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全区間が東日本旅客鉄道(JR東日本)により運営されているが、整備新幹線として建設された区間は[[鉄道建設・運輸施設整備支援機構]]が鉄道施設を保有している。
寒冷な積雪地域を高速走行するため、車両および地上設備に冬季対策が施されている。また、開業以来高速化が図られ、2013年のダイヤ改正時より
日本最長の鉄道路線([[営業キロ]]713.7 km、実キロ674.9 km)であり、線内の[[白石蔵王駅]] - [[仙台駅]]間にある 25.7 km の直線区間は、日本最長の線路の直線区間である<ref group="注">日本最長の鉄道直線区間である[[室蘭本線]]の[[白老駅]] - [[沼ノ端駅]]間 28.736 km には、途中の[[鉄道駅|駅]]構内に[[分岐器]]などによる曲線部分が含まれる。</ref>。
<!-- 細かな歴史は
[[日本の鉄道ラインカラー一覧#新幹線|ラインカラー]]は[[緑]]({{color|#008000|■}})<ref group="注">ただし、[[東京駅|東京]]、[[上野駅|上野]]、[[大宮駅 (埼玉県)|大宮]]の3駅では誤乗防止のため、発車標で6方面(東北・[[山形新幹線|山形]]・[[秋田新幹線|秋田]]・[[北海道新幹線|北海道]]・[[上越新幹線|上越]]・[[北陸新幹線|北陸]])を識別する色を独自に用いており、東北新幹線内のみで完結する列車は緑({{color|#41934c|■}})を、北海道新幹線に直通する列車は[[新函館北斗駅|新函館北斗]]方面のみ[[黄緑]]({{color|#9ACD32|■}})をそれぞれ採用している。なお、フルカラーLED式の行先表示器を採用する車両([[新幹線E3系電車#2000番台|E3系2000番台]]、[[新幹線E2系電車|E2系1000番台]]J70番台編成、[[新幹線E5系電車|E5系]]、[[新幹線E6系電車|E6系]]、[[新幹線E7系・W7系電車|E7系]]、ならびに[[北海道旅客鉄道|JR北海道]]所有の[[新幹線E5系電車|H5系]]、[[西日本旅客鉄道|JR西日本]]所有の[[新幹線E7系・W7系電車|W7系]])では北海道新幹線に直通する列車においても前者の色で種別を表示し、行先表示器の列車名もこれらの路線色で表示される。なお、「緑」はJR東日本のコーポレートカラーでもあるため、[[駅名標]]では行先方向の色と一体になっている。</ref>。
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* 路線距離:東京駅 - 新青森駅間(実キロ)674.9 [[キロメートル|km]]([[営業キロ]]は713.7 km)
* [[軌間]]:1,435 [[ミリメートル|mm]]([[標準軌]])
* [[鉄道駅|駅]]数:23(起終点駅含む、このうち東北新幹線単独駅は6駅<!-- 八戸駅は八戸線があるため含ま
* [[信号場]]数:1
* [[複線]]区間:全線
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* 一ノ関駅 - 新青森駅間:[[東日本旅客鉄道盛岡支社|盛岡支社]]
かつてJR東日本の新幹線では、全体の運行管理業務を本社内の新幹線運行本部が統括する一方、[[保線]]管理や駅営業業務等の現業機関については地方支社が新幹線と[[在来線]]の双方を一体管理する組織体系を採っていたが<ref group="注">現在この組織体系を取っているのは[[西日本旅客鉄道]](JR西日本)の[[北陸新幹線]]([[上越妙高駅]] - [[金沢駅]]間)、北陸地域の在来線を一体管理している同社[[西日本旅客鉄道金沢支社|金沢支社]]である。[[東海旅客鉄道]](JR東海)の[[東海道新幹線]]は同社[[東海旅客鉄道新幹線鉄道事業本部|新幹線鉄道事業本部]]が在来線とは分離して独立管理している。同様にJR西日本の[[山陽新幹線]]は同社[[西日本旅客鉄道新幹線鉄道事業本部|新幹線鉄道事業本部]]が、[[九州旅客鉄道]](JR九州)の[[九州新幹線 (鹿児島ルート)|九州新幹線]]は同社[[九州旅客鉄道新幹線部|新幹線部]]<!--、[[北海道旅客鉄道]](JR北海道)の[[北海道新幹線]]は同社新幹線統括部-->が独立管理する</ref>、新幹線統括本部の発足により、各支社は新幹線において駅の施設管理・営業業務
