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|title = 岩波生物学事典
|publisher = 岩波書店
|id = ISBN 4-00-080087-6
}}</ref>。
 
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==栄養学等の説明==
{{main|栄養素 (栄養学)}}
 
 
 
==生物学等の説明==
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[[画像:Justus von Liebig.jpg|frame|[[ユストゥス・フォン・リービッヒ]]]]
[[1843年]]にドイツの農芸化学者 [[ユストゥス・フォン・リービッヒ]]は植物の無機栄養説を提唱した際、経験則として最少養分律という法則を提唱した。すなわち、
:「生物(植物)がどれだけ生長できるかは必要な元素のうち最も不足しているものの量で決められる」
というものである。その後マイヤー(A. Meyer)やウォルニー(M. E. Wollny)らの研究により栄養素も含めた、全ての成長因子に関して成り立つことが解明された。一般には壁板の高さが異なる樽から水があふれ出す、「ドベネックの樽」の説明が有名である
<ref>茅野 充男、「最小養分律」、『世界大百科事典』、平凡社、1998年</ref>(記事 [[リービッヒの最小律]]に詳しい)。
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このような「食うか食われるか」の関係以外にも生物が栄養素を得る関係も存在する。たとえば共生生物の産物を栄養素とする[[栄養共生]]がしられており、例えば、マメ科植物と根粒菌との関係があげられる。この[[根粒]]による窒素固定は世界経済に年間100億ドル分の合成窒素肥料を節約させていると推定されている<ref>{{cite journal | author=Fox, JE, Gulledge, J, Engelhaupt, E, Burrow, ME, and McLachlan, JA | title=Pesticides reduce symbiotic efficiency of nitrogen-fixing rhizobia and host plants | journal=[[PNAS|Proceedings of the National Academy of Sciences of the USA]] | year=2007 | volume=104 | pages=10282-10287}}</ref>(記事 [[窒素固定#生物学的窒素固定|窒素固定]]に詳しい)
 
また従属栄養生物で消化共生と呼ばれる関係がしられている。例を挙げるならば[[シロアリ]]類は自らの消化作用ではなく、後腸に生息する[[原生動物]]の超鞭毛虫類(Trichonympha,Trichomonas(Trichonympha, Trichomonasなど)や[[細菌]]が[[木質]]を分解した生産物や腐朽菌が分解した植物質を栄養素として利用している。あるいは草食獣では[[ルーメン|反芻胃]]に生息する細菌や原生動物の[[繊毛虫]]など多種の微生物が食餌に含まれる[[セルロース]]や[[デンプン]]を栄養素として増殖している。これら微生物自体を消化したり代謝産物を利用しているのである。つまり、セルロースの分解産物である炭化水素のみならず代謝によって生産される低級脂肪酸、尿素などの非タンパク質態窒素が同化したタンパク質、あるいは微生物が炭水化物より生成する低級脂肪酸などを栄養素として利用することによりエネルギー源・炭素源のほとんどをまかなっている。さらにビタミン類も微生物類より利用することがしられている<ref name='"CD-ROM岩波生物学事典'">{{Cite book|和書
|author = 八杉龍一ら編
{{Cite book|和書
|author = 八杉龍一ら編
|year = 1988
|title = 岩波生物学事典 第4版CD-ROM版
|publisher = 岩波書店
|id = ISBN
}}</ref><ref>『岩波生物学事典CD-ROM版』の中の特に「消化共生」「栄養交換」の項目< /ref> <ref>森本 桂、「シロアリ(白蟻)」、『世界大百科事典』、平凡社、1998年</ref><ref>佃 弘子、「共生栄養」、『世界大百科事典』、平凡社、1998年</ref>。
}}
</ref>
<ref>『岩波生物学事典CD-ROM版』の中の特に「消化共生」「栄養交換」の項目< /ref> 森本 桂、「シロアリ(白蟻)」、『世界大百科事典』、平凡社、1998年</ref><ref>佃 弘子、「共生栄養」、『世界大百科事典』、平凡社、1998年</ref>。
 
=== 植物と栄養素 ===
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* 佃 弘子、辻 英夫、「栄養素」、『[[世界大百科事典]]』、平凡社、1998年<ref name="世界大百科事典">参照文献:『世界大百科事典』</ref>
* 八杉龍一ら編『岩波生物学事典』第4版、岩波書店、1996年
* 八杉龍一ら編『岩波生物学事典』第4版CD-ROM版、岩波書店、1998年
 
==出典・註==