</u>ア共和国||[[ギリシャ]]が「マケドニア共和国」の国名使用に反発しているため、日本政府や[[欧州連合|EU]]では「旧[[ユーゴスラビア]]」を付加した国名で承認している。
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|{{MYS}}||マレ<u>イ</u>シア||
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|{{MUS}}||モーリシ<u>ァ</u>ス||
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|{{MDV}}||モルディ<u>ヴ</u>||
|-
|{{MDA}}||モルド<u>ヴァ</u>||
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|{{JOR}}||<u>ジョ</u>ルダン||
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|{{LVA}}||ラト<u>ヴィ</u>ア||
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|{{LUX}}||ルクセンブル</u>グ<u>||
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!width=24%|2015年改正後!!width=20%|改正前!!width=56%|備考
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|{{GEO}}||<u>グル</u>ジア||外国政府から個別に受けた要請に基づく外名変更としてはコートジボワールに続き2例目。詳細は[[ジョージアの国名]]を参照。
|}
 
==関連項目==
*[[国家公務員]]
*[[外交官]]
*[[コートジボワール]] - 1986年にフランス語名を意訳した『[[象牙海岸共和国]]』から改名。1例目
*[[ジョージア (国)|ジョージア]] - 2015年に[[グルジア]]から改名。2例目
 
==脚注==