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=== エピソード===
*自身の境遇について、作家としての素材を豊富に持つと自負していた。実際、多くの作品において言及される異父兄の自死、『岬』『枯木灘』『地の果て至上の時』に描かれる複雑きわまる血縁関係<ref>犯罪者宣言及びわが母系一族 昭和44年4月 「文藝首都 」『中上健次電子全集4』所収</ref><ref>又三郎『風景の向こうへ』所収</ref>、『蝸牛』『岬』で取り上げられた姻戚の間で生じた殺人事件<ref>『エレクトラ 中上健次の生涯』高山文彦</ref>、『千年の愉楽』『奇蹟』において狂言まわしとなる産婆オリュウノオバ<ref>異界にて 『オン・ザ・ボーダー』所収</ref>や『奇蹟』において非業の死を遂げる主人公のヤクザ者タイチ<ref>問いという大岩 『熊野集』文庫版所収</ref>の存在等は事実をもとにしている。
*自身の親族に関すること以外で、中上の創作のインスピレーションとなったものとして大きなものは、現実に起きた三面記事に記載されるような犯罪事件である。{{Refnest|group="注釈"| エッセイ「夢の力」(『夢の力』所収)において彼はこう述べる。「他人事とは思えないという三面記事はある 」「新聞記事がことごとく怪異譚や説話に見えてくる」「どの男でもこのような情態になれば 、こんな風にしてしまうのではないか 。男の見る悪い夢が 、この現実にふっと顕在化した 、という奇妙に強い力」「小説のリアリティーとはその夢の力ではないだろうか 、いやリアリティ ーと文学言葉を使うのではなく 、小説を書いたり読んだりする楽しさ 、醍醐味である 」}} である。小説『蛇淫』の主人公の青年による親殺し<ref>夢の力『夢の力』所収</ref>、『地の果て至上の時』の新興宗教の儀式により親族内で生じた死体遺棄<ref>新宮『紀州 木の国・根の国物語』所収</ref>、『火まつり』で描かれる猟銃による一家全員殺害<ref>桜川『熊野集』所収</ref>は現実の事件を参考にしている。
*無名時代は肉体労働のかたわら、作家としての成功後も喫茶店などを書斎代わりにして、執筆をおこなった中上が、原稿用紙のかわりに、持ち運びの容易な集計用紙をもちいて執筆をおこなっていたことはよく知られている。中上によると集計用紙一枚が、原稿用紙五枚から七枚の分量に相当するという。<ref>私の文章修行『夢の力』所収</ref>
*中上は酒豪として名を馳せた。酒乱の気味もあったようで酔って暴れることもあったという。酒乱のエピソードはエッセイで自嘲的に綴られたり、私小説的な作品(『火宅』『楽土』など)に題材として取り入れられた。西新宿に仕事場を構え、ゴールデン街や新宿二丁目の[[文壇バー]]などに足繁く通った。夜の新宿の盛り場は、後期の作品『讃歌』『軽蔑』の舞台になっている。<ref>酒一筋に魅せられて『鳥のように獣のように』所収</ref><ref>深夜の酒宴 新人賞ナシ『バッファロー・ソルジャー』所収</ref><ref>オイディプス王の不安『バッファロー・ソルジャー』所収</ref><ref>中上健次と新宿 今井亮一『kotoba 2016冬号 特集 中上健次ふたたび、熊野へ』所収</ref>