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'''サラミス'''('''SALAMIS''')は、『[[ガンダムシリーズ一覧|ガンダムシリーズ]]』のうち、[[宇宙世紀]]を舞台にした作品に登場する架空の兵器。「'''サラミス級'''」とクラス名になったのは『[[モビルスーツバリエーション]]』の文字設定より<ref>『講談社ポケット百科シリーズ33 機動戦士ガンダム モビルスーツバリエーション2 ジオン軍MS・MA編』講談社、1984年4月、168頁。ただし『機動戦士ガンダム超百科』立風書房、1980年3月、66頁では既に「サラミス」をサラミス・タイプの1番艦としている。</ref>。
作中の主人公側の勢力である[[地球連邦軍]]が運用する宇宙[[巡洋艦]]で、[[一年戦争
本項目では改修型のほか、同名艦「[[#サラミス級宇宙警備艇|'''サラミス級宇宙警備艇''']]」についても記述する。
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|搭載数=[[モビルスーツ|MS]]×4<ref name="fcs" />
}}
宇宙世紀0070年代の軍備増強計画によって、[[マゼラン (ガンダムシリーズ)#マゼラン級|マゼラン級宇宙戦艦]]と共に大量建造された主力艦艇<ref>書籍『機動戦士ガンダム MS IGLOO <small>Mission Complete</small>』27頁より。</ref>。[[大艦巨砲主義]]の性格が色濃いマゼラン級にくらべ、速射性能の高い中口径単装[[ミノフスキー粒子#ビーム兵器|メガ粒子砲]]とファランクスシステムによって制御される対宙ミサイルにより、汎用戦闘艦としての優れたポテンシャルを持つ。艦底に大気圏突入カプセルを繋留する姿も見られた(テレビ版第5話)。一年戦争より前は恐れられたが、電波を利用した精密誘導に頼るこれらの装備は[[ミノフスキー粒子]]によって無効化され、苦しい近接防空戦闘を恒常的に強いられることになる。しかしソロモン攻略戦ではマゼラン級戦艦とともに強大な火力を生かして[[グワジン#グワラン|グワラン]]艦隊を撃退するほか、弾かれこそするもののビグ・ザムに対して長距離からのメガ粒子砲をかなりの密度で命中させるなど、本領と言える攻撃力の高さを見せる場面もある。
なお、メガ粒子砲を単装で艦体各所に装備しているため、[[ムサイ
後期型は[[一年戦争#ルウム戦役|ルウム戦役]]の敗北後に、[[ビンソン計画]]によって大量に建造される。建造は主に地球上で行われ、ブースターを装着して直接宇宙へと打ち上げられた<ref>OVA『MS IGLOO -黙示録0079-』第1話より。</ref>。打ち上げ時は無防備となるため、敵の攻撃に備えてフレアを散布することもできる。当初[[モビルスーツ]]の搭載能力はなかったが、一年戦争末期に登場した後期型では艦内部にモビルスーツデッキを増設し、艦底部に設けたハッチからジムを投下することが可能となった。また、それに加えて上下の甲板にモビルスーツを露天繋止し一斉発進する処置も採られた。この方式には整備等の難はあるが、本来の運用定数以上のモビルスーツを戦場に投入できるメリットがある。このタイプでは上甲板の単装メガ粒子砲塔を撤去しているのが特徴である<ref>書籍『機動戦士ガンダム MS IGLOO <small>Mission Complete</small>』77頁より。</ref>。船体下部の巨大な放熱板は、搭載MSの機体冷却にも有用であった。
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=== 劇中での活躍 ===
テレビ版『機動戦士ガンダム』第1話オープニングで初登場、ジオン艦隊の艦砲斉射でコロニーと共に破壊された(艦名不明。緑色塗装)。テレビ版第4話で同型艦「マダガスカル」が登場し、第5話で「'''サラミス'''」の名称が明らかとなる。テレビ版第35話で再登場し、マゼラン級戦艦や[[ホワイトベース]]と共に宇宙要塞[[ソロモン (ガンダムシリーズ)|ソロモン攻略戦]]に参加した。[[一年戦争#チェンバロ作戦(ソロモン攻略戦)|ソロモンの攻略]]には成功したが、[[ビグ・ザム]]の反撃で多数の本級が轟沈した。テレビ版第40話では[[ニュータイプ]]用[[モビルアーマー]][[エルメス (ガンダムシリーズ)|エルメス]]に集中砲火を浴びせ、操縦者[[ララァ・スン]]の集中力を拡散させて[[オールレンジ攻撃]]を阻止する。しかし[[ゲルググ#先行量産型ゲルググ|シャア専用ゲルググ]]の参戦でエルメスは本来の調子を取り戻し、サラミスは撃沈された。