== 駅一覧 ==
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|}
途中駅のうち大宮駅・仙台駅・盛岡駅には全列車が停車する<ref group="注">[[2002年]]11月30日までは一部の「[[やまびこ (列車)|やまびこ]]」と「[[つばさ (列車)|つばさ]]」が、[[2009年]]3月13日までは一部の「[[はやて (列車)|はやて]]」と「[[こまち (列車)|こまち]]」が[[大宮駅 (埼玉県)|大宮駅]]を通過していた。</ref>。東京駅 - 盛岡駅間における各駅の[[プラットホーム]]はフル規格16両編成対応(約400 m)だが、いわて沼宮内駅 - 八戸駅間はフル規格12両編成(約300 m)、七戸十和田駅以北はフル規格10両編成(約250 m)までしか対応していないため、
福島駅の[[山形新幹線]]発着ホームは(東京方面から新青森方面に向かって一番左側にある)14番線1本のみとなっているため「[[つばさ (列車)|つばさ]]」の上下同時発着はできず、かつ[[多層建て列車|分割・併合]]相手となる「[[やまびこ (列車)|やまびこ]]」は上り(東京行き)の場合、当駅前後で下り本線と2度[[平面交差]]することとなり、[[ダイヤグラム|ダイヤ]]作成上のネックとなっている。
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盛岡駅の秋田新幹線ホームは外側の11番線(上り)および14番線(下り)を用いる(外側線と内側線とでは[[信号保安]]装置が異なるため「こまち」と「[[はやぶさ (新幹線)|はやぶさ]]」の分割・併合は外側線のみで可能)。このため上り「こまち」は当駅構内北側で東北新幹線下り本線と平面交差する。
盛岡駅以北は沿線人口および利用客が少ないため、建設費削減の観点からホームを17両対応にする必要は無しと判断された。現在当該区間を運行する「はやぶさ」・「[[はやて (列車)|はやて]]」は10両編成のみであるが、[[2002年]]開業の盛岡駅 - 八戸駅間
八戸駅を除く盛岡駅以北の途中駅および
=== 駅名標 ===
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<!-- 車両は後段にあります-->
{{Main2|東京駅 - 大宮駅間のみ当路線を経由する上越新幹線・北陸新幹線の列車については、「[[上越新幹線#運行形態|上越新幹線]]」および「[[北陸新幹線#運行形態|北陸新幹線]]」を}}
東京から仙台・盛岡・新青森および北海道新幹線の[[新函館北斗駅|新函館北斗]]方面にはおおむね1時間に1本の割合で運転されており、さらに那須塩原・郡山・仙台方面への区間列車が運転されている。停車駅
=== ダイヤパターンと停車駅 ===
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* '''[[やまびこ (列車)|やまびこ]]'''
** 東京駅 - 盛岡駅間:定期列車は40 - 60号
** 東京駅 - 仙台駅間:定期列車は122 - 159号(一部を除き東京駅 - 福島駅間「つばさ」併結)、201 - 223号(途中駅通過駅タイプと各駅停車タイプ
** 仙台駅 - 盛岡駅間:94・97号・99号(土休日運休)
** 那須塩原駅・郡山駅 - 仙台駅間:290・291・293号(土休日運休)
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開業当初は[[東海道新幹線|東海道]]・[[山陽新幹線]]にならって、「[[ひかり (列車)|ひかり]]」に相当する速達タイプを「やまびこ」、「[[こだま (列車)|こだま]]」に相当する各駅停車タイプを「[[やまびこ (列車)#新幹線「やまびこ」|あおば]]」としていた。<!--(編集される方へ:[[あおば]]は他の意味もあるため曖昧さ回避ページになっています。また[[あおば (列車)]]は北上線を走っていた列車との曖昧さ回避ページになっています)-->
しかし、東北・上越両新幹線の列車名を運行区間別とする愛称の再編が行われ
