「冬至」の版間の差分
削除された内容 追加された内容
編集の要約なし |
m 222.147.87.27 (会話) による版を Rxy による版へ巻き戻し |
||
1行目:
{{節気}}
[[File:Earth-lighting-winter-solstice EN.png|thumb|250px|冬至の日の太陽光の当たり方。冬至では太陽は南回帰線上にあるため、北半球では昼が最も短く、夜が最も長い]]
'''冬至'''(とうじ、{{lang-en-short|winter solstice}})は、[[二十四節気]]の第22。[[北半球]]ではこの[[日]]が一年のうちで最も[[昼]]([[日の出]]から[[日没]]まで)の時間が短い。十一月中([[旧暦11月]]内)。
現在広まっている[[定気法]]では[[太陽黄経]]が270[[度 (角度)|度]]のときで[[12月22日]]ごろ。[[恒気法]]は節気を冬至からの経過日数で定義するが、基点となる冬至は定気と同じ定義である。定気と恒気で一致する唯一の節気である。[[暦]]ではそれが起こる日を冬至とするが、[[天文学]]においては、[[太陽黄経]]が270[[度 (角度)|度]]となる瞬間を「冬至」と定義している。この場合、冬至の瞬間を含む日を'''冬至日'''(とうじび)と呼ぶ。
期間としての意味もあり、この日から、次の節気の[[小寒]]前日までである。
[[西洋占星術]]では、冬至を[[磨羯宮]]([[やぎ座]])の始まりとする。
==特徴==
[[北半球]]では[[太陽]]の[[南中]]高度が最も低く、一年の間で[[昼]]が最も短く[[夜]]が最も長くなる日。
『暦便覧』では「日南の限りを行て、日の短きの至りなれば也」と説明している。
==日付==
{|class="wikitable" align="left"
|-
! 年 !! 日時 (UT) !! 日本 !! 中国
{{節気の日付|1984|12|21|16|23}}
{{節気の日付|1985|12|21|22|08}}
{{節気の日付|1986|12|22|04|02}}
{{節気の日付|1987|12|22|09|46}}
{{節気の日付|1988|12|21|15|28}}
{{節気の日付|1989|12|21|21|22}}
{{節気の日付|1990|12|22|03|07}}
{{節気の日付|1991|12|22|08|54}}
{{節気の日付|1992|12|21|14|43}}
{{節気の日付|1993|12|21|20|26}}
{{節気の日付|1994|12|22|02|23}}
{{節気の日付|1995|12|22|08|17}}
{{節気の日付|1996|12|21|14|06}}
{{節気の日付|1997|12|21|20|07}}
{{節気の日付|1998|12|22|01|56}}
{{節気の日付|1999|12|22|07|44}}
{{節気の日付|2000|12|21|13|37}}
{{節気の日付|2001|12|21|19|21}}
{{節気の日付|2002|12|22|01|14}}
{{節気の日付|2003|12|22|07|04}}
{{節気の日付|2004|12|21|12|42}}
{{節気の日付|2005|12|21|18|35}}
{{節気の日付|2006|12|22|00|22}}
{{節気の日付|2007|12|22|06|08}}
{{節気の日付|2008|12|21|12|04}}
{{節気の日付|2009|12|21|17|47}}
{{節気の日付|2010|12|21|23|38}}
{{節気の日付|2011|12|22|05|30}}
{{節気の日付|2012|12|21|11|12}}
{{節気の日付|2013|12|21|17|11}}
{{節気の日付|2014|12|21|23|03}}
{{節気の日付|2015|12|22|04|48}}
{{節気の日付|2016|12|21|10|44}}
{{節気の日付|2017|12|21|16|28}}
{{節気の日付|2018|12|21|22|23}}
{{節気の日付|2019|12|22|04|19}}
{{節気の日付|2020|12|21|10|02}}
{{節気の日付|2021|12|21|15|59}}
{{節気の日付|2022|12|21|21|48}}
{{節気の日付|2023|12|22|03|27}}
{{節気の日付|2024|12|21|09|20}}
|}
{{節気時刻説明|冬至}}
{{clear}}
{|class="wikitable" align="left"
! rowspan="2" | 年 !! colspan="4" | 年を4で割った余り !! 確定困難な(日を跨ぐ)年
|-
! 0 !! 1 !! 2 !! 3 !! 真夜中の前後10分
|-
|{{EqJSTYRangeMark|1600|1611}} || bgcolor=yellow|21日 || |22日 || |22日 || |22日 ||
|-
|{{EqJSTYRangeMark|1612|1643}} || bgcolor=yellow|21日 || bgcolor=yellow|21日 || |22日 || |22日 ||