テレビ版第42話、43話のア・バオア・クーの戦いでも、ジオン軍守備隊の抵抗や[[ジオング]]の圧倒的性能、[[ジオン公国の艦船及びその他の兵器#衛星ミサイル|衛星ミサイル]]によって無数のサラミス級が沈んだ。それでも本級は[[ジオン公国の艦船及びその他の兵器#ドロス|ドロス級空母]]の撃沈に貢献し、連邦軍の攻勢を支え続けた。[[グワジン]]級戦艦に体当たりして双方とも轟沈する描写がある。最終局面では、脱出しようとする[[ザビ家#キシリア・ザビ|キシリア・ザビ]]が乗る[[ザンジバル (ガンダムシリーズ)|ザンジバル級]]機動巡洋艦を砲撃、撃沈する殊勲もあげている<ref>劇場版のみ。テレビ版ではマゼラン級戦艦の砲撃による。</ref>。
[[OVA]]『[[機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争]]』では、劇中描写こそないもののサイド6近郊にいた[[機動戦士ガンダム 戦略戦術大図鑑の登場人物#マイーア・パゾク|マイーア・パゾク]]中佐指揮するサラミス級二隻が[[ジオン公国の艦船及びその他の兵器#チベ級ティベ型|チベ級ティベ型]]一隻と[[ムサイ#最終生産型|ムサイ級最終生産型]]二隻からなるジオン艦隊を発見し、コロニーの残骸を利用するなどして数の不利を補い、僚艦一隻を失いつつもジオン艦隊の一隻を沈め、投降させた。これによりジオン艦隊が狙っていたコロニーへの核攻撃を阻止している。
OVA『[[機動戦士ガンダム MS IGLOO]]』では、従来の作品での描写とは大きく異なり、宇宙空間で素早い動きで航行して戦闘を行う様に描かれている。本作を視聴した[[庵野秀明]]は艦艇の動きに重量感が足りないと指摘したが、話数を重ねると共に改善されたとも述べている<ref>[http://www.msigloo.net/ MS IGLOO 公式サイト]「スペシャル-インタビュー-庵野秀明」</ref>。『MS IGLOO -1年戦争秘録-』第1話冒頭では、2隻の本級がムサイ級軽巡洋艦1隻と交戦。[[ジオン公国の艦船及びその他の兵器#パプア|パプア級]]1隻を撃沈するも、サラミス1隻が撃沈され、1隻が中破して撤退した。後半のルウム戦役ではマゼラン級戦艦と共に大艦隊を形成し、ムサイ主体のジオン軍宇宙艦隊を圧倒した。しかしジオン軍が[[ザクII]]を投入すると逆に圧倒され、[[ザクII#指揮官用ザクII|シャア専用ザク]]によって少なくとも1隻が撃沈された。本シリーズではその後も多数のサラミス級巡洋艦が登場するが、捕虜となった味方もろとも敵機を撃墜するなど、悪役としての描写が目立った。
OVA『[[機動戦士ガンダム MS IGLOO#機動戦士ガンダム MS IGLOO 2 重力戦線|機動戦士ガンダム MS IGLOO 2 重力戦線]]』第1話冒頭(0079年3月1日)では、ジオン軍地球降下作戦を阻止すべく3隻のサラミス級巡洋艦が突撃を敢行した。だがムサイ級軽巡洋艦3隻に迎撃され、サラミス1隻が撃沈、サラミス2隻が損傷し、阻止作戦も失敗した。
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:ルナツー基地所属のサラミス級。艦長は[[機動戦士ガンダムの登場人物 地球連邦軍#リード|リード]]中尉。同基地より大気圏突入へ臨むホワイトベースの護衛として随伴した。リードはサラミスが搭載した大気圏突入カプセルに乗り、ホワイトベースを先導する任務についた。その後のマダガスカルは[[機動戦士ガンダムの登場人物 地球連邦軍#カミラ|カミラ]]少尉が指揮を執り、ルナツーに帰還している。
;サフラン
:第一連合艦隊の第十二分隊に所属。[[一年戦争#ソーラ・レイ照射|ソーラ・レイの照射]]により、十二分隊で唯一生き残った。
:小説版ではルナツー基地に所属。マゼラン級戦艦ハルを旗艦とする第十三独立戦隊(司令官:[[機動戦士ガンダムの登場人物 地球連邦軍#ワッケイン|ワッケイン]]大佐)に所属し、テキサスコロニー近郊の戦いに参戦。テキサスコロニー内部で撃沈したペガサス、ザンジバルから脱出した乗組員を救助した。
;シスコ
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:開戦初頭のブリティッシュ作戦による奇襲攻撃を生き延び、コロニーに毒ガスを流し込みコロニー落としを目論むジオン軍に対して単艦で攻撃をかけた。主人公フレデリック・ブラウンの所属するザク中隊と交戦し、猛烈な対空攻撃で少なくとも二機のザクを撃破したが、突破した複数のザクによって沈められた。
;ハンプトン
:宇宙世紀0081年、小惑星帯機動艦隊9番艦として、[[ジオン公国]]残党が潜む[[アクシズ#小惑星アクシズ|小惑星
;マリアナ
:ソロモン攻略戦に参加。同艦所属の第120ジム中隊の一員に[[ガンダム・センチネル#ニューディサイズ (ND)|トッシュ・クレイ]]がいた<ref>雑誌企画『[[ガンダム・センチネル]]』より。</ref>。
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=== 劇中での活躍(0083版) ===
