「トム・ブレイディ」の版間の差分
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'''控訴裁判事ロバート・カッズマン'''
三人の判事の中で唯一、地方裁判所の判決を支持したロバート・カッズマン判事は、選手団とリーグ間で結ばれた労使協定の第46条に着目し、同条項はコミッショナーが罰則を下す場合、その基準を選手側に知らせ、控訴審においては罰則に異議を申し立てる機会を選手に与える必要があると記していることを指摘し、その上で、コミッショナーが控訴審後に出場停止処分の事実的根拠をすり替えたとき("When the Commissioner, acting in his capacity as an arbitrator,changes the factual basis for the disciplinary action after the appeal hearing concludes")、それは協定が定めた、適切な告知の義務を彼が怠り("he undermines the fair notice for which the Association bargained")、選手が告発に対抗する為の機会を奪い("deprives the player of an opportunity to confront the case against him")、ゆえにコミッショナーに与えられた労使協定下での権限を超越することとなる("exceeds his limited authority under the CBA to decide “appeals” of disciplinary decisions.”)と述べ、そこに着目せず、また根拠のすり替えはなかったあるいはあったとしても重大なものではなかった、と判断した多数派判事の見解には同意できないと記した<ref name="Brady Rulling">{{cite web|url=http://a.espncdn.com/pdf/2016/0425/BradyRulingReversed.pdf|title=Brady rulling Reversed|work=ESPN|accessdate=2017-03-22}}控訴裁公式見解全33ページの後、カッズマン判事の反対意見全9ページ中1ページ目</ref>。またより根本的に、コミッショナーが今回の案件に非常に近い前例があるにも関わらずそれを見落とし、ステロイド使用という不適切な例を裁定の根拠に、4試合の出場停止という前例のない決断を下したことに困惑している、と述べた<ref name="Brady Rulling"/>。
カッズマン判事が事実的根拠のすり替えだと指摘したのは、前述のウェルズ・レポートでは、"more probable than not"(全くないというよりは確かなようだ)、"at least generally aware of the inappropriate activities”(少なくとも不正が行なわれていることに気がついていた)、"it was 'unlikely' that McNally and Jastremski deflated the balls without Brady’s 'knowledge,' 'approval,' 'awareness,' and 'consent'(ブレイディの「知識」・「許可」・「認知」・「同意」なしに二人の用具係がボールの空気圧を減圧したとは「考えにくい」)といった表現で結論付けられているにも関わらず、グッデルの最終結論の文面では、"Brady 'knew about, approved of, consented to, and provided inducements and rewards in support of a scheme by which, with Mr. Jastremski’s support, Mr. McNally tampered with the game balls.'(ブレイディは二人の不正を熟知しており、また賛成し、不正に協力する為に二人を勧誘し報酬を与えた)と記されており、二つの文面の結論には看過し難い相違が存在していると述べた<ref>{{cite web|url=http://a.espncdn.com/pdf/2016/0425/BradyRulingReversed.pdf|title=Brady rulling Reversed|work=ESPN|accessdate=2017-03-22}}控訴裁公式見解全33ページの後、カッズマン判事の反対意見全9ページ中3ページ目</ref>。また、判事が本案件に酷使している例として挙げたのが、主にワイドレシーバーがボールをキャッチしやすくなるように「スティッカム」(粘着性物質)を使用する違反行為で、この場合の初犯者に対する罰則は8,268ドルの罰金となっているが、同じようにボールの握りを向上することで不正な競技上のアドバンテージを得たと説明されている今回の空気圧減圧問題で、ブレイディにはこの罰則を遥かに超える裁定が下されたことを、「労使間協定に則るものではなく、コミッショナー自身の企業正義に基づく裁定である」"his decision in the arbitration appeal was based not on his interpretation of the CBA, but on 'his own brand of industrial justice.'"と指摘した<ref>{{cite web|url=http://a.espncdn.com/pdf/2016/0425/BradyRulingReversed.pdf|title=Brady rulling Reversed|work=ESPN|accessdate=2017-03-22}}控訴裁公式見解全33ページの後、カッズマン判事の反対意見全9ページ中8ページ目</ref>。
===その後===
デフレートゲートと名づけられたこの一連の問題が発覚した直後の第49回スーパーボウルにて、ペイトリオッツは接戦の末にシアトル・シーホークスを破り、ブレイディは
リーグはそれまで試合前だけだったボールの空気圧の測定を、試合中・試合後にも実施することを決めたが、その数値を記録したり、公表することはないとしている<ref>{{cite web|url=https://www.bostonglobe.com/sports/2016/02/02/nfl-isn-keeping-psi-data-roger-goodell-says/6uGaE1aHOj91hpIa8FVNSJ/story.html|title=Roger Goodell says PSI data collected as a deterrent|work=Boston Globe|accessdate=2017-03-22}}</ref>。裁判所の争点は前述の通り、労使協定に則った裁定であったかどうかに絞られていたため、結局のところ不正があったのかどうか、あったとしてブレイディはそれに関与していたのかどうか、ボールの空気圧は試合中に変化するのかしないのかといった問題に関しては、解明されないままでいる。
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