|-
|{{EqJSTYRangeMark|1644|1679}} || bgcolor=yellow|21日 || bgcolor=yellow|21日 || bgcolor=yellow|21日 || |22日 || 1646(21-22日),
|-
|{{EqJSTYRangeMark|1680|1699}} || bgcolor=yellow|21日 || bgcolor=yellow|21日 || bgcolor=yellow|21日 || bgcolor=yellow|21日 ||
|-
|{{EqJSTYRangeMark|1700|1715}} || |22日 || |22日 || |22日 || |22日 ||
|-
|{{EqJSTYRangeMark|1716|1751}} || bgcolor=yellow|21日 || |22日 || |22日 || |22日 || 1749(21-22日),
|-
|{{EqJSTYRangeMark|1752|1783}} || bgcolor=yellow|21日 || bgcolor=yellow|21日 || |22日 || |22日 ||
|-
|{{EqJSTYRangeMark|1784|1799}} || bgcolor=yellow|21日 || bgcolor=yellow|21日 || bgcolor=yellow|21日 || |22日 ||
|-
|{{EqJSTYRangeMark|1800|1819}} || |22日 || |22日 || |22日 || bgcolor=cyan|23日 || 1819(22-23日),
|-
|{{EqJSTYRangeMark|1820|1855}} || |22日 || |22日 || |22日 || |22日 ||
|-
|{{EqJSTYRangeMark|1856|1887}} || bgcolor=yellow|21日 || |22日 || |22日 || |22日 ||
|-
|{{EqJSTYRangeMark|1888|1899}} || bgcolor=yellow|21日 || bgcolor=yellow|21日 || |22日 || |22日 || 1889(21-22日),
|-
|{{EqJSTYRangeMark|1900|1919}} || |22日 || |22日 || bgcolor=cyan|23日 || bgcolor=cyan|23日 ||
|-
|{{EqJSTYRangeMark|1920|1955}} || |22日 || |22日 || |22日 || bgcolor=cyan|23日 || 1922(22-23日),
|-
|{{EqJSTYRangeMark|1956|1991}} || |22日 || |22日 || |22日 || |22日 ||
|-
|{{EqJSTYRangeMark|1992|2027}} || bgcolor=yellow|21日 || |22日 || |22日 || |22日 || 2025(21-22日),
|-
|{{EqJSTYRangeMark|2028|2059}} || bgcolor=yellow|21日 || bgcolor=yellow|21日 || |22日 || |22日 ||
|-
|{{EqJSTYRangeMark|2060|2095}} || bgcolor=yellow|21日 || bgcolor=yellow|21日 || bgcolor=yellow|21日 || |22日 || 2095(21-22日),
|-
|{{EqJSTYRangeMark|2096|2099}} || bgcolor=yellow|21日 || bgcolor=yellow|21日 || bgcolor=yellow|21日 || bgcolor=yellow|21日 ||
|-
|{{EqJSTYRangeMark|2100|2131}} || |22日 || |22日 || |22日 || |22日 ||
|-
|{{EqJSTYRangeMark|2132|2163}} || bgcolor=yellow|21日 || |22日 || |22日 || |22日 || 2161(21-22日),
|-
|{{EqJSTYRangeMark|2164|2195}} || bgcolor=yellow|21日 || bgcolor=yellow|21日 || |22日 || |22日 ||
|-
|{{EqJSTYRangeMark|2196|2199}} || bgcolor=yellow|21日 || bgcolor=yellow|21日 || bgcolor=yellow|21日 || |22日 ||
|-
|{{EqJSTYRangeMark|2200|2227}} || |22日 || |22日 || |22日 || bgcolor=cyan|23日 ||
|-
|{{EqJSTYRangeMark|2228|2267}} || |22日 || |22日 || |22日 || |22日 ||
