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=== その他 ===
* [[国際法]]が専門の東京大学教授[[大沼保昭]]は、請求権協定2条の解釈について、これまでの国際法の一般的解釈からすると個々の国民の権利や利益に関わるものを含めて全ての問題が包括的に解決されたと解釈でき、日本政府だけでなく、かつての韓国政府や、米国の政府及び裁判所も同じ立場だったとする。また、[[日本統治時代の朝鮮人徴用|徴用工]]に関する2010年代の一連の韓国裁判所の判断については、人権への考慮が他の価値とそれに関わる判断への考慮に優越して扱われるという流れに沿ったものではあるが、このような流れが拡大していくとそもそも国家間で条約を締結して問題を解決する意義が揺らいでしまうと指摘している<ref>大沼保昭、江川紹子著「「歴史認識」とは何かーー対立の構図を超えて」(中央公論社、2015年)、kindle841-870</ref>。
 
* 国際法学者で[[立命館大学|立命館大]]名誉教授の[[山手治之]]は、外交上の保護権が失われた場合の司法救済の可否について、かつての日本政府の見解を前提とすれば韓国における司法的救済の可否は韓国の国内法の問題となる<ref>山手治之「日韓請求権協定2条の解釈について(1)「[https://kyotogakuen.repo.nii.ac.jp/index.php?action=pages_view_main&active_action=repository_action_common_download&item_id=732&item_no=1&attribute_id=19&file_no=1&page_id=13&block_id=21]</ref>としている。
また、前大阪府知事・前大阪市市長の[[橋下徹]]弁護士は上記のような問題点を指摘した上で、結論としては日韓請求権協定によってもはや個人請求権は認められないとの考えを明らかにしている<ref>プレジデントオンライン「橋下徹"徴用工問題、日本が負けるリスク"「法的ケンカ」の準備はあるか」[https://president.jp/articles/-/26658]</ref>。
 
* 元大学教授で歴史家の[[秦郁彦]]は、この判決について「協定上、賠償金を支払う義務は全くない。日本政府は経済政策の中で揺さぶりをかけ、韓国内での問題解決を迫るべきだ」「痛みを伴わずに問題を解決させる妙案はない。現状では日本企業側が命じられた賠償は高額でなく、韓国内の資産差し押さえがあっても影響は限定的といえるため、企業側にも『我慢』が求められる。個人請求権をなし崩しに認めてしまえば同様に請求権放棄が確認されている中国でも問題が再燃しかねない」と主張した<ref name="sank2013818">産経新聞2013.8.18.</ref>。
国際法学者で[[立命館大学|立命館大]]名誉教授の[[山手治之]]は、外交上の保護権が失われた場合の司法救済の可否について、かつての日本政府の見解を前提とすれば韓国における司法的救済の可否は韓国の国内法の問題となる<ref>山手治之「日韓請求権協定2条の解釈について(1)「[https://kyotogakuen.repo.nii.ac.jp/index.php?action=pages_view_main&active_action=repository_action_common_download&item_id=732&item_no=1&attribute_id=19&file_no=1&page_id=13&block_id=21]</ref>としている。
 
* [[神戸大学]]大学院教授でアジア学術総合センター長の[[木村幹]]は「韓国で請求権協定が無視される事態が続けば、両国間の戦後処理が全般的に崩壊するだろう。政府間の対話で解決できる段階は過ぎた。協定は解釈上の問題が生じた場合に仲裁機関を設置すると定めており、これを韓国側に提案し解決にあたるべきだ。国際法の専門家が精査すれば、今回の判決に問題が多いことは十分に理解されるはず。韓国内での政治情勢などに絡んで解決がさらに先延ばしにされる恐れもあり、日本側からの積極的な働きかけが必要だ」とのべた<ref name="sank2013818" />。
元大学教授で歴史家の[[秦郁彦]]は、この判決について「協定上、賠償金を支払う義務は全くない。日本政府は経済政策の中で揺さぶりをかけ、韓国内での問題解決を迫るべきだ」「痛みを伴わずに問題を解決させる妙案はない。現状では日本企業側が命じられた賠償は高額でなく、韓国内の資産差し押さえがあっても影響は限定的といえるため、企業側にも『我慢』が求められる。個人請求権をなし崩しに認めてしまえば同様に請求権放棄が確認されている中国でも問題が再燃しかねない」と主張した<ref name="sank2013818">産経新聞2013.8.18.</ref>。
 
また、* 前大阪府知事・前大阪市市長の[[橋下徹]]弁護士は上記のような問題点を指摘した上で、結論としては日韓請求権協定によってもはや個人請求権は認められないとの考えを明らかにしている<ref>プレジデントオンライン「橋下徹"徴用工問題、日本が負けるリスク"「法的ケンカ」の準備はあるか」[https://president.jp/articles/-/26658]</ref>。
[[神戸大学]]大学院教授でアジア学術総合センター長の[[木村幹]]は「韓国で請求権協定が無視される事態が続けば、両国間の戦後処理が全般的に崩壊するだろう。政府間の対話で解決できる段階は過ぎた。協定は解釈上の問題が生じた場合に仲裁機関を設置すると定めており、これを韓国側に提案し解決にあたるべきだ。国際法の専門家が精査すれば、今回の判決に問題が多いことは十分に理解されるはず。韓国内での政治情勢などに絡んで解決がさらに先延ばしにされる恐れもあり、日本側からの積極的な働きかけが必要だ」とのべた<ref name="sank2013818" />。
 
== 脚注 ==