その後[[2002年]]12月1日の盛岡駅 - 八戸駅間延長開業時のダイヤ改正からは主に東京駅 - 八戸駅間を運行する最速達列車として「はやて」が新設され、八戸駅 - 新青森駅間延伸開業後の2011年3月5日からは「はやて」に代わる東京駅 - 新青森駅間の最速達列車として「はやぶさ」が新設された。現在はE5系の増備により「はやて」のほとんどが「はやぶさ」に置き換えられたが、盛岡駅以北のみを運行する区間列車
このように現在はおおむね行き先別に列車愛称が付されているが、東京駅 - 郡山駅 - 仙台駅の区間では最速達が「はやぶさ」、<!--「はやて」は当該区間では運行されていないのでコメントアウト-->準速達が「やまびこ」、各駅停車が「なすの」というように速度別の要素も含まれている。
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北海道新幹線開業前は、仙台駅 - 新青森駅間運行の1往復のみ普通車[[自由席]]が設定されていたが、2016年3月26日の北海道新幹線開業後は、これを延長した仙台駅 - 新函館北斗駅間運行の1往復も含め全列車が全車指定席となった<ref group="報道" name="jreast-morioka1450417169_1">{{Cite press release |title=2016年3月ダイヤ改正 |publisher=東日本旅客鉄道盛岡支社 |date=2015-12-18 |url=http://www.jr-morioka.com/cgi-bin/pdf/press/pdf_1450417169_1.pdf |format=PDF |accessdate=2015-12-26 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20160109042406/http://www.jr-morioka.com:80/cgi-bin/pdf/press/pdf_1450417169_1.pdf |archivedate=2016-01-09 }}</ref>。
現在は、最高速度300 km/h以上で運行する区間を含み
===== 「はやて」 =====
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====== 「つばさ」 ======
[[ファイル:E3 L64-E2 Coupling in omiya 20140517.jpg|thumb|right|福島駅で接続する山形新幹線に直通するE3系「つばさ」]]
「'''[[つばさ (列車)|つばさ]]'''」は、山形新幹線直通(東京駅 - 福島駅間は「やまびこ」に併結。定期列車の121・160号と、臨時列車の一部は全区間単独運転)。使用車両は[[新幹線E3系電車|E3系]](1000・2000番台)、東北新幹線内の最高速度は275 km/h。{{-}}
====== 「こまち」 ======
[[ファイル:E6-E5-Coupling in omiya 20130320.jpg|thumb|right|盛岡駅で接続する秋田新幹線に直通するE6系「こまち」]]
「'''[[こまち (列車)|こまち]]'''」は、秋田新幹線直通(東京駅 - 盛岡駅間は「はやぶさ」に併結)。'''全車指定席'''。使用車両は[[新幹線E6系電車|E6系]]、東北新幹線内の最高速度は320 km/h。
E6系を使う列車は営業運転開始当初「'''スーパーこまち'''」を名乗っていた。これは、秋田新幹線車両のE3系からE6系への置き換えが完了するまでの約1年間、両者の区別をするための過渡的なものであり、最高速度は300 km/hとなっていた。2014年3月15日のダイヤ改正でE6系への置き換えが完了した後は「こまち」へ統一され、最高速度も320 km/hに引き上げられた。{{-}}
==== 廃止された愛称 ====
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** 0番台 - R編成、6両編成。新在直通対応。「やまびこ」・「なすの」(増結用)で使用。以前は秋田新幹線「こまち」と「はやて」(増結用)にも使用されていた。
** 1000番台・2000番台 - L編成、7両編成。新在直通対応。山形新幹線「つばさ」と「なすの」(増結用)で使用。
* [[新幹線E5系・H5系電車|E5系]] - U編成、10両編成{{Sfn|遠藤知幸|田中修司|齋藤裕之|2011|p=35869}}。