|-
|{{EqJSTYRangeMark|2268|2299}} || bgcolor=yellow|21日 || |22日 || |22日 || |22日 ||
|-
|{{EqJSTYRangeMark|2300|2335}} || |22日 || |22日 || bgcolor=cyan|23日 || bgcolor=cyan|23日 || 2334(22-23日),
|-
|{{EqJSTYRangeMark|2336|2363}} || |22日 || |22日 || |22日 || bgcolor=cyan|23日 ||
|-
|{{EqJSTYRangeMark|2364|2399}} || |22日 || |22日 || |22日 || |22日 || 2367(22-23日),
|}
{{節気日付パターン説明|冬至|{{CURRENTYEAR-JST}}}}
[[1956年]]から[[2202年]]までは[[12月21日]]か[[12月22日]]だが、[[1955年]]までは[[12月23日]]もあった。
{{clear}}
==天文==
[[秋分]]から[[春分]]までの間、北半球では[[太陽]]は真東からやや南寄りの方角から上り、真西からやや南寄りの方角に沈む。冬至の日にはこの[[天体の出没|日の出(日出)・日の入り(日没)]]の方角が最も南寄りになる。また[[南回帰線]]上の観測者から見ると、冬至の日の太陽は正午に天頂を通過する。冬至の日には北緯66.6度以北の[[北極圏]]全域で[[極夜]]となり、[[南緯]]66.6度以南の[[南極圏]]全域で[[白夜]]となる。
なお、1年で日の出の時刻が最も遅い日・日の入りの時刻が最も早い日と、冬至の日とは一致しない。日本では、日の出が最も遅い日は冬至の約半月後(年明け)であり、日の入りが最も早い日は冬至の約半月前である。
== 習俗 ==
[[File:Nimono of japanese pumpkin 2014.jpg|thumb|冬至にはカボチャの煮物を食べる風習がある。]]
日本には次のような風習がある。
; 星祭
: [[天台宗]]や[[真言宗]]の寺院で行われる「[[星供養]]」は、妙見系の神社等で行われる星祭(ほしまつり)とともに俗に「星祭」ともいわれる。各自の生まれ年の[[十二支]]に該当する当年星([[北斗七星]]の7つの星が十二支のそれぞれに配当されている)を祀って、無病息災を祈る。
; 冬至風呂
: この日は冬至風呂と称して[[柚子湯]]に入る。[[1838年]](天保9年)の『東都歳時記』によれば流行し始めたのは江戸の[[銭湯]]からであるという<ref name="nihonnogyoujitoshikitari_p75">新谷尚紀著『日本の「行事」と「食」のしきたり』青春出版社 p.75 2004年</ref>。
またこの日には以下のものを飲食する風習がある。
; 冬至粥
: 冬至の日の朝に[[小豆粥]]を食す。これを冬至粥という。小豆粥には[[疫病]]にかからないという伝承があり<ref name="nipponnoshikitari_p195">武光誠編著『日本のしきたり-開運の手引き』講談社 p.195 1994年</ref>、あるいは体を暖めるためともいう。
; 冷酒
; かぼちゃ
冬至にはカボチャの煮物を食べる風習がある。<ref>[http://www.shokuiku-daijiten.com/mame/?p=1277 冬至の日にカボチャを食べるのはナゼ?(食育大事典)] 2016年12月21日閲覧</ref>
; コンニャク
: [[コンニャク]]を「体の砂払い」と称し、体内の悪いものを掃除するという。
; 「と」の付く食べ物<ref>異説として「ん」のつく食べ物だとして、なんきん([[カボチャ]])・れんこん・うどん等をあげる説もあるが、江戸時代の記録になく明治時代以降の風習とされる(新谷尚紀著『日本の「行事」と「食」のしきたり』青春出版社 p.74 2004年)。</ref>
: 冬至の「と」に因んで、とうなす([[カボチャ]])・[[豆腐]]・[[唐辛子]]・[[ドジョウ]]<ref>前述の朝粥、冷酒、コンニャクとあわせて7品目。</ref>・[[いとこ煮]]。特にカボチャを食べる風習は全国に残っており、今でも冬至の前にはスーパーや魚屋でカボチャやドジョウの売り出しの風景が見られる。冬至にカボチャを食べると[[中風]]にならず、あるいは長生きする<ref name="tabemonotokenkouomoshirozatsugaku_p88"> 落合敏監修 『食べ物と健康おもしろ雑学』 p.88 梧桐書院 1991年</ref><ref name="nipponnoshikitari_p195">武光誠編著『日本のしきたり-開運の手引き』講談社 p.195 1994年</ref>とも、栄養とるためともいう。豆腐は季節柄、[[湯豆腐]]にされることが多い。
中国北方では[[餃子]]を、南方では[[湯円]](餡の入った団子をゆでたもの)を食べる習慣がある。
また、この日は家族団欒で過ごすという風習もある。