『0083』第5話冒頭で初登場。宇宙へ脱出した[[アナベル・ガトー]]と[[ガンダム開発計画#ガンダム試作2号機(サイサリス)|ガンダム試作2号機]]を捕捉すべく地球軌道上から3隻投入されるが、ガンダム2号機を収容するために地球軌道へ侵入した[[ムサイ#後期生産型|ムサイ級巡洋艦後期生産型]]艦2隻(そのうち1隻は「[[ムサイ#ペールギュント|ペールギュント]]」)の反撃を受け、砲戦となる。[[ジオン公国の機動兵器#ドラッツェ|ドラッツェ]]6機と連携したムサイ2隻の砲撃により、サラミス改は全艦撃沈された。
本級は[[デラーズ紛争]]全編を通じて翻弄され続けた。コンペイ島を警備中の本級はガンダム試作2号機を捕捉して迎撃するも撃墜に失敗し、[[デラーズ紛争#観艦式襲撃|核攻撃]]を許した。これにより、観艦式に参加していた再建したばかりの連邦軍宇宙艦隊は2/3が消滅あるいは大破した。さらに、追撃部隊に所属していた本級はアクシズ製最新モビルアーマーの[[ノイエ・ジール]]によって、次々に撃沈されていった。最終話では、数々の激戦と[[ソーラ・システム (ガンダムシリーズ)#デラーズ紛争|ソーラ・システムII]]の照射で満身創痍になっていたノイエ・ジールへ大量のミサイルを浴びせてガトーを特攻に追い込むが、スペースコロニーはすでに地球へ落ちた後だった。
=== 同型艦(0083版) ===
; ユイリン
: 『0083』第5話中盤で、ナッシュビルと共に登場。[[デラーズ紛争#アルビオン、宇宙へ移動|奪取されたガンダム試作2号機を追う]]強襲揚陸艦[[アルビオン (ガンダムシリーズ)|アルビオン]]と合流した。ほどなくして、デラーズ・フリートに合流したばかりの[[シーマ・ガラハウ#シーマ艦隊|シーマ艦隊]]に襲われる。
; ナッシュビル
: ユイリンと共にアルビオンと合流したサラミス改級巡洋艦。リリー・マルレーンとの遭遇戦の最中、アルビオンMS隊を突破してきた[[シーマ・ガラハウ]]中佐と部下の[[ゲルググ#ゲルググM|ゲルググ・マリーネ]]に襲われる。本艦は[[ゲルググ#ゲルググM(指揮官用)|シーマ機]]に取り付かれ、艦橋を大型ビームライフルで撃たれる。ビームが融合炉の誘爆を招き、轟沈した。
; サウスダコタ
: 同級艦5隻により編成された巡洋艦戦隊の旗艦。当戦隊は余分の推進剤を偶々増載していたためデラーズフリート追撃戦にて高速航行で追撃を続け、月-地球上の中間空域で敵を主砲射程内に収める寸前に至る。しかし、砲戦開始直前にノイエ・ジールの攻撃を受け艦橋を大破、次いで反応炉が爆発して轟沈。なお、直後に周囲で輪形陣を組んでいた4隻も撃沈された<ref name="0083下">小説『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』下巻より。</ref>。
; モンテレー
: 宇宙世紀0083年、第六外周艦隊旗艦としてコンペイ島より離れた距離を航行していたため核攻撃による損害を受けなかった戦艦[[マゼラン (ガンダムシリーズ)#マゼラン改(0083版)|ツーロン]]他とともにデラーズ・フリートに奪取されたコロニーを追撃するが、推力低下により戦列を離れる<ref>OVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』第11話より。</ref>。
; マダガスカル
: 本作ではサラミス改として登場。第一軌道艦隊臨時旗艦として[[バスク・オム]]が座乗した。デラーズ・フリートとの乱戦下に於いても撃沈を免れ、終盤には撃沈されたソーラーシステムIIコントロール艦に代わって第2撃を制御、先鋒隊の味方ごと焦点周辺のデラーズフリート部隊を薙ぎ払う非道ぶりを発揮した<ref name="0083下"/>。
== サラミス改(Ζガンダム版) ==
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: [[宇宙世紀の施設と地名#ルナツー|ルナツー]]駐留艦隊や、[[ロンド・ベル]]の援軍として駆けつけた八八艦隊などで同型艦が登場する。
; 『[[機動戦士ガンダムF91]]』
: 宇宙世紀123年に[[サイド_(ガンダムシリーズ)#サイド5(ルウム)→新サイド4(フロンティア)|フロンティア
; 『[[機動戦士Vガンダム]]』
: [[ミノフスキー粒子#ミノフスキークラフト|ミノフスキークラフト]]が装備され、[[クラップ#リーンホース|リーンホース]]離水時に牽引や、ムバラク艦隊所属艦として[[大気圏]]内及び[[成層圏]]での戦闘に参加した。ムバラク艦隊所属艦は連邦軍標準色だが、[[リガ・ミリティア]]のバグレ隊所属艦隊は土色に塗装されている。
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