* [[新幹線E6系電車|E6系]] - Z編成、7両編成{{Sfn|世古将之|2013|p=37419}}。新在直通対応。秋田新幹線「こまち」と「はやぶさ」・「やまびこ」・「なすの」(増結用)で使用。
* [[新幹線E5系・H5系電車|H5系]] - H編成、10両編成(JR北海道保有)。[[北海道新幹線]]用の車両としてE5系をベースに製造され、東北新幹線にも直通する。一部の「はやぶさ」・「やまびこ」(東京駅 → 仙台駅間)で使用{{Sfn|竹鼻匡|2015|p=39487}}。
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==== 導入予定車両 ====
* [[新幹線E8系電車|E8系]] - 7両編成。新在直通対応。山形新幹線直通用の新型車両として2024年春より営業運転開始予定<ref name="jreast20200303" group="報道">{{Cite press release |title= 山形新幹線をより便利に快適にします |publisher=東日本旅客鉄道 |date=2020-03-03 |url=https://www.jreast.co.jp/press/2019/20200303_ho01.pdf |format=PDF |accessdate=2020-03-05}}</ref>。
=== 過去の車両 ===
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* [[新幹線E954形電車|E954形]] (FASTECH 360S)
* [[新幹線E955形電車|E955形]] (FASTECH 360Z) - 新在直通対応
== 運賃と特急料金 ==
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認可時点での完成目標は1976年(昭和51年)度であったが、[[オイルショック]]後の経済悪化や国鉄の経営悪化などにより、1977年(昭和52年)には完成目標が1980年(昭和55年)度に、1981年(昭和56年)には完成目標が1986年(昭和61年)度に繰り下げられた{{Sfn|半谷哲夫|1982|p=14345}}。1978年(昭和53年)6月から1980年(昭和55年)6月にかけては「新幹線総合試験線」として、既に完成した鷲宮 - 石橋間約42.8 kmを使用した走行距離約68,000 kmにおよぶ試験走行が行われ、騒音・振動対策をはじめ約200項目の技術開発試験が行われた{{Sfn|高山昭|1982|p=21}}。
また、東北新幹線の雪対策設備を実車走行により確認するため、「雪対策試験線」として1979年(昭和54年)冬季に仙台 - 北上間約115 km、1980年(昭和55年)冬季に仙台 - 盛岡間約170 kmにおいて、耐寒・耐雪対応車両として開発された200系および925形を使用して、走行距離約56,400 kmにおよぶ試験走行を行った{{Sfn|高山昭|1982|p=22}}。同年12月には東北・上越両新幹線の開業を1982年(昭和57年)春とし、仮の始終着駅を大宮駅とすること
[[1982年]](昭和57年)6月23日に大宮駅 - 盛岡駅間が暫定開業した{{Sfn|藤田昌宏|1985|p=6}}。上野駅 - 大宮駅間には[[新幹線リレー号]]が運行された。
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==== 東北・上越新幹線反対運動と大宮以南の開業遅延 ====
[[file:Tohoku shinkansen ouji.jpg|thumb|225px|上野駅 - 大宮駅間を走行する列車<br>([[王子駅]]付近)]]
