「排気再循環」の版間の差分
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[[File:EGR Renault Energy dCi 130.JPG|thumb|right|[[:en:Renault R-Type engine|ルノー・R9M型エンジン]]の外部LPL-EGRシステム。下部から順に、EGRクーラ、EGRバルブ、吸気ダクト(コンプレッサ前)]]
[[File:EGR Volkswagen 2.0 TDI.JPG|thumb|right|[[:en:List of Volkswagen Group diesel engines|フォルクスワーゲン・2.0TDIエンジン]]の外部LPL-EGRシステム。下部がEGRバルブ・クーラ。上部が吸気ダクト(コンプレッサ前)]]
実用化されているEGR手法には、大きく分けて「内部EGR」と「外部EGR」の2つに分類される。前者は、[[バルブオーバーラップ]]や吸
=== 内部EGR ===
{{seealso|バルブオーバーラップ}}
内部EGRは、バルブオーバーラップの利用や排気バルブの閉時期を調整する事で排気ガスを再循環させる手法である。もっとも多く用いられるのはバルブオーバーラップの利用で吸排気ポートの圧力差により排気ガスを再循環する方法である。しかし圧力差は不安定であるためEGRの制御には限度がある。オーバーラップ以外の手法としては、排気バルブの閉弁を吸気工程途中まで遅らせる事で排気ポートからの再導入(排気遅閉じ・吸気遅開き)、排気工程で吸気バルブを早期に開弁する事で吸気ポートに排ガスを逆流させての再吸気、吸気工程で排気バルブの一時開弁、排気バルブを排気工程途中で閉弁し排気ガスを残留させる、など多岐にわたる。この中で多く用いられているのは排気遅閉じ・吸気遅開きである(後述)。
排ガス清浄性ではNOx低減もあるが外部EGRに比べると[[炭化水素|炭化水素(HC)]]低減への効果が大きいとされる。これは内部EGRで再導入される排気工程末期の排気ガスには、消炎領域で発生する未燃焼ガス(HC)が多く含まれる為で、それを再燃焼させることでHCが低減されるためである。
古くよりバルブオーバーラップを広くとった場合に一定負荷領域での省燃費性(主にポンピングロス低減から)や排ガス清浄性が良好となる事は知られておりEGRとしての利用は考えられていたが、固定バルブタイミングでは変動する負荷や回転数に対応出来ず限定的な利用に留まっていた。しかし[[可変バルブタイミング機構|可変バルブ機構]]の登場により[[バルブタイミング]]の可変する事でオーバーラップ量や排気の閉弁時期を変化させる事が可能となり内部EGRを状況に合わせて利用出来るようになった。これが可変バルブタイミング機構を採用する理由の一つともなっている。特に吸気側に加え排気側にも可変バルブタイミングを採用した場合は、より積極的な排気の導入が可能となる。例えば排気カムを遅角する事で吸気工程の途中まで排気バルブを開いておく事も可能であり、更に吸気カムも遅角し遅開きとする事でオーバーラップを最小限にしつつEGRを行う事も可能である。この手法はカム位相が吸排気同時に変化してしまうOHVやSOHCでも利用できる。内部EGRに対しては吸気側より排気側の制御が有効なため一部ではあるが排気側のみを可変バルブタイミングとするケースもあり、排気側を可変バルブタイミングとする事で外部EGR装置を省くケースもある。
一方で、外部EGRに比べ、ガス量の制御性や導入量では劣り、導入ガスの温度も高いというデメリットが存在する。この温度が高いというのは外部EGRとの比較した場合の導入ガスの温度であり燃焼温度はEGR未導入と比較すると低い。これにより[[6ストローク機関]]の競技用エンジンでは、これでエンジン温度の低下を防いでいる。
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