冬至(あるいは、冬至から翌日にかけて、冬至の直後、など)には、太陽の力が最も弱まった日を無事過ぎ去ったことを祝って、世界各地で'''冬至祭'''が祝われる。[[クリスマス]]も、イラン発祥の[[ミトラ教]]の冬至祭儀やドイツ北欧の[[ユール]](キリスト教以前のゲルマン人の冬至祭)がキリスト教と混淆してできたものである。
== 朔旦冬至 ==
古代には、冬至を1年の始まりとしていた。近世語で「唐の正月」というと冬至を意味するが、中国で冬至を元旦としたからである。その名残で、現在でも冬至は暦の基準となっている。中国や日本で採用されていた[[太陰太陽暦]]では、冬至を含む月を[[11月 (旧暦)|11月]]と定義しているが、19年に1度、冬至の日が[[11月1日 (旧暦)|11月1日]]となることがあり、これを'''朔旦冬至'''(さくたんとうじ)という<ref> 「年中行事事典」p519 1958年(昭和33年)5月23日初版発行 [[西角井正慶]]編 東京堂出版</ref>。太陰太陽暦では、19年間に7回の[[閏月]]を入れる(19年7閏)周期を「[[メトン周期|章]]」と称し、古い章から新しい章への切り替えとなる年を新しい章の最初の年という意味で「'''章首'''」と呼んだ。章首の年にはまず前の章の締めくくりに当たる7番目の[[閏月]]を迎え、その後に到来するその年の冬至をもって新しい章の開始とされた。そして、その章首における冬至の日は必ず朔旦冬至となるように[[暦法]]が作られるのが原則とされていた。
朔旦冬至が正確に19年周期で訪れることは、19年7閏原則に基づく[[暦]]が正確に運用されているということである。暦の正確さは、政治が正しく行われていることの証(あかし)であるとして、朔旦冬至は盛大に祝われた。中国では古くから行われ、[[659年]]に偶々[[遣唐使]]が[[唐]]の都・[[洛陽]]に滞在中で儀式への参加が許されている。日本では唐風儀式の取り入れに積極的であった[[桓武天皇]]の[[784年]]に初めて儀式が行われた<ref>[[聖武天皇]]の[[神亀]]から[[天平]]初期にかけて冬至を祝う儀式が一時的に行われており後の朔旦冬至の儀式に影響を与えた可能性はあるが、実際には特に朔旦冬至を意識したものではなかった(神谷正昌「冬至と朔旦冬至」(初出:『日本歴史』630号(2000年)ISBN 978-4-642-02393-1)/所収:神谷『平安宮廷の儀式と天皇』(同成社、2016年) ISBN 978-4-88621-727-1))。</ref>。なお、11月1日は元々翌年の暦を天皇に奏進する[[御暦奏]]も行われていたことから、非常に盛大な行事となった。
ただし、[[破章法]]を採用している暦では19年7閏が守られない場合があり、その場合新しい章の最初に朔旦冬至が到来するとは限らず、逆に章の途中で偶々朔旦冬至が到来してしまう事態(臨時朔旦冬至)も生じた。日本ではこのような状況を放置することは不祥として、暦を人為的に操作して朔旦冬至を到来させたり、回避させたりすること(「[[改暦]]」)が行われた。なお、後には章の最初以外の朔旦冬至も祝われるようになった。なお、[[1768年]]の[[光格天皇]]の時に朔旦冬至の儀式が行われたのが最後であり、次の[[1870年]]の朔旦冬至の際に[[明治政府]]は古い因習として、以後こうした儀式は行わないこととした。
前々回の朔旦冬至は[[1995年]]、前回の朔旦冬至は2年前の[[2014年]]、その次は36年後の[[2052年]]である。
(ただし、2014年の19年後である[[2033年]]が朔旦冬至にならないのは旧暦2033年問題(暦月が決められない)のせいではなく、冬至を含む日と朔を含む日が一致しない(5時間差ながら日を跨いでしまう)ことが原因である。[[旧暦2033年問題]]を参照のこと)
== 七十二候 ==
冬至の期間の[[七十二候]]は以下のとおり。
;初候
:'''乃東生'''(なつかれくさ しょうず) : [[夏枯草]]が芽を出す(日本)
:'''蚯蚓結'''(きゅういん むすぶ) : [[ミミズ|蚯蚓]]が地中で塊となる(中国)
;次候
:'''麋角解'''(びかく げす) : 大[[シカ|鹿]]が角を落とす(日本)
:'''麋角解'''(さわしかの つの おる) : 大鹿が角を落とす(中国)
;末候
:'''雪下出麦'''(ゆきわりて むぎ のびる) : 雪の下で[[ムギ|麦]]が芽を出す(日本)
:'''水泉動'''(すいせん うごく) : 地中で凍った泉が動き始める(中国)
== 前後の節気 ==
[[大雪]] → '''冬至''' → [[小寒]]
== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{Reflist}}
==関連項目==
*[[至点]]
*[[祭天]]
*[[ヤルダー]]
*[[インティ・ライミ]]
*[[オランダ正月|オランダ冬至]]
{{DEFAULTSORT:とうし}}
[[Category:節気]]
[[Category:太陽]]
[[Category:祭]]
[[Category:12月]]
[[Category:旧暦11月]]
[[Category:冬の季語]]
|