東北・上越新幹線の建設が開始された1970年代前半は、[[名古屋新幹線訴訟]]をはじめ、先に開業していた東海道・山陽新幹線の騒音問題が社会問題化した時期にあたる。このような中で建設が開始された東北・上越新幹線の沿線では、東北地方を含めた各地で騒音を懸念しての反対運動が展開された。当初の工事実施計画では地下方式(南埼玉トンネル)での建設が予定されていた荒川北岸 - 大宮駅南側の区間は、軟弱な地質により地盤沈下が懸念されたため、高架方式に変更するとともに、通勤新線(現在の[[埼京線]])を併設するなど計画の変更がなされた{{Sfn|藤田昌宏|1985|p=3}}。そのため、特に都市化の進展しつつあった東京都[[北区 (東京都)|北区]]、埼玉県[[戸田市]]・[[浦和市]]・[[与野市]]での反対運動は、激化・長期化することとなった(特にトンネルで真下を通過することになった[[星美学園中学校・高等学校|星美学園]]はそのシンボルとなった)。工事用地内への居座り・デモ行進・地元説明会打切りなどの妨害行為がなされ、開業時期の遅れや事業費の肥大化の大きな原因となった。詳細は「[[東北・上越新幹線反対運動]]」
また、住宅密集地を極力避けるため、大宮以南のルートでは曲線半径600 mから2,000 mの急カーブが連続し、線形上の制約により最高速度は110 km/hとなった{{Sfn|藤田昌宏|1985|p=8}}{{Sfn|交通協力会|2015|p=312}}。このような理由により、東京駅 - 大宮駅間は新幹線でも約25分(上野通過の列車は約23分)かかり、並行する在来線の所要時間と大差がない。この区間では最高速度引き上げに向けた工事が行われている。詳細は[[#今後の見通し]]を参照。
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都心部を通過するルートであり用地買収を極力抑えるため、上野 - 東京間のルートは複雑になっている。東京駅では、第6ホームを東北新幹線に転用し、将来的に東海道新幹線と直通運転可能な構造とした{{Sfn|中井雅彦|三浦鉄光|進藤憲二|1991|p=20013}}。東京駅を出て、呉服橋から竜閑橋の間は[[東京都道407号丸の内室町線|都道407号線]]([[江戸通り]])の中央分離帯に橋脚を設置し、道路の上空半分に高架橋を建設、[[神田駅 (東京都)|神田駅]]付近では在来線高架橋を取り壊したうえで新幹線高架橋を建設した{{Sfn|中井雅彦|三浦鉄光|進藤憲二|1991|p=20014}}。この高架橋は新幹線高架橋の上に在来線高架橋を継ぎ足す重層化を考慮した設計がされており {{Sfn|山田正人|藤原寅士良|竹市八重子|2015|p=56}}、在来線部分は2015年3月に[[上野東京ライン]]として開業している{{Sfn|山田正人|藤原寅士良|竹市八重子|2015|p=60}}。[[秋葉原駅]]付近からは25‰勾配で下り、地下の上野駅へ向かうが、この区間にある[[第1上野トンネル]]では[[1990年]](平成2年)1月にシールド工法区間(御徒町トンネル)の建設中に陥没事故が発生している{{Sfn|中井雅彦|三浦鉄光|進藤憲二|1991|p=20016}}。
[[1991年]](平成3年)6月20日に東京駅 - 上野駅間が開業した{{Sfn|石田義雄|1994|p=22757}}。東北・上越新幹線で東京駅へ向かう場合の在来線乗り換えが不要となったことにより、所要時間は東京駅 - 仙台駅間で
=== 直通運転の増加と275 km/h化 ===
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東北・上越新幹線では、東海道・山陽新幹線と同様の「[[新幹線運行管理システム]]」(COMTRAC)などの運行管理システムをが用いられていたが、システムの陳腐化や北陸新幹線の開業など運行形態の複雑化を見据えて、新たなシステムとして「[[新幹線総合システム]]」(COSMOS)を1995年11月に導入した{{Sfn|大槻幸吉|江田和孝|内村年秀|岡崎澄之|1997|p=26}}。また、1995年から1997年10月1日の北陸新幹線開業時のダイヤ改正に至るまで、運行体系の見直しによるダイヤ改正が行われた。東北新幹線では開業以来、速達タイプ「やまびこ」と各駅停車タイプ「あおば」という列車愛称であった。しかし、「あおば」に比べて「やまびこ」の乗車率が高く、仙台や盛岡などの長距離利用客が指定席を取りづらくなっていることや、東京 - 宇都宮間などの近距離需要の増大に伴い、運行体系の見直しが行われた。1995年12月のダイヤ改正では、運行区間を基本とした列車愛称に変更され、近距離需要向けに東京 - 那須塩原間に「なすの」を新設し、遠距離需要を主とする「やまびこ」の停車駅を削減した{{Sfn|井上進|1997|p=24998}}。
