「モンゴル国の国際関係」の版間の差分

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===国際社会への参加をめざして===
===「ソ連の桎梏」の消滅===
 
== 現在の外交関係 ==
=== ロシア ===
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=== 反中国感情 ===
ただし、歴史的に何度も中国からの侵攻を受けたモンゴルは、今でも、中国に対する激しい敵対心を抱いており、中国人がモンゴルで襲われるほどである。清朝末期から中華民国期にかけてモンゴル人が珍重するメノウなどで作ったたばこ葉の容器を、無知につけこんだ中国人商人が「マッチ1箱」と交換していったなどの話が、現在も伝えられている。中華民国期には革命軍を称する軍隊などが、モンゴル人の居住地域で略奪を行う例が多かった。そのためモンゴル語には「ガミン(=革命)」が、「野盗」、「山賊」を意味する語彙として残っている<ref>[http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=0721&f=politics_0721_005.shtml Searchina 2009年7月21日 モンゴルの極右勢力が過激な「反中」運動を展開―中国紙]</ref>。

[[南モンゴル]]出身の[[楊海英]]によると、降雨量の少ない[[北アジア]]・[[中央アジア]]では、植皮を失った草原は[[砂漠化]]するため、モンゴル人は大地に[[鋤]]や[[鍬]]を入れることを忌み嫌うが、1960代初頭に[[入植]]してきた漢人は季節に関係なく、手当たり次第に灌木を切り、さらにはモンゴル人の居住地域内でも伐採したため、砂漠化してしまい、モンゴル人は漢人を「草原に疱瘡をもたらす植民者」と呼んできたという<ref name="日刊SPA!"/>。

「娘が中国人と結婚したら一家の恥」との通念が今でも通用しているし、国政選挙でも中国との関係改善の是非が争点になる。モンゴルが[[漢字文化]]を一切受容しなかったのも、モンゴル人が中国人を嫌ったためである。モンゴル人にとって「中国人のようだ」というのは最大の悪口となり、選挙でも「あの候補は家系に中国の血が入っている」というのは最大のスキャンダルとなる。日本人を含めた[[東洋人|東洋系]][[外国人]]が、街頭で「中国人か?」と聞かれることはまずない。中国人は[[蔑称]]であり、喧嘩を売っていることになるからである。通常であれば、「中国生まれのモンゴル人(または韓国人)か?」と聞かれる場合が多い。ただし、日本とはまだ縁遠いため、日本人かと聞かれることは少ない。モンゴル人と中国人との衝突事件、あるいは[[中華料理]]店に対する襲撃事件は、ニュースにもならないほど日常的に起きている。[[学校教育]]で、中国人に敵意を煽る[[教育]]は行われていないが、[[家庭教育]]で敵意を植え付けている場合が多い。モンゴル人の子どもが語る「[[学校の怪談]]」でも、中国人による[[殺人]]事件が頻繁に登場する。現在、中国人が嫌いなモンゴル人は9割、好きなモンゴル人は1割といわれる。[[衣料品]]や、[[家庭電化製品]]は、中国製がほとんどであるが、モンゴル人は、「中国の[[商品]]は構わないが、中国人の[[思想]]が気に食わない」と語る。
 
2005年末、「[[ダヤル・モンゴル運動]](汎モンゴル運動)」と名乗る団体が中国系の[[スーパーマーケット|スーパー]]や[[ホテル]]を襲撃した。中国人や韓国人に対する嫌がらせや脅迫は個別的には起きていたが、集団としては新しい現象だった。現在に到るまで、ダヤル・モンゴル運動等複数の極右団体が中国・韓国系の文化・住民の排斥を訴えている。彼らの主張を支持する層は広範に存在する。例えば、彼らは広告や看板に漢字やハングル文字を使用させず、見つけた場合は看板を取り外し、店を破壊すると宣言している。かつて[[ウランバートル]]には漢字やハングル文字が溢れていたが、今やほとんど存在しない。店主たちは襲撃を避けるために、看板を自主的に塗り替え、それが社会的に容認されている<ref name=Mongol>『[[週刊エコノミスト]]』2007年10月16日 [[前川愛]]「朝青龍問題 ナショナリズム高揚の反映 現代のモンゴルを読み解く」</ref>。
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日本[[外務省]]も海外安全ホームページのモンゴルに関する安全対策基本データで、「歴史的背景から中国人に対するモンゴル人一般の潜在的な感情には複雑なものがあります。街頭で日本人が他の外国人と間違えられてモンゴル人に殴られた事件やトラブルも時折発生しています」と注意を呼び掛けている<ref>[http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pcsafetymeasure.asp?id=019#4]</ref>。
 
[[モンゴル語]]で中国は「ヒャタッド」だが、[[俗語]]では中国人を「ホジャ」という[[蔑称]]で呼ぶという<ref>[http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/5667?page=2 中国とモンゴル:中国を毛嫌いするモンゴル人]JBpress 2011.03.18</ref>。モンゴルの一般市民は、スーパーや商店などで大声で話したり、店員ともめている中国人を見ると、「またホジャ(中国人を見下した呼び方のモンゴル語)が騒いでるよ」と舌打ちすることもしばしばだという<ref name="日刊SPA!">{{Cite news |url=https://nikkan-spa.jp/705426|title=習近平が「中国人嫌い」な“あの国”を訪問した意図とは?|newspaper=[[日刊SPA!]]|publisher=|date=2014-08-29|archiveurl=http://web.archive.org/web/20140829030548/http://nikkan-spa.jp/705426|archivedate=2014-08-29}}</ref>。
 
=== 韓国・北朝鮮 ===