1992年(平成4年)3月から[[田沢湖線]] [[盛岡駅]] - [[大曲駅 (秋田県)|大曲駅]]間においても同様の改軌工事が、奥羽本線 大曲駅 - [[秋田駅]]間においては狭軌と標準軌の単線並列化工事が行われ、[[1997年]](平成9年)3月22日に秋田新幹線「こまち」として東北新幹線との直通運転を開始した{{Sfn|原山清己|1997|p=24540}}。新たな新在直通対応車両として、在来線区間で最高速度130 km/h、新幹線区間において最高速度275 km/hで走行可能な[[新幹線E3系電車|E3系]]が導入された。秋田新幹線開業に合わせて「こまち」と併結する「やまびこ」のうち最速タイプの3往復
=== 盛岡 - 新青森間の建設・開業 ===
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==== 全区間フル規格化 ====
東北新幹線盛岡以北の工事は、フル規格とミニ新幹線が混在する形で着工されたが、1988年(昭和63年)の政府・与党申合せにおいては「従来の整備新幹線の整備計画はすべて維持されることを前提として、これをその第1歩と位置づける。また、今後、経済社会情勢の変化等を考慮して、5年後に見直すこととする。」との文言が盛り込まれていたため、全線フル規格整備を求める運動が続いた。[[1994年]](平成6年)2月に[[細川内閣]]における連立与党申合せおよび三大臣([[大蔵省|大蔵]]・[[運輸省|運輸]]・[[自治省|自治]])申合せとして見直し案が示され「新たな財源を見出すことを前提として、平成9年以降新しい基本スキームを検討し、その成案を得ることとする。」としていたが、同年6月に[[村山内閣]]が発足し、[[亀井静香|亀井]]運輸大臣が前述の申合せの撤回を表明した{{Sfn|青森県企画政策部|2010|p=113}}。これを受けて9月に連立与党整備新幹線検討員会が発足し、議論が行われた結果、12月の連立与党および関係大臣申合せにより、盛岡 - 八戸間を標準軌新線(フル規格)に変更し、八戸 - 青森間の暫定整備計画(ミニ新幹線化)は取り下げることが決定された{{Sfn|鉄道建設・運輸施設整備支援機構|2008|p=4}}。前述の合意を踏まえて、[[1995年]](平成7年)4月に盛岡 - 沼宮内間の工事実施計画が認可され、盛岡 - 八戸間の全区間がフル規格で建設され
[[1996年]](平成8年)1月に[[橋本内閣]]が発足すると、連立与党整備新幹線検討委員会が再開され、9月まで議論が行われた。この中では、スーパー特急案、フリーゲージトレイン案なども新たに提案されたが、最終的に、12月25日の「整備新幹線の取扱いについて 政府与党合意」において、東北新幹線の新規着工区間として八戸 - 新青森(石江)間の標準軌新線(フル規格)が示された{{Sfn|青森県企画政策部|2010|p=114}}。平成8年の合意に基づいて、[[1998年]](平成10年)1月に「政府・与党整備新幹線検討委員会における検討結果」が公表され、従来の整備新幹線計画が維持されていることを確認したうえで新規着工区間の優先順位が示され(1)東北新幹線 八戸 - 新青森間、九州新幹線(鹿児島ルート)船小屋 - 新八代間、(2)北陸新幹線 長野 - 上越間とされた<ref group="報道" name="motnet19980125">{{Cite press release |url=http://www.motnet.go.jp/KOHO98/SEIBISEN_.htm |title=政府・与党整備新幹線検討委員会における検討結果 |publisher=[[運輸省]] |date=1998-01-21 |accessdate=2018-05-01 |archiveurl=https://web.archive.org/web/19980125090147/http://www.motnet.go.jp/KOHO98/SEIBISEN_.htm |archivedate=1998-01-25 }}</ref>。同年3月に八戸 - 新青森間の工事実施計画が追加認可され、新青森駅で起工式が行われた{{Sfn|青森県企画政策部|2010|p=